いろいろ書いて来て、なんだかんだと言っても、やはり楽器は個人の好みですから、弦の選択にしろかなりの幅があると思います。
しかし私の今考えている健全に楽器を鳴らすということを基準にして、二胡の素材の持っている良さを引きだすには、この組み合わせが良いのかもしれないという事をまとめておきます。
しかしその前に、中国で生産された弦の商品としての問題もあります。
同じメーカーの同じ弦を買っても、かなり感じが変わってしまうということもあります。
これは中国の国そのものの問題でもあるのです。
鉄の生産そのものが安定していないという事なのです。
と言いうか、国家的な事業には、鉄鉱石から作った新鉄を使います。
これは殆どむらなく一定の性質を持ちます。
建築や鉄道など一定の性質でないと構造として持ちませんから。
その他の住宅やその周辺の鉄の製品と言うのは、これはスクラップを溶かし込んで、まあ大体の一定だろうなと言う鉄素材から作られます。
これは日本も同じですが、これらのスクラップを使うにしても日本の鉄の性質と言うのの安定度は世界的に評価されています。
そこへ行くと二胡の弦などはまあ、国家的な事業ではないですし多少性質が違っても誰も文句は言いませんから、同じメーカーの同じ名前の製品でも違いは出てきます。
しかしここで言っておくと、中国では紀元前500年には、鉄鋼石からちゃんと今の製品と変わらない鉄を作り上げたのです。
火薬も紙も、羅針盤も、またパスタも、最初は中国だったと言われます、天然ガスの有効利用もそうですね。
ところがそれ以後発展しなくなるのです。
それが2000年たってその物つくりの、精神が何処かへ行ってしまったのかもしれません。
ともあれ!
中国で弦の生産に使われる鉄自体の精度が安定しないのですから、弦メーカーがいくら頑張っても安定したものは出来ません。
さて、話を元に戻します。
まず初心者の方が良く使われる、花梨の楽器、あるいは花梨んと銘打っていなくとも、黒く塗装された楽器には、
かなり硬めの、たぶん一番金額の安いクラスの弦がむしろ良いように思えます。
硬い弦ですから金属疲労も起こしやすく良い状態を保つには毎日弾く弾く人なら半年ぐらいが、よいのかもしれません。
次に老紅木、これはランクが様々あります、初心者レベルから少し上がって、購入する位の、10万円台の物(ほとんどが、アフリカのパドークか、マダガスカルローズウッド、が多いです)
これも、花梨に使うのと同じくらいの弦の方が合うと思います。
それからプロが使うような、20万円から30万円くらいの明清老紅木、これはかなり材料も重くなります。
意外と多い材料が、東南アジアのパドーク、それと昔は紫檀と言われていた、インドの花梨なども含まれ、稀にはインドローズなども混ざっていたりもします。
これらは比重についても0,85から0,9あります。かなり黒檀などに近い重さですが、道管も多くあり良くなる素材が多いです。
やはりこのくらいになると、相当高級なドイツ製の弦などもあいます。
むしろこのレベルにこれらの有名ブランドは合うのかもしれません。
そして、黒檀(気乾比重9,5から1)、黒檀と言っても本物の真黒と言うのはほぼ無いと思っていただいても良いと思います。
稀に棹だけ真黒の場合もありますが、いままでに数台きり見たことがありません。
普通は黒檀と言っても縞黒檀、あるいはカリマンタンエボニー多いです。
このカリマンタンエボニーは黒檀の中では比較的やわらかく、多少茶色がかった色をしています。
でも質としては黒檀ですから、道管も少なくパンとなる楽器にはならないでしょう。
この黒檀は、もう、それこそ健全に雑音が出ないならどんな弦を使ってもそれなりの音にはなります。
理由は、道管が極めて少ないですから、材料の持つ力が大きく、弦によって音色が変わるという事がかなり少ないようです
とても硬めの弦を張っても良いですし有名ブランドの弦でも弦による音の大きさの変化が少ないですし、比較的8角形以外は雑音が出にくいです。
勿論弦二より響き方が違いますから、それこそみなさんの好みで行けると思います。
難しいのは紫檀でしょう。
紫檀(気乾比重9,5から1,15)のなかでもインドの小葉紫檀は、とても道管が少なく、黒檀などにも近い要素を持っていますが、木自体は黒檀などよりずーと柔らかく、むしろ中程度度の硬さの弦の方が合うように感じます。
有名ブランドのも試しては見ましたが、音の鳴りは大きくなるのですが弦が柔らかすぎて音の輪郭がぼやけてしまいます。
私はこれには「龍」がお薦めです。
また紫檀の中でも血檀、鶏血紫檀、あるいは血紫檀と呼ばれる、オーストラリアやインドネシアに移植された、小葉紫檀ですが、ソノケリンと呼ばれる木があります。
意外とこの木にも、有名ブランドの物位に柔らかい弦は合うようです。
また、最近増えてきた、アフリカ紫檀、かなりオレンジ色に近い紫檀です。
これは上のソノケリンぐらいですからまあ、柔らかい弦をつかっても良いのですが。
最近どうもRさんと言う有名な二胡の製作家が作る二胡は、日本向けなのかとても直ぐなりやすくしているためなのかわわかりませんが、
皮がすごく薄いです、しっかりしたアフリカ紫檀ですから、薄い皮を張って鳴らすように、見ため蘇州系なのですが北京系のように木が薄い物が多いです。
これをとやかくは言いませんが、この楽器にはむしろ8角形と同じように硬めの弦の方が良いかと考えます。
このように弦の選択というのは胴の木の性格と皮の成長に合わせていくことが一応の基準となります。
今までは何となく楽器屋さんも先生方も、こんな感じではないか、あるいはいろいろ試してみて、これが良いというだけでした。
弦の選択というのは楽器自体の鳴りにかかわってきます、これは調整のひとつということも出来ます。
ですから、楽器がどんな楽器で会おうと、教室ではみなこの弦を使うと指定されるような教室と言うのも東京ではチラホラ見受けられます。
このことも皆さんが楽器の不調というのに悩まされる原因に、なるのですが先生にはそこまでは解らないでしょう。
たぶん後、20年ぐらいして日本人の、それも二胡は中国の楽器と言う風に思っていない演奏家たちが出て来る時代になって初めて、
楽器屋が、楽器の調整というのが、日本人の二胡愛好家に理解されるのかもしれません。
今しばらくは、二胡の植民地政策と言うのは続きますね、大きな声では言えませんが、福音弓の販売も相当脅威を与えているみたいで、彼方此方で福音弓の販売に関して妨害が出て来ています。ですので今後の販売は、光舜堂と二胡姫さんだけに限られます。
まあ、私はデザインの仕事でも20年早かったとよく言われてきています。(最近その為かデザインの仕事が増えて来ているのです、なんとまあ、でも二胡のデザインも最近はずい分褒められるようになってきたようです、、、)
二胡も同じかもしれません頑張ってあと20年は生きないといけませんかね。
ともあれ、調整というのはこのように楽器そのものの性格をとらえ、それを健全に鳴らすための作業なのです。
こんな感じが私の調整の技術の基本になっています。
しかし私の今考えている健全に楽器を鳴らすということを基準にして、二胡の素材の持っている良さを引きだすには、この組み合わせが良いのかもしれないという事をまとめておきます。
しかしその前に、中国で生産された弦の商品としての問題もあります。
同じメーカーの同じ弦を買っても、かなり感じが変わってしまうということもあります。
これは中国の国そのものの問題でもあるのです。
鉄の生産そのものが安定していないという事なのです。
と言いうか、国家的な事業には、鉄鉱石から作った新鉄を使います。
これは殆どむらなく一定の性質を持ちます。
建築や鉄道など一定の性質でないと構造として持ちませんから。
その他の住宅やその周辺の鉄の製品と言うのは、これはスクラップを溶かし込んで、まあ大体の一定だろうなと言う鉄素材から作られます。
これは日本も同じですが、これらのスクラップを使うにしても日本の鉄の性質と言うのの安定度は世界的に評価されています。
そこへ行くと二胡の弦などはまあ、国家的な事業ではないですし多少性質が違っても誰も文句は言いませんから、同じメーカーの同じ名前の製品でも違いは出てきます。
しかしここで言っておくと、中国では紀元前500年には、鉄鋼石からちゃんと今の製品と変わらない鉄を作り上げたのです。
火薬も紙も、羅針盤も、またパスタも、最初は中国だったと言われます、天然ガスの有効利用もそうですね。
ところがそれ以後発展しなくなるのです。
それが2000年たってその物つくりの、精神が何処かへ行ってしまったのかもしれません。
ともあれ!
中国で弦の生産に使われる鉄自体の精度が安定しないのですから、弦メーカーがいくら頑張っても安定したものは出来ません。
さて、話を元に戻します。
まず初心者の方が良く使われる、花梨の楽器、あるいは花梨んと銘打っていなくとも、黒く塗装された楽器には、
かなり硬めの、たぶん一番金額の安いクラスの弦がむしろ良いように思えます。
硬い弦ですから金属疲労も起こしやすく良い状態を保つには毎日弾く弾く人なら半年ぐらいが、よいのかもしれません。
次に老紅木、これはランクが様々あります、初心者レベルから少し上がって、購入する位の、10万円台の物(ほとんどが、アフリカのパドークか、マダガスカルローズウッド、が多いです)
これも、花梨に使うのと同じくらいの弦の方が合うと思います。
それからプロが使うような、20万円から30万円くらいの明清老紅木、これはかなり材料も重くなります。
意外と多い材料が、東南アジアのパドーク、それと昔は紫檀と言われていた、インドの花梨なども含まれ、稀にはインドローズなども混ざっていたりもします。
これらは比重についても0,85から0,9あります。かなり黒檀などに近い重さですが、道管も多くあり良くなる素材が多いです。
やはりこのくらいになると、相当高級なドイツ製の弦などもあいます。
むしろこのレベルにこれらの有名ブランドは合うのかもしれません。
そして、黒檀(気乾比重9,5から1)、黒檀と言っても本物の真黒と言うのはほぼ無いと思っていただいても良いと思います。
稀に棹だけ真黒の場合もありますが、いままでに数台きり見たことがありません。
普通は黒檀と言っても縞黒檀、あるいはカリマンタンエボニー多いです。
このカリマンタンエボニーは黒檀の中では比較的やわらかく、多少茶色がかった色をしています。
でも質としては黒檀ですから、道管も少なくパンとなる楽器にはならないでしょう。
この黒檀は、もう、それこそ健全に雑音が出ないならどんな弦を使ってもそれなりの音にはなります。
理由は、道管が極めて少ないですから、材料の持つ力が大きく、弦によって音色が変わるという事がかなり少ないようです
とても硬めの弦を張っても良いですし有名ブランドの弦でも弦による音の大きさの変化が少ないですし、比較的8角形以外は雑音が出にくいです。
勿論弦二より響き方が違いますから、それこそみなさんの好みで行けると思います。
難しいのは紫檀でしょう。
紫檀(気乾比重9,5から1,15)のなかでもインドの小葉紫檀は、とても道管が少なく、黒檀などにも近い要素を持っていますが、木自体は黒檀などよりずーと柔らかく、むしろ中程度度の硬さの弦の方が合うように感じます。
有名ブランドのも試しては見ましたが、音の鳴りは大きくなるのですが弦が柔らかすぎて音の輪郭がぼやけてしまいます。
私はこれには「龍」がお薦めです。
また紫檀の中でも血檀、鶏血紫檀、あるいは血紫檀と呼ばれる、オーストラリアやインドネシアに移植された、小葉紫檀ですが、ソノケリンと呼ばれる木があります。
意外とこの木にも、有名ブランドの物位に柔らかい弦は合うようです。
また、最近増えてきた、アフリカ紫檀、かなりオレンジ色に近い紫檀です。
これは上のソノケリンぐらいですからまあ、柔らかい弦をつかっても良いのですが。
最近どうもRさんと言う有名な二胡の製作家が作る二胡は、日本向けなのかとても直ぐなりやすくしているためなのかわわかりませんが、
皮がすごく薄いです、しっかりしたアフリカ紫檀ですから、薄い皮を張って鳴らすように、見ため蘇州系なのですが北京系のように木が薄い物が多いです。
これをとやかくは言いませんが、この楽器にはむしろ8角形と同じように硬めの弦の方が良いかと考えます。
このように弦の選択というのは胴の木の性格と皮の成長に合わせていくことが一応の基準となります。
今までは何となく楽器屋さんも先生方も、こんな感じではないか、あるいはいろいろ試してみて、これが良いというだけでした。
弦の選択というのは楽器自体の鳴りにかかわってきます、これは調整のひとつということも出来ます。
ですから、楽器がどんな楽器で会おうと、教室ではみなこの弦を使うと指定されるような教室と言うのも東京ではチラホラ見受けられます。
このことも皆さんが楽器の不調というのに悩まされる原因に、なるのですが先生にはそこまでは解らないでしょう。
たぶん後、20年ぐらいして日本人の、それも二胡は中国の楽器と言う風に思っていない演奏家たちが出て来る時代になって初めて、
楽器屋が、楽器の調整というのが、日本人の二胡愛好家に理解されるのかもしれません。
今しばらくは、二胡の植民地政策と言うのは続きますね、大きな声では言えませんが、福音弓の販売も相当脅威を与えているみたいで、彼方此方で福音弓の販売に関して妨害が出て来ています。ですので今後の販売は、光舜堂と二胡姫さんだけに限られます。
まあ、私はデザインの仕事でも20年早かったとよく言われてきています。(最近その為かデザインの仕事が増えて来ているのです、なんとまあ、でも二胡のデザインも最近はずい分褒められるようになってきたようです、、、)
二胡も同じかもしれません頑張ってあと20年は生きないといけませんかね。
ともあれ、調整というのはこのように楽器そのものの性格をとらえ、それを健全に鳴らすための作業なのです。
こんな感じが私の調整の技術の基本になっています。