二胡の胴割れ、ヴァイオリンでいえば、表板が剥がれた!などというのは普通にあります。
二胡にはまだ完全に修理できるところが日本には少ないです。
福岡のレッドブリッジさん(高崎さん)と光舜堂くらいでしょう。
勿論販売店は各社修理とは歌っています。
しかしその中の何軒かは光舜堂へ送ってきています。
胴割れは、実際には音に影響します。
直し方次第ですね。
むしろ、ヴァイオリンの表板が剥がれたのを直す方が簡単かもしれません。
ヴァイオリンはそのように直して直して使うという風に大本からして作られているからです。
表板の接着されている部分というのはこの端の3ミリの幅なのです。
表板区は約200ミリの幅があって、接着面はこの3ミリです。
二胡の場合、胴の板は約厚みが6ミリくらいあります。この大きさなら十分と思える接着面を持っていますが、残念ながら、接着する木自体がかなり油分を含んだもので、十分にその接着面を脱脂していないと、あとからこの画像のように油分で接着剤が浮いてきてしまいます。
また、その油分の十分ない木は良い音にはなり切れません。
木でできた楽器は直して直して使っていくものですし、作る事と、修理するこおとは楽器を鳴らすという点で同じくらいの力を持っています。
ですから、約10万人くらいの日本のヴァイオリン弾きさんに対して、おおよそ200名くらいの楽器つくりさんがいます。
二胡は、おおよそ4万人くらいの演奏者に対して、きちんと直せる人が、2,3人。
その上、教室?と言うか、楽器屋さんも兼ねている教室では、このように割れてしまったら、買い替えを進めるのです。
「直しても同じ音にはならないから」だから新しい楽器を買え!
???
こんなバカな話はないとは生徒さんは思わないのでしょうね、買い替えたらそれこそ全く違う楽器でしょう。
最近どうやら光舜堂の皮の張りかえが信用されてきたようで、大変ありがたいです。でも、この皮の張り替えでも同じようにいう先生がいる、皮を張り替えたら、同じような音にならないから他の楽器を買え。
まあ、言っても仕方ないですね。
兎に角、楽器販売が主力の教室も多いですから。
でも、そんな考えは何時まで持つのでしょうか??
二胡愛好家も徐々にお年を召してきて、今や60代70代が主力です。
その上、100万だ200万だという楽器が横行しています。
若い人たちが折角音楽を目指したとしても、これでは買いにくいですね。
確かに、10万以内の楽器もあります。
先日もネットで3000円で購入したという楽器が来ました。
何とか鳴るようにしましたが、お腹の大きな鱗がつかわれていて、せいぜい2、年くらいでしょうね。
たぶん皆さんも、2台3台、あるいは5台6台とお持ちの方も多いと思います。
私も8台研究用にと持っています。
これを、皮の張りかえ費用ぐらいの金額で発売しようかと考えています。
次世代の方の為に。
あるいはもしかしたら、調整なんかしなくとも私の二胡は良くなっている!落ちう方も。
しかし、何時かは絶対二胡は壊れるものですし、皮は伸びるものなのです。
その時どうしますか?
これは先生方にもお願いですが、二胡はそういうものだと、生徒さんに伝えてほしいのです。
ヴァイオリンの世界でも先生が楽器屋さんと提携して楽器の販売するということはあると思うのです。
しかし、壊れたからと買い替えろという方は少ないのでは?
なにしろご自身の楽器でさえ何回かは修理に出してきているでしょうから。
少なくともペグ削りあるいは指板の削りや交換、あるいは表板の剥がれや割れ、テールピンの付け直しや駒の交換など5年くらいでしょう。
日本に10万人ぐらいのヴァイオリン弾きの方がいて、作る人修理する人が、200人くらいもいるようです。
かのストラデバリも他人の作ったヴァイオリンを修理をやっています。それもかなり気軽にやっているようなのです。
直すのが当たりまえと思っていたのでしょうね。
その上ヴァイオリン制作学校もあり年々次世代の修理屋さんを養成しているのです。
二胡は?
とにかく木でできた楽器はいつかはこわれます。
皮は伸びます。
それを直して直して弾いていくからこそ良い音になっていくのだと思います。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ