二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

光舜堂(自分)の役割というのを考えています。

2012-10-27 12:13:22 | ■工房便り 総合 
光舜堂の役割は、すなわち西野和宏の役割は、すべての二胡を健全に鳴らすということだと思います。

これは楽器製作に携わる人間全てが、同じことを考えていると思います。

自分の作った楽器だけでなく、誰の作った物であろうと不調で自分のところに来たら、最大限良く鳴らしてやろうとするのが、楽器作りです。

調整にしろ、修理にしろそれは自分で作ったものだけでは無いのです。

その事こそ、今まで二胡の業界に無かった事と考え始めたのが光舜堂です。

もちろん私も楽器作りですから、自分の作った物は大切です。

売れれば良いなということも思います。

しかし同じ売れるにせよ、単に欲しいからというより、ご来店頂いて、弾いてみてこれは相性が良い気に行ったと思っていただいてからの販売にしたいのです。

なにも私は自分の作った物がすべてであるとは言いませんし、考えてもいません。

多分、皆さんの思う以上に、沢山の二胡を弾いていますから、その中にはとんでもなく良い物が有るのは知っています。

それらは当然高額です、中には40万50万70万などというのは沢山有りました。

でもそれらは、金額を感じさせないほどに魅力のあるものでした。

ああ、これくらいは仕方が無いなという感じです。

皆さんも、何か買いに行って、これは良いなというものに出会った時に、やっぱりこれくらいはするよね、ということに何度も出会っていると思います。

それは置いて置いても、とにかく楽器というのは、出会いなのだと思います。

それと調整ですね、調整いかんでは相当良い物もいくらでも酷い音になってしまうこともあるのです。

皆さんが、光舜堂にいらしてこの胡が、、、と心配そうなお顔で私に二胡を見せて頂いて、

調整して、ね、こんなに良くなる楽器なのですよと、お渡しして喜ぶお顔を拝見した時には、本当に嬉しい物です。

もちろん私の作った二胡を弾いていただいて、良いですねと、褒められた時には、舞い上がります。

今までに私の気に入っているプロの演奏者が、私の気にいっている楽器を弾いてくれて、これ欲しいと言われた時には、本当にこの為に人生あったのだと舞い上がります。

反対に、久しぶりに私の作った古い楽器をもってここられて、御自分でなさった調整で随分鳴りが悪くなっているのを弾くとガッカリします。

というのは、最初の2,3年は皮がどんどん変化しますから、それに合わせた調整をしていきたいのです。

その為の会員制なのです、その為の無料調整なのです。

4,5年して皮が落ち着いてきたら、それほどの調整はいりません。

中には、御自分で調整してどうしようもない音にしてしまう方もいるのです。

それでいてこの二胡は鳴らないと平気で言ってしまう方もいらっしゃいます。

よくないと人の二胡の事を、或いは御自分の二胡の事を悪く言う前に、出来るのでしたら一度光舜堂に持っていらして下さい。

遠い方もいらっしゃるでしょうが、出来たら時々は調整につれてきてあげて下さい。

二胡やるぞーというブログを書いておられる、内田さん考案のウチダ駒の威力も試してみて下さい。

私もまだ二胡作りとしては駆け出しです(それが判る程度の技術力は持っているのです)、その胡によっては、皮の歪むこともあると思います。でもそれはちゃんと直させて欲しいのです。(例え名人と言われた人の二胡でも直すことが有るのだと劉先生も言っています)

うちは、どういうわけか大変長命な家系で90才台は普通に仕事して来ています。

後、25年はありますし、跡継ぎたちには、修理と皮張教え始めています。

うちの連中は物を作る英才教育を施していますから。

でも後25年という考えも有ります。

この人生最後が見えている時に私は、自分の生活をすべて二胡に使おうと思っています。

それ以外は考えていないのです。

どう言う批判をされようとも、それは変わらないですし、年に一人だけのお客様になったとしても光舜堂は続けます。

そうなったとしたら悪いのは自分ですから、何処かでそれまでに犯した過ちが有るとしたらば、ちゃんと修正しますし、うちには ほぉさんという最大の批判者がいますから(凄いですよ、何時でもけんかになります)、そうはならないとは思いますが、もし皆さんが何かの批判をお持ちのようならば言っていただけるのはとても幸いです。

今までたくさん書いて来ましたように楽器は変化します、季節によっても経年変化によってもです。

それらすべての二胡を皮を張り替えるということを含んで、健全に鳴らすのが、光舜堂の役割と考えています。

最近では、沢山の二胡のプロの方が、私の二胡をも弾いてくれています。

中にはこれきり弾きたくないという方もいらっしゃいます。

そして、当然まだまだ批判もあるのです。

何年か前に作った二胡が鳴りが悪くなったと批判する方もおります。

ちゃんとした調整をされていない場合も有りますし、よい環境に無かった物も有ります。

批判するのは自由ですからそれは良いのです。その前に先ず私の処へお持ちの二胡を持って来て下さい、ちゃんと調整し直します。

また何らかのことで、西野個人に批判する人もいるかと思います。

それもどうぞ沢山やって下さい、中には光舜堂なんか無くなれば良いとい言う方もいらっしゃるのです。これも有りでしょう、人とはそういうものですね。

皆さん、様々な思いというものはあります。でもそう思うことでご自分の心の平和というのは無くして欲しくないですね。と爺の想いです。

光舜堂のHPには、西野二胡の金額を乗せていません。

これは敢えて載せていないのです。

楽器は出会いですから、弾いてみてもらってというのがまず先なのではないでしょうか。

その上で好きだ嫌いだこの音は良くない、これは大好き、これなら良い演奏できると色々有るとは思います。

弾いてみてからこれは好きではない、良くないと言って下さっても良いのです。

私としてはいま、全力で作っている物です、ご批判が有るのならばそれは教えて欲しいのです。

マニアックなWEBサイトや噂話などの様な批判などより、直接お会いしてこの方が好きとかもっとこう鳴らないのかとかいろいろ批判していただければ、(例えその時にはムっとしたとしても)次からそうできるように陰ながら頑張るのが私ですから。

次にお会いした時どうだ!!と言ってみたいじゃないですか。

今私の二胡作りは自分で考える限り、自分で、です、考える限りにおいては、これ以上は無いなというところまでは、かろうじて来たと思います。

ですからそれ以上になるには皆さんのご批判、或いはご要望(ジョージさんがかつて、もっとボリュームと叱咤されたように)言ってもらえらえれば、今の自分以上になれるくらいな素直さがあると思います。

他にとりえは無いけれど、素直さだけは天下一品だと褒められますから。

どうぞ、光舜堂に来てみて、調整をお試し頂いて、その上で西野二胡をも弾いて沢山ご批判下さい、おかげで私はもっと伸びると思います。

或いは回りまわって陰での悪口というのも大変歓迎なのです。闘争心の塊ですから、それにいちいちは答えませんが、

何時かはその人達も黙らざるを得ない位な二胡作りになれるように努力するからです。(ホントはかなりな怠け者なので)

今は自分の力より、皆さんのご希望、御批判がとても大切な時だと考えています。

よい二胡作りの為です。

劉先生などは凄いですよ、二人きりになると、ここが1ミリ、ここが良くない個々も、ここも、こんな皮使ってはダメ、(こちらは黙るっきりありません)。プロにはもっと良いのが有る、と言って持って来てくれました、感謝です。でも最後に、内弦がこれだけ出る二胡は中国には無いよ、      でも、もっとここは、、、です。

飴に鞭だそうです。(私に言わせると暴風雨です。)







Comments (6)    この記事についてブログを書く
« 二胡を作る。その8. | TOP | 馬頭琴四重奏チャリティコン... »
最新の画像もっと見る

6 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは (桜ネコ)
2012-10-28 20:03:20
二胡の調整とは、具体的にどのような事をするのでしょうか。

現在愛用している二胡は、購入して2年目なのですが、弦と駒を交換した以外は特に何もしていないです。

腕が悪い為でしょうが、外弦(空弦)の雑音が気になります。日々練習をしているのですが、一向に変化なしです。

光瞬堂さんが近場にあったなら、直ぐ様駆け込みたいところですが、幼子がいる為なかなか遠出ができず、残念な限りです;
返信する
桜ネコさん (nishino)
2012-10-29 15:17:36
調整というのは、簡単に言うと、弦の振動を駒を通して如何に皮に伝えるかの方法論です。
駒のどのくらいの強さで皮に押し付けるか、を決めるのが千斤の高さです。その強さは、糸の強さにもよりますし巻き数にも関係します。
駒の種類は木の持っている振動を拾い出して、革に伝えます。
ですから木の種類によって音が変わります。
皮の弾力(皮の伸び具合、強さ)に合わせて駒の高さを変えます。
弦の振動をすべて、効率よく駒を通して伝えるように駒の形を変えたのが、ウチダ駒です。

これらがバランス良く整った時に初めて二胡はそのなりの良さを健全に表します。
弦の種類と皮の強さも関係あります。
当然、弓の摩擦具合も調整の一部です。
雑音もこれらの調整の仕方によっては消すことが出来ます。
空弦の金属音の雑音は木軸が原因のことが多いです。
木軸がガタついている時です。
目次うを削るしかないんですが、できない時には千斤を普通より多く巻くと多少は収まります。
後は棹と動の接触部分の隙間の問題や、弦が胴に載っている物や、或いは千斤の高さが低過ぎた時にも、空弦の雑音になります。
良く男性陣はこれらを自分なりにやる人も多いですが、基本的な理論を知らないと、革の変化に対応はしにくい物です。一度光舜堂にいらして下さい。実際にやってみないとわかりにくいと思います。
返信する
ありがとうございます。 (桜ネコ)
2012-10-31 16:26:01
こんにちは。

調整について、詳しくお教え下さり有り難うございます。

何とも気の遠くなるような作業ですね…。何も分からない自分は、下手に触らない方がいいと言うことが良くわかりました。

駒を替えただけでも音、響きが変わりますが、駒だけでなく、千斤や皮、弦等様々な物が正しく関わり合ってはじめて美しい音色になるのですね。(後は弾き手の腕と)

楽器自体は、初心者の自分には勿体無い程の良い物なので、いつの日かお伺い出来ればと思っています。

有り難うございました。
返信する
桜ネコさん (nisino)
2012-11-01 09:20:38
いろいろ偉そうに書いてしまいましたが、もしかしたら調整の一番の方法は、ガンガン弾きまくるということかもしれません。多少雑音があれ、駒が何であれ、千斤の位置が何であれ、弾きまくれば良い音になって行くというのも基本です。沢山弾いてやって下さい。
返信する
追伸です。 (nishino)
2012-11-01 09:23:53
それと、音楽する気持ちですかね大事なのは、後は正確な音どり、音程外れると雑音も増えるのが二胡ですから。先ずは音程外さなければ、、、楽しく弾きましょう。
返信する
こんにちは。 (桜ネコ)
2012-11-01 13:38:44
お返事有り難うございます。

昨日、過去の記事を遡って読ませて頂いて、2年は弾き込みましょうとあり、自分はまだまだ弾き込みが足らないなぁと思っていたところでした。

ここ数ヵ月、毎日欠かさずとはいきませんが、頻繁に弾いている為か以前より音色が良くなったように感じます。

ですが、「練習」という感覚で、音楽として楽しめてはいなかったです。

もちろん練習は大事なのですが、何のために二胡を弾くのか、ということを見失っていたかもしれません。

以前、今の二胡を手にしたばかりの頃、私のような初心者の所に来て可哀想に…同じ二胡でも先生のようなプロの所に行けた子は幸せだなぁ。と思っていました。
弾いても弾いても雑音ばかりで嫌気がさしていた為、卑屈になっていたんだと思います。

しかし、ある日「絶対に諦めない。必ず弾けるようになりたい!」と二胡を握りしめ強く想いを込めました。そして構えた途端、

「琉靖」と頭の中で声が。

とても驚きましたが、咄嗟にこの子の名前だと思いました。
未熟な私を弾き手として認めてくれたのだと、本当に嬉しかったです。


すっかり長くなってしまいましたが、二胡と共に楽しみながら成長して行けたらと思います。
返信する

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | ■工房便り 総合