二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

阿炳礼賛は芥子の香り!

2015-04-29 09:49:05 | ■工房便り 総合 
音色は東風でしょう。

これは個人的な意見ではありますが、東風の音色と言うのは、これこそ二胡の音色。

遥かな、シルクロードから流れ込んでくる古き良き二胡の音色こそ、と思われる方は、東風を弾いてみてください。

不思議な事に、わりと伝統的な弾き方、

弓毛を掌の中にすっぽりとくるみ込んでしまう、そのことによって弓全体を安定させる弾き方の方にはとても好まれます。

流石に、ヴァイオリンの毛を使った西風は、クラシックやポップスなど弾くということでは、

音もクリアーになり、鳴りも強くなり弦を鳴らすのがなかなか思うようにいかないという初心者の方や、

中国製の独特の雑音ぽさを少しでも解消したいと思う方には向いています。

そして王永徳さんがはじめられたという、弓の弾き方、どちらかと言うと、竹の発条を利用して、

てこの原理で強めに弾き込むこことで弓を安定させるという弾き方をしている方には、

この西風は向いているとおもわれます。

今まではこの新旧二つの二胡の弾き方がありました。

先日いらした、M ちゃん先生、は見事にこの二の弾き方を弾き分けて見せてくれました。

阿炳礼賛は、弾き方の点で、新しい弾き方を実現するのではと考えています。

元々は、中胡弓(嵐風)を実験していて、まずは竹の質を硬い物にして、先端だけを発条上にすると手元の右手の力が先端まで綺麗に伝わるということ、

そして、毛の質の組み合わせで太い弦がとても良く鳴ると言うことを、見つけました。
(その間何度もお試しいただいたFB友達のTさんに感謝です。ありがたいですねどうなるかもわからないことにお付き合いいただきホント感謝しています。)

そんな中で見つけ出した毛の組み合わせと、本数が、この阿炳礼賛の弓毛です。(ほぉさんだからできることでしょうね、3種類の毛が平均になるように一本一本組み合わせ、数を数えて重さを統一していきます。)

そして、これは私が勝手に思っていることではありますが、二胡の弓も、ヴァイオリン等の弓のように、その重さを利用して

重さだけで弾いていくと言うことを教えてくれた、のが北川浩子先生です。

この弾きかたをするためには、今までの弓では実現しにくいのです。

稀にかなり硬く先端の重い弓があったとしてもそれは、今まで仕入れた竹或は弓500本の中に本の1,2本しかありませんでした。

これは自然のままでは実現しないだろうと、あえてそのバランスと先端の撓りというチェロ、やバイオリンの弓の弾力の再現です。

峠岡慎太郎君がこれほど弾き易い弓は無いと絶賛してくれたのと、

あるお客さんが、阿炳礼賛を弾いて、麻薬のようだという言葉に尽きるでしょう。

何故なら、全く力を入れずとも弓が勝手に音を作ってくれます。

演奏者は単に心で歌っていればその通りを実現していくのです。

こんな高い金額つけやがってと、おっしゃる方もいると思います。

確かに二胡姫さんの通販で見てみると27000円、今までのどんな高額の弓より高いでしょうね。(でも今の円安と中国のインフレによってたぶん2,3年後にはこの金額は追い抜かれてしまいます。その上弓毛の値上がりが半年ごとに来ています)

しかし、この弓を中国で作ったとして、販売価格は私の作った通り作ったとしたら、そしてその弾き易さを実現できたとしたら、倍くらいな値段になるでしょう。

弾き易い弓二胡を楽しんでもらえるような弓を作りたいし皆さんに広げたいという意味で、

回りの猛反対を押し切って、更に二胡姫さんの多大な協力を得て(ホントにもうからないものですみません)

西風東風だけは据え置きましたが、阿炳礼賛もそういう点では同じレベルなのです。

しかし光舜堂にいらした方は阿炳礼賛弾いてみるとみなさんお買い上げいただいています。

西風東風嵐風と来て二泉二胡用、というより万能の弓(中胡以外)と考えましたので、最初予定していた「華風」という名前から阿炳礼賛と言う名前に変えたのです。

いつの日にか、この、弓に任せるという弾き方が一般的になるとしたら、(今までの弾き方は、今まで使っていた自然のままの弓の竹でもなおかつ弾き易いように考えられた弾き方だと思うのです。西風東風はそれに合わせてあります。その弾き方でもさらに弾き易い物をと作っている物です)


非力な女性でも、二胡のステキな音色が実現できること、弓に任せるという弾き方が実現していくであろう弓

上級者は上級者でご自身の音楽性を更にレベルアップできる弾き方が出来る弓、

いつの日にか、この弓の形体が二胡のスタンダードになっていくと私は信じています。

それが、阿炳礼賛です。























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