二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

あなたの二胡は、ハズレ?

2015-12-10 09:57:37 | ■工房便り 総合 
昨日二胡は楽器としてハズレが少ないあるいはほとんどないという話をしました。

しかし全く無いわけではありません。

購入時に、それを見分ける方法を書きます。

まず、胴を見て下さい。

殆どの二胡の胴は、柾目に木がとってあります。要するに、真すぐなストライプなのですが、、、

が、このまっすぐなストライプがかなりはっきり見えている二胡は、

大きく分けて二つあります。

人工的に、木を乾燥した物、

そして木の乾燥が十分でない物。

普通、紫檀黒檀というのは人工乾燥をしませんし、またかの国では人工乾燥をするという習慣がありません。

ですからかの国で製作した家具類は日本に持ってくるとかなり狂ってきたり隙間が出来たりねじれたりするものが多いです。

まれにアメリカ材など人工乾燥をした材料で作っている場合は家具でもかなり良い物も在ります。

ただ紫檀黒檀は、人工乾燥していないと考えるとすると、

はっきり縞目の見えるものや、色がかなり派手に赤かったりするものは、十分な乾燥がしていない木であるといってよいと思います。

このことを販売者は判っていなければいけないはずですし、わかっていると思うのですが、、、、

理由は、木が十分に乾燥された時には木の表面は、内部の油が酸化して、真っ黒になるからです。

ですから、老紅木などとも言います。

皆さんお持ちの楽器も、紫檀なのに真っ黒な物も多いと思います。

花梨などでも、そこそこは茶色く成ります。

いうまでもなく乾燥の十分で無い木は縮んでいきます。

特に日本のエアコンの環境ではかなり急速に乾燥しますから、木は縮みます。

すると、皮はあっという間に緩みます。たいして弾いてもいないのに、もう高音も出なくなり、なんだか張りのある音が出ませんし、

怖いのはそれ以上は決して進化していかないことです。

いくら弾き込んでもです、

ですから胴の木が綺麗な紫であったり、赤であったり、緑であったりしたらこれはハズレれの公算がとても大きいです。

また、最近どういうわけか、最初から弾き込んだ良い音のする楽器もかなりあります。

これは購入時はうれしいですね。

なんだかとっても良い物を買った気がします。

ところがこの皮を触ってみると最初から柔らかいのです。

ですからこれも進化していきません、逆にどんどん張りがなくなってきます。
(因みにこのような楽器をもう私はこの3年で、10台近く、皮を張替えています)

しかし皆さんが弾くくらいな、一日1時間ぐらいでしたら、4,5年は持つかもしれません。

私の張替えた中にはあるプロの方が弾いていて1年で音が出なくなったものもあります。

まあ、弾く量が半端ではありませんから。

最初に音が硬くキンキンしていても二胡の場合は致し方ありません。

これは弾き込めばどんどん良い音になっていくという証拠でもあります。

むしろ良く皮が張れているとも言えます。

これら二つの状態さえ気を付ければ、調整で何とかなります。(ひどい場合は皮を張替えるきりありません。)

それから気を付けてほしい事の一つは、木軸の“がたつき”。

これは、ハズレではありません、木軸を持つ弦楽器の宿命でもあります。

木軸を持って上下に揺らすと揺れるものです。実はこれは、95%以上の楽器にあります。

販売している時には、チョークを詰め込んでありますから、一見止まっているようではあるのですが、

一度木軸を抜いてそれから動かしてみると、がたつきが出ます。

チョークをたっぷり入れることで、その揺れを止めているのです。

勿論私の作る楽器でも弾き込んでしばらくするとがたつきが出でてくることがあります。

木が縮むからです。縮むといっても、本当に100分の1ミリも無いのです。

しかし棹の穴にぴったり合っていないという点では100分の1ミリでも同じなのです。

ですから、割と始終削り直しが必要です。

三味線や、ヴァイオリン等も2,3年に一度は削りなおすのです。
(私の製作の物でもこれは同じです、ですからどうぞお店に来るのが大変な方は送ってください)

これはお店に言って直してもらえばよいのですが、迂闊なお店に言うと更にひどいことになりかねませんから。

まずは、光舜堂にお持ちください。

それからもしどこか、他のお店で、二胡を購入した時、光舜堂へ持って来て下さい。

あるいは、先生から購入した時でも良いです。最初からきちんとその楽器が振動していく方向で、調整いたします。















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