二胡工房 光舜堂

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二胡のメンテナンス(保存版)3

2013-11-09 13:02:37 | ■工房便り 総合 
☆ 駒


 駒は楽器としての二胡の部品の中でも、相当重要なところです。
 市販されている駒は、沢山の種類の木があります。
 
 楽器の複雑な倍音をさらに強調して良く響かせる為には、その木が硬い所と柔らかいところと複雑な構制をしている木ほど良い響きになります。
     
 駒には弦の溝が刻んであります。本当に良い状態の溝は弦の半分以上が駒の上に在るように浅くします。
 弦がこの溝に埋まり込んでしまいますと弦の振動を押さえこんでしまいます。ですので弦が動かない程度に軽く彫り込みます。  

 駒は育てることが必要です。新しくつけた駒は安定して鳴り始めるのに時間がかかります1週間ぐらいは引きこまないといけません。
  
 また、駒は永久に保つわけでもありません樹種によっては、振動が続き過ぎると、3,4年で亀裂が入ったり欠けたりもします。
   
 これはどんな弦楽器の駒でも同じことでバイオリンなどの駒は、4,5年で反ってきたり亀裂が入ってきたりするものです。
   ですので駒も数年に一度は交換し皮の変化に応じて削り込みなどの調整も必要です。
  
 今までに試してみた市販品では、松節と言う、中国の脂松が一番良いように私には思われます。
  
 今までに販売されていなかった種類の木ではゼブラウッドと楠の枝でしょう。
  
 中国楽器を販売している所では雑音が出にくい物を選ぶ場合も多々あります。
 しかし、本来は楽器の響きを最大限に鳴らす為の物が、良い駒と言えると思います。
 
 基本的には硬くてなおかつ軽い物が一番大きな音を鳴らします。ですから、黒檀を薄く削って作った程面が長楕円の物は、かなり大きな音がします。
 ところが、ニ胡の場合或る程度の質量が有る方が音色として豊かな鳴りをしますから、ただ単に小さく薄く作ればよい物でもありません。
  
 ある程度の音色を確保する大きさを維持しながら、楽器を最大に鳴らす駒は無いのかと作り上げたのが、虎駒、彪駒、黒彪駒の三種類です。
 構造としてはバイオリンの駒からヒントを得て、多少皮に垂直に弓が弾けていなくとも、駒自身の切り込みが、バネの役割をして皮を振動させます。
 ですからほんの小さく弾いても音はシッカリとなりますし、今までの二胡の様に音の出が一瞬遅れて出て来るようなこともありません。
 弾きやすく鳴りも大きく、弓の動きを最大限に反映してくれますし、楽器自体の持っている音色そのものを実現してくれます。
 今後この虎駒の構造は二胡界の定番になっていくでしょう。
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