二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

「業平」 六歌仙の内 出来た!

2015-06-03 09:38:04 | ■工房便り 総合 
どうしようもないほど良い木を持っています。

綺麗でしょ。

音色もこれ以外は二胡ではないという方もいます。

樹齢800年と言われた、インドの小葉紫檀がずいぶん前に手に入って、やっと乾きが安定してきました。

そこで、作り始めたのですが、

最悪なことに、開けてみたら中には洞!(うろ)

樹齢の長い木ですから致し方ないのですが、でも、完全にこの木だけで棹まで作れるものが4台分。

そして胴だけとれるものが、2台。

計6台。(その他、同じ木の中でも彼方此方を使いまわせば、4,5台?)

そこで、僧正遍昭 在原業平 文屋康秀 喜撰法師 小野小町 大友黒主の名前をもらいました。

日本で作られた二胡ですし、これらの楽器からどんな歌が謡われるのか楽しみです。

たぶん、私としては、楽器作りとしてはこれからピークを迎える年になったと思います。

また40年余も乾かしたインド小葉紫檀も相当良い状態です。

これほど美しい木はもう無いでしょうね。

中国にもないと言われているほどです。

問題は売るに売れないものになってしまったという事です。

何しろ、中国では今や本当に良いインドの小葉紫檀の二胡は、300万円を超えると言われています。

金額だけではありません、この木の中でこの6台を取った残りの木だけで作り上げた「コウキ紫檀」と名前を付けた楽器が今光舜堂にも置いてあります。

これは販売しますが、この楽器でさえ、皆さん弾いてご覧になると、他の楽器が弾けない。

どんなプロの方でもこの楽器欲しいというくらいなのですよ、

皆さんも弾きに来れれたらいかがですか?

私としては今後この六歌仙は、ご縁のある二胡演奏家の方々に使っていただこうと考えています。

勿論貸与です。

、いくら、鳴尾さんがこんだけ高音が出るなら、高胡なんかなくても良いと言われたほど全音綺麗に出るとしても、
どんなプロもこの楽器は良いなと思いながらも、もっと良い物をと思う物です。

もしかしたら、もっとその演奏家に相性の合う楽器が、これから出て来るかもしれません。

そうすると楽器は可愛そうなことに弾かれなくなります。

それは嫌なのです。

楽器にはどんな楽器でも個性があり、その個性に合う演奏家と言うのがいるはずです。

ですから、その時には、次の方に、貸し出すことになります。

この楽器が活きている限り、個人所有ではなく、次々と演奏家が変わって言っても良いと思っています。

そのくらいにこの楽器は鳴ります。

また音色の美しさと言うのは他に比べようもないと、私は思っています。(親ばかですね)

さて出来上がった、「業平」これは、この6台の中でもたいへん特殊です。

胴が全て板目に取ってあるのです。



普通二胡は、後々の木の狂いと言うのを考えて必ず、正目、(まっすぐな木目)に取る物ですが、

この木の性格上、一台だけ柾目になってしまったのと、正目の楽器と言うのを作ってみたかった事もあります。

柾目に取った楽器は、強い鳴りをします、とても華やかで男性的、弾き方によっては、パイプオルガンのようにもなります。

胡の音の強さ華やかさ、「業平」と名付ける以外にありません。

「業平」は今度の日曜日以後 峠岡慎太郎君が今後のライブ活動に使われるよていです。

是非聞きに行ってやってください。


ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くゝるとは

世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし

月やあらぬ 春や昔の 春ならぬ 我が身ひとつは もとの身にして

在原業平

この楽器の次の皮の張替の時期まで生きていたいですね。


この次は「黒主」当然あの方に、、!!



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