二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

良い二胡、良い楽器その8

2012-02-06 10:31:52 | ■工房便り 総合 
二胡も楽器である以上、良い鳴りと言うのを求められます。

感性に関わるものですから、良いと言っても、人それぞれに有るのではないでしょうか。

あのストラデバリウスでさえ、私はガルネリの方が良いと言ってそれを弾いている方もいらっしゃいます。

そのくらいのレベルの楽器は、もう良いの悪いのと言う問題ではないような気がします。

よく、テレビなどで、スロラデバリウスと、日本製の量産物の聴き比べなどと言うのも有りますね。

あれにしてもその日本製は、かなり高級な物のはずです。

と言うか、最低限雑音の出るようなものではなく、健全に全音が出るもののはずです。

そうでないと比べようが有りませんから。

雑音が当然と楽器屋さんが言うような二胡は、どうして、そのレベルが普通とされて来てしまったのでしょう。


楽器である以上雑音などはあってはならないのではないでしょうか?

勿論、私も二胡を作っている以上二胡の音の特性と言うのは分かっているつもりです。

弦が、千金で束ねられていて、弦そのものが共鳴するように作られています。

これは雑音の原因になりやすいのですが、複合的な音と言うことも出来ます。

パンと張った振動板ではなく、緩く張ってある蛇皮と言う素材です。

ですから、沢山の倍音が出易いというのも二胡の特徴でしょう。

沢山の倍音が、雑音として聞こえるのかもしれません。

倍音と雑音は違いますが、二胡は一歩間違うと、雑音の塊にもなりえます。

完成度と言う点で、今一歩なのかもしれませんが、その完成度の無さが、二胡の良さとも言えます。

演奏者の個性が出易くもなりますね。

しかし、多少難が有れ、殆どの二胡は調整でかなり良いとところまで鳴るはずなのです。

その調整法がまだ確立していないと言うのも、二胡の現状でしょう。

なんとなくこんなはずではないと、思いながら演奏している方が相当いらっしゃると思いますし、

ご自分で色々やってみて、どうっしようもないような状態にしてしまった経験をお持ちの方も沢山いらっしゃると思います。

素人でもなんとかなりそうな形をしていますから。

又二胡は普段縁のない蛇皮を使っています。

だからこそかもしれません妙に、二胡に神秘性を持たせて考えていらっしゃる方もおられます。

二胡は楽器です。

良い調整をすれば、相当良くなるはずなのです。

二胡は楽器としての調整の方法論と言うのを確立しなければならないのではないでしょうか。

先生方は、ご自分のお気に入りの二胡を基準に、生徒さんの楽器をも調整してしまいます。

そもそも、プロ用ですから、大元が違うのではないですか?

今までに、何台かプロが今一番気に入っているという二胡を弾かせてもらいました。

弾きこまれて育っても居ますし、弾いた瞬間に違います。

一般に売られているのとは、もう歴然と違うのです。

素材自体が違います。

ですから、その楽器に合わせた調整法をしても、他の楽器には合わないのですが、、、

楽器屋さんに至っては、自分のところはこの形式でと、その形を変えようとしないところも多く有ります。

楽器は一台一台違うものです。ですからそれに合わせて調整していかなければいけないはずなのですが、今のところそのようなところは有りません。

良い楽器は、良い状態に調整された楽器とも言えます。

どんなに安い初心者用の楽器でも、調整次第では、その能力を精いっぱい発揮できるはずなのです。

まず、ご自分の楽器を精いっぱい鳴らすようにしてやって下さい。

そうしたら、楽器が鳴ると言うのが良くお分かりになると思います。

必然的に、楽器が鳴る、良い二胡、良い楽器と言う事が解るのだと思います。。







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