二胡工房 光舜堂

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北京式の二胡(8角形6角形)

2013-11-20 08:28:48 | ■工房便り 総合 
元々北京式の二胡は、8角形として開発されました。

特徴は音が大きく出るということです。

その理由はまず第一に皮が薄いこと。

これは蘇州系の物に比べて、相当薄く、殆どの物は光が透けて見えてきます。

後ろから覗くとかなり明るく見えます。

その事により、皮の振動が良く、音は大きくなります。

紙でも鉄でも叩くと薄い方が大きな音がしますね。

第二の特徴は、胴の共鳴部分が蘇州系の物より薄く削られているということ。

胴を見て棹のすぐ後ろが、きっちりと削り取られているのが判ります。

小さな段になっています。

この振動部分をより薄く削って、振動をよくさせようということが目的です。

皮が薄く、木の鳴る部分も薄く作っているので、より音は大きくなります。

8角形は、内部が丸く削られていて、管楽器のように音がクリアーに出ます。

その分、音も強くなります。

6角形はその音色がクリアーに成り過ぎるのを押さえ蘇州系の様な音色を得る為に、北京式としては後から開発されたもののようです。

6つの角がありますから、倍音が増え内部の円い8角形の楽器よりは、蘇州系の音色に近くなります。

ただ皮の厚みが薄いのと、振動部分の木の厚みが薄いという点で音が大きいのは変わりません。

多少音の幅があるようです。

北京系でも、この音色の厚みがあるという事で最近では、6角形の楽器の生産の方が増えて来て、一部の工房を除いて8角形は殆ど作られていないようです。

8角形或いは6角形の北京式の薄い皮には軽めの駒が有効です。

今までの蘇州系の円い駒だと駒自身が音を吸収してしまい、駒の持っている音そのものも音色に大きく影響します。

この駒の体積を小さくすると振動が良く伝わりますので、大きく音を鳴らすという北京式の目的に近い駒が出来上がります。

ですので北京式の、8角形の特徴を活かすには木の厚みの薄い長楕円の駒がよりよくその役目を果たします。

この長楕円の駒は6角形の蘇州系に付けても有効で音は大きくなりますが、どちらかと言うと駒の質量が小さい為にとんがった音色に成ります。

音を大きく出すという点で、ジョージガオさんは、プラステイックの均一な質のとても小さな駒を使っています。

これは皆さんもお分かりかと思いますが、大きな駒を着けると楽器の音は小さくなります。そのような弱音器もありますね。

ただ駒を小さくすると音色が減殺され、音色中心の蘇州系の楽器は、音色の良さが出てきません。

その音色の良さを維持しながら、音を強くし弾きやすくしたのが、今回開発した彪駒の形状です。

下の切り込みは、切り込まれた下の部分の木がバネになっています。

ですから小さく弾いても直ぐ音に成りやすいのですし、大きく弾けば音は強く出て8角形の北京式の音の大きさに匹敵します。
木の持っている音色そして皮に含まれる倍音が生きてきます。


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