二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

人工皮の良い所

2013-05-25 10:27:17 | ■工房便り 総合 
先ず第一に、価格が安いところでしょう。

蛇皮は、手に入りにくいのが最大ネックです。

普通蛇皮を手に入れると言うのは、紫檀を皆さんが手に入れると言うことより難しいかもしれません。

一般売りしている物ではないですから。

ワシントン条約で規制されていると言うだけで、幾ら養殖とは言えこれ自体が、自然を保護するということから考えると、あまり良いことではないと、思われてしまいます。

それに反して、人工皮は皆さんでも手に入れることができます。

コンビニで買えるほど気軽ではないですが、ある程度調べれば、そして何回かのお付き合いの後にかなりスムーズに手に入れられるはずです。

そこへ行くと紫檀などは大変だとは思います。

先ず皆さんが木場に言っても、良い顔はされません。

それは、量が少ないからです。

二胡一台分の材料などというのは、かなり奥から探さないとないのではないでしようか。

又,
きり売りというのもやっていませんから、今ある形状、それが丸太なのか、板なのか、その形状そのままで購入しなければいけません。

木場の中にも、細かい部材を売っているところが有ります。

林木材と言います。

「もくもく」というお店をやっています、紫檀から黒檀、リグナムバイダやスネークウッドまで販売していますが、問題は欲しい大きさが有るかどうかです。但し金額は高いです。


蛇皮はもっと大変です、販売するところはありません。

稀にネットなどでも、販売してはいますが端切れです。

殆どバックやさんの残りか、沖縄の三線の端切れですね。

ではその大本の卸に辿り着けるかというと、三線を作っている所では教えてはくれませんから、これは皆さんの努力になります。

人工皮の良いところは、手に入りやすいと言うだけではありません。

何より価格が安いことでしょう、材料費として極端に蛇皮より安いということでもありませんが、手のかけ方がだいぶ変わります。

4回も5回も、水にぬらして、型にはめ込んで伸ばしそして乾かしを繰り返し、いくら養殖とは言え自然の物ですから、一枚一枚に相当伸び方が違います。

その伸び方の違いに対応出来ない皮は、破れたり、伸ばし方が均一では無かったり、私が求める完全ななりになる為には、かなりの無駄な手間がかかります。

その点、人工皮は均一に出来ていますから、型の作りさえしっかりしておけばどなたでも均一に二胡に張ることはできます。

唯一問題は型でしょうね。

自分の作っている二胡は、同じ型ですべて出来上がりますからその方台の費用というのはいくつつくっても問題が無いのです。

たまたま、皆さんがお持ちの楽器に張り替える時には、一台一台に合わせた型が必要です。

ですから張り替えとなると、5,6万は掛かってしまいそうです。

でも最高級の蛇皮よりは随分安くはなるでしょう。

音としては、人工皮は、三線や三味線、そして鼓など、今までの皮で作られた楽器に対応するように相当良く出来ています。

まるきり、蛇皮で作った二胡と同じかというと多少の違いはあります。

しかしその多少の違いというのは、6角形の二胡と、8角形の二胡の音色の差よりは少ないものです。

又当然木の種類でもちがいはでます。

そして今お持ちの楽器に人工皮を張り替えたとすると思っておられるより、大きな音がし又かなりクリアーな音になります。
音の立ち上がりは速く、早い曲に対応出来ます。

当然音の切れもよいです。

音により良いのは高音部で音が蛇皮に比べると小さく鳴らないです。

それと皮による雑音がほとんどありません。

比較的まったりとした音色を求める方は、多少緩めに張ると良いかもしれません。

人工皮の二胡、良い事ずくめですが、問題は皆さんの好みですね。

蛇皮で出てくる音の、多少雑音ぽい処は無くなります。

昨年作ったガラスの二胡での人工皮でかなりのレベルにはなったと思います。

多分梅雨に入った頃には光舜堂に人工皮の二胡を置こうと思っています。

一度試しに来て下さい。



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