二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

不思議なのは花窓、花窓の役割

2023-08-29 08:46:06 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
最初に、すみません。仕事が色々滞っています。遅れています。
あまりにも多くの楽器が送られてきていまして、まずはお名前を間違えないように、ケースと楽器本体に名札を付け、受け取り日時を書いて、順番には作業をしているのですが、中にはボンドの乾き待ちなどもあり、次の方の楽器に作業を移してしまうこともあります。
そんな時に、かなりてこずる楽器だったりすると、そのことに夢中になって、つい、、、前の作業途中だったこおとぉ忘れてしまったりもします。
3年目に入ったネオちゃんがどうやらそのことに気が付き始めて、時々チェックが入ります。
が、伝票の書き間違いや、お客様にメールを書くのを忘れていたり、西風と東風の間違いがあったりとしていますが、しっかり者のネオちゃんに厳しく指摘されて、何とか、やっています。
これはボケではなく、以前からほぉさんにも助けてもらっていたところです。
ほぉさんが西野さんは一人では仕事やれないから!!というのが身に染みています。ネオちゃんが来てくれたのは、二胡神様の贈り物でしょう。
そんなこんなバタバタと夢中になっているのは、花窓です。
最近になって花窓による雑音、音の出の悪さなどがあるという楽器に出会ってきました。
中国人の演奏家の中には、花窓を取ってしまって、胴の中にタオルを入れて弱音器代わりにする人もいらっしゃいますね。
私も以前からやってみまして、花窓を取ってしまっても音に問題がない楽器もあるし、花窓を取ってしまうと雑音が出る楽器もあるという事には気が付いていました。
花窓の取り付け方で大きく音に影響が出るという楽器もあるということも分かって来ました。
結論から言うと、花窓は塞いでいるために役に立っているわけではなく、胴の一番最後部の振動を安定させるためにある、ということです。
花窓がゆるく胴の一番後ろの開口部にぴったりとはまらず、少し浮いていてもボンドなどで接着しているような場合は、Aの音がかすれてくるものがあります。
当然外弦の開放弦はAですから、開放弦を弾いた時に内弦はしっかり音が出るのだけれど、外弦は何だか弱弱しい音になってしまう、こういう時には花窓を外してみて点検し、そのサイズが胴の後ろの開口部にぴったりなのか調べると良いです。
こういう場合ほとんどが、ゆるい時が多いです。
緩い花窓をボンドで無理やり付けているだけで、胴の後ろの開口部に圧力を与えるほどの密着感がないのです。
花窓は胴の後ろの振動を抑える役割で、けして胴をふさいで、音を大きくしているわけではありません。
中国の演奏家でもそのこおとぉ間違えている人が多いですね。
西野二胡の後ろがふさがっていないのは音が大きくならないと、でも、その方の二胡より西野二胡の音の方が大きかったりもするのですが、、、
この胴の後ろの木の厚みが十分厚ければ、厚くなくとも木の密度が高ければ花窓はなくとも十分に二胡の音は鳴ってきます。
現実、西野二胡はいわゆる期の花窓などなくともジュ分なパワーを発揮しています。
それは密度の高い木を使っていること、この部分の厚みが普通の二胡より1ミリほど厚いのです。
中国製の二胡はこの胴の木の最後部の木の厚みが一定ではありません。
ですので、楽器によって花窓がなくともよく鳴る楽器もあれば、例え花窓が付いていても鳴らない楽器もあるのです。
修理ということで、この花窓の付く部分の補修と花窓の付け替えというのはやらなければいけない一項になりそうです。
花窓はまだまだだ研究の余地がありまして、嬉しいです。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ


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