前回虫によって弓の毛が切れることをご紹介しました。
前回の様に一直線に毛が切れることは経験のない方でも、今回ご紹介する毛の切れ方は皆様経験のあることだと思います。
弓によっては10本20本と一年間に切れてしまうものもあります。
今回は毛の劣化であったり、元々の毛の痛み、毛の弱い部分についてご紹介して行こうと思います。
人間の髪の毛にも色々な個性がある様に馬も色々と固体によって毛質に違いがあります。
馬毛はこの様にいろいろな毛質のものがあります。
縮れているもの↓
細すぎるもの↓
一部だけ細いもの↓
毛の太さが一定でないもの、枝毛や、途中で毛の質が変わるものなど、馬の毛といっても、一本一本がバラバラです
。
馬毛が原因で毛が切れる場合は一定の場所出切れるのではなく、この様な傷みのある場所で切れたり毛が伸びたりします。
特に演奏中など、傷んでいる毛に力がかかった時に切れやすいです。
整えた毛と整える前の毛に同じ様にメガネ拭きを使ってみようと思います。
整えた毛(5往復くらい)(脱色の毛)
きれませんでした
整える前の毛(5往復くらい)(脱色の毛)
4本くらい切れました、
傷んでいるからといって大きな問題はありませんが同じ状態の揃った毛で弾く方が音は安定します、演奏中に切れてしまうこともありませんしね
メガネ拭きは汚れや松脂を落とすだけでなく、傷んでいる毛を見つけることもできます、
今回のようにバラバラな場所で切れてしまうのは、みなさまの毛の管理ではなく元々の毛の問題です。毛の選別度合いは工房によって異なります。
私は、なるべく傷んだ毛を取り除いて、100%ではありませんが、良い毛でだけで作くろうとしています。
工房光舜堂 ネオ