二胡工房 光舜堂

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二胡を鳴らすということ。その4

2012-07-18 08:37:17 | ■工房便り 総合 
馬頭琴は皆さんご存知ですね。

馬頭琴の弦というのは、かなり特殊なもので馬の尻尾の毛を束ねてあります。

弦も馬の尻尾なら、弓の毛も馬の尻尾の毛なのです。

かなり太いです。3ミリぐらいはあるでしょう。

コントラバスの弦より太いのです。

弓を引くと、弦は左右に揺れます。(二胡と違ってチェロのように引きますから)

太いですから、上から抑えたぐらいでは揺れてしまうのです。

ユーチューブなどで見て欲しいのですが、馬頭琴の弦の押さえ方というのはかなり特殊で、

弦を横から抑えるのです。

弓を二胡とは違って、バイオリンなどのように横に引きますから、横に揺れます。

指板がありませんから、抑えるのは横から抑えるほかないのです。

指を指板代わりに使うのです。

このことから解るように、指板の無い弦楽器を鳴らすには、指を指板代わりに使い。

弦の振動を抑える角度で、指を当てます。

簡単に言うと、二胡の場合、右手の動きと平行になるように指を抑え込むと、弦はシッカリと鳴ります。

空弦の時はどうなのだということも有りますね。

空弦の時には、糸千斤ならば、弦が2本縛られていて、既に抑えられている状態です。

良く見る水牛の(プラスティックの)固定千斤の場合、穴と弦の間に隙間があります。

ですから、空弦を引いた時に少しですが雑音が出やすいのと余程シッカリと強めに引かないと弦が抑えられません。

穴の中で動いてしまうのです。

おかけで雑音の出やすい楽器も有ります。

これは金属の千斤でも同じですね。

でもこの固定千斤は抑えるということでは糸千斤より硬いものですから、空弦はよくなるはずなのです。


糸千斤の良さは、調整しやすいということもありますが、弦が二本縛られて、しっかりとした

固定になっているということでしょう。

但しちゃんと調整されていればということです。

固定千斤程、しっかりしていませんから、なるべく硬い糸を使うようにしています。

私の場合は、糸千斤を、弦に当たるところ以外は、ボンド(アロンアルファー)で硬化させてしまい、固定千斤に近くしてしまいます。

弦の当たるところは糸のままです。

金属よりは音が柔らかく指で押さえたのと同じように感じられます。

もう一つは、千斤を巻く時に弦を最後に2本ともくるくると縛ってしまう方もいらっしゃいます。

空弦の時の弦の固定を強化しているのでしょう。
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