二胡工房 光舜堂

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二胡への疑問。その5(黒檀)

2012-07-30 10:19:46 | ■工房便り 総合 
中国国内では、「烏木」という樹種の区別があります。

要するに、黒い木ですね。

日本に入って来ると、黒檀という表示になることが多いようです。

日本で言う黒檀というのは「真黒」という、スリランカのエボニーと言われるものがあります。

これは殆ど真っ黒です、木目も見えません。たまに、ほんの少し茶色の部分も見えます。

しかし時間が経つとこれも黒くなってしまいます。

昔の、バイオリンの指板は殆どこのエボニー、を使っています。

それから日本で黒檀とたんに言った場合、そのほとんどが縞黒檀をさすことも多いのです。

ですからスリランカの黒檀のことを敢えて、「真黒」と呼ぶのです。

縞黒檀は東南アジア全域に、自生しています。

茶色のかなり多い、カリマンタンエボニーから、インドの時間が経っても縞目が消えにくいマッカサ―エボニーまで、約40種類ほどあるそうです。

沖縄の八重島の黒柿なども黒檀の中に入ります。

音としては比較的沈んだ感じがあり、中国ではそれほど好まれる音では無いようですが、日本ではかなり黒檀の愛好者は多いようです。

又蘇州系の黒檀というのは非常に少ないのですが、8角形の北京式には黒檀は多く使われます。

鳴りの良さが信条の8角形に向いているのかもしれません。

又黒檀として販売されている物の中には、アフリカ材のオバンコールや、アフリカンブラックウッドなども有ります。

これは、マメ科ですから、色は黒くとも紫檀系なのです。

特にオバンコールは音としても紫檀系の音がします。

明るく華やかなのです。

もしあなたが、たまたま、アフリカンブラックウッドのコクタンにであったとしたら、それはとてもラッキーな事と考えて下さい。

見た目は黒檀とまるきり同じなのですが、音は黒檀と同じく少し沈んだ感じはあるものの、それは重低音を作り出す一つの要素になっていますので、大変力強い音の二胡なのです。

クラリネットを作る材ですから、とてもよく響きます。

どういう訳か、日本では黒檀の倍以上の金額がするのですが、たまに、本のたまに、黒檀の楽器の中に、胴だけアフリカンブラックウッドの二胡があります。

中国の材の使い方の不思議の一つです。

ただ、かなりバラバラな材料を寄せ集めた物も多く、雑音が含まれることも多いのです。クラリネットを作った残りの材なのですかね?

しかしこれは弾きこんで1年もすれば、無くなりますので、良い物が手に入ったということでよく弾きこんでやって下さい。

また、黒檀の中のカリマンタンエボニーは、どういう訳か、黒紫檀という、わけのわからない名前が付いていることがあります。

また、オバンコールも黒紫檀と呼ばれることも有ります。


様々な黒系の紫檀材、(マメ科の木が)このように呼ばれていますので必ずしも、同じ材とは限りません。

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