二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

5月3日(日)すーぱーたれんてっど店主 11:00~17:00

2015-05-06 06:42:32 | ○営業日の報告日記
二胡を愛する皆様こんばんは、鞄持ち ほぉです。
ちょっと店内模様替えしました!
光舜堂の二胡は日本製ですから安くはないのですが、結構ラフに置かれていまして、
それで日頃からワタクシは、
「も少し高そうに見える二胡棚ほしー!作ってー!」と騒いでいたのですが、
良いのが用意してあったのです、40年前から。

一ツ橋大学卒業生ならご存知であろう、駅前ブランコ通りの喫茶店ナジャ。
何を隠そう、店主が27歳の時に初めて全面改装を手掛けた店舗です。
開店当時から話題の店で、全体のデザインもさることながら、メインの柱は特に斬新で、
来店する方々が漏れなく撫でていくので柱はピカピカになっていました。
そんなナジャ、オーナーさんが引退されるということで43年の歴史に先月幕を降ろしました。

しかし、店内は贅沢に無垢材をふんだんに使った西野作の家具の宝の山!
解体工事の際にゴッソリ持ち帰った中に、
「西野さん!二胡棚が!!」
赤みがかった良い色になってる無垢の胡桃のキャビネットのガラス部分の高さが、
光舜堂最長の『ヴィーナ・ヴィーナ』(超低音二胡)でも楽勝サイズなのです!
横幅が長すぎたので真ん中部分の棚を切り取ってしまったので作り足しが必要だったり
二胡を吊るす器具の取り付けが必要ですが、
それはドアも完成していない店ですから、いつになることやら。
それでも今までの巨大テーブルは工房に持ち帰ったので、
大きなキャビネットが入った割に逆に広くなり、更に居心地良くなりました。
5周年を前に、また少し二胡屋っぽく整いました。


そんな、今週の日曜日はGW。
ご予約も、ご予約無しも、いらっしゃるお客様達のお住まいが遠い所ばかりでした。

朝一番に栃木からいらした方は修理のご依頼。
しかし、そもそものご自分の楽器に自信がなさそうなご様子です。
かなり高い二胡を勧められ購入したそうですが「本当にその価格に見合った物かどうか。。。」
でも店主が見てみると、「これ、胴の木は天然の小葉紫檀だよ!」
「これは直すと良い音がしますよー、仮調整して音を出してみましょう!」と調整。
すると、今までは聴いたことが無い音色に変わったそうで驚かれていました。
ちょうどいらしていた二胡歴10年以上の男性に弾いていただき、客観的にも音を聴いて、
ようやくご自分の二胡が良い物だったと安心されたようです。
「壊れた処を直すともっと良く響きますからね」


さて、その時弾いて下さった男性は手ぶらでふらりとご来店でしたが、
結構遠くにお住まいだったようです。
光舜堂の二胡の噂を聞き、弾いてみたかったそうでいらして下さいました。
「噂?どんなです?ウチの二胡は何と言われてますか?」
と、他の方の調整をしながら店主が声をかけると、
「自分の周りに限ってですが、なかなか評判良いですよ」と。
すると店主の眼がキラリ◇
「ほう!貴方、お仕事はなんですか?」
「会社員ですが」と男性いぶかしげ。
そりゃそうでしょ二胡屋で職質ですか?!と、ワタクシ思ってたら、
「いや、お仕事出来る方だな、と思って。自分の周りに限って、って言い方、正しいです」
(あー出た、出た、店主の一般意味論談、
日頃店主と話していると、様々な話題中にこの『一般意味論』を持ち出して論破されます。
正しいですけど、真正面からこれで来ると女性には嫌われるんですよーーーっ、ぷんっ!)
しかし店主はこの男性の冷静な評価にいたく感心したのでした。


さて、遠方の方々ご来店予定している中で、本日一番遠くからのお客様は、
シンガポールの二胡奏者Mike Chiangさん!
彼は『青蓮』のTomomiさんとフェイスブックで繋がっていて、
以前Tomomiさんが自分の使っている特注 西野二胡『一丈青』の写真を紹介したのを見て
興味を持ち、で、
「GWに日本に行くから、その時に光舜堂に行きたい」という話になっていたのでした。

かくしてTomomiさんと共にMikeさんは日本人の友達のTさんとやって来ました。
Tomomiさんのご紹介で予めプロフィールを見ていたら、
シンガポールを代表するような凄い人らしい。。。すみません、そのへん二胡屋なのに知識無くて。
そして写真の頭はシルバーヘアだったので凄いオジサンが来るのかと思ったら、
とってもお若くてお洒落でビックリ!
オジサンじゃないじゃん!
42歳のMikeさん、スラリと長身で年齢よりずっとずっと若々しいのです。

しかし凄かった!
なんなんだ、Mikeさんのこの二胡テクニックは!! 
なんなんだ、この高速奏法は?!
驚愕の連続でただ、ただ、ほぉーーーー!!
今の、世界レベルの若い世代の二胡界は、こうなんですね。。。!!!

さて、このMikeさん、光舜堂をとても気に入って下さったようで、
早い時間にいらして、昼食のため途中抜け、また戻って、と、
トータルでかなり長い時間いらっしゃいましたが、
その間、お客様に特別レッスンをたっぷりして下さったりして、
とっても気さくでフレンドリーな性格!
通訳して下さったTさんもいろいろな弦楽器を弾く方だったので、話が合って楽しかったです。

しかし、そのラッキーな時間を共に過ごせたお客様は、
広島から二胡を2つ背負っていらしたKさんと、
ブログでワタクシがちょっとだけ匂わせたのを見逃さなかった会員Iさんだけでした。
今週も もったいなーい! (4月26日付【1】のほうの報告日記参照 -笑-)
ま、店主とMikeさんがゆっくり話せるようにと
皆様にお声掛けするのを控えたワタクシのせいではありますが。
ラッキーガールの広島のKさんは感激で危うく新幹線の時間を忘れそうに!
迷わず最短で東京駅へ行かれるように秋葉原駅改札口までお見送りしたのですが、
その先も送らなくて大丈夫かしらと思うほど余韻が残っているご様子でした。


Mikeさんとの話では弦の硬さの話がたくさん出ましたが、
はー、なるほど。そこをそう弾くにはそうよね。
その凄いテクニックでそうなると必要よね。の話しの連続。
西野二胡を弾き、いろいろご意見も頂きましたが、
その能力の領域に到達していなかったら出て来ない次元の話ばかり。
しかし店主は面白そう。
何でも“見て”すぐ覚える店主は、Mikeさんの弾き方を見て、プロでも数パターン有る
其々の方々の奏法のうちのどのタイプか見極めていました。
(その奏法によって楽器や弓に望むものが其々変わるのです)
プロに応えるには、同じ老師に師事してもそのプロひとりひとりに個性がありますので
楽器をそんなに持たないプロもいれば、Mikeさんのように20把も持つ方も。
しかし“モノ作り魂”は常に研究の日々ですから、新しいヒントは大好物。
Mikeさんの超ハイレベルで様々な要求は大御馳走です。
ですからワタクシ内心でつぶやきます、
点いたぞ、火が点いたぞ、店主の好奇心と新しい探究心の発火スイッチ入ったぞ、と(笑)
それは店主をよく知るTomomiさんも同じことを思ったようで、後で二人でと顔を見合わせ、
「点きましたよね?(笑)」 「ね(笑)」

ところがちょっと違いました。
後で聞いたら、逆に、Mikeさんの弾き方を見て、演奏を聴いて、や、要求するものを聞いて、
店主は自分の二胡作りに自信を持ったんだそうです。
発火、というより、やる気スイッチのボリュームレバーがグーっと上がった感じ。

ところでMikeさん、『東風』の毛を気に入って弓を買いたいと言って下さいましたが、
しかし彼の超絶テクニックにはカスタムメイドが必須でしたので特注品を作ることになりました。
Mikeさんの、良い音色をさせつつ超絶技巧とパワーを出す弾き方というのは、
他の奏法のプロ以上に楽器や弓の質の良さが重要なようです。
技術がスーパー高度なので、彼の技術に楽器や弓がきちんとついて行かれる物でなければ
ベストなパフォーマンスにならないのです。
(Mikeさんご愛用の二胡を見たいですねー!)

Mikeさんの運弓は竹が真っ直ぐ動くので、演奏中もほとんど竹はしなりません。
( それは奇しくも店主が最近北川浩子先生から習っている奏法。
「北川先生って、やっぱり凄い!」と店主は改めて驚いていました )
帰国日が迫っていましたので1日しかありません!!
まずは見て覚えたばかりの彼の基本運弓や弾き方を猛練習。
これが出来てからでないと弾いて試しながら作りますから要求に合う弓は作れません。
文字通り寝る間も惜しんで他の仕事をストップして特別テストパターンを3本完成しましたが、
(本当は最終的に残っていたのは4本でしたが1本は西野自ら却下しています)
物作りとして当然、の事をしたまででもありますが、
ここまでわざわざカスタムメイドに熱意を傾けた理由、
それは、Mikeさんがお客様達へ特別レッスンを出し惜しみする事無く真剣に
無償でして下さった事へのお礼の気持ちでもありました。
(他の人が来てももうワタクシが許しませんよ!)

さて弓は、ある意味、彼の奏法に合わせかなり特殊な物を作りましたから、
いわゆる福音弓とはずいぶん違いますが、Mikeさんは何と言うかな???
この後日談、また近日書きますね。
でも弓も100本位(!)持っていらっしゃるそうですから
ご自分の持っているのと比べるの大変???
(100本買っても使えるのはやはり数本だそうです)
帰国してからご自分の楽器で試すまでは、真の感想はお預けです。

店内写真を撮りまくって退店直後にFBにアップしていたMikeさん、
(彼が縞黒檀のCDMを弾いた動画も出ています、二胡の音に聴こえます)
お店と店主の紹介文には、「―― a super talented person in Tokyo! Mr Nishino!」とあって、
店内の皆で見て、「西野さん、すーぱーたれんてっど ですってよ。(ぷっ)」 と(笑)



今週も福音弓のご注文続々でした。ありがとうございます。
先週『阿炳礼賛』と『嵐風』を発売開始した二胡姫さんでは、その高価格にかかわらず
『嵐風』はなんとアップと同時に完売!『阿炳礼賛』は3日で完売したそうで、
驚きと感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
が、今回入荷の材料の竹は若い物過ぎたので、下準備の加工処理にいつも以上に手間がかかります。
きちんと良い物をお出しする為には妥協できない下準備なのですが、
入荷してくる竹を目利きの店主が現地で選べないので辛い所です。
(でも輸入業者さんも精一杯頑張ってなるべく良い物を送ってくれてます)
そんな訳で、現在店頭受付でも約1ヶ月はお待ちいただいています。
次回の二胡姫さんへの納品数も僅かです。
どうぞ宜しくお願い致します。


来週は街中が400年記念の特別な神田祭ですが、
『二胡のお楽しみ会』、結構な人数の方がお越しに、、、なる???
ご来店の際は、どうぞどうぞお気をつけて!!

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2 Comments

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よかったー (名古屋人)
2015-05-06 12:28:11
嵐風、二胡姫さんで完売したんですね!
よかった~すぐ買っておいて…
売り切れそうな予感がしたんですよ(笑
CDM購入と他の諸々高額支払がたまたま重なって残高がっ!と思ったけど頑張りました(笑

これがまたものすっっごく効果絶大だったんですよ!!
初めは中胡の皮をCDMにしようと思ってましたが
弓だけでもうボランティアデビューできそうな音になりました。
CDMはお金がたまってからいずれ…^^
返信する
名古屋人さまへ (ほぉ)
2015-05-06 18:21:57
お、お買い上げありがとうございます(汗)

随分と沢山の光舜堂の商品をお買い上げいただいてますね!
嵐風、良かったでしょう?ウチはこれでまた楽器が売れなくなるほどの効果です。 
とほほ。。。
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