かわ遊び・やま遊び雑記

アユ・ワカサギ・ヒメマスなどの釣り情報と自然観察や山菜採りなど自然の中で遊び回った記録や雑記

製材工場の行方:大規模工場の視察から

2010年02月26日 | 農林業
中国木材株式会社の鹿島工場を視察してきました。中国と言ってもチャイナではありません。
本社が広島県呉市にあるから中国(地方)木材で年間に約200万mもの丸太を製材する超大型の加工メーカーです・・・日本に輸入されるベイ松の56%を使用し、人工乾燥材の梁や桁の80%を供給、在来工法の木造住宅の3軒に1軒は此処の製品を使用していることになるそうです。

(出荷前の製品検査ライン)


鹿島工場の竣工は2007年10月ですから既に多くの方々が視察に行っています。私も前から気にはなっていたのですがチャンスに恵まれず今頃になってしまいました。

この工場の「売り」は徹底したコンピュータ管理、高速製材、業界一の乾燥施設、バイオマス発電、専用船6隻を使った原木(ベイ松)の直輸入・等々・・・

(デモ用のコンピューター)


(高速製材:人の数は極端に少ないですね!)


(鋸の研磨工場:一日に何度も交換だそうです)


(製材カスのバーク、チップ、オガの分別:バイオマス燃料や製紙原料に利用します)


(バイオマス発電所:発生した蒸気と電気は自社利用して残りは売却、月に一億の売り上げとか・・・)


(ズラッと並んだ乾燥機:ここにも発電所の蒸気が使われています)


そして鹿島工場の原木処理能力は1シフトで月産5万mですから3シフト・24時間のフル操業なら月産15万mとか・・・しかし現在は住宅着工戸数も減っているため2シフトで生産量を落として操業しているそうです。

(製品の積み出し)


さて、日本の昨年度の新設住宅着工件数は約78万8千戸でした。100万戸は切るだろうとは言われていましたが、さらに大幅に落ちて80万戸のラインもあっさりと切ってしまいました。
でも、木造住宅は43万戸、このうち木造軸組工法(柱を多く使う在来工法)は32万4千戸で減少幅は少なくて木造率は逆に10%ほど増えて54.5%にアップしました。

問題は、この住宅に使われる材木のうち国産材がどのくらいを占めるのかと言うことなのです。
例えば柱は約70%を集成材が握っています。それも外材(ホワイトウッド)の集成柱が主流です。梁はベイ松かレッドウッドの集成材がほとんどを占めています。
最近、国産材が見直されてきたと言いますが、強度を確実に保証できる集成材や乾燥材でなければ対応できませんし、鉋がけが必要のないモルダー加工された完成品が要求されているのです。
それも価格は外材製品並かそれ以下で・・・つまり、製材コストを下げながらも良い製品を供給するということが中小の製材工場にも要求されているのです。これにどう対処していくのか製材工場の行方が気になります。

すでにコスト減を山元に転嫁するやり方、つまり丸太価格を下げるということは限界に来ているのです・・・。でも木を伐って利用しなければ、森林整備による温暖化ガスの吸収源対策もままなりません。山の中で伐った木を残さずに出して利用するためには公共事業で伐採から搬出・運搬までやらなければダメかもしれませんね・・・。


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コメント (5)
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