しるしのないカレンダー

定年退職した自由人のBLOGです。庶民の目線であんなこと、こんなこと、きままに思ったことを書いてみたい。

知的財産権の保護

2011年12月02日 | Weblog
「白い恋人」を真似て「面白い恋人」と名を打って販売を伸ばした企業が訴えられている。
当然のことである。商標権、実用新案権、著作権、営業権、等一般的には「知的財産権」の侵害である。

今の日本は類似商品の規模はかわいいほどだ。
かって1986年には円安期に輸出を伸ばし、当時の世界シエアは実に10・5%もあった。モノマネ商品と揶揄される時期もあった。
当時の米国の世界シエアは11%であった。

1984年の米国の貿易赤字は1000億ドルを超え、米国の国際競争力は著しく低下していた。
レーガン大統領は「産業競争力についての大統領委員会」を組織し、有名な「ヤングレポート」を提出させた。
報告の骨子は「米国の技術力は依然として世界の最高水準にある」とし、それが製品貿易に反映されないのは「各国の知的財産権の保護が不十分なためである」とした。その後の通商政策アクションプランで米国通商代表の政策に色濃く反映されることになった。

コピー商品で開発費を安く上げ、世界に売り込む手法は現在「中国」が最大手だ。
中国政府は25億ドルを投じて、ロシアの戦闘機「Su27型」の組立許可を取得。
契約書に記載されていた部品輸出の禁止条項を破棄し、同機の模造品「J-11B」を大量模造製造販売した。中国政府の言い分は「ただのコピーではない。見た目は似ているが、中身は全く違う」と模造品説を否定している。

日本の新幹線模造品問題でも同様な見解だ。
中国では模造品産業が国家の重要な産業となっている。全部締め出したら、失業者が大量に溢れ政情不安の恐れすらある。100元紙幣の大量偽造すら見逃されている。
少額な偽造紙幣の使用は罰則すらない。
iPadは「epad」と称して「1万円」と格安で堂々と店頭販売されているし、「daiadas」「hike」「S&M」の模造品を堂々販売している。

ここに来て、ロールスロイスの模造品が上海モーターショーに堂々登場してさすがの紳士国イギリスも国民的反発を表明している。

中国が米国とのFTA,TPPに参加できない事情はここにある。
日本は「知的財産権」の保護がようやく国際レベルに到達しつつある。
韓国の方が大変だったと思う。強行突破の報道は国内問題の深刻度を示している。
中国の軍需産業は外国製品のコピーで巨大化した。サンプル輸入品を徹底分解、コピーしてゆく。開発リスクの知識がないから少々の危険な改造も犯してしまう。
事故が頻発している。ステルス機の事故はこのせいだとも言われている。

安いコピー品のリスク。十分理解しておこう。安全の為、自身の為、国家の為。

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