年金繰り下げで損！

基礎年金の受給開始を通常の「６５才」より遅らせると増額される、
「繰り下げ受給」制度。
最大「７０才」になるまで利用出来る。
ただし受給開始の手続きをした翌月分から支払われる決まりがあり、７０才を過ぎて手続きを忘れていると、その分はもらい損ねる。
制度の不備だと改正を求める声が出ている。

Aさんは６５才になる前社会保険庁（現・日本年金機構に「繰り下げ受給」を希望した。老齢基礎年金は、１箇月繰り下げるごとに「０・７％」増額される。
大まかな増額率は

○１年で「８・４％」
○２年で「１６・８％」
○３年で「２５・２％」
○４年で「３３・６％」
○５年で「４２０％」
である。

５年以上繰り下げても増額率は変わらず「４２％」のままである。
７０才は繰り下げの限度で増額率も確定するのに、実際に手続きするまで、増額された年金を受給する権利が生じない。手続きが遅れた場合、７０才にさかのぼって受け取ることができず、その期間分がもらえない。
Aさんは結果して１０箇月分「１２４万円」をもらい損ねた。

男の平均寿命「７８才」まで生きた場合の６５才からの受給シュミレーションでは
「６１才」からの受給が一番総額は多くかった。

女の平均寿命「８５才」まで受給できるシュミレーションでは「７０才」から受け取るケースが一番総額が多くなった。

繰り上げ、繰り下げしない場合「６５才」からのシュミレーションで「７０才」時点での受給額総額は当然「６５才」が最多である。（７０才で死亡した場合）
この場合は繰り上げ受給申請がベターであったとなる。

結論として思うことは健康に自信があって平均寿命以上生きられる自信のある人は
「繰り下げ受給」を希望し、申請すると良いが、７０才を迎える前に忘れることなく受給手続きをすること。これが肝要である。

年金制度は複雑でわかりずらい。「消えた年金等」制度の不備はまだまだ見つかっている。
これからも制度の手直しは多々出てくるだろうし、注意深く情報には触れておく必要があると思うところです。