葬儀に集まる親戚。故人の遺徳というか、呼び寄せる人を偲ぶ会である。最近は「家族葬」が多いようだ。けっこう天寿を全うした人の場合だ。
今回呼び寄せた故人は「行年92歳」だった。特に病気もなく、「老衰」という事だった。施設に入って2年。静かに天寿を全うされた。
故人の兄弟、姉妹、親族だけの家族葬だった。20人程の規模である。顔は見覚えがあっても名前の出て来ない世代の離れた子供達がいる。
自己紹介をひとりひとりやってもらった。ようやく納得。故人との関係。ようやくわかった。
昔程、広範囲に親族が集まる事も無い。極く限られて親族の集いだった。通夜の席に集まった人がほぼ全員告別式、お斎の席に就く。
故人との最後の話。葬送の曲の披露もあった。「G線上のアリア」バッハの名曲を奏でてもらった。孫の演奏。芸大出のプロである。
これを聞いて持ち直したと言うエピソードも聞いたが、瞳を閉じた故人の目は再び開くことはなかった。
年代、世代別に自然に席が出来ていく。最近の個々人の生活パターン。近況。体調とかが話題となる。仕事が無くなると趣味の話題。
地域活動の話題。あっという間にお開きの時間となった。残りは「お斎」の機会に譲って「通夜振る舞い」の儀は終わった。