1月9日

2007-01-09 19:51:19 | Weblog


   大寒の一戸もかくれなき故郷  飯田龍太

 私が龍太の俳句にのめり込んで行くきっかけになった内の
 一句。自解によれば・・・

 「けして上品な趣味とは言えないが。私は立小便が大好きで
 ある。田舎住いのよろしさは何だ、と聞かれたら、誰はばかる
 ことなくそれが出来ることだと即答したい。とくに寒気凛冽たる
 今日この頃、新雪をいただく南アルプス連峰を眺めながら、
 自然の摂理に従う。この気分は極楽の思いである。これも
 そんな折での一句」

 きっと龍太の眼前の景色は落葉し尽くした故里の景であろう。
 一戸もかくれなきとは、隠しようのないともとれる。
 龍太の幼少の頃の故里はきっと隠すべきほどの貧しさが
 有ったのかも知れない。

     べい独楽や佃渡れば潮匂ふ   ころころ

 この一句は先の1月の句会に投句したもの、季語べい独楽は
 晩秋となっている。江戸時代には重陽の時期、(陰暦9月9日頃)
 その後は秋から冬にかけて流行ったと季寄せにはあるが、
 実際下町の子供らは年がら年中べい独楽をしていた。
 この遊びにも成長によって少し違いがあり。
 幼い年から、めんこ→ビー玉→独楽→べい独楽など遊びの
 進化過程がある。しかも男の子の遊びで、女の子はままごと
 、ゴム段などで一緒に遊ぶとなると鬼ごっこくらいだったかも
 知れない。
 この一句の自解はまたの機会に書くとして、
 いま病臥している父の元気な姿が脳裏にあった。

 

コメント
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