( 泰山木 )
泰山木家出るたびの遠目ぐせ 野沢節子
泰山木の花ありつたけ崩壊秘め 加藤楸邨
日本武尊泰山木ひらく 原田喬
あけぼのや泰山木は蝋の花 上田五千石
☆ 今日は和菓子の日ということです。
848年(仁明天皇の嘉祥元年)6月16日に、16個の菓子類を神前に供え、疫病退散を祈ったという嘉祥菓子の故事に由来するものです。
夏の和菓子も多くの季題になっています。お菓子ということで句が甘くならないよう
に詠むのもこつでしょう。
白玉や子のなき夫をひとり占め 岡本眸
ひえびえと吉野葛餅雉子鳴く 飯田龍太
葛切を水の流れのさまに盛り 檜 紀代
蜜豆に話のつきぬ旅の果 沼尻ふく
言ひにくきことさりげなく水羊羹 樋口久子
どうでしょう?それぞれの季題のお菓子の少しの趣の違いを
読み解くのが面白い。
白玉や子のなき夫をひとり占め これを
蜜豆や子のなき夫をひとり占め やはり白玉が動かないわけが分かりますね。