( 鉄砲百合 )
朝市へ鉄砲百合を肩抱へ 矢島渚男
鉄砲百合固き莟は天に向く 柴田奈美
食卓の鉄砲百合は素つぽをむく 加倉井秋を
☆ 朝までかかった仕事の後は目ばかり疲れ,頭は冴え渡っている
布団に入っても眠られず、いっそのこと句会へと行って参りました。
句会の成績は何となく名前を呼ばれました、やはり選句、選評にあって
客観写生について、主観についての話しとなったことで楽しい句会に
なったような気がします。そのなかで I 同人が仰った「客観写生は目的で
はない」という言葉に少し安堵の気持ちになりました。やはり自分の思いを
詠って(物に託して)こそ詩が生まれるのではと、今の結社に入会してより
窮屈な気持ち、何か物足りなさを感じていたのでした。
昨日の私の拙句の一つ
蔦若葉金色堂へ坂また坂
かろうじて M さんに拾われました、M さん有難うございました。さすがです。
この一句には時間がかかりました。 句の出来栄えは兎も角、 原句から
このような推敲で進みました。
金堂へ坂また坂や蔦若葉
↓
金色堂へ坂また坂や蔦若葉
↓
蔦若葉金色堂へ坂また坂
きっと原句ほうがおさまりがいいと仰るかたも居られましょう。
中尊寺金色堂には秋も深まった頃に行きました。紅葉も蔦紅葉も,見事なもので
ただ,山の寺ですからひたすら山道を登って行きます。
そんな疲れも金色堂に入ると皆吹き飛んで藤原の栄華にただただ驚きでした。
蔦若葉はとってつけたような季語ですが、秋の蔦紅葉からの連想的写生です。
俳句は季語を詠うものと日頃行っているころころですが、詩勝ちの句もやはり
今の力では理想と現実のギャップは否めないところです。
M さんもきっとその辺を買って採ってくださったとひたすら感謝するばかりです。
このように自分の投句のなかで多く点数が入った句よりたった一人の選者に
恵まれたことが嬉しい時もあります。形は不揃いでも少し主観が物に託され
たような気がしています。
つまらない事ですが6音節でないと坂が登りきれませんでした。