昨晩は、三重県名張市の蔵元、瀧自慢酒造の【瀧自慢・大吟醸斗瓶取り2006】を飲んだ。
2006というのは同年に出荷されたお酒を当店の冷蔵庫(5度)で3年以上貯蔵したもので市販はされていませんので注意。
原料には三重県産の山田錦を麹・掛けともに使用し40%精米したものです。醸造元でこのお酒を斗瓶に取り貯蔵し、出荷されたものをさらにこちらで3年間瓶貯蔵したもの。
これだけ聴いただけでも、このお酒に対する期待で胸が膨らむ・・・。
▲陶器とすず製とっくりで冷酒を▲
陶器で飲むと若干硬い気がするが、旨みは十分に乗っていることがわかり、満足感のある味わい・・・。
すず製とっくりで飲むと、一瞬にして角が取れまろやかさが広がる・・。やさしくて、そしてデリケートな味わいになり、飲み干した後の満足感よりもむしろ口中にあるときの日本酒本来の米の甘さ(旨み)が際立って感じられる。
▲【燗たのし】とすず製とっくりで熱燗に・・・。▲
熱燗にすると、冷酒で飲んだ時よりもお酒に厚みがでてきた。大吟醸といえばスルスルっと喉の奥に消えてゆく印象があるが、このお酒は口の中で旨みを引き出し、それを残したままのどの奥に消えてゆくので飲み干した後も、このお酒の余韻がふわっと広がりしばらくの間これに浸ることが出来る。
結果的にこのお酒を飲んで感じたことは、この蔵のお酒全体に言えることなのだが、蔵元の優しい人柄がお酒に十分に溶け込んでいる・・・と言うことだ。
飲んで優しさを覚え、造りに共感する。実際にやさしくてマイルドな酒質のものは世の中にたくさん存在するが、これほど蔵元の【笑顔】が脳裏に浮かぶお酒は多くはない。
▲2006年6月出荷のもの▲
▲このお酒のスペック▲