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皇室の母子を苦しめる天皇制、もういいんじゃないか

2006年02月09日 | NEWS / TOPICS
皇室典範改正問題と“紀子さまご懐妊”ニュースでにわかに政治マターとしての色彩が濃くなってきましたが、妊娠、出産、赤ちゃんの誕生という喜ぶべき出来事を、このように国民や政治家が色眼鏡で注視している、ことに興味の対象はその性別(というか“男かどうか”)一点に絞られている状況をみるのは非常に心苦しく腹立たしい思いです。
私たちの世代は天皇、皇太子・秋篠宮、その子どもたちと親子孫ともほぼ同じ世代なので、より強くそのように感じるのかもしれません。

いままでに数回このブログで取り上げて、前回は「これで最後にする」と書いたのに最後にできませんでした。そこに書いたように、有識者会議の報告を基にした政府案(女性・女系天皇・直系第一子)は、「天皇制を存続させる」ためにはこれしかないという案で、なおかつ(見る人によっては)「天皇制を崩壊させる」案でもあるわけです。そのように主張している人たちの考えでは、更に早く崩壊することも確かなので、今度生まれてくるはずの赤ちゃんの性別がどちらであろうと、将来の結果は同じなのかもしれません。

首相「皇室典範改正しないと天皇制維持難しい」
>小泉首相「皇室典範を改正しなければ、天皇制の維持は難しいということは、議論すればわかる」
これまで5年間にわたる小泉政治やその政治姿勢のほとんどは支持できないものばかりでしたが、この点に限ってみれば、首相の言っていることは筋が通っている。わけのわからない「伝統重視」連中は、物事を論理的に考えることができない人たちだということはすぐにわかるはずです。

しかし、女の子なら今度はまた「すぐに改正を」となって、男の子なら数十年先送りを主張する連中が幅を利かせてくる。そして、“皇太子・愛子派”と“秋篠宮・新皇子派”の争いになってくる。両家を取り巻く関係や、雅子・皇太子妃と紀子・次期皇太子妃のバランスも崩れてくる。そのなかでお互いの悩みも苦しみも深くなるかもしれない。

ちょうどタイミングよく昨日のNHKで壬申の乱のことを取り上げてましたが、“万世一系の伝統”なる天皇制も、長年の兄弟、親子、叔父甥の血肉をわけた争いのもとに成り立っているわけで、何もありがたがっていつまでも「基本的人権も何の自由もない特殊な家に生まれてしまった子どもたち」を増やし続けることもないでしょう。

もうやめましょうよ。
赤ちゃんが生まれる生まれないとか、性別がどうのでこんな大騒ぎをするのは。
そして、必然的にそのような非人道的な苦しみを生み出すシステムを維持するのは。
国民と政治家が、真剣に考えるべきときに来ていると言えるでしょう。

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