「食品の放射性物質 年齢の数字が目安か キノコとタラに注意」と書いたのは2011年12月・2012年1月号でした。その後、マダラが100Bq/kgの基準値オーバーを繰り返して出荷制限に追い込まれたことは御存じの通りです。11月から解除になりましたが、基本的な状況は昨年から何ら変化していません。
マダラに関しては、100を切ったから良い悪いという問題ではなく、次の2点について全く分かっておらず、県も関係者もマスコミも解明する気が全然ないということ自体が最大の問題です。
1)マダラの回遊ルートや範囲がわかっておらず、汚染度の高かった個体が福島や宮城沖から来たのか近海で汚染されたのかがわからない。
2)それに関連して、海底の汚染状況がほとんど調査されていない。
マダラは海底に近いところに棲息していて食物連鎖の最上位に位置しているため、他の魚と比べて格段に海底汚染の影響を強く受けるようです。個人的な推測としては、事故後に莫大な量(詳細は不明のまま)が放出された福島の海洋汚染に加えて、広い流域から放射性物質を海に流し続けている阿武隈川の河口~仙台湾の海底汚染が今後更に蓄積されていくのではないかと懸念していますが、具体的なデータの裏付けはなく、解明される見込みもなさそうです。
ですから、マダラは出荷制限が解除されて「安全宣言」が出されても依然として要注意であり、八戸港の出荷前検査も大きな進歩ですが、検査値までは表示されないようなので、子どもに安心してお勧めすることはできません。津軽海峡や日本海なら大丈夫だとは思いますが、引き続き検査情報のチェックを続けていく必要はあります。昨年と同様に<年齢の数字>を目安に。。
キノコに関しては「岩手県南は要注意、県北はたぶん大丈夫」と書きましたが、10月に入ってから少し様相が変わってきました。
十和田市 チチタケ Cs137 120 Cs134 ND Bq/kg
階上町 ホウキタケ Cs137 98 Cs134 18 Bq/kg
青森市 サクラシメジ Cs137 107 Cs134 ND Bq/kg
十和田市、階上町に続いて青森市にも野生キノコの出荷制限が指示されました。ただし、ここで注意してほしいのはセシウム(Cs)137と134の割合です。福島原発事故では137:134がほぼ1:1の割合で放出されました。1年半経って、Cs137(半減期30年)に比べてCs134(半減期2年)の方が多く減少しているとしても、上記のデータはアンバランス過ぎます。
この結果から推測されることは、1950-60年代の核実験による汚染やチェルノブイリ由来が7~8割、福島原発事故による汚染が2~3割程度であり、過去40年以上にわたって私たちは放射能キノコを食べ続けてきたという事実です。過去にはもっと汚染されて時期もあったのに、検査してないからわからなかった。フクシマ以前の基準はチェルノブイリの時に定められた370Bq/kgだったし、国内のキノコなど誰も気にかけていなかったので、フリーパスで市場に出回っていた。
もちろん、階上のデータでわかる通り、フクシマの影響が無いわけではなく、過去の汚染に更に上乗せされた状況にあります。山林の除染、特に青森県のような比較的汚染度の低い地域の除染がなされる見込みはゼロ(不可能)ですから、今後もCs137がゆっくりと減るのを待つしかなさそうです。(60年で1/4にはなりますが…)
マダラに関しては、100を切ったから良い悪いという問題ではなく、次の2点について全く分かっておらず、県も関係者もマスコミも解明する気が全然ないということ自体が最大の問題です。
1)マダラの回遊ルートや範囲がわかっておらず、汚染度の高かった個体が福島や宮城沖から来たのか近海で汚染されたのかがわからない。
2)それに関連して、海底の汚染状況がほとんど調査されていない。
マダラは海底に近いところに棲息していて食物連鎖の最上位に位置しているため、他の魚と比べて格段に海底汚染の影響を強く受けるようです。個人的な推測としては、事故後に莫大な量(詳細は不明のまま)が放出された福島の海洋汚染に加えて、広い流域から放射性物質を海に流し続けている阿武隈川の河口~仙台湾の海底汚染が今後更に蓄積されていくのではないかと懸念していますが、具体的なデータの裏付けはなく、解明される見込みもなさそうです。
ですから、マダラは出荷制限が解除されて「安全宣言」が出されても依然として要注意であり、八戸港の出荷前検査も大きな進歩ですが、検査値までは表示されないようなので、子どもに安心してお勧めすることはできません。津軽海峡や日本海なら大丈夫だとは思いますが、引き続き検査情報のチェックを続けていく必要はあります。昨年と同様に<年齢の数字>を目安に。。
キノコに関しては「岩手県南は要注意、県北はたぶん大丈夫」と書きましたが、10月に入ってから少し様相が変わってきました。
十和田市 チチタケ Cs137 120 Cs134 ND Bq/kg
階上町 ホウキタケ Cs137 98 Cs134 18 Bq/kg
青森市 サクラシメジ Cs137 107 Cs134 ND Bq/kg
十和田市、階上町に続いて青森市にも野生キノコの出荷制限が指示されました。ただし、ここで注意してほしいのはセシウム(Cs)137と134の割合です。福島原発事故では137:134がほぼ1:1の割合で放出されました。1年半経って、Cs137(半減期30年)に比べてCs134(半減期2年)の方が多く減少しているとしても、上記のデータはアンバランス過ぎます。
この結果から推測されることは、1950-60年代の核実験による汚染やチェルノブイリ由来が7~8割、福島原発事故による汚染が2~3割程度であり、過去40年以上にわたって私たちは放射能キノコを食べ続けてきたという事実です。過去にはもっと汚染されて時期もあったのに、検査してないからわからなかった。フクシマ以前の基準はチェルノブイリの時に定められた370Bq/kgだったし、国内のキノコなど誰も気にかけていなかったので、フリーパスで市場に出回っていた。
もちろん、階上のデータでわかる通り、フクシマの影響が無いわけではなく、過去の汚染に更に上乗せされた状況にあります。山林の除染、特に青森県のような比較的汚染度の低い地域の除染がなされる見込みはゼロ(不可能)ですから、今後もCs137がゆっくりと減るのを待つしかなさそうです。(60年で1/4にはなりますが…)