踊る小児科医のblog

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ウイルスが強毒化した?わけではない

2009年08月21日 | 新型インフルエンザ
4月30日の「死亡率は1%未満?問題はウイルスの病原性」で、
「メキシコでの死亡率は1%前後、先進国ではもっと低いことが予想される。季節性のインフルエンザで0.1%、今回の新型インフルエンザでは死亡率0.5%としても1万人の感染で50人(1000万人だと5万人)が亡くなる(強毒性の新型インフルの予想は3000万人感染で2%の60万人が死亡)」と書きましたが、
現在、死亡率が0.5%程度と考えられていますので、4月30日の時点での大雑把な予想とほぼ一致しています。

一方、今回の感染者は既に国内で10万人を越えているとの推計ですので、
 季節性インフルエンザと同じ0.1%だとしても100人、
 0.5%なら500人前後の死亡が予想されるところ、
それをはるかに下回る数名の死亡で「ウイルスが強毒化したのか」などという議論は成り立たないことがわかります。

新型、季節性に関わらずインフルエンザは強敵であるということなら話はわかりますが、季節性は大したことがなくて、新型は恐ろしいという感覚が未だにマスコミにも国民にも根強いようです。

小児の入院・重症例についての情報が欲しいところですが、今のところ報道以上のものはありません。

大阪府では学級閉鎖の基準を緩和して「季節性並み」にしたようです。
(というか、新型と季節性を区別しないということですねーそれが当然の帰結なのですが)

学級閉鎖の基準緩和 大阪、新型インフルで

 大阪府教育委員会は20日、感染が拡大している新型インフルエンザをめぐり、学級閉鎖の基準を緩和した通知を市町村教委などに出した。国の方針変更に合わせ、府内の一部の学校で夏休みが終わり、授業が始まっていることを踏まえた対応。
 従来は新型の感染者が2人以上いれば7日間の学級閉鎖としていたが、潜伏期間を考慮し、新型かどうかにかかわらず、インフルエンザの症状がある児童や生徒が10~15%に達した場合、当該クラスを4日間程度閉鎖することにした。
 また、新型と確定するための検査について、国が7月から患者全員には行わない方針に切り替えたことから、症状で判断することとした。政令指定都市の大阪市、堺市のほか、府内の私立学校も同様に対応する。

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2 コメント

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青森県が出したインフルエンザに罹患しないための方法 (Unknown)
2009-09-01 10:10:38
 青森県の、関連の部署のトップの方はかつて福岡県で疫学調査をなさっていた方です。新型インフルエンザ感染対策室長の難波吉雄室長の後任の方です。この部門からの御指示は、①マスクをする事、②帰宅後良く手を洗う事、③罹ったかなと思ったらコンタック600ではなく、家でじっとしている。発熱外来は廃止されたので予めアポを取って近隣の開業医に行く、、、というものです。
 効果を否定するものではないですが、マスクを掛けていてswine-fluA(H1N1)とかH5N1とかH9N2とかってScreening出来うるのかは確認できそうもありません。うちの研究所でN95入手しようと思ったら、結構納期が延びているそうです。
 因みに良く手洗いした手指をみると、爪の間の汚れが洗浄後に丁度程よく「ふやけて」握り締めた掌上に
くっきり残っていました。
 荒い方までちゃんと指導したほうが良いですね。また、罹患した方は息苦しくとも鼻の下にマスクを掛けずに鼻を覆うように掛けてほしいものです。くしゃみの飛沫は結構ききますから。

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青森県が出したインフルエンザに罹患しないための方法 (Unknown) (Teddy)
2009-09-01 10:16:45
一つ前のコメントに誤字がありました。また名乗るのを忘れていました。
   荒い方→洗い方
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