踊る小児科医のblog

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「タバコをやめてほしいのにやめてくれない。どうしたらいいでしょうか?」=小学生の疑問に答える (1)

2015年01月06日 | 禁煙・防煙
 これが一番難しい問題です。感想文では、多くの保護者の方が喫煙防止教室をきっかけに禁煙すると約束してくれたようで、素晴らしい成果だと思いました。しかし、皆さんがテストで全員100点をとることができないのと同じように、1回の授業で全員が禁煙してくれるわけではないというのが現実なのです。

 タバコを吸わない人からみたら、禁煙しようとして失敗するならわかるけど、禁煙しようという気持ちすら持てないというのは理解しがたいことかもしれませんが、それがニコチン依存症という病気の症状なのです。

 「昨日まで吸ってきて大丈夫だったから、明日も吸っても大丈夫だろう」とか「半分の人がタバコによる病気で死ぬといっても、自分は残りの半分の方に入るだろう」などといった根拠のない思いにとらわれてしまうのが、薬物依存症に共通してみられる「否認」という特徴なのです。

 ただし、口では「禁煙しない」と言っていても、内心では「そろそろ禁煙しないと」とか、「本当は禁煙したいけど自分にはできそうにない」などと感じている人が多いのです

 授業で一番最後に話したように、子ども自身の口で「お父さん、お母さんの健康が心配だからタバコをやめてほしい」ということを直接伝えることが一番のはずです。一度で聞いてくれない時には、何度でも聞いてくれるまで繰り返しましょう。お父さん、お母さんに早死にしてほしくないなら。

 その際には、授業でお伝えしたように、1)ストレス解消はウソで、実はタバコを吸うとストレスが増えることと、2)ニコチン依存症という病気なので簡単に禁煙できないのが普通であり、禁煙外来で薬を使うと楽に禁煙できるようになっているという大切な2つのポイントをもう一度伝えてみてください。

タバコについての小学生の疑問・質問に答える 喫煙防止教室の感想文から

2015年01月06日 | 禁煙・防煙
 喫煙防止教室の感想文で、様々な疑問や質問が寄せられました。その多くは、授業では触れることができなかったけれども、「そのような疑問を感じて調べたり考えたりしてほしい」と想定していたような内容でした。ここでは字数の関係でなるべく簡潔にお答えしたいと思いますが、重要なポイントを伝えるために小学生には少し難しい内容も含まれているかもしれません。お父さんお母さんや先生と一緒に読んで考えてみてください。(習っていない漢字もたくさん使われています。)

 なお、この回答は今後チェックして修正していき、来年以降も使えるQ&A集にしていきたいと思いますが、今回は十分に推敲できていない点が多く読みにくいかもしれません。同じ内容はブログでも更新していく予定です。

 予定している疑問・質問は以下の通りです。順次掲載していく予定です。

「タバコをやめてほしいのにやめてくれない。どうしたらいいでしょうか?」
「今の親の世代が一番喫煙率が高いと聞いて驚きました」
「タバコの本数を減らせば害は減りますか?」
「子どもがタバコを吸っても許されるのですか? 脳に害があるのではないでしょうか?」
「なぜタバコを売るのですか? タバコを作っても違法にならないのですか?」
「タバコはなぜ生まれたのですか? 国とタバコ会社の関係は?」
「タバコの種類によって害に違いはありますか? 有害物質のないタバコは? 電子タバコは?」
「ニコチンを他の目的に活用できないか?」
「友達に何と言って吸わせないようにしたらいいでしょうか?」
「禁煙したら健康への影響は減りますか?」
「健診で何も異常がなかったら吸っていても大丈夫でしょうか?」
「タバコを吸うと10年も寿命を縮まることに驚きました」
「なぜ完全禁煙ではなく分煙なのか? なぜ日本では外国と同じような対策がなされていないのでしょうか?」
「タバコはストレス解消になるとしても吸わないようにしたい」