熊本熊的日常

日常生活についての雑記

幸せ

2009年12月14日 | Weblog
ある雑誌のアンケートで「幸せとは」というようなことを尋ねられた。

「あなたの幸福度は100点満点で何点か」とか「幸せは何によって得られるか? - a 仕事、 b 収入、 c 家族、d 健康」といった、しょうもない質問が並んでいた。幸せというものにまで点数を付けて枠をはめてしまうという企画やアンケートを考えた人たちというのはあまり幸せではないのかもしれない。

幸せというのは、自分の外にあって獲得するものではないだろう。自分の置かれた状況のなかで、充足を感じることのできる感性あるいは才能であると思っている。したがって、それに100点満点もへったくれもない。幸せかそうでないか、二者択一でしかないだろう。感性に依存するのだから、仕事だの金だのに左右されるような幸せはそもそも存在しえない。そんなものを気にしていること自体が何より不幸に他ならない。

尤も、マスメディアというのは何事もデジタルで表示して、色のないものにも白黒つけて、読者を煽ってみたりするのが仕事だと信じて疑わない人たちが作っているのだろう。不定形のものに無理やり形を押し付けてみたり、当たり前のことをさも自分たちが発見したかのように張りぼてのような浅薄で脆弱な「ご意見」を掲げてみたり、傍目には猿芝居のようなことをして世の中をわかっているかのようなつもりでいるのがマスコミ関係者だと、私は思っている。

今年は170誌もの雑誌が休廃刊したそうだ。こうした状況の背景にはさまざまなものがあるのだろうが、ネットで代替されてしまう程度の内容しかなかったということも読者が離れてしまった理由の大きなものではなかろうか。むしろ、いままで続いていたのが幸せというものだろう。