熊本熊的日常

日常生活についての雑記

ちょいちょい

2012年04月24日 | Weblog

3月の頭に挽いた壷をようやく素焼きに出した。この壷は面取りを施し、さらに今日は黒化粧を施したので、これほど時間がかかってしまった。これまでも見よう見まねで鎬を削ったり面取りらしきことをしたものもあったが、ちゃんと指導を受けて作るのは今回が初めてだ。この壷を挽いたのと同時に挽いた碗3つがあるのだが、そちらは素焼きを終えて施釉を待つ状態だ。これまで面取りにかかりきりだったので、碗のほうの工程も遅れ気味である。空いた時間でちょいちょい、というような仕事で面白いものができることもあるかもしれないが、ある流れのなかで付加的なことをするときは、やはり段取りを考えたほうが無難というものだろう。

尤も、このあたりのところは自分の技量にも拠ることなので、一概に法則性のようなものはないと思う。よく「集中力」という言葉を耳にするが、それはあくまでその人の内面のことであって、見た目のことではないはずだ。浜田庄司が大事な作品を挽くときは、敢えて友人を仕事場に招いて談笑をしながら仕事をしたそうだ。そうやって己が勝るのを抑えたという。作品を作る側からすれば全身全霊を打ち込んで、といきたいところだろうが、それは凡人が考えることで、人間国宝になるような人は、どうしても出過ぎてしまう自我を抑えて環境との調和を図るべく、その我をいかに程よく抑えるかということに腐心するということなのだろう。そう考えれば、隙間のような時間に手慰みで作ったもののなかに面白いものが生まれないとも限らない。

今朝は出勤途上で携帯メールにお茶の教室仲間から花の展示会の案内が入った。会期は連休中なのでお邪魔してみようと思う。どのようなことであれ、他人様に気にかけていただけるというのは嬉しいことだ。もう少し落ち着いたら、茶道の稽古を再開することも考えてみようかと、ふと思った。