今年4月の日記で「プラモデルの安全な運搬方法」(http://blog.goo.ne.jp/kurakin1220/d/20120414)と題して、「竹串方式」と「ベルト固定方式」の2通りの方法をご紹介し、「どちらが良いか、自分で試してみます。」と書きました。
その結果を報告します。
2通りの方法を使って、静岡ホビーショーへの運搬を実際にやってみました。
東京から静岡の会場まで高速道路と一般道で片道約200kmを乗用車の後席とトランクに積んでの運搬です。
幸い、どちらの方法も破損はありませんでしたが、ベルト固定方式ではピン抜けによるベルト外れが数か所発生しました。
竹串方式は全く「問題無し」でした。
結論から言いますと、
まず、「頑丈さ、安全性」という点では、ほぼ同等です。
「手軽さ、簡単さ」、「汎用性」、「スペース効率」の3点で「竹串方式」が勝っています。
この方法を教えていただいたSOMAPさん(http://blogs.yahoo.co.jp/somap20)に感謝いたします。
逆に「ベルト固定方式」の勝っている点は、「重量が気になる場合でも使える」という点です。
以上が結論です。
では、解説編に入ります。
【竹串方式】
2.5~3cm厚の発砲スチロールの板の上にプラモの完成品を乗せ、要所に竹串(小さい物なら爪楊枝でOK)を刺して前後左右・・・つまり横方向への動きを封じます。
更に竹串を斜めに刺すことによって、上下方向への動きも封じます。
そして、この発砲スチロールに台ごと、箱に入れます。
1/48の単発機なら5本程度の竹串で十分です。
たったこれだけのことですが、下の写真の通り、これだけ傾けてもビクともしませんし、当然乗用車の振動程度なら全く問題ありません。
この方式の大きな利点は「汎用性」と「スペース効率」です。
既にお判りの通り、発砲スチロールの板の上に完成品を適当に配置して、竹串で固定していくだけですから、スペースさえあれば大きさ、形は何でもOKですし、配置も自由自在です。
下の写真でお判りの通り、発砲スチロール板の大きささえ変えれば、どんなスケールのどんなジャンルのキットにも使い回せるということです。
但し! この方法にもひとつだけ欠点があります。
「上下の動きを封じるために竹串を斜めに刺す」ということは、下方向への「圧力」が若干ですが掛かることになります。
つまり、大型機のように華奢な主脚で重い機体を支えているような場合には、主脚への負担が更に増すことになるので、最悪は「破損」という危険性があるということです。
【ベルト固定方式】
運びたい完成品の大きさや形状に合わせて、予め固定台を発砲スチロールで制作し、ベニア板か丈夫なダンボール板に両面テープで固定します。
この上に完成品を乗せて、適当な巾/長さの発砲スチロールのベルトと待ち針(又は針の長い画鋲)で固定して、これごと箱に入れるというやり方です。
この方法の利点は、竹串方式の欠点の裏返しで、重量の負担による破損の心配が少ないということです。
写真のB-17などは重量の割に主脚が華奢な典型ですが、ご覧の通り機体全体が浮いていて、主脚には全く負担が掛かっていませんから、この部分の破損の可能性はゼロです。
つまり、四発重爆のように重量がある割に、主脚が華奢で不安があるような場合には、主脚に負担の掛からない「ベルト固定方式」が向いています。
欠点は、これも竹串方式の利点の裏返しで、「汎用性」が乏しく、「スペース効率」もあまり良くないということです。
例えば、同じ4発重爆でも、1/72のB-17に合わせて作ったものは、同じ1/72でもB-24用には使えないということです。
冒頭に書きました通り、静岡への運搬では、一部の針抜けによるベルト外れが発生しましたが、これは「台」に使用する発泡スチロールの材質(硬質が良い)とピンの刺し方(角度)に原因があると思いますので、
・台部分には必ず硬質発泡スチロールを使用する
・針は足の長い待ち針を斜め下向きに刺す
ことを守れば、改善できる筈です。
次にこれを入れる運搬用の「箱」ですが、これもダンボールと衣装ケースの両方を試してみました。
これはもう、衣装ケースの圧勝です。
ダンボールの最大の欠点は、短い辺についている内蓋が運搬中に垂れ下がって、中の完成品を痛めるという点です。
今回の運搬でも、このためにUボートの張り線が緩んでしまいました。
過去にはアンテナ支柱が折れたこともあります。
半透明で中身が見えることや耐久性、不要になった時の使い道の点でも衣装ケースが断然有利です。
ダンボールの唯一の利点はコストが安いことですが、衣装ケースも最近はホームセンターのPBなど、数百円で手に入りますから、耐久性を考えるとあまり大きな利点ではありません。
ということで、総合評価としては、
衣装ケースを使用した竹串方式がお勧め
ということです。