万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

先端の脳科学が明かす元慰安婦証言の怪しさ

2014年09月15日 15時50分18秒 | 国際政治
 朝日新聞社による吉田証言の否定によって、韓国は、日本軍による強制連行説を維持するためには、元慰安婦の証言に頼らざるを得ない窮地に陥りました。朴大統領も、実際に体験した元慰安婦の証言こそ、”動かぬ証拠”と言い張ってきましたが、最近の脳科学は、証言と言うものが必ずしも事実ではないことを明らかにしています。

 昨日、夜の9時からNHKにおいて、「臨死体験」に関する番組が放送されておりました。立花隆氏が臨死体験の謎を科学的に追求するという構成ですが、この番組において、他者が意図的に改竄や刺激を加えることで、人の記憶は後から変えることができる、とする興味深い実験結果が紹介されておりました。記憶の改竄実験とは、過去に撮影した家族写真の一部を切り取り、別の場面の写真に張り付けて見せると、被験者は、最初は自分の記憶にはないと否定するものの、執拗に質問を続けると、何日か経つうちに作り話の記憶(false memory)を語り始めるというものです。当番組には、ノーベル賞を受賞した利根川進博士も出演しており、マウス実験の結果から、この”偽りの記憶”があり得ることを科学的に説明していました。実際に、ソ連邦や中国等の共産主義国では、洗脳テクニックが開発されていたとも聞きますので、人の記憶を後から改竄することはあり得ないことではありません。韓国人元慰安婦の証言が二転三転するのも、偽の記憶を造りたい外部の人の圧力を受けて、記憶が変化したからかもしれないのです(もちろん、元慰安婦の女性達は、嘘と分かっていながら、証言を都合よく変えたのかもしれませんが…)。何れにしましても、”経験談としての証言は絶対である”とする主張は、科学が否定しているのです

 偽の記憶造りは、国家レベルで実施されますと、”歴史の捏造”や”歴史観の押し付け”と言うことにもなります。史実を改竄して偽の記憶と取り替える、あるいは、作り話を事実の如くに思い込ませようとする試みに対して、人類は、十分に警戒しなければならないと思うのです。

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朝日新聞社が認めた”偽証”が韓国を揺るがす

2014年09月14日 15時12分06秒 | 国際政治
慰安婦誤報、朝日は周知努力を=安倍首相(時事通信) - goo ニュース
 事実無根の慰安婦記事を掲載した事件について、朝日新聞社は、訂正の遅れは謝罪したものの、未だに慰安婦問題の本質は変わっていないと主張しています。韓国もまた、朝日新聞社と基本姿勢を同じくしており、元慰安婦の証言を盾に、強制性はあったと言い続けています。

 朝日新聞の記事の元となった”吉田証言”とは、日本軍の命令の下で強制連行を実行したとする元日本軍人の告白、つまり、実行犯の実体験として公表されました。いわば、日本軍の内部告発であり、本人自身が自らの経験をまことしやかに証言したのですから、多くの人々が事実と信じ込んだのです。”私は見た”とか、”私は聞いた”という言葉に、案外、人は簡単に騙されるものです。しかしんがら、証言とは、事実との齟齬が判明すると、信頼性を一気に失います。”吉田証言”もまた、済州島で聞き取り調査を実施しても裏付けが全くとれず、指揮命令系統も当時の日本軍や行政組織と一致せず、捏造であることが早い時期に発覚していました。今日に至り、朝日新聞社が吉田証言を偽証であったことを認めたのですが、その影響は、やはり韓国の主張を揺るがすのではないかと思うのです。何故ならば、韓国の最後の砦は、”元慰安婦の証言”なのですが、吉田証言が偽証であったことが確定したことは、”証言”というものの信頼性を著しく低下させることになるからです(しかも、韓国の偽証率や誣告率は極めて高い…)。

 韓国人元慰安婦の証言について、日本国政府は、河野談話の根拠となった元慰安婦の聞き取り調査については再検証を見送りましたが、新聞報道によりますと、信頼性に乏しく、厳正な再検証が実施されれば論駁されることは必至なそうです。朝日新聞社が先鞭をつけた”証言”から”偽証”への流れは、やがて、韓国にも及ぶのではないかと予測するのです。

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アメリカの対中国打診の危険性―ウイグル弾圧容認の誤ったメッセージ

2014年09月13日 15時48分09秒 | 国際政治
 今月9日のウォールストリート・ジャーナル電子版が報じるところによりますと、アメリカのオバマ政権は、対イスラム国包囲網の形成に際して、中国も参加するよう打診したと報じられております。中国は、参加の意向を示しているそうですが、この打診、中国に誤ったメッセージを送る可能性があると思うのです。

 近年、ウイグル関連のテロが増加したことを根拠に、中国政府は、ウイグル人への弾圧を強めています。国際的な批判を避けるためにか、ウイグル人と漢人との婚姻を奨励しているとも伝わりますが、この手法も”ソフトな民族浄化”に他なりません。こうした時期に、対イスラム国の包囲網参加の打診があれば、中国は、”渡りに船”とばかりに飛びつくはずです。何故ならば、対イスラム国対策としてならば、国際社会から然したる批判を浴びることなく、ウイグル人を弾圧できるからです。国際批判を回避し、かつ、弾圧強化の根拠を得られるのですから、中国政府にとりましては一石二鳥です。一方、仮に、アメリカの対イスラム国包囲網参加の勧誘を、中国がウイグル弾圧容認のメッセージとして受け取り、実際に、ウイグル人に対する監視や抑圧の強化を招くとしますと、アメリカもまた、国際的な批判を免れ得なくなります。イスラム国との戦いを優先したがゆえに、中国から不当な植民地支配を受けているウイグルの人々を冷たく見放し、犠牲に供したことになるのですから。

 この展開は、第二次世界大戦にあって、戦略的な理由からソ連邦と手を組んだところ、後々、その軍事的脅威に苦しめられた歴史と似ていなくもありません。少なくとも、誤ったメッセージを中国に送る危険性があるのですから、中国は、対イスラム包囲網には含めない、あるいは、ウイグル弾圧の口実としないとする確約を得ておくべきではなかったかと思うのです(もっとも、中国との約束は、常に反故にされるものですが…)。

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ダライ・ラマ14世の転生活仏制度廃止発言-チベット型民主主義の可能性

2014年09月12日 16時13分32秒 | アジア
 チベットのダライ・ラマ14世は、訪問先のドイツで450年の伝統を誇る転生活仏制度の廃止について言及したと報じられております。宗教を麻薬として否定しているはずの共産主義国家中国が、この発言に反発している矛盾が示すように、現状では、転生活仏制度が、近い将来、中国のチベット支配の手段となることは疑いえないことです。ダライ・ラマ14世は、転生活仏制度の存続とチベットの将来の両者を思慮深く量り、廃止を選択することで、チベットを救おうとしたのでしょう。

 実のところ、今日の先端的な科学的知識を以ってしても、転生については、誰もが証明することができず、あるとも、ないとも断言できない状況にあります。中国が、ダライ・ラマ14世が選んだパンチェン・ラマを拉致し、別の少年を指名したのは、転生の証明不可能性を悪用したとも言えます。ダライ・ラマ14世もまた、転生活仏制度に付随する政治的危険性を深く認識しているからこそ、制度の存続よりも廃止を選んだのでしょう。それでは、チベットは、転生活仏制度の廃止と共に俗化してゆくのでしょうか。チベットの民主主義のあり方として、一つ考えられるモデルは、転生の証明不可能性を逆方向に生かす形態です。ダライ・ラマやパンチェン・ラマ等の生まれ変わりを決める手続きは、伝統的に乗っ取れば、他の転生ラマの承認が必要です。一方、民主的な制度にあっては、投票権を持つ国民一人一人が自らの心を働かせ、仏心を宿した活仏であると信じる高潔な人物に投票するという方法が考えられます。この方法ですと、たとえダライ・ラマやパンチェン・ラマといったラマの職位や名称がなくなったとしても、少なくともチベット仏教の精神だけは引き継ぐことができます。そして、選ばれた政治家もまた、国民から仏の化身と見なされている以上、権力を私物化したり、道徳に反するような悪事に手を染めることはできないはずです。

 ”政治はきれいごとでは済まされない”とする意見も聞かれますが、その反面、政治権力が悪人の手に渡った時の起きる国民の悲劇は計り知れません。民主的制度の欠点の一つは、様々な誘惑によって、有権者も政治家も堕落し易いことです。転生活仏制度なき後のチベットの人々の心が荒廃し、俗化による政治腐敗や社会悪が蔓延しないためにも、チベット型の民主主義という試みがあってもよいのではないかと思うのです。

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聖戦ならば”イスラム国”はウイグル人のために闘うべき

2014年09月11日 15時18分46秒 | 国際政治
シリア空爆へ戦線拡大=有志連合主導―対イスラム国で米大統領(時事通信) - goo ニュース
 中東において、急速に勢力を拡大させた過激派組織の”イスラム国”。イスラム教の世界を忠実に実現し、カリフが統治する”神の国”の建設を目指しているとも伝わりますが、この組織が、暴力主義集団であることは自明のことです。

 アメリカのオバマ大統領は、”イスラム国”の非人道性を痛烈に批判し、壊滅に導くべく演説を行いましたが、大統領演説でも述べられているように、如何なる宗教も、無辜の人々の殺害を許すはずもありません。しかも、犠牲者の大多数は、あろうことか、イスラム教徒なのです。信仰の仲間であるはずのイスラム教徒を虐殺するぐらいですから、異教徒達に対する”イスラム国”の仕打ちも惨いものです。ゾロアスター教の系譜を引くヤズィーディー派の少女たちを拉致し、人身売買するという暴虐ぶりなのですから。『コーラン』では、イスラム教徒が迫害された場合のみ、ジハード(聖戦)を許しています。イスラムの理想を掲げながら、宗派の違いを理由にイスラム教徒を大量虐殺し、『コーラン』の誠実な僕を名乗りながら、この教えにも反して異教徒を迫害しているのですから、”イスラム国”ほど矛盾した存在はありません。仮に、”イスラム国”が、真のイスラム教徒であり、かつ、『コーラン』を遵守する集団であるならば、向かう先は中東諸国ではないはずです。”イスラム国”が真にジハードを闘うべき場所は、ウイグルの地なのではないでしょうか。何故ならば、『コーラン』が聖戦を許しているのは、異教徒からイスラム教徒が迫害されているウイグルをおいて他にないからです。

 手段を選ばず、テロに訴えてでも支配地域の拡大し、石油施設といった利権の掌握を図っている”イスラム国”は、人の道を踏み外した単なる権力亡者にしか見えません。”イスラム国”が真のイスラム教徒であるならば、闘う相手が違ってると思うのです。

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欧米メディアの女性閣僚批判-警戒し合う日本とユダヤ

2014年09月10日 14時38分00秒 | 国際政治
「一度会っただけ」 極右代表との写真撮影で自民・稲田氏(産経新聞) - goo ニュース
 第二次安倍内閣の発足により、日本国では、5人の女性閣僚が新たに誕生することになりました。”日本国では、女性が抑圧されている”と常々国際的に批判されてきただけに、海外メディアでは、女性の抜擢が好意的に報じられると思いきや、そうとばかりは言えないようなのです。

 本日の報道によりますと、欧米メディアは、保守派とされる総務相の高市氏と自民党の政調会長の稲田氏が極右団体の代表と一緒に撮影した写真を掲載し、批判的に報道したそうです。考えても見ますと、日本で撮影された写真を海外メディアが入手することは不自然ですので、おそらく、日本国内の何らかの組織が提供したのでしょう。保守派叩きのために”外圧”を利用したい反日メディアであるのかもしれませんが、その一方で、ネオ・ナチや鍵十字などが登場してくるところに、”『アンネの日記』切り裂き事件”に通じる怪しさが漂っています。これまで、日本国では、イザヤ・ペンダサンの著書などにより、日ユ同祖論などが唱えられ、ユダヤ人に対する感情は比較的良好でしたが、ここ一、二年で、風向きが大きく変わってきております。ユダヤ勢力が、日本国に対して何らかの工作を仕掛けていることを疑う日本人も少なくないのです。このユダヤ人に対する感情は、ネオナチに見られるような過去の反ユダヤ主義への傾倒ではなく、現実のユダヤ勢力に対する警戒感です。そして、ユダヤ人もまた、日本人に対して警戒感を抱いているのではないでしょうか。その現れが、保守派の女性閣僚に対するバッシングなのではないかと推測するのです。

 マスメディアの世界は、ユダヤ勢力の影響が強いことは既に周知の事実となっておりますが、メディアが称賛する女生とは、ユダヤ人の世界観を忠実に実現してくれる女性なのでしょう(たとえ国家や国民を裏切っても…)。たとえ相当の支持率があっても、メディアが、フランスのル・ペン女史を絶賛するとも思えません。自らの歴史や民族性に人一倍こだわりながら、ユダヤ人にとっては、他国や他民族が自らの固有性を維持することは、許しがたいようなのです。果たしてユダヤが目指す世界とは、一体、どのようなものなのでしょうか。警戒感を抱く日本人の多くは、それを見極めたいと思っているのです。

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スコットランドの運命の選択は如何に

2014年09月09日 15時45分22秒 | ヨーロッパ
 スコットランドでは、独立を問う住民投票を前にして、独立賛成が反対を上回る世論調査の結果も見られ、イギリスの将来像に世界の関心が集まっています。スコットランドの独立志向の強さは、イングランドとの積年の確執は解けてはおらず、民族意識というものは、百年、あるいは、千年単位でも消えることはないこともを示してもいます。

 現英王室がスコットランドのスチュワート朝の系譜を引いているためにか、独立を選んでも同君連合のような形態となるようですが(カナダやオーストラリア…と同じ)、スコットランドが独立を主張する第一の理由として上げられているのは、財政負担の問題です。現状では、スコットランドはイングランドに対して出超の状態にあり、特に北海油田から上がる収益がロンドンの国庫に収まってしまうことには不満があるそうです。独立すれば、スコットランドの財政が潤沢になり、社会保障や社会福祉の予算も増額できるとなれば、独立案が住民を惹きつけるのも不思議ではありません。他のヨーロッパ諸国でも、分離・独立運動が盛んなのは、相対的に商工業が盛んな豊かな地域です。”同族でもないのに、何故、我々の納めた税金が他の地方で使われるのか”という反発心なのかもしれません。しかしながら、実際に、分離・独立が、財政負担の軽減となるかどうかは未知数です。独立主権国家ともなれば、スコットランド政府が独自で防衛、安全保障、外交等を担わねばならず、軍隊や軍備については一定の比率で英国軍から分離・継承するとしても、外交については、各国の首都や主要都市に大使館や領事館を開設し、外交使節等を派遣する必要があります(連邦制という選択もあるのでは?)。また、北海油田も将来的には枯渇しますので、未来永劫にわたってスコットランドがその恩恵を享受し続けるとは限りません。財政的には、期待されたほどスコットランドにとってプラスとはならないかもしれませんが、それでもなお、独立を選択するとしますと、それはスコットランド魂の叫びなのでしょう。

 スコットランドの選択は、イギリスのみならず、他の諸国にも影響を与える可能性があります。以前から、ヨーロッパの議論でも、EUの成立によって民族独立のケースが増えるのではないか、とする予測がありました。もはや、国家に帰属しなくても、EUに加盟していれば、経済的には市場が狭まることなく、政治的には小国としてでも自立できるとする見通しからです。スコットランドの場合、独立後に、改めてEU加盟の手続きを行うとも報じられていますが(ユーロの導入?…)、イングランドと共に歴史を歩み続けるのか、それとも、EUを枠組みとした新たな国家モデルとなるのか、スコットランドの選択から目を離せないと思うのです。

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日本国政府は印パの洪水被害に支援を

2014年09月08日 15時15分19秒 | 国際政治
インドとパキスタンで洪水、死者300人超に(読売新聞) - goo ニュース
 報じられるところによりますと、インドとパキスタンの北部で、”過去50年で最大の被害”とされる洪水が発生しているそうです。死者も300人を越え、家屋の浸水のみならず、衛生状態の悪化から感染病の拡大なども懸念されます。

 水害被害に直面しているのはカシミール地方であり、印パの間のカシミール紛争、並びに、中印国境紛争の舞台でもあります。極めてセンシティヴな地域なのですが、今般の被害に対して、日本国政府は、いち早く、支援を実施すべきではないかと思うのです。第一の理由は、インドのモディ首相の訪日直後でもあり、日印関係の強化に資することです。日印の友好関係の如何は、国民感情にも依存しますので、言葉だけではなく、実際に危機において日本国が支援を行うことは、インド国民の対日感情を良好に保つことに繋がります。第二に、インドへの支援は、対中牽制の効果があります。カシミール地方では、中国軍によるインド領域への侵入が続いており、今なお、緊張状態にあります。日本国政府が、人道支援であれ、インド支援を実施すれば、中国に対するメッセージとなります。第三に、インドのみならず、同様に被害を受けているパキスタンにも同時に支援を行えば、隔てなき人道支援を実現すると共に、印パ関係の緊張緩和にも貢献するかもしれません。もちろん、相手国からの支援要請がなければ、日本国政府も具体的な行動をとることはできませんが、少なくとも、支援の準備があることを相手国に伝えることこそ重要です。

 以上の諸点を考慮しますと、日本国政府が災害に見舞われた印パに対して、早急に友好国としてできる限りの支援を行うことは、将来のアジアの平和と安定のための布石ともなりましょう。”善は急げ”とも申します。

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「イスラム国家」問題-国家が消滅しても戦争はなくならない

2014年09月07日 15時30分42秒 | 国際政治
法王に「宗教国連」提言=過激派に対抗―イスラエル前大統領(時事通信) - goo ニュース
 これまで、平和主義者は、国家が存在するからこそ戦争が起きるのであって、国家さえなくなれば、世界に平和が訪れると主張してきました。しかしながら、この説は、「イスラム国家」の出現によって否定される運命にあるようです。

 既にその兆候は、2001年9月11日にアメリカで発生した同時多発テロにおいて観察されていました。テロの実行犯は、全世界から集まったイスラム原理主義組織のメンバーであり、アメリカを攻撃したのは国家ではなかったからです。同時多発テロが、従来の国家対国家の戦争となったアフガニスタン戦争に発展したのも、アフガニスタンのタリバン政権が、首謀者とされたウサーマ・ビン・ラーディンを匿っていたからに過ぎません。当のウサーマ・ビン・ラーディンもサウジアラビア出身でありながら、その父親はイエメン出身であり、特定の国との結びつきが極めて弱いのです。今日、「イスラム国家」を名乗る集団も、国際法上の国家の要件を充たしているわけではなく、また、国家承認を受けているわけではありませんが、現実には、他国や他国民に対して”戦争”をしかけています。このことは、たとえ国家が消滅したとしても、宗教戦争や民族紛争が世界各地で起きる可能性を示しています。否、国家の枠組みが流動化すればするほど、その危険性は高まっているとも言えます。最悪の場合には、国家間の戦争よりも大規模な”戦争”に発展しかねないのです(世界宗教の人口を考えれば、これらの間で紛争が起きれば、全人類の存続に関わる事態に…)。

 共産主義者もまた、マルクスが国家の消滅を予言したことから国家の破壊に熱心ですが、国家の消滅は平和を約束しないどころか、人類を、どこにいても安全の保障がない混沌に投げ込むかもしれません。真に平和を求めるならば、逆に国家のリスク管理能力を高める方が、よほど効果的なのではないかと思うのです。

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迅速なNATO-急ぐべき中国包囲網の形成

2014年09月06日 15時43分44秒 | 国際政治
ロシア対抗へ緊急部隊創設=サイバー攻撃も集団防衛対象に―NATO首脳会議(時事通信) - goo ニュース
 ウクライナ紛争を機に深まったロシアとの緊張に対応すべく、NATOの首脳会議では、新たに緊急部隊の創設が決定されたと報じられています。この素早さと比較しますと、中国の脅威に対するアジアでの動きは遅すぎるように思えます。

 そもそも、NATOが結成されたのは、第二次世界大戦が終結してからわずか4年後のことです。ソ連邦の脅威に対して、西側諸国はいち早く行動を開始したのであり、そこには、一切の理想や楽観主義を排した安全保障に対する現実的な感覚を見出すことができます。この鋭敏な感覚は、幾度となく戦争を繰り返してきたヨーロッパの歴史において培われてきたのでしょう。その一方で、アジアに視線を移しますと、21世紀に至り、露骨なまでに領土拡張主義と自民族優越主義-”中国の夢”-を唱える国が出現したにもかかわらず、軍事大国を抑えるための目立った動きはありませんでした。冷戦期を通してNATOが曲がりなりにもソ連邦に対する抑止力を働かせたことを考慮しますと、アジアには、未だに地域的な安全保障の枠組みがなく、この意味において、中国に対して脆弱な状況にあります。

 先日、インドのモディ首相が来日し、日印関係の強化に向けた動きが始まりましたが、アメリカ、オーストラリア、東南アジア諸国等による中国包囲網の形成は、アジアの平和の礎となるはずです。安全保障においては、時間が決定的な意味を持つこともあるのですから、脅威への対応には迅速さが必要なのではないかと思うのです。

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出鱈目であった国連人権委の調査-謝罪すべきはクマラスワミ氏では

2014年09月05日 15時29分55秒 | 国際政治
国連人権委報告「朝日の記事が影響」…官房長官(読売新聞) - goo ニュース
 慰安婦問題が日韓関係の二国間関係に留まらず、国際的な糾弾の嵐となって日本国を襲った原因の一つは、朝日新聞の捏造記事であることは疑い得ないことです。その朝日新聞が記事の誤りを認めたのですから、当然に、この記事に依拠して作成された国連人権委の報告書も訂正、あるいは、取り消されてしかるべきです。

 ところが、1996年に国連人権委で日本批判の報告書を採択に携わったクマラスワミ元特別報告者は、日本国のメディアのインタヴューに”修正の必要はない”とにべもなく返答したと報じられています。修正を必要としない理由は、”日本軍が雇った民間事業者が誘拐した”事例があり、それは調査に基づくものであったからなそうです。しかしながら、国連人権委員会は、当時、現代という時代が求めるレベルを充たす厳正な調査を実施したのでしょうか。確かに、クマラスワミ氏は、訪日調査も実施しておりますが、面会したのは、日本国の戦争責任を追及してきた吉見義明氏といった一部の歴史家などに限られていたようです(否定論の立場にある現代史家の秦郁彦氏とも面会しているが、報告書には歪曲されて記述されたと述べている…)。事実関係を厳密に調査するならば、歴史家や活動家の個人的な意見を聞くのではなく、政府保管の資料、元日本軍人の証言、当時の慰安所の実態を知る元日本人慰安婦…等を調査対象とすべきです。こうした調査の実態から浮き彫りになるのは、クマラスワミ氏が、最初から”結論ありき”で調査に臨み、”日本の有罪”を示すものであれば、捏造であろうと、伝聞であろうと、裏付け作業を経ることなく、全て報告書の根拠として採用したということです。クマラスワミ氏は法律家なそうですが、こうした杜撰な調査では裁判の立証に耐えられないことは分かっているはずです。

 今では、再検証の結果、河野談話が日韓共同作文であることが判明し、かつ、朝日新聞社が記事を否定したことで、クマラスワミ報告書に対する信憑性も崩壊しております。残るは元慰安婦達の証言のみですが、その証言内容も、発言の度に二転三転していることが記録されています。クマラスワミ氏は、朝日新聞と同様に自らの見解を頑として変えず、従来通り、日本国に謝罪責任があると考えているのでしょうが、真に謝罪すべきは、出鱈目な調査で日本国を誣告したクマラスワミ氏自身なのではないでしょうか。

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何故細胞は死の前に光るのか?-STAP細胞事件が示す生命の不思議

2014年09月04日 15時24分50秒 | その他
 科学的な成果としてのSTAP細胞の存在は、理研の中間報告によりますと、否定的にならざるを得ないようです。その一方で、一連の事件は、生命科学のに対して極めて興味深いテーマを提供していると思うのです。

 生物学は専門外ですので、的外れな疑問であるかもしれないのですが、それは、何故、”細胞は、死を前にして光るのか?”、あるいは、”遺伝子レベルで変化するのか?”という問題です。STAP細胞の万能性、あるいは、未分化状態であることを証明する証拠の一つとして、OCT4の発現があったことが挙げられていました。実験に先立ち、マーカーとしてOCT-4が発光するように遺伝子を操作するとで、その発現を確認することができるそうです。STAP細胞の場合も、OCT4の発現が確認されたため、その存在の信憑性が高まったのですが、実のところ、理研の中間発表でも説明されたように、OCT4の発光は、細胞が死を迎える直前にも観察されるそうです。つまり、OCT4が発光したのは、万能性を獲得したからではなく、細胞死に伴う現象であったことになるのです。STAP細胞の検証実験としては、お話はここで終わるのですが、この現象、事実であれば、まことに不思議な現象です。何故ならば、細胞は、生命が終わる段階で、遺伝子レベルでは、初期化、あるいは、再生という逆の方向の変化を見せていることになるからです。これは、一体、何を意味するのでしょうか。細胞死に伴う発光は、通常の緑色のみならず、照射する光の角度を変えると赤色にも見えるそうです。この奇妙な自家発光現象は、通常の遺伝子操作によるものと同一なのでしょうか。

 細胞死における遺伝子発現の変化こそ、実のところ、生物の生と死に関わる謎を解く重大な鍵が隠されているのかもしれません。

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香港の民主制度改革-中国は”民主主義の潰し方”を知っている

2014年09月03日 15時39分53秒 | アジア
香港民主派議員27人が否決意向 長官選改革、デモ隊19人逮捕(産経新聞) - goo ニュース
 民主主義国家が大多数を占める国際社会にあって、共産党一党独裁体制を堅持している中国。内外からの批判を撥ね付ける一方で、”民主主義の潰し方”の研究だけは余念がないようです。

 返還に際して「一国二制度」が認められたことで、香港では、曲がりなりにも民主的選挙が実施されていました。しかしながら、ここにきて、中国が行政長官選挙の制度改革案を決定したことで、香港の民主主義に暗雲がたちこめています。報じられるところによりますと、この改革案、立候補に際して推薦要件といった制限を設けることで、民主派の候補者を予め選挙から排除できるというものなそうです。中国本土でも、”選挙”が名ばかりとなるのは、こうした制限が設けられているからに他なりませんが、当局の息のかかった候補者しか立候補できない制度は、民主主義を形骸化することは言うまでもないことです。つまり、表面的には”民主的選挙”を制度として残しながら、候補者の事前選抜により、住民は、事実上、当局から認定された候補者の中からしか撰べないのです(譬えて言えば、赤、白、青、黄色、緑から自分が最も良いと思う色を選ぶのではなく、5つの赤から選ぶだけ…)。このことは、国民や住民の政治に参加する権利が消滅することを意味ています。

 実のところ、現行の民主制度の重大な欠陥の一つは、国民や住民が選択を行う以前の段階で、何者かによって既に結果が決められてしまう可能性にあります。香港の民主制度改革案は、香港の立法院で否決された場合には廃案となりますので、民主派議員は、当法案の成立を阻止することでしょう。しかしながら、民主主義国家を自認している諸国も、足元を見ますと、”事前選抜”の魔の手が伸びていることに気づくはずです。日本国も、大丈夫なのでしょうか。

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アジアの未来を開く日印関係の強化

2014年09月02日 15時14分38秒 | アジア
日印、安保連携で一致 首脳会談 共同声明「特別な関係」明記(産経新聞) - goo ニュース
 昨日、来日中のインドのモディ首相との首脳会談の後、両国による共同声明が発表されました。今日ほど、日印関係の強化が必要とされる時代はないのではないかと思うのです。

 21世紀における中国の台頭は、平和的でも民主的でもなく、当初の期待が裏切られる形で今日に至っています。強大化した軍事力を背景に、中国は、事あるごとに”アジアのことはアジアで決める”と国際社会を威嚇しつつ、アジアの盟主の如くに振る舞っています。しかしながら、中国や朝鮮半島だけが”アジア”のはずもなく、他のアジア諸国が、中国に対してアジアの未来を決定する盟主としての権利を与えているわけではありません。こうした中、中国を挟んで東西に位置する日本国とインドが手を結ぶことは、個別に中国に対峙するよりも、数倍の効果を発揮します。この”挟み打ち”の牽制力については、むしろ中国の方が的確に認識しており、中国メディアも、日印の協力強化に対する強い警戒感と反応を示しているようです。東西から挟まれたのでは、中国は、身動きがとれなくなるからです。しかも、日印両国とも、中国の如く非民主国家ではなく、アジアに専制的な華夷秩序を復活させることを狙ってもいません。全く逆に、自由で民主的な諸国が集うアジアを理想としているのです。

 日印関係の強化は、中国や朝鮮半島以外の全ての諸国に取りまして、朗報となるはずです。財政難に苦しむアメリカも、アジアの安全保障にかかる負担を軽減することができますし、安全保障に関して諸国が協力する体制が構築できれば、国連の機能不全に際しては、それに代替することもできます。後世の歴史家は、日印関係の強化が、21世紀のアジア、そして、国際社会を方向付けた転換点の一つであったと評価するかもしれないと思うのです。

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中国の歪んだ鏡-アメリカに対する人種問題批判に見る倒錯

2014年09月01日 15時44分37秒 | 国際政治
 中国の共産党機関紙である環球時報は、アメリカで起きた黒人少年射殺事件に関連し、”鏡で自分を見よ”と題してアメリカの人種問題を批判する社説を掲載したそうです。自分自身を省みれば、アメリカには、チベットやウイグル問題に関して中国を批判する資格はない、と言いたいのでしょう。

 その一方で、この社説では、中国は民族の多様性を尊重する政策を実施していると自画自賛しているそうです。この説明が嘘偽りであることは、過酷を極めたチベット人やウイグル人に対する弾圧の歴史を振り返れば一目瞭然です。誰もがすぐにでも分かるような嘘を吐くところが中国の御用マスコミの恐ろしいところなのですが、何にも増して驚愕するのは、環球時報が、米中との比較において、アメリカの黒人の人々には声を上げて抗議する自由があることを忘れていることです。果たして、チベット人やウイグル人には、中国政府による非道な扱いに対して抗議する自由は保障されているのでしょうか。批判の声を上げようものなら、銃を以って黙らせるか、暴力で排除するのが中国の異民族に対する”流儀”なのではないでしょうか。確かにアメリカには人種差別問題が残っているのでしょうが、それでも、中国の如く、言論の自由やデモを行う自由まで奪われているわけではありません。

 中国が、自らの姿を映して、民族の多様性を尊重する模範的な国家として眺めているとしますと、その鏡は歪んでおります。自らがアメリカよりも多様な民族に寛容であると主張するならば、中国は、即、抑圧されているチベット人やウイグル人に対して政府に物申す自由を保障すべきと思うのです。

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