風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽描き水彩画「世界のメダカ館へも」

2023-12-15 07:22:25 | アート・文化



水彩画教室の今回のスケッチ取材は、名古屋の東山動物園。誰しも1度や2度は訪れているところなので、思い思いに散らばって取材を進めました。

冬場の午前中とあって、3週間前に来園したジャガーや熱帯地方が故郷の動物の多くは、飼育室に閉じこもったまま。
そこで、僕の場合は、堀に飛び込んで泳ぎ回る寒さ大歓迎のホッキョクグマや長い毛を分厚く纏ったアメリカバイソン、真っ白なシンリンオオカミ、高い所に置いた餌に夢中のアミメキリン、運動場のポールのてっぺんで園内を見渡しているゴリラなどを写真に収める一方で、いつもはスルーしがちな「世界のメダカ館」や鳥類を見て回りました。

世界のメダカ館は今年、ちょうど開館30周年を迎えました。小川や田んぼなどに生息する約150種の小型魚類の飼育、繁殖に取り組んでおり、世界でも唯一の施設です。
アブラハヤ、タモロコ、オイカワ、モツゴ、ニゴイ、ギンブナ、ナマズ、ニホンウナギ・・・・。子どものころの遊び場だった川や田んぼにいた懐かしいやつたちばかり。体長5~7㌢の魚ですが、湧水地にしか生息せず、体に針と熱帯魚を思わせる美しい色模様があって「ハリンコ」と呼んでいたハリヨにも出会えました。

鳥類では期待したハクトウワシは寝ぐらに入ったままでしたが、冬の日差しに赤い羽根が輝くフラミンゴ、絶滅危惧種であるコサンケイやタンチョウ、仲睦まじいオスとメスのモモイロペリカンなどを見ることができました。

㊤は絶滅危惧IA類の「ハリヨ」です

 

 


楽描き水彩画「名古屋港ガーデンふ頭の一隅」

2023-11-21 06:53:45 | アート・文化

広大な名古屋港の数多い埠頭(ふとう)のうち、行楽客から親しまれている「ガーデンふ頭」での1枚です。

このふ頭には名古屋港水族館や南極観測船「ふじ」などほか、警備艇や救難艇、タグボートなどが係留されています。描いたのはそのごく一隅。船台や何本も伸びるチェーンやロープ、船体の赤錆に目を引かれました。10号です。

 

 


楽描き水彩画「KAZEの会水彩画展開く」

2023-11-01 07:02:24 | アート・文化

僕が通う水彩画教室の作品展「KAZEの会水彩画展」が名古屋市民ギャラリー7階で開かれています。115日(日)まで。

教室では年4回、県内外に出かけて取材。作品展を年に1度開き、風景画を中心に10号サイズの絵を13点ずつ展示しています。生徒数は高齢化もあって年ごとに減っていますが、作品からは老いを感じさせないと自負しています。

期間中の天気はまずまずの予報です。ぜひ、ご覧ください。

 

 


楽描き水彩画「鉄道員宿舎の裏庭」

2023-10-29 06:50:46 | アート・文化

植え込みの上に並んで、秋の日差しを浴びる軍手たち。以前、水彩画教室で天竜浜名湖鉄道の天竜二俣駅にある車両基地を見学した際、鉄道員宿舎の裏庭で見かけた風景です。

毎日の車両点検や軌道の保線作業など、快適で安全な運行のため活躍している証しでしょう。軍手の指先や手のひらには付着した油や車体の塗料など、洗っても容易には落ちない茶色や赤、黄などの色が残っています。手袋の下からは植え込みの緑の葉が覗きます。10号です。

これは教室展のお知らせです。10号サイズを中心に各自10号ずつ展示します。

 

 


楽描き水彩画「木曽谷の崖家造り」

2023-10-23 07:11:33 | アート・文化

表通りから見ると2階建てなのに、裏側から見ると3階建てや4階建てに――。
先に水彩画教室のスケッチ取材で出かけた木曽谷の街、長野県の木曽福島を歩いていて目を奪われた崖家(がけや)造りの家並みを描きました。

ここは木曽谷を行く旧中山道沿い。古くからの集落は眼下を流れる木曽川の崖にへばり付くようにあるため、道幅を広げるにも余裕がなく、家屋をこのように裏側へ突き出すようにして建てる工夫がなされたそうです。
長い歳月を思わせる板壁や支柱などに圧倒されました。10号です。

 

 


楽描き水彩画「むろと廃校水族館のウツボたち」

2023-10-17 06:51:54 | アート・文化

今回描いた魚の絵は、以前訪ねた高知県室戸市にある「むろと廃校水族館」のウツボです。

ここは廃校になった旧椎名小学校を改修、教室や手洗い場に水槽を並べ学校プールは大型水槽にするなどして、アオウミガメをはじめ50種1000匹以上が泳ぐユニークな水族館。ウツボはもちろん、そのほとんどは地元の漁師たちから寄せられたものです。
さまざまな色模様のウツボが丸い筒に出入りする様子は、一般的な水族館ではあまり見れない光景でしょう。絵は10号です。

これは僕が通う水彩画教室の展覧会のお知らせです。

 


楽描き水彩画「お疲れさま」

2023-10-11 07:01:51 | アート・文化

以前、高知県の土讃線沿いにある小さな漁港で目にした風景です。
堤防にかたまりのように積まれた漁具。網やロープ、黒い浮き球、オレンジの浮子が見えます。浮き球、浮子にはフジツボが付着、擦れた傷跡もあります。

このあと、もつれたロープや網をほぐして繕い、再び漁場に出るのか、漁具でなくなるのかは分かりません。
いずれにしても「お疲れさま」です。

 


楽描き水彩画「スケッチ取材で木曽福島へ」

2023-09-29 06:36:11 | アート・文化

 

 

 

名古屋の水彩画教室から3か月おきに出かけるスケッチ取材の今回の行き先は、木曽川沿いに連なる観光スポットの一つ、木曽福島。山並みの秋色はまだまだでしたが、古い町並みや史跡にカメラを向けてきました。

まず足が止まったのは、しぶきをあげる川の流れや、狭い土地を活用するため崖に沿って建てられた崖家の風景。木曽の漆器や菓子店などが並び、明治・大正の面影も目にとまります。

日本遺産の山村代官屋敷などへも。
山村代官屋敷は尾張藩の重臣だった山村甚兵衛家が江戸期の全期間を世襲した木曽代官所。木曽駒ケ岳を借景とする庭園や客人をもてなした食事のサンプルなどが見事でした。

朝から曇天だったものの、雨に降られることはありませんでした。ただ、80歳代が中心のグループにとって、天気以上に気になるのは道中の安全です。
その一人である僕も、石段や坂道が相次ぐコースを進むことに何度か躊躇しましたが、励ましを受けながら完歩。万歩計を見たら1万歩を超えていました。

 

 


楽描き水彩画「タカアシガニを正面から」

2023-09-08 07:00:57 | アート・文化

先日、コブダイと並べて描いたタカアシガニを、正面から描きました。以前も描いたことがありますが、難しかったので再度挑戦してみたのです。10号です。

節足動物では最大とされるタカアシガニは水深250㍍以上ある深海に棲息、脚を広げると3㍍を超えるのもいるとか。生きた化石と言われ、1属一種ですが化石として日米で2種ずつ報告されているそうです。

 

 


楽描き水彩画「シロのお気に入り」

2023-08-31 06:39:01 | アート・文化

尾道の島々は、造船の島。海峡を隔てて両岸に、新しい船の建造やメンテナンスのための造船所があります。
この絵はメンテナンスで真っ赤な塗装を終えた船底の下から、大小のドックやクレーンが林立する対岸の造船所を望む風景です。

船台の先端には、いつものようにパトロール中の白い猫がひと休み。よほどお気に入りなのでしょう。時間を忘れたように、まんじりともせず座っています。サイズは20号。今年の春、公募展で入選した作品です。

 

 


楽描き水彩画「スケッチ取材で名古屋港水族館」

2023-07-14 06:46:17 | アート・文化



水彩画教室のスケッチ取材で名古屋港水族館へ。何度も訪ねているところなので、魚はイワシのトルネードぐらいにとどめ、あまりよく見ていなかったコーナーを中心に歩いてきました。

色とりどりのサンゴで埋まる水槽、高い天井の部屋に展示された巨大なクジラやウミガメの骨格標本、魚たちに囲まれて続く水槽内の清掃作業など、絵に出来るかどうかはともかく、なかなか勉強になりました。

 

 


楽描き水彩画「名古屋市役所本庁舎②」

2023-07-04 06:25:45 | アート・文化

名古屋市役所本庁舎の庁内描きの2枚目です。
高さが20㍍もある吹き抜けの螺旋階段の途中で見た様子を描きました。

アーチ型の梁の向こうに別のアーチや階段が広がり、直線と曲線がダイナミックに交差する和洋折衷建築様式の美しさ。この庁舎が映画のロケ地になり、「国会議事堂」「地方検察庁」「国土交通省」「通産省」「総理官邸」「GHQ本部」などのシーンに使われてきたことが納得できます。

 


楽描き水彩画「ちょうど90歳。名古屋市役所本庁舎の階段」

2023-06-24 06:49:13 | アート・文化



先に水彩画教室のスケッチ取材で出かけた名古屋市役所の本庁舎と、愛知県庁の本庁舎は、いずれも昭和初期に建設され、国の重要文化財です。日本の伝統的意匠と西洋の建築様式が融合した市役所本庁舎は、何作もの映画のロケ地にもなっています。

描いたのは、ちょうど90年前の昭和8年(1933年)に完成した名古屋市本庁舎の螺旋階段。当時建設が進んでいた国会議事堂にも使用された山口県産の「小桜」という大理石が使われ、木製部分は最高級のチーク材が使用されています。廊下へ続くアーチ型の梁も目を引きます。

大理石の色や質感、やや薄暗い庁内に差し込む光、歳月を感じる経年変化などをどう出すか。結構難しい課題でした。10号です。

 

 


楽描き水彩画「聴松閣の石と丸太の玄関柱」

2023-06-12 07:00:00 | アート・文化

これは名古屋・千種区にある揚輝荘の建造物5棟のうち、中核である聴松閣の玄関です。         

聴松閣は、松坂屋の初代社長15代伊藤次郎左衛門祐民が昭和初期に、政財界の賓客をもてなすため建設した、いわば迎賓館。館内は洋風、中国、インド様式を取り入れた食堂やホール、応接室、寝室など、贅(ぜい)を尽くした設え(しつらえ)になっています。

伊藤が上高地の帝国ホテルに感動してデザインを依頼したとされ、描いた玄関は、そのシンボルと言えるでしょう。
石を積んだ4本の柱の上部に、丸太がバンザイでもするかのように立ち、棟木を支えています。10号です。

 

 


楽描き水彩画「おもてなしの伴華楼」

2023-06-06 06:54:10 | アート・文化

水彩画教室から出かけた名古屋・千種区にある揚輝荘の建物の一枚です。
揚輝荘は、松坂屋の初代社長15代伊藤次郎左衛門祐民が、政財界の賓客をもてなすため大正から昭和初期にかけて設けた別荘。北園と南園からなり、それぞれ贅(ぜい)を尽くした建物や庭があります。

絵にしたのは、北園の伴華楼(ばんがろう)。尾張徳川家から譲り受けた名古屋別邸の一部を移築し、和室に椹(さわら)板のうろこ壁がある洋館を増築しました。伴華楼の名は山小屋のような宿泊施設「バンガロー」から付けたそうです。