風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽描き水彩画「プラタナスの足元に積もった落ち葉=名古屋・鶴舞公園」

2018-12-29 07:39:03 | アート・文化

 

名古屋・鶴舞公園のプラタナスの足元に積もった落ち葉を描きました。
中央の奏楽堂を囲むように並んだプラタナス園の地面は、歳末になると茶色や橙色のモミジ型の落ち葉で彩られます。

モミジに似た葉といっても大人の手のひらを超える大きさ。落下すると丸まり縮みますが、それでもソフトボールより大きいようです。

今年は落下が遅れ気味のうえ、出かけた時には掃除が終わった後などで積もった様子がいまひとつだったので、ストックしてあった昨年12月11日撮影の写真をもとに描きました。10号です。


※ブログの掲載は、しばらく正月休みに入ります。今年もたくさんの方々にご覧いただきありがとうございました。新年もよろしくお願いします。


 


楽書き雑記「門松が並び正月セールの準備万端=名古屋・栄の通りも迎春態勢に」

2018-12-27 07:08:46 | 日記・エッセイ・コラム

 

 

クリスマスセール一色だった街は、素早く迎春態勢に。
名古屋・栄の繁華街でも門松や正月セールの呼びかけに彩られています。

名古屋では、名古屋駅前でリニア新幹線の開通をにらんだ再開発が先行。さらに超大型ビルの建設計画が続く予定です。

これに対し栄地区では再開発が遅れ気味のうえ、大丸松坂屋、名古屋三越、丸栄といった3つのデパートのうち、丸栄が今年6月に75年間の営業にピリオドを打ち閉店。このままだと栄の代名詞だった「都心」の地位も駅前に持って行かれてしまう、との声が聞かれるほどです。

巻き返しの第一弾として、中日ビルの建て替えがスタート。大丸松坂屋が同じ栄地区で新たな大型店舗ビルを建設することが明らかになりました。栄の地下街でも模様替えが相次いでいます。




楽書き雑記「庭のスイセンが咲き、超ノッポのマリーゴールドもまだまだ元気」

2018-12-25 07:10:28 | 日記・エッセイ・コラム


庭でスイセンが咲き始めました。
日当たりが乏しくて他の草花や木立の間という恵まれない場所なのに、球根を増やしも減らしもせずに毎年咲いてくれます。

草丈22mと超ノッポのマリーゴールドが、先月末にブログに掲載以後も花数を増やし、クリスマスイブを過ぎても蕾や咲き始めが結構あってまだまだ元気。でも
来襲が予想される「年末寒波」の予報によると、名古屋の最低気温も0度前後になりそう。乗り切ってくれればいいのですが。




落書き雑記「今年は落葉が遅い?名古屋・鶴舞公園の落葉を踏みしめてきました」

2018-12-23 08:18:37 | 日記・エッセイ・コラム



名古屋の鶴舞公園で落ち葉の中を歩いてきました。色合いの美しさだけでなく、落ち葉を踏みしめる感触を味わいたいからです。

僕のストック写真で見る限り、今年は例年に比べて落葉が遅れているようです。
朝夕の冷え込みが強まったとはいえ、日中は足早に歩くと汗ばむほど。長期予報もやや暖冬のようです。木の葉を舞散らす風の強い日もありません。

公園の売り物であるサクラはほぼ落葉しましたが、プラタナスは今年もあと10日となったのに、全体に葉が残り気味。鈴懸(スズカケ)の別名の通りたくさんの実が鈴のように垂れている木は実に栄養を使い切ったせいか落葉が進み、実が少ないのは葉がたくさん残っています。

さまざまな落葉樹が並ぶエリアも、黄やオレンジ色を織り込んだ絨毯はやや厚さが少ない感じ。剥げたようなところも見えます。それでも、小さな起伏や差し込む冬の日差しが描いた絵模様は結構楽しめました。

 

(プラタナスの様子。落葉後には直径4㌢ほどの実が鈴生りに)

 

 


楽書き雑記「瀬戸窯業高校デザイン科の最後のデザイン展」

2018-12-22 07:47:48 | アート・文化

 

 

瀬戸物の里・愛知県瀬戸市で、優れた陶磁器製造の人材を輩出している県立瀬戸窯業高校デザイン科恒例の「デザイン展」が、名古屋市民ギャラリー矢田(地下鉄ナゴヤドーム前矢田)で開かれています。

瀬戸窯業高校ではすでにデザイン科を、陶磁器生産の新しい時代に対応して他の科と合併した工芸デザイン科として誕生させており、残っていたデザイン科3年生による今回の修了制作デザイン展(卒展)は今年が最後なのです。12月24日(月祝)まで。

デザイン科は高度の陶工技能者を育成するための表現力や創造力を養い、製品企画の構想から計画、意匠などを学び、即戦力も身につけています。

具体的には基礎教育のあと、コンピューターグラフィック、ウッドワーク、漫画など8つの分野にわけて学んできました。

展覧会はこれらの言わば集大成。会場には全国の郷土料理や名物のミニチュアを作って並べた日本列島、「白の世界」と題した化粧台を置いてアイシャドウなどさまざな色でメイクした顔は偽りの姿であると表現している作品などが並んでいます。

会場には、新しくスタートさせた工芸デザイン科の「5年間一貫教育」の案内も。「5年一貫教育」として、高校の3年間に続いて2年間の専攻科に進めば、より専門的な力をつけることができるというもので、大学と同様、高校も新しい時代に適応した教育の体制づくりを進めていることを改めて知りました。

 

 


落書き雑記「名古屋市立工芸高校のデザイン、インテリア、グラフィックアーツ3科の卒業制作展」

2018-12-20 07:16:08 | 催し

 

名古屋市立工芸高校の7つの専門科のうち、デザイン、インテリア、グラフィックアーツの3つの学科の作品展が開かれています。

会場はデザイン科が栄にある愛知県美術館8階ギャラリー、インテリアとグラフィックアーツが名古屋市民ギャラリー矢田と別れていますが、展覧会はいずれも24日(月・祝)まで。
科によって卒業制作展だけ、卒業制作作品と科全体の作品合わせた展示など形式に違いはありますが、創立101年目という特徴のある科目を専門に学ぶ高校だけに、見ごたえある作品が並んでいます。



【デザイン科】
名市工芸デザイン科の卒業制作展は例年、生徒たちがグループに分かれて話し合い、制作にあたります。今年の統一テーマは「のぞいてのぞく」。そしてキーワードは「先入観」です。

「先入観を除いて、覗いてみよう」というわけで、約40人の生徒が6つのグループに分かれ、それぞれどのように表現するかを話し合って制作した作品を展示しています。

例えば「チキンをパクリ」「野菜をパクリ」という状況から連想するのは、どちらが男性か女性か。先入観ではチキンが男性、野菜が女性となるのが一般的ですが、表現した絵はチキンを女性が、野菜を男性がパクついています。

大きな天秤の一方の皿に両手に乗るほどの木の葉、片方の皿には両手で抱えるほどの石を乗せ、天秤は木の葉の皿が下がり、石を乗せた皿が上がっています。
「これ、おかしいわよ?石の方が重いから下がり、木の葉が上がるはずよ。木の葉の下に重いものを置いているの?」と、会場を訪れた人。

我々は物事の良し悪しや好き嫌いを含めて、判断や評価を先入観に委ねていることが少なくありません。先入観や固定観念が持つ危うさや脆さを改めて考えさせられました。

 



【インテリア科】
人間生活をより快適にし充実させるために、住居や店舗内の家具、照明器具、キッチン、内装、外装などのデザインや色彩のコーディネイト、安心・安全、設計、製作技術を学んでいます。リフォームやバリアフリーも大切な課題です。

会場には3年生以外の作品や交流する学校の作品を含めて、工夫されたデザインの椅子や書棚、テーブル、食器棚、住宅や室内模型、照明器具などが並んでいます。






【グラフィックアーツ科】
印刷物の企画に始まり、原稿づくり、印刷版の作成、印刷、製本といった工程を学び、効果的な表現力を持つ広告や発表などの印刷技術を身につけます。当然、写真や記事、レイアウトなどの力をつけるため、カメラ技術やパソコン操作力も養います。

地域や他校との交流・連携も進めており、作品展には学校のある名古屋市東区の赤い羽根共同募金ポスター、東区民の誇りである山車まつりのポスター、学校近くの「文化のみち」コースを紹介するチラシなども展示しています。




楽書き雑記「現代浮世絵の個展=愛知県美術館のギャラリーで名古屋在住の中根幹夫さん」

2018-12-18 15:20:03 | アート・文化

ちょっとした浮世絵ブームのようですね。といっても、江戸期のそれを基本にしながら今の世相や風俗を描いた現代浮世絵。時おり、展覧会も見かけます。
名古屋の愛知県ギャラリー12階のアートスペースで開かれている「現代浮世絵 中根幹夫個展」を見てきました。12月24日(月)まで。 

中根さんは名古屋在住。40年ほど前からデザイン画やイラスト画を描いてきましたが、15年ほど前からは現代浮世絵に没頭しているそうです。

15年間の作品から選んだというA3サイズの浮世絵が並ぶ会場を見て回ると、日本髪の美人画や動物画をモチーフにしながら、現代の風俗や世相を4文字熟語や風景画などを入れ、水彩絵具でウイットを利かした浮世絵に仕立てています。
「でも、いつも私はアウトローなのです」と笑う中根さん。

「平成名古屋駅前界隈」や「平成尾張名古屋今昔物語」と題した作品にはツインタワーや大須観音、大観覧車を。「快食快便日々之好日」は美人がうまそうなどんぶりを手にしています。

麻生元総理が読み間違えた「未曾有」や2003年の「火星大接近」なども取り上げています。
「何を描くかよりも、まず言葉やニュース選びから始めます。だからその時、その時の絵日記や記録画みたいなものです」

――「絵に『上がり』という文字が入っていますが、どういう意味ですか
「この絵を描き終えた、と言うだけです。終、ですね」
――「重要」との文字もありますね
「意味はありません。100均でこんなハンコが手に入ったから何枚かに押してみました。見る人が『これは何だ』と聞いてくれるのがうれしいですね」
――スマホ用の浮世絵も描いたそうですね。
「ええ、請負仕事でね。でも私はスマホを使えないのですよ」

作品と同様、話もコミカルに続きます。
「これまで別の美術館で個展をやろうと思ったけどうまくいかなくて、とうとうエルミタージュでやって来ました。あとはルーブルとスミソニアンが夢です」

 

 

 

 


楽書き雑記「冷え込みと寒風にめげずに咲く秋バラ=名古屋・鶴舞公園」

2018-12-16 07:07:07 | 日記・エッセイ・コラム




長引いていた風邪がやっと収まったようなので、名古屋の鶴舞公園へ。週末も園内は屋台が並びバンド演奏などもあってにぎやかでしたが、驚いたのはバラ園の秋バラが予想以上に咲いていたことでした。

鶴舞公園のバラ園は約120品種、1400株。春には名古屋の都市公園では庄内緑地公園と並んでバラ祭が開かれ、僕も訪れています。
秋バラは庄内緑地公園のような祭はありませんが、春バラが終わると鶴舞公園でも秋の開花を目指した剪定をしています。

今年の秋バラは10月下旬から開花。その後も鶴舞公園を訪れる度に立ち寄ってきましたが、猛暑、残暑が響いたのかいまひとつ元気がなく、2週間ぶりのこの日は「冷え込みが厳しくなったので、萎れたかもしれないな」と思いつつ足を運んだのでした。

ところが、バラたちはそんな予想を覆す光景。赤、黄、白・・・冷たくやや強い風に揺れながらもキリっとした容姿で迎えてくれました。
開花がやや遅れた分、余力があるのでしょうか。うれしいプレゼントでした。





楽描き水彩画「三河湾・佐久島の樹木のトンネル」

2018-12-15 08:09:00 | アート・文化

 三河湾の佐久島では樹木も描いてきました。散策していて出会った四季折々に容姿を変える落葉樹のトンネルです。

出掛けた時は晩秋なので黄と橙の装いでしたが、今ごろはすっかり脱いでいるはず。春になれば若葉、夏には素敵な緑陰トンネルになって迎えてくれるでしょう。




楽書き雑記「卒展シーズン幕開け=あいち造形デザイン専門学校高等課程卒業制作秀作品展」

2018-12-13 07:42:42 | アート・文化

 

 

卒展の幕開けです。
名古屋市民ギャラリー矢田(地下鉄ナゴヤドーム前矢田)では、あいち造形デザイン専門学校の高等課程卒業制作秀作品展と生徒会が主催する1・2年生の作品展が行われています。3年生の高等課程卒業制作秀作品を中心に拝見してきました。16日まで。

のっけから恐縮ですが、「造形デザインとは何か」をきちんと理解しているわけではありません。そこで、僕なりに「人間の暮らしや文化、環境などをより良くする力を身に付けるために感性と創造性を磨き、養い、それを表現する技能・技術を習得する」といったぐらいに考えて作品を見て回りました。

人形が並んでいます。新聞紙や広告チラシ、布、毛糸などで造られています。「これは作者が自分の内面を表現したものです」と作品を前に説明してくださった先生。なるほど、理解できました。迷いを感じているだろう姿、思い詰めている表情、自分を何とか飛躍させようとの意思を感じる作品・・・。

自画像もあります。じっくり自分の顔と向き合い、今の自分を描き切る。そこには、自分だけの人生観も込められているのでしょう。「自画像描きは、表現者としての能力を養うには欠かせません」と聞きました。
実は、僕は自画像を描いたことはありません。生徒たちが描いた自画像は生涯の宝物でしょう。

豊かな色相で表現したデザインや絵本、菓子のパッケージの図案なども並んでいます。卒業後の進路は芸術系大学への進学や就職などさまざまですが、身に着けた感性と創造性は生かして欲しいものです。




楽書き雑記「愛知県立旭丘高校1960年卒。77歳の同期生たちが思い思いに出品して作品展」

2018-12-11 17:24:38 | アート・文化

 

 

名古屋にある愛知県立旭丘高校を昭和35年(1960年)に卒業した同期生の作品展を、名古屋市民ギャラリー栄で開かれています。
1960年卒業と言えば、僕も同い年。この縁は大切にしなければ、と出向きました。16日(日)まで。

旧制愛知1中の流れをくむ旭丘高校が開設されたのは昭和23年(1948年)。60年卒といえば12期生になります。
12期生が同期生展を初めて開いたのは皆が73歳の時。
「皆が趣味として楽しんでいる作品展を開いてみようよ」「そだねー」といった具合に実現し、隔年で開催、今年の3回目は喜寿展とも言えます。

モットーは「腕を磨くのもいいけど、楽しみながら健康を保つこと」。幹事の呼びかけに、今回も32人が出品しました。旭丘高校には当時から美術科があり、プロの世界に向かった人は少なくありませんが、同期生展には普通科の卒業生が圧倒的に多いようです。

作品は絵画、書、彫刻、写真、ガラス、金継、俳画、デッサン、絵手紙、ペーパークラフト、墨画等々。さまざまですが、思い思いに創作を楽しんだことは伝わります。

御嶽山頂の写真には、こんなコメントが。
「65歳の時、御嶽山に5回登ろうと決意。4回までは登ったものの、トシとともに自信を無くして躊躇する日々。やっと5回目が達成できた」と喜びを綴ったあと、最後にはこんな告白も。
「下る途中で15回も転びました」

「トシを重ねるごとに女性に対する畏敬の念が募ります。その思いを作品にしました」とパステル画で描いた地母神。
書家の1人は、小学生時代の作品と、現在の書を並べて展示しています。

 

 



楽描き水彩画「海面の潮位をリアルタイムに観測している『検潮所』です

2018-12-10 07:13:05 | 催し

 

 

海中から伸びた4本のコンクリート柱に支えられた小さな建物。柱の一本に目盛りのプレートが取り付けられ、建物ドアには「検潮舎」とあります。検潮所の観測機器などが入っているようです。高知への旅で立ち寄った高知港で見かけました。

海面は太陽と月の引力による干満だけでなく、津波や地殻変動、風、気温、海流などによって絶えず変化しています。この潮位を電波やフロートによって海面の潮位の昇降をリアルタイムに観測しているのが検潮所です。
この夏は相次いで台風が上陸、大阪湾などでは記録的な高潮に見舞われ、検潮所も大忙しだったことでしょう。

全国にある検潮所は188地点。所管するのは気象庁だけでなく、それぞれの目的によって国土地理院、海上保安庁、国土交通省や自治体の港湾局、港の管理組合など多岐に渡っています。
国土地理院の検潮データは土地の高さ、つまり標高を決める基準になり、国土の面積を決めるデータにもなるのですね。

描いた高知港にある検潮所は気象庁の所管のようです。後方には船などが見えましたが省きました。サイズは10号です。




楽描き水彩画「三河湾のアートの島「佐久島」のシンボル的アート『おひるねハウス』です」

2018-12-08 07:19:22 | 日記・エッセイ・コラム


全体に黒一色の住まい。小さな部屋の向こうに波静かな三河湾が広がります。人気の「おひるねハウス」」です。

中でちょっと横になったり、家族や仲間たちの思い思いのポーズや、海の向こうを見て思いにふけるガールフレンドの背中を入れて撮ったり。自撮りをしたり。

「これは写真にできても絵にはならない」。そんな声が聞こえそうです。
確かに、その素晴らしさを絵で表現するのはできそうもありませんが、特殊な紙にそのまま描いてみました。10号です。


 


(楽書き雑記「50年前の1968年、愛知県立旭丘高校美術科に入学した生徒たちの作品展」)

2018-12-06 07:39:45 | アート・文化

 美術科のある公立高校の名門・名古屋市の愛知県立旭丘高校美術科に、ちょうど50年前の1968年に入学した同期生たちによる作品展が、名古屋市民ギャラリー栄で開かれています。9日(日)まで。

美術科OB・OGらの展覧会はいろいろな名目で開かれているのを目にしますが、68年入学組の同期展は初めてといい、「入学50周年記念展」のタイトルをつけています。

68年入学の美術科生は約40人。うち20人が絵画、彫刻、工芸、映像などを出品しています。中には個展で見て印象に残っていた作品もありました。

同期生たちはアートの道に進んだり、先生や会社勤めなどさまざまな人生を歩んできましたが、さすがに美術科を巣立った人たちの作品だな、と思わせます。

見ていて笑いを誘われたのは、展覧会の案内はがきにも使われている一枚の絵。クラス写真の撮影で並ぶ同級生を生徒の1人が描いたという作品です。

両手でメッセージのような紙切れを広げた生徒、後ろ向きに座っている生徒、顔の見えない子、女の子に向けて描き入れられた赤い⇒印。実際のクラス写真では表現できないクラスの雰囲気が伝わってきます。アートですね。




楽描き水彩画「水彩画キミ子方式で『あいちの伝統野菜』35品種を描いた佐藤昌宏個展」

2018-12-04 16:28:09 | アート・文化




愛知県内の伝統野菜として生産されている35品種を、水彩画で描いた個展を名古屋市民ギャラリー栄で見てきました。
不透明の水彩画絵具4色を使って、畑から抜き取ったままの瑞々しい姿を鮮やかに描いています。9日(日)まで。

佐藤昌宏さん(64)。現在も会社勤めをしている佐藤さんが絵を始めたのはもう30年も前。図書館で「キミ子方式」の本に出会い、見よう見まねで描くうち「自分でもこんなに美しく描けるのだ」と自信ができ、通信講座を受けて講師の資格も取ったそうです。

キミ子方式とは、東京でアートスクールを開いている松本キミ子さんが指導する描き方。
●使う絵具は赤・青・黄の三原色と白だけ
●下書きや輪郭線は描かない
●描き始めの1点から、隣へと広げていく
などです。

あいちの伝統野菜を絵の題材に選んだのは、先輩講師の個展「大和伝統野菜」を見たことから。
調べると、愛知県も「あいち伝統野菜35品種」を選定しているのを知り、自分も挑戦しました。

それから4年。生産農家を1軒、1軒訪ね歩き、畑を案内してもらいました。
「絵に描いてもらうのだから」と野菜をきれいに洗って、枯れた葉や根も取って待っていてくれる農家もあり、恐縮しつつ趣旨を説明して畑にもう一度出かけてもらったこともあったそうです。

「作品を生産農家へ持参して見てもらったところ、『こんなのではなかったはず・・・』と言われことがありました」
「実は、この野菜をもらったあと、用事があって2~3日、置いてあったので萎れていたのです。改めて新しい野菜で書き直しましたが、生産農家の目の確かさ、生産物への責任感に驚きました」

35品種の中には、なかなか見つからなかった品種もいくつかありました。
最後まで分からなかったのは「初代渥美アールスメロン」。やむなく改良品種で乗り切ることも考え、メロン農園の社長から改良メロンを根っこのままもらって帰ろうとした時でした。やりとりを聞いていた農園のパートさんから「私の自宅で、少しですがお探しのメロンを栽培していますよ」との言葉。「飛びがるほどのうれしさでした」と佐藤さん。

キミ子方式では「描けるようになったら誰かに教えること」になっています。佐藤さんの場合は、絵とは無縁だった母に教えました。86歳の母は今や教える立場だそうです。

このあとの絵の題材は何ですか、の質問に帰ってきた佐藤さんの答えに驚きました。
「考えていません。それより、ここに飾ってある絵を生産農家さんに返して歩かねばなりません。僕は描かせてもらったら、その絵をお礼としてお渡ししています。だから、今回の個展もお借りして開くことができたものですから」

「水彩画キミ子方式なごや」の教室は、西区の幅下コミュニティーセンター、市政資料館、それに岐阜教室として武芸川生涯学習センターなどで開かれているそうです。