風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

縁結び・受験  初詣客迎えるパワースポット

2013-12-24 08:50:15 | 日記・エッセイ・コラム

 

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若い人たちの間で、パワースポットを求める神社仏閣巡りがトレンドになっているようです。神社仏閣側も、スポットの案内板を立てるなど余念がありません。名古屋・天白区の名古屋市農業センター近くにある針名神社でも、準備万端です。

神殿に向かう
参道を進むと、「縁結びの木があるって本当? 答えはあちら」の文字。少し先に答えが書かれ「御縁木(ごえんぼく)と言いまして、神門をくぐった右側にあります」

ありました。周辺にある名古屋市指定保存樹のスギとしては最大という樹木などに比べると、ずいぶん若い木です。

 
地面の根っこのところから2本の幹が伸びており、葉をよく見ると右がスギ、左側がヒノキです。
なぜ、こんな不思議な木が生えたのか? 考えたくなりますが、それは野暮というものでしょうね。ここは神様の領域ですから。

すぐそばには、もうひとつのパワースポット「みちびきの牛」。学問の神様・菅原道真公を導いたとされる牛の銅像です。牛の頭を撫でた手で自分の頭を撫でると、頭が良くなるとか。随分、頭を撫でられているようですね。写真の通り、テカテカ光っています。

縁談・受験。願い事のご利益は―――。それは、信じること、それに腕と努力次第。
よいお年を。<o:p></o:p>

 


楽書き雑記「日本画界の新星と85歳の新入生」

2013-12-19 19:17:28 | アート・文化

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              平田望さんの院展入選作

           ㊤再興第97回展の初入選「祷」
                 ㊦再興第98回展の入選作「幻想の部屋」
                        (いずれも、院展図録から)


「私は85歳ですが、絵画制作に取り組む孫の真剣な姿に刺激されて、私も絵を描いてみようかな、と思いまして。ご都合がつきましたら、孫の作品が出る展覧会を見てやってくだい」

 僕の通う水彩画教室に最近入られたご高齢の「新入生」から、こんな案内を受けて2つの展覧会に出かけてきました。名古屋・栄の松坂屋美術館で開催された再興第98回院展と、同美術画廊で催されている若い作家4人の作品展。年齢差60歳の祖父と孫が、それぞれの道を意欲的に歩む姿に、感動と期待の拍手です。
 

教室の新入生は平田正雄さん。「3年前に妻に先立たれて独り身。日々を過ごすために何かできないものかと」「絵は小学生の時以来描いたことがありません。この絵の道具も孫が使っていたものです」

絵画経験は子供の時までというのは僕と同じですが、定年後の生徒がほとんどの僕たちの教室でも、平田さんは最高齢。全国のカルチャーセンターや公民館、生涯学習センター、福祉会館などに万余とある絵画教室の中でも、85歳の初心者の入学というのは、あまり例がないでしょう。ただただ驚き、敬服します。
 
――で、お孫さんは、どのような絵を?

その答えを耳にして、平田さんが絵を始めた動機も納得しました。
「孫は平田望といいます。愛知県立芸術大学(愛知県芸大)大学院の1年生。日本画を描いています。昨年の再興第97回院展で初めて入選、ことしも入選できました」
 院展とか日展と聞いただけで頭を下げる僕ですが、大学時代に初入選と聞くと驚きを通り越します。


今月8日まで開かれた名古屋での院展。日本画界を代表する同人たちのレベルの高い作品とともに、目出度く入選できた一般からの作品が並びます。素人の僕などには批評などは出来ませんが、それぞれの創作に込めた思いが伝わってきました。

平田望さんの作品は「幻想の部屋」。そのモチーフと色調の豊かさと深み、質感、そして若々しさ。手元にある昨年の作品集にある初入選の作品よりも、彼は着実に一歩前進しているな、というのは僕の生意気な感想です。

もうひとつの「萌の会 日本画展」(24日まで、松坂屋名古屋店美術画廊。来年2月12日―18日は東京の松坂屋上野店本館美術画廊で開催)は、愛知県芸大日本画専攻の卒業生による作品展。愛知県芸大学長で日本美術院同人の松村公嗣さんによれば「芽吹き始めた若々しい木々が大きく成長してくれるように名付けた、将来性溢れる作家の発表の場」で、9回目の今回は平田望さんと大島亜弓、今井美圭、川島優のみなさんが発表しています。

いずれも院展入選歴を持ち、作品には本格的な画家人生をスタートした意気込みを感じます。

 
「見ていただいた方から、好かれ愛される作品が描けるように研究と創作に打ち込みます」と平田望さん。「日本画界の新しい星」への期待と、院展への楽しみが膨らみました。

 

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自作の水彩画を入れて年賀状づくり

2013-12-14 12:00:58 | 日記・エッセイ・コラム

 

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                         まず、今年描いた作品選びから始めました
     

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例年のことながら、そろそろ追い詰められた気持ちになるのが年賀状づくり。パソコンとプリンター頼りから抜け出すことはできませんが、今回は自作の水彩画を載せようと制作にかかりました。近年、僕と同様、定年後に始めたという趣味の絵や書を拝見する年賀状が増え、下手でもいいから僕も仲間入りをというわけです。

まず、今年描いた水彩画を引っ張り出して探しました。年賀状にふさわしく、恥ずかしくないないものを、となると難しいですね。

次はレイアウト。適当な年賀状ソフトを探しに書店に出かけました。年賀状を出す人が減っていると言われる割には、イラストや写真などの素材を載せた本は例年以上に豊富なように思います。若い人たちの間で、メールでのあいさつだけより年賀状で、という回帰現象が起きていると聞きましたが、その表れでしょうか。
僕の目当てだった絵をデジカメで撮って作る本もたくさん並んでいます。しかし、ページを開くと家族やペット、旅の思い出などの写真をきれいな装飾とともにあしらう、どちらかといえば若い人た
向けがほとんどのようです。


結局、絵の方は来年が午年なので、教室のスケッチ会で出向いて数枚描いた多度大社(三重県桑名市)の神馬に登場してもらうことにしました。レイアウトも、カラフルにするのはやめて、パソコンに内蔵されているワードで展覧会の案内はがきなどを作成するときの要領で挑戦。白い神馬が飛び出てくるように、なんてウマくはいきませんが、ちょっとした手作り感もあって楽しいものですね。

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楽書き雑記「宝くじとクリスマス会プレゼント」

2013-12-09 09:30:05 | 日記・エッセイ・コラム

 

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年末ジャンボ宝くじ。名古屋駅そばの名駅前チャンスセンターには、きょうも長い列ができています。僕の宝くじ購入経験は少ないですが、年末ジャンボといえば思い起こすことがあります。といっても、高額賞金を手にしたとか、数番違いで1等を逃したなんて話ではありません。

26、7年前のことです。職場の若い後輩から声が掛かりました。

「僕たちの出先で顔なじみの女性や同業他社の連中と、少し早めのクリスマス会をするので参加しませんか」「会費とは別にプレゼントをお忘れなく。みんなが持ち寄って抽選会の景品にします。1000円以内の物であることが条件。この条件は守ってくださいね」
僕よりふた回りも若い20代の集いとあって戸惑いはしましたが、後輩たちがどのような相手と付き合っているのか」の興味もあってOKしました。

しかし、僕にはちょっと気の重い日々の始まりでした。「1000円以内の物」が思い当たらないのです。

アクセサリーや文房具類、チョコレート、置物、台所用品・・・。これは1000円を超える、安すぎる、こんなのはダサイといわれるだろうな、抽選で手にするのが女性だったらいいけど男性だったら・・・。入ったことのない小間物屋とかブティックにも飛び込んでみましたが、見つかりません。
特別会費を出すことにしてくれないか、と打診してみたものの「それは受け取れません」

ついに当日。文房具屋に立ち寄って何か買おう、と会場に向かっている途中に目にとまったのが年末ジャンボ宝くじ売り場でした。このころは確か、1等は6000万円。前後賞を合わせて9000万円か1億円だったと思います。

「よし、これだ。夢があっていい」。一枚300円のくじを10枚買いました。
「3000円は条件の3倍だけど、許してくれるだろう」と封筒に入れ、受付に出して会場入りしました。


数十人はいます。女性7、男性3の割合。でも、僕と同年輩のオッサンは見当たりません。彼らが声を掛けなかったのか、ていよく断られたのか、僕が釣り上げられたのか。そんな思いも巡らしましたが、「まあ、ウオッチングを楽しんでやろう」と着席しました。

彼らの行動力、動員力、企画力に感心するプログラムが進み、最後のみんな何かが当たる抽選会。次々と景品を出して番号が読み上げらます。僕の封筒の番になると、僕は目を外し近くの人に話しかけてやり過ごしました。だれが手にしたのか見ないようにしようと思ったからです。

一斉に景品の包を開き、あちこちで歓声、笑いが広がります。

「わあ~、宝くじだ」。離れた席から聞こえてきました。「10枚も!いいなあ」「当たったら、海外旅行だって行ける。外車もね」「おごってくださいね」「そう、約束だよ、約束」
期待通りの盛り上がりに、ホッと胸をなでおろした時でした。
 
「でも、当たらなかったらタダの紙切れだよ。こんなの」
声の主がくじを手にした本人か、周りの人なのかは分かりませんが、予想していたとはいえ聞きたくなかった言葉。胸中にちょっぴり面白くない気持ちがよぎりました。<o:p></o:p>

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「エスプリの利いた超短編 一気に読みきった一冊」

2013-12-04 20:43:39 | 日記・エッセイ・コラム

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雀ダンシィングチームと超短編アラカルト」(岩本由起子著・文芸社発行)。読書家とは言えない僕ですが、ことし一気に読んだ一冊です。題名通り超短編ということもありますが、エスプリの利いた9編のひとつ一つが楽しく、ページをめくる手を止めることがなかったのです。

岩本由起子さんは本名・塚原由起子さん、71歳。名古屋在住の絵仲間である塚原徹也さんの奥さまです。若いころから文章を書くことが大好きで、同人誌に参加していたこともありますが、自分の書を出したのは初めてだそうです。

「雀ダンシィングチーム」は、都市化の波に餌や巣作りの場がなくなるなどで数が減り、人間たちからも関心を持たれなくなったことに危機感を持った雀たちの話。
人間の目を自分たちに向けさせるのが先決、と雀たちは「ダンシィングチーム」を結成、電線に並んで踊りだします。気づいた人間たちは大喜び。庭やベランダに米粒やパン屑をまいて歓迎しました。企画は大成功です。

ところが、やがて・・・。まかれた餌を夢中でついばんでいるうちに太ってしまい、体重が重くて電線から落下する者も。それに飽食でやる気をなくし、チームが成り立たなくなりました。
「休演すれば、人間が餌をまかなくなって体もスリムになる。そこでダンスを再開する。それを繰り返せば、自分たちも少しずつ利口になるだろう」。雀のリーダーが出した結論でした。

病院の相部屋での話。4人部屋といってもベッドごとにカーテンで仕切られてプライバシーも守られ、互いに顔を合わせることなく退院することもあります。
ある晩、患者のひとりの大きな鼾に腹を立てた夫人が、部屋替えを要求するなど大騒ぎ。カーテンの向こうで謝る鼾の主の声に耳を傾けることもせず、看護師や医師と押し問答を繰り返しました。

退院後。夫人は街角で軽く頭を下げて通り過ぎようとする知人を呼び止め、入院していたことに触れると「まあ、聞いて下さいよ」と、他人の鼾で特別室に移ったことを話しました。「病院から特別料金の請求書が届いたけど、私は被害者なんですよって、啖呵きってきちゃったの」「また請求書がきたら裁判も辞さない、っていってくるわ」「持久戦ね。あらごめんなさい、お引きとめしちゃって」

その場を離れた知人の軽い足取り。「あの人、どうもわたしが鼾の主だってこと気づいてないらしいわ」

話の行方がちょっとこわーいのもありますが、どれもウイットに富み、ひねりも利いた小話。「妻は体が弱く、入院している時も、病院のベッドで少しずつ書き留めてきているようです。次号も出してやらねば」と、ご主人は話します。