「米寿だ 祝いだ 祭だ 舞だ」
手にした展覧会案内はがきに踊る勇ましい言葉に誘われて、名古屋・栄の地下街にある「ギャラリー チカシン」で開かれている88歳画家の油彩画個展を拝見してきました。会期は6月6日(水)まで。
名古屋市東区在住の五島良樹さん。
「子どものころから絵を描くのが大好きで、美系への進学を夢見たものの、太平洋戦争と親の反対で断念。戦後、薬屋で働いたあと商事会社を起業、還暦を迎えて社業を息子に譲ったのを機に念願をかなえ、制作を楽しんでいます」とプロフィールを話してくれました。
2人の画家に師事して、油彩の風景画から静物、人物画まで次々に制作。国内だけでなく海外へも出かけ、絵筆をとります。
絵画団体にも所属する一方、個展もこれまでに10数回を重ねたそうです。
今回の個展のテーマは祭。「これが最後だと思いつつ、目出度い年齢になりました。そうした自分を喜び、祭りのように舞う思いで企画しました」
展示された作品は6号から30号まで35点。
名古屋の「ど真ん中祭り」をはじめ、古川の起こし太鼓、阿波踊り、おわら風の盆、鳥羽のしろんご祭、祇園祭・・・。七夕祭りや伊勢のお田植え祭なども。
迫力のある動き、優美な時代絵巻、やわらかな女性の舞が画面いっぱいに描かれています。
「各地の祭りに出掛け、踊りの輪の中にも入ります。しろんご祭の海女さんの動きは魅力があるので、50号で描いているところです。とにかく描き続けます。描いていれば病気も寄って来ないでしょうから」
五島さんにはもう一つの特技があります。詩吟で、総師範の資格を持たれているとか。
だからでしょう。お元気で、声も大きい。50号のしろんご祭の絵、期待しています。