風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽書き雑記「我が家のキンモクセイ(金木犀)も満開」

2014-09-30 06:53:16 | 日記・エッセイ・コラム


       

        

窓を開けると部屋いっぱいに広がる芳香。わが家のキンモクセイも週末から週明けにかけて満開になりました。

ご近所もほぼ満開。たまたま出かけた熱田神宮(名古屋)の宝物館や駐車場脇などにある大きなキンモクセイも、参拝客や七五三の宮参りの親子連れを芳しい香りで迎えていました。

濃緑の葉の隙間を埋める花弁4枚からなる小さな花のかたまり。サクラのような華やかさはなくても、香りでは他のどの花をも圧倒しますね。

実は昨年、わが家のキンモクセイは花が散ってから約3週間後の10月下旬になって、再び花を付けたのです。最初の花に比べてオレンジ色が濃く、香りはやや少なめでしたが、初めてのことで驚きました。
ネットなどで調べると、原因ははっきりしないものの「2度咲き」「返り咲き」は結構あるようです。今年はどうだろう、楽しみです。



 




楽描き水彩画・教室のスケッチ会から「身勝手な僕をいましめたネコたち」

2014-09-26 07:18:56 | アート・文化

                  
                

               
      
通りを歩いていて出会う動物で一番多いのは、やっぱりネコでしょう。
僕はイヌ、ネコともに好きなので、ついカメラを向けます。

先に豊臣秀吉生誕地の名古屋・中村公園に出かけた教室のスケッチ会でも、何匹か出会いました。
うち、2匹を絵にしました。どちらも、無作法にカメラを向けた身勝手な僕をいましめるような表情をしたネコたちです。

1枚目の白いネコは、アサガオなどがトンネル状に覆った壁の上で横すわりしていました。オスメスは分かりませんでしたが、メスのつもりで描きました。
近づいても公園を散策する人たちに慣れているのか、じっとしています。ところがカメラを向け、ネコの体の上にあった葉を動かそうとした時でした。
「何するのよ」といわんばかりの表情になったのが、これです。

そりゃ、そうですよね。人間だって、突然近づいてきた男にカメラを向けられ、あげくに身体を覆っているものを取り払おうとされたら・・・。目の色が変わるどころか、タダでは済みませんね。

2枚目のネコは、秀吉を祀った豊国神社のそばにある瓦葺の塀の上にいました。なかなかのツラ構えです。ヒゲもくっきりしています。
まるで神社の見張り番をしているみたい。それとも秀吉の親戚といわれ、忠実な家臣でこの公園にも縁の寺社がある加藤清正のつもりかな。当然オスとして描きました。

庭を横切って近づこうとする僕をにらんでいます。
「オイオイ、庭の植物を踏んだらダメだぞ」
「それ以上、近づくな。俺はモデルじゃない」
シャッターを数回押し、ネコに手を振って庭を横切り後ろを振り向くと、ネコもお尻を向けて立ち去っていきました。
印象的な口の周りや目の上のヒゲ。マスキングの使い方を失敗して太くなりすぎましたが、清正のヒゲみたいでいいじゃないか、ということで・・・。

スケッチ会などで撮ったネコの写真を見ると、その多くは表情に警戒心やおびえ、不信感が現れています。愛らしい表情や仕草が写っているコマは、ネコに笑顔で声をかけ、時間もかけて撮った時のものです。
NHKテレビの人気番組「岩合光昭の世界ネコ歩き」でも、動物写真家の岩合さんはネコにきちんと挨拶をして、おしゃべりしながらカメラを向けています。
先を急ごうとするあまり、逃げないうちに撮ろうとしたり、やたらにシャッターを押すガツガツした撮り方ではダメ、と分かってはいるのですが・・・。

 

 

 

 


楽書き雑記「京都で堂本印象・竹内浩一の作品とホイッスラー展を鑑賞」

2014-09-22 21:36:33 | アート・文化

京都方面へ所用で出かけた合間を縫って、京都府立堂本印象美術館で堂本画伯の企画展を鑑賞。さらに、京都国立近代美術館で、日本美術の影響を受けた「ジャポニスム」の巨匠・ホイッスラーの作品展を見てきました。

《堂本印象と竹内浩一画伯》
日本画壇の巨匠・堂本印象(1891~1975)は、西陣織の図案描きから日本画家を志して京都市立絵画専門学校に進み、初出品作が第1回帝展に入選。寺院の襖絵を抽象画で描いたり、多くの後進を育て、文化勲章を受章するなど日本画界を率いてきました。
1966年、自作を展示する美術館を金閣寺や龍安寺に程近い現在地に、自らのユニークなデザインで設立。これが1991年に所蔵作品とともに京都府に寄贈されました。

        
   
        
            
現在開催中の企画展(10月5日まで)は「いのちのかがやき」。花や鳥、動物の日本画だけでなく水彩画や鉛筆画など、襖絵を含めて計51点が展示されており、さまざまな技法とテーマに挑んだ堂本印象の世界に浸ることができます。

館内では日本画家・竹内浩一さんの「私の写生」が同時開催中。竹内さんの作品は、今年2月に名古屋の松坂屋美術館で開催された「日本画の未来を追求していこう」という作家4人の「星星会」展(2月のブログで掲載)でも拝見しています。
「人に見せようとする気持ちもなく絵心のままに何でも描いてしまう」(竹内さん=展覧会のパンフから)というゾウやサル、ウサギ、ナマズ、カメなどを描いた優しさ、哀感、ペーソスを感じる「竹内ワールド」と再び出会えました。

《ホイッスラー展 》
京都国立近代美術館で開催しているホイッスラー展(11月16日まで)のジェームズ・マクニール・ホイッスラー(1834~1903)は、アメリカ出身でロンドン、パリを拠点に活動した画家。当時のヨーロッパの画家の多くが、浮世絵など日本美術の影響を受けたことはよく知られていますが、とりわけホイッスラーは日本の絵画だけでなく工芸品などにも興味を持ち、創作に取り組んだといわれています。

         

当時のヨーロッパ画壇の主流だった歴史や伝統を語る絵画を否定し、絵画そのものの表現力を大切にして色や形の調和を追求。他の画家たちにも、多大な影響を与えたとされ、題名にシンフォニーとかノクターンといった音楽用語を使ったことでも知られています。
会場には油彩画を中心に水彩画やエッチングの人物画や風景画、それに浮世絵などの参考作品が展示されています。

 

 

 

 

 

 

 

 


楽書き雑記「文化・芸術の秋=名古屋の区民美術展も開幕」

2014-09-19 19:29:15 | アート・文化

 お絵かきや、写真撮影などを趣味にする人たちの「成果を発表する秋」の到来です。市区町村の文化センターやギャラリーの展示会場では、11月上旬ごろまで、そうした展覧会が目白押し。ご近所さんの傑作をご覧に出かけられてはいかがですか。

日本画・洋画・書・写真・工芸・・・。高齢化時代を反映してカルチャーセンターや生涯学習センター、60歳以上が入学条件の名古屋市高年大学「鯱城(こじょう)学園」、それに街なかの絵画教室、工房など、60歳、70歳からの手習いに励む人たちでいっぱい
美術団体の会員展・公募展などのような完成度の高い作品は少なくても、夢中になって制作された作品を目にすると楽しくなります。

19日、名古屋・東区の地下鉄ナゴヤドーム前矢田駅そばにある市民ギャラリー矢田で21日(日)まで開催中の第66回東区美術展を拝見してきました。
区民数が少ない区だけに出展数も多いわけではありませんが、力作が目立ち、勉強になりました。

その1枚が工芸部門の「東山動物園の貴公子」と題して、大きく羽を広げた孔雀を描いた市長賞の作品。孔雀の一枚いちまいの羽根はもちろん、背後の花木も克明に描いています。工芸部門に対する知識が乏しい僕ですが、審査員評の「手を抜くことなく描いている」には同感です。
僕も「東山動物園の仲間たち」のテーマで動物の水彩画を描き、このブロブにも掲載させてもらっていますが「手を抜かず」を心がけます。

洋画部門の市長賞「ポットンホース」。100号の大作で、2人の子供たちが遊んでいる姿を淡い色調でのびのびと描いています。僕も中年男たちを描いたりはしていますが、いつかは女性や子供たちをこのように描きたいものだと思った次第です。

写真の「やあやあ」。見事な構図に驚き、仏像の表情にこちらも笑ってしまいました。

※市長賞の作品のみ、日本画・洋画・書・工芸・写真の順で掲載します。
いずれも、僕の写真技術の未熟さと額のアクリル面の反射などで十分ではありません。実際の作品はもっと見事です。

   

       

  

 

 

 

 


楽書き雑記「若さ・情熱・意欲に圧倒=名古屋市立高校作品展」

2014-09-16 20:00:42 | アート・文化

       

名古屋に14校ある名古屋市立高校の第67回名古屋市教育祭・高等学校展覧会が16日、市民ギャラリー栄で開幕しました。書道・美術・家庭・写真の部活動や授業の成果から集められた作品展で、21日(日)まで。

ビルの7、8階にあるギャラリーの全フロアに学校ごとに展示された作品からは、個人制作であれ、共同制作であれ若々しい意欲と情熱、そして学校生活を楽しんでいる様子が伝わってきます。

作品に添付された「作品の意図」欄に、私は今の高校生活をすごく楽しんでいるので、この4字熟語を選びました、とある書道作品の文字は「百花繚乱」
「悠」の1字だけを書いた作品の添え書きには「私は高校野球が大好き。名前に悠の字が入った選手を見つけて応援しています」
高校生時代って、いいなあ。

海岸の堤防を力強く歩く少年の下半身、プラットフォームの電光掲示板、ネコの足の肉球だけを撮った写真にも驚きました。僕にはなかなか思いつかないカットです。
かといって、大人の絵画展などでしばしば目にするような、無理やり奇をてらったような作品は見当たらなかったことに好感を持てました。

美術部門で目にとまった1枚は、点描で少女の夢の世界を描いたような8号ほどの作品。「1ヶ月半かかりました。完成した時は本当に感激しました」との文が添えてありました。宝物になるでしょうね。
「4校が合同合宿したという三重県・安乗崎灯台での絵画も。ここへは僕たちの水彩画教室でも出かけたことがありますが「ああ、こんな構図もあったのか」と気づかされる絵が何枚かありました。


         

        

 


楽描き水彩画・教室のスケッチ会から「敷石のある庭」

2014-09-12 09:06:41 | アート・文化

                      

先に名古屋・中村区の中村公園に出かけた教室のスケッチ会での作品の1枚です。

中村公園は、この地が生んだ豊臣秀吉を祀る神社として豊国神社(とよくにじんじゃ)が建立された(1885年=明治18年)ことに併せて開設されました。豊臣神社を囲むように、同じこの地から出た加藤清正が名古屋城築城で余った材木で建てた寺や、清正が戦勝祈願をした神社などもあり、緑陰に包まれたそれらの庭の散策が楽しめます。

10号サイズのこの作品の庭もそのひとつ。庭を造った庭師の創作意図を思いながら存在感のある敷石や古木、コケ、そして差し込む光と影をできるだけ忠実に描いたつもりです。
スケッチ会は3ヶ月ごとにあり、僕は3~5枚描くのを心がけています。
順次掲載しますのでご覧下さい。

 

                                                                

                  


楽描き水彩画・東山動物園の仲間たち「最も美しいシカ・アクシズジカ」

2014-09-08 16:27:11 | アート・文化


     

赤褐色の毛に鮮明な白い斑点。シカの多くは体毛の色や斑点が地域や季節によって現れたり、消えたりします。ニホンジカの場合、白い斑点は夏には現れますが冬になるとほとんど消えてしまい、茶色だった体毛も灰色がかったりします。
でも、このアクシスジカは年中、斑点が消えてしまったり、体毛が色変わりすることはありません。だから、最も美しいシカ、といわれるわけです。

インドやネパール、ブータン、バングラデシュなどの草原や森林で草や木、木の実などを食べて生息。10頭から50頭ほどの群れをつくっていますが、100頭以上になることもあります。
それにしても、この絵の雄の角も立派でしょ。
角は毎年生え変わり長さは70~80センチ、大きいのでは1メートルほどになることも。3本に枝分かれすることもあるそうです。

オーストラリアや北米、南米では「外来種」として野生化しています。
日本ではニホンジカと交雑して生態系を乱すことのないように「特定外来生物」に指定、持ち込みが禁止されていますが、動物園や研究施設の場合は「逃げ出さない設備にする」との条件付きで輸入・飼育できることになっています。

名古屋で「ふるさと全国県人会まつり2014」

2014-09-06 17:54:42 | 日記・エッセイ・コラム

全国各地の魅力が味わえる「ふるさと全国県人会まつり2014」が6日、名古屋の久屋大通公園・久屋広場で幕開け。テント張りのブースにはそれぞれ自慢の品々が並び、ステージでは賑やかに民謡や踊りが披露されています。7日まで。

所狭しと並ぶ特産の菓子や果実、そして欠かせな日本酒、焼酎、ワイン、さらには地ビール。一方で観光案内や移住、企業誘致まで、詰めかけた人たちに色とりどりのハッピ姿で呼びかけていました。
僕が少年時代を過ごした高知の県人会は「気合が入っていますから」とブース4つ分のスペース。アルコールだけでなく、芋けんぴ、四万十鶏や赤牛の串焼き、名物「アイスクリン」なども並べて「まっことうまいきね(本当においしいからね)」。7日にはステージで午後1時40分から「よさこい鳴子踊り」が予定されています。

通りの中央に置かれたテーブルでは、やってきた県人同士でカップを手にお国なまりで盛り上がるグループも。
主催する読売新聞社の各地域版が掲示されたコーナーには、ふるさとのニュースを懐かしむ人だかりができていました。

※写真を小さく掲載しましたが、左クリックで大きくなります。


楽描き水彩画・東山動物園の仲間たち「ホッキョクグマから残暑見舞いとお願い=温暖化と環境汚染防止に一段

2014-09-03 15:58:19 | アート・文化

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残暑お見舞い申し上げます。

ホッケやスイカの入った氷のプレゼント。ありがとうございました。

ことしの東海地方は、雨が多く記録的な日照不足だったとはいえ、私たち北極圏出身のホッキョクグマや、近くの園舎にいる南極圏がふるさとのペンギンにとっては、やはりヘナヘナ、グッタリの日々でした。やっと朝夕の気温が下がってきましたが日中の残暑は厳しく、この水彩画のようにプールサイドに寄りかかり、冬の訪れを夢見てしのいでいる状態です。

それはともかく、私たちホッキョクグマが最も心配しているのは、地球の「温暖化」と「環境汚染」です。

オスが600キロ、メスが300キロもある私たちは、地球上で最大の肉食獣です。生きるためには1週間に1頭のアザラシを食べなければなりません。
地球の温暖化で氷が溶けてアザラシが捕れなくなれば、現在22,000頭ほどと推定されるホッキョクグマは真っ先に絶滅する、と言われています。

漏れ聞くところによれば、北極圏の氷は年毎に減っていて現在のまま温暖化が進むと、2050年の北極の結氷面積は1900年代の80%に減少すると予想されています。

また、大気中に放出される二酸化炭素の量が現在の2倍にまで上昇すると、夏の間に氷が解ける量は大幅に増え、北極圏なのに約5ヶ月間も氷が解けたままになる、との試算もあるそうです。

また別の調査では近年、氷が減るにつれて比較的南に棲むホッキョクグマの生息数も減っていると聞いています。

さらに環境汚染も深刻です。世界のあちこちの農薬やダイオキシン類などの化学物質が気流に乗って、北極圏の環境を急速に悪化させています。
海水に混入した化学物質は動物・植物プランクトンを通して魚へ。その魚を食べるアザラシへ、そしてアザラシを食べるホッキョクグマへと繋がっていくのです。

こうした食物連鎖によって、すでにホッキョクグマの体内や血中からPCBなどの化学物質が検出されている、との報告が相次いでいます。

アメリカ、ロシア、ノルウエー、デンマークが、私たちホッキョクグマの保護に関する国際協定を結んで努力してくれている、と聞いています。

また、環境を悪化させないために残留性有機汚染物質の製造・使用・輸出入を禁止・制限するストックホルム条約に日本を含む179カ国とEUが締結していることにも期待しています。

地球の温暖化と環境汚染から守るために、みなさんの一層の努力をお願いいたします。