ネコ科ではトラ、ライオンに次いで大きく、体長は120~180センチ、高さは80~100センチ、体重は100キロ前後あります。
北米南部やメキシコ、アマゾン流域の熱帯雨林や草原、湖沼などに生息。木登りや泳ぎもうまくて、シカやバク、ナマケモノ、アライグマ、サル、さらには小型のワニ、時には魚も捕食します。まさに南米では食物連鎖の頂点に立っているのです。
体のオレンジ色や黒い斑紋などヒョウに似ていますが、ジャガーは梅の花のような形をした斑紋の輪の中に黒い点があります。
体格もヒョウより頑丈で、足が太く強い力を持ち、獲物は前足で一撃を加えて倒すそうです。歯が強く頭も大きめです。
繁殖の時以外は単独で行動しています。
環境への適応力もあります。この冬の雪の日に東山動物園を訪ねた時も、ユキヒョウと変わらないくらい元気でした。
しかし、毛皮の美しさで狩猟の対象になったり生息地の開発のあって数を減らし、絶滅危惧種になっています。
名古屋の鶴舞公園にある「普選記念壇」
4年に1度の統一地方選挙がスタートしましたが、名古屋の総合公園・鶴舞公園の一角に「普選記念壇」という、あまり耳慣れない野外施設があるのをご存知ですか。
普選とは普通選挙のこと。90年前の普通選挙法の成立を記念して設置されました。コンサートなどイベントを楽しむ場は、主権在民とか一票の大切さを考える場でもあるのですね。
名古屋出身の加藤高明が総理だった内閣が、衆議院議員選挙法改正(普通選挙法)を成立させたのは1925年(大正14年)。民衆の選挙権拡大の要求に応えて、25歳以上の男性の高額納税者にしか認めていなかった選挙権有資格者の納税枠を撤廃したのです。これで有権者は一気に増えました。
しかし、女性の選挙権は認められず、国民主権・主権在民からはほど遠いものでした。平塚らいてうや市川房枝らによる婦人参政権運動を経て、現在のように20歳以上の男女が有権者になったのは、大戦後の1945年12月(まず国政参政権。地方参政権は翌46年)のことです。
さらに、今国会には選挙権の年齢を18歳以上に引き下げる公職選挙法改正案が提出されています。成立すれば2016年夏の参院選から実施されます。
名古屋市の有形文化財にも指定されている普選記念壇は、普選法成立3年後の1928年(昭和3年)、中日新聞社の前身である名古屋新聞社が寄贈してできました。
3400㎡の敷地に幅13・5㍍、奥行5・4㍍のコンクリートづくり。設計者は佐藤功一。佐藤は早稲田大学の大隈講堂や日比谷公会堂も設計しているそうです。
ステージの中央に、立憲主義や選挙法のベースともいえる「五箇条の御誓文(ごかじょうのごせいもん)」の青銅版が掲げられています。
五箇条の御誓文は、明治天皇が立憲政治を目指す明治政府の基本方針として1868年(明治元年)に示したものです。
そこには会議の重要性や政治は世論に従って決めること、古い悪習をやめること、知識を世界に求めることなどが書かれています。ステージには英訳の青銅版も掲げてあります。
「五箇条の御誓文」の青銅版
各地の桜の開花宣言をあざ笑うような寒の戻り。平年よりも5日、昨年より3日も早い21日に開花宣言が出た名古屋の花見どころの状態は?
24日朝訪ねると、ソメイヨシノたちは冷たく強い風に咲いたばかりの花を震わせながら迎えてくれました。
鶴舞公園内にある市公会堂前両側の桜の園。何本か桜の木々を見上げると、枝のあちこちに数輪ずつ花弁が開き、周りには膨らんだ蕾がびっしり。
さすがに予期しなかった気温の低下には、面喰っているのでしょう。
開花宣言が早かった割には全体として花数が少ないように見えました。でも、蕾の状態をみると、気温さえ上がれば花まつりや桜のライトアップが始まる27日ごろにはまずまず咲きそろう、と期待できそうです。
山崎川もほぼ同様。ヤマザクラという種がたくさんの花をつけていましたが、ソメイヨシノも週末にかけてどんどん開く態勢を整えているようでした。気温が上がればいいのですが。
花見の準備も整った鶴舞公園 山崎川堤防
名古屋・東山動植物園の第65回春まつり(5月6日まで)が開幕しました。
今回の主役は、類人猿の横綱「ニシローランドゴリラ」。大きな体と容貌は、昨年の秋まつりの主役だったコアラとは真逆のようですが、性格は極めて温和です。
ニシローランドゴリラはコンゴ、ウガンダ、カメルーン、ナイジェリアなどアフリカ中西部の樹林帯が故郷。他の動物仲間と同様、森林の開発や内戦などで生息数が減っています。
主食は果実や樹木の葉(東山動物園では、以前バナナを主食にしていましたが、現在はキュウリやトマト、ナスなどの野菜を主食にしているそうです)。
オスの体格は背丈が160~180センチ、体重200~250キロ。メスはその半分くらいで、オス・メスの体格差が大きいのが特徴です。さらに特徴といえば、握力の強力なこと。人間の平均的握力の10倍、大相撲の力士と比較しても4~5倍の400~500キロもあるとみられ、果実や葉が不足すると、この握力で太い竹を割ったり、樹皮をはいだり、木の根を掘り返して食べるそうです。
1頭のオスを中心に10頭ほどで群れをつくり、前肢を握るようにして4足歩行で移動します。
性格は温和。それに外見からは信じられないほどデリケートで、ストレスに弱いようです。
ゴリラといえば、映画を思い出される方が多いでしょう。何本も制作されましたが、とりわけ年配の方にとって懐かしいのは先駆けとなった1933年制作の米映画「キングコング」ですね。
大変な人気で何度も上映され、僕も少年時代に見ました。
巨大化したゴリラのキングコングがニューヨークへ見世物として連れてこられ、逃げ出してエンパイアステートビルの頂上へ。飛行機と戦うラストシーンを、胸が締めつけられる思いで見た記憶がよみがえります。
現在、東山動物園の北園エリアにある類人猿舎で暮らすゴリラの家族は、リーダーのシャバーニ(オス、18歳)、2匹の子を育てるネネ(メス、40代前半)、アイ(メス、12歳)、それに2歳半のキヨマサ(オス)と1歳半のアニー(メス)の計5頭。
春祭りの主役に選ばれたことを知ってか知らずか、観客への顔見せ時間になると庭に出てきてエサをむしゃむしゃ。仲の良い家族ぶりを見せていましたが、ときにはこんなシーンも。
シャパーニが子どもに近づき抱き寄せるような仕草をしたときのこと。2頭のうちのメスのうちのネネでしょうか。すごい勢いでとんで来て、歯をむき出し、大声でシャバーニを威嚇。その剣幕に驚いたシャバーニが逃げ出す様子に、観客からも笑いが。母は強いですね。
先日のこのブログで何枚かの写真を掲載した、名古屋市農業センターの枝垂れ梅園での1枚です。枝垂れ梅だけでなく、背後に広がる竹林も描き合わせてみました。
補色の関係にある赤系と青系の取り合わせとあって気になりましたが、俳句の春の季語である「竹の秋」の真っ盛り。竹林の葉が黄ばんでいるせいもあって、調和のとれた絵になったと自画自賛しています。サイズは10号です。
同センターのしだれ梅は、3月上旬に降雪の日があるなどで若干遅れ気味でしたが、ここ数日の気温の上昇で一気に花弁を開き「散りはじめ」に。でも「しだれ梅まつり」の終わる22日までは、まだまだ十分に楽しめそうです。
傘寿記念展の坂上寿男さん
愛媛県展で県知事賞を受けた 高校時代の作品
「これが60余年前、高校生の時の作品です。日展の会員さんから『これだけ描ければいいよ』と言われて、すごく感激したのをはっきりと覚えています」
名古屋・栄の名古屋市民ギャラリーで傘寿(80歳)を記念して油彩画の個展を開いている坂上寿男さん(名古屋市守山区在住)。余生も絵を描きながら送ることができる人生の「原点」ともいえる作品を前に、こう話してくれました。作品展は22日(日)まで。
12歳の時、父の仕事で住んでいた中国東北部から父の郷里である愛媛県に引き揚げてきた坂上さん。中学生のころから絵が大好きで、高校生の時に町工場の作業風景を描いた作品が愛媛県展で知事賞になり、自信がつきました。
まもなく仕事で名古屋に移住。当時の守山市(現・名古屋市守山区)の市民展で市長賞を得たのを皮切りに、太平洋展を中心に受賞を重ね、太平洋美術会の評議委員・審査員なども務めてきたそうです。
20年前に退職。「自由に描きたいものを、時間をかけて思い切り描けると思うと、嬉しかったですね」
絵仲間とフランスやイタリアに出かけ、街歩きをしながら運河や目に付いた店、古い壁などの風景を片端から描きます。
「でも、簡単には描きません。例えばヴェネチアの運河だって、その数奇な歴史や運河沿いの人々の暮らしなどを思い、納得がいくまで感じた気持ちを塗りこんでいきます」
「それなのに、描いて1ヶ月ほど後に見て『何でこんなつまらん描き方をしたのかな』と塗り直すこともしばしばです。気持ちにムラがあるのでしょうね。だから、以前に比べてずいぶん厚塗りになりました」
「もっと明るく、きれいに・・・といわれることがありますが、現場は見れば見るほど暗いですよ」
若い時から数えて10回目の個展。今回は、8号から30号ほどの作品27点を展示しています。
「さすがに最近は以前のような100号、200号といったのはほとんど描いていません。でも、描く気持ちは大きいままです。もっともっと描いて、米寿展とか卒寿展、白寿展とか・・・」
まさに、お名前の通りですね。
教室のスケッチ会で出かけた名古屋副都心のひとつにある金山総合駅ホームでの風景です。
やっと春らしくなり、この絵が季節外れになりかねないので急ぎ掲載しました。
JR、名鉄、地下鉄合わせて5路線からなるこの駅の乗降客は1日40万人を超えますが、通勤ラッシュを過ぎるとつかの間の静寂が戻ります。
この絵のシーンは、気温が低く北風も強かった朝10時ごろのホームのベンチ。
背中合わせに座る若い2人は学生でしょうか。
スマホを手にする男性、単行本に読む女性。どちらも、なかなかおしゃれですね。
「しだれ梅まつり」が開かれている名古屋市農業センター。11日午後に出向いてみると、700本のしだれ梅は前夜来の雪まじりの冷え込みにもめげず、戻ってきた日差しにピンクや白の花弁を輝かせていました。この調子だと、今週末から来週初めにかけてほぼ満開になりそうです。
しだれ梅まつりには毎年のように出かけているので、写真は少しでも違うアングルをと、しだれ梅とスイセンやサザンカとのツーショットなどを狙ってみたのですが・・・。
名古屋城西の丸展示館と広場で、第41回名古屋城つばき展が16日まで開かれています。切花、鉢花、盆栽など約500点。日本つばきの故郷・原点ともいわれる「九州のつばき」も展示されています。
赤、白、ピンク、斑入り。花弁の厚いのやヒラヒラのもの。形や大きさもさまざまで、一重もあれば八重も。葉にも違いがあります。
「ある愛好家は毎年4000もの種を蒔き、その中から3%を選んで新しい品種の開発を進めた」
「展覧会などに並んだ鉢花を譲り受けた場合、しばらくは鉢を変えてはいけないし、取り付けてあったラベルもはがさない、といったルールもある。鉢も花と一体なのだから」
居合わせた愛好家の解説や、受付で手渡されたつばき栽培の説明書などから、この世界の奥深さを知りました。
3つの会場で開かれている名古屋芸術大学卒業制作展2015の名古屋市民ギャラリー矢田会場(名古屋・東区)を、5日に見てきました。3日に愛知県立美術館を拝見し、残る作品もできるだけ見てみようと矢田会場に来たのですが、展示作品は少なくても結構楽しめました。
とりわけユニークな着想で面白かったのは、上の写真に掲載した展示室のやや広めのスペースを使って展示されていた「しまうところ」と題する作品。
壁面や床にびっしりと古い衣服や洗濯干し具、靴、人形、クッション、自分が書いた絵や版画・・・。レシートや菓子袋、歯の治療箇所が書かれた用紙なども。こしらえた1・5メートル四方ほどの「部屋」の中も、こんな「不用品」や「ゴミ」でいっぱいです。
「私は捨てることができない性分なのです。愛着があったり、記念になるとか、まだ使えると思ったりして、引き出しや部屋のあちこちにしまってしまいます。この服は、以前やっていたアルバイト先の制服です。こんなんだから、私の部屋の中はごちゃごちゃ。母に叱られてばかりいるのですが・・・」
「今度の卒展に何を出そうかと迷っていたとき、こんな『捨てられない私』を表現しよう、と思ったのです。これなら誰にも負けない、私しかできないことだから」
「作品のタイトルは、今は、ここが『しまうところ』だからです」。と話すと、「まだまだ、いくらでもあります」と展示品を次々と追加していました。そうした自分の姿もひっくるめて「アート」というわけです。
作品や作家の話に、僕が通う水彩画教室の講師で現代美術作家・山田彊一先生から聞いた話を思い出しました。
それは1970年代初頭、名古屋であった「ゴミ裁判」です。
若い芸術家や学生たちが愛知県美術館へ美術品としてゴミを出品。それを美術品とは認めない美術館側と裁判沙汰になったということです。
「そんなことがあったのですか」。僕の話に、驚きながらも作品の追加作業の手を止めることはありませんでした。
愛知県内の美術・芸術系3大学の卒展フィナーレを飾る名古屋芸術大学卒業制作展が3日から、名古屋・栄の愛知県美術館と名古屋・東区の市民ギャラリー矢田、北名古屋市徳重西沼の大学西キャンパスの3会場で開幕。うち県美術館8階ギャラリーに出向き、成果を拝見してきました。展覧会は各会場とも8日まで。
県美術館の8階ギャラリーに展示されているのは、美術学科の日本画・洋画・美術文化各コースとデザイン学科の一部。衣服のボタンで描いたような絵など、大きなキャンバスに思い切り挑んだ作品から、大学4年間の総決算に込めた意気込みが伝わってきます。
デザイン学科でも、若々しい思考や着想の作品がいっぱい。妖怪ブームを反映してか「日常妖(あやかし)図鑑」なるものも。恐れや不安を感じながらも、興味や憧れをもつ妖怪をいろんな角度から分析しています。
仲間たちに短い文章を書いてもらい、書かれた時間や場所、姿勢、筆記具を持つ手と指などをイラストで記録した作品も。文字を書く姿勢や筆記用具の持ち方は、随分個人差があるものだと改めて知りました。同じ筆者でも、その時の気分などで生まれてくる文字も違ってきますよね。
こうしたことに興味を抱いて作品にした着想が楽しくなりました。イラストは、文字を書いている様子をさまざまな角度から写真に収めて描いたようです。
照明の調整も慎重に
僕が通う風景水彩画教室の教室展「KAZEの会作品展」が3日、名古屋・栄の名古屋市民ギャラリー栄で始まりました。前日にはみんなで飾りつけをしたあと、講師の山田彊一先生からの講評もありました。展覧会は8日まで。
教室は朝日カルチャーセンター名古屋で毎月第2・第4水曜日の午前中に開かれ、現在の生徒数は22人。年1回の教室展には各自3点以内、大きさは合わせて30号以内で出品しています。
やっと春らしくなりました。ご高覧をお待ちしています。