風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽書き雑記「大輪の『千輪仕立て』にびっくり=第67回名古屋城菊花大会を鑑賞」

2014-10-28 06:43:19 | 日記・エッセイ・コラム

          

     
               
         

名古屋城の西の丸広場・展示館で開催されている第67回名古屋城菊花大会」に出かけてきました。名城菊の会のメンバーらが丹精込めて栽培した大菊、山菊、切花の3部門合わせて約500点が展示されています。11月24日まで。

数ある趣味の中でも、菊の栽培はとてつもない根気のいる趣味の代表格ではないでしょうか。これまでにも菊花展見物や、菊栽培を趣味にする友人らの成果を拝見して、「やってみようかな」と思ったことはありますが、「自分には無理」と結論づけています。

植物とはいえ生き物。水、土、肥料、気温、日照、害虫や病気の防除・・・。一日たりとも管理をおろそかにできないはずです。
展示会に出そうとすれば、大きければいいわけではなく、花、草の容姿や色彩、葉の状態など一輪、一葉たりとも気を抜けないでしょう。
10枚の写真の最初と最後に掲載したような、1本の苗木に数百輪もの大輪を咲かせるという「千輪仕立て」ともなれば・・・。それも、福島県二本松市では2年をかけて摘心を繰り返し、2000輪以上も咲かせる技術を確立したとか。想像するだけでも気が遠くなりそうです。

山菊の盆栽づくりも、菊の出来はもちろん石や岩、枯木、苔、砂利などを合わせた全体の調和が求められるそうです。
また、約1ヶ月もの展示期間中に散ったりしないように、とりわけ展示初日から10日後ぐらいにある審査の時にはベストの状態になるように、と考えると「やっぱり、自分は鑑賞するだけ」と改めて思うのでした。

    

 


 
 
             

         

     

 




楽書き雑記「庭に咲く秋の花」

2014-10-25 07:34:48 | 日記・エッセイ・コラム

          

わが家の花壇でいま咲いている花を、カメラに収めてみました。いずれも、宿根草・多年草です。

3㍍四方足らずの花壇を、5年ほど前からシャクヤクなどの低木と、草花は宿根草・多年草中心にしています。
格好よく言えばイングリッシュガーデン風ですが、「面倒な手入れが少ないように」というのが本音です。
つまり「ずぼら」なのですから、植物たちは狭い領土をめぐって、熾烈な生存競争を展開。この春にわずかに隙間を作って種をまいたコスモスも、芽は出したものの勢いのある多年草たちの間に消えました。

〈ホトトギス〉花壇の一角を占領。数年おきに多くの根を引き抜きますが、たちまち領土を回復します。
白に紫の斑点。鳥のホトトギスの模様に似ているところから、この名がついたとか。夏場の暑さに葉が傷むことが多いのですが、今夏は猛暑だったはずなのに意外に健在です。              

              

  〈ホットリップス〉
赤と白のツートンカラー。赤い口紅、情熱的な唇を思わせる色と形が素敵ですね。ただし、気温によって花の色が変わり、高温だと赤、低温の時は白が強いようです。この春、何本かを挿し木しましたが、きちんと根づきました。

                        


 〈チェリーセージ〉
サクランボウのような赤い花。これも精力旺盛で毎年冬にかなり強めに剪定するのですが、春にはたくさんの枝が吹き出すように伸び、そばのホットリップスを押し倒さんばかりに広がっています。
              
 

  〈ヒメツルソバ〉
地を這うように茎が伸び、ピンクの金平糖か野いちごの実のような花を次々咲かせています。冬に地面が凍らない限り根から新芽を出てどんどん広がるので、時おり根ごと抜いています。
                       

  〈小菊〉
秋晴れが戻ってきて蕾が少しずつ開花。詳しい品種は忘れましたが、5年ほど前に苗を2、3本植えたところ二乗倍以上の勢いで増え、一昨年に半分ほど抜いたのにすぐ元に戻りました。
                     

〈その他〉
小さな白い花が無数に咲いています。ハーブの一種でしょうが名前は知りません。
                     

 

 

 


楽描き水彩画・東山動物園の仲間たち「コアラ」

2014-10-21 09:19:46 | アート・文化

                  

          

「東山動物園のアイドル」ともいえるコアラが来日して30年。動物園では今、さまざまなコアラ来園30周年記念イベントが催されています。
そこで僕もコアラを描いてみました。

オーストラリアから2匹のコアラが東山にやってきたのは、1984年10月25日。東京・上野動物園のパンダブームを、ちょっぴり羨ましく思っていた名古屋市民にとって、この可愛い「動物大使」の来園は大歓迎でした。
僕の同僚もオーストラリアに飛び、タロンガ動物園などを駆け回ってコアラの生態や飼育方法などを取材。名古屋でのユーカリ栽培やコアラ舎といった受け入れ態勢、問題点を連日のように書きまくっていたのを思い出します。

それから30年。東山動物園で飼育されたコアラは約50匹。子どもたちのコアラ人気は相変わらずで、園舎にはいつも親子連れの列ができています。

それにしてもコアラってよく寝るんですね。1日24時間のうち18~20時間も眠っているか休んでいて、活発に動くのは早朝か夕方だけ。開園時間はじっとしていることがほとんどです。
それに見る場所からコアラのいるところまでやや距離があるうえ、体長が70㌢前後と小さいのでもどかしさを感じます。また、東山動物園には現在6匹のコアラがいるそうですが、コアラは単独性で複数匹が一緒にいる場面は少ないので、観察するのは容易ではありません。
僕も絵にするのにひと苦労。少しだけ動物園の資料を参考にさせてもらいました。
コアラの別名は漢字で「子守熊」。確かにそんな感じですね。でも、熊の仲間ではありません。クマはネコ目クマ科、コアラは有袋類のカンガルー目コアラ科なのです。

※掲載した新聞の切り抜きは、コアラ来園を報じる朝日新聞紙面の一部です。現在催されている東山動植物園秋まつり(11月16日まで)の期間中、動物園内の動物会館で東山動物園で過ごした約50匹のコアラの写真などとともに展示されています。

                                          

                          

 

 




楽書き雑記「秋晴れの三英傑パレード。今年は黒田官兵衛も=還暦迎えた名古屋まつり」

2014-10-18 17:59:11 | 日記・エッセイ・コラム

         

           
         

郷土が生んだ三英傑(信長・秀吉・家康)パレードが呼び物の「名古屋まつり」が17日~19日の日程であり、パレード初日の18日に出かけてきました。
「にぎわいを求めてつられた歴史祭り」と揶揄されたころもあったこの祭りも、今年でちょうど還暦の60回目。雨にたたられた昨年と違って、ことしは「これぞ秋晴れ」に恵まれ、都心は人の流れが絶えない1日でした。

パレードの初日のコースは、名古屋駅前から広小路通を経て栄・矢場町まで。名古屋市消防音楽隊や東邦高校、桜台高校などの吹奏楽やバトンガール、ナナちゃん人形隊などが華やかに行進。地域の踊り隊も息の日ごろの練習の成果を披露してくれました。


3英傑は公募で選ばれた信長・秀吉・家康が、それぞれの家臣や同盟関係のあった戦国大名、それに濃姫、ねね、千姫らを従えてパレード。さらに今回はNHK大河ドラマで一躍人気武将に躍り出た黒田官兵衛も登場、沿道のカメラと掛け声に応えていました。
19日のパレードは名古屋市役所から栄・矢場町までのコースで行われます。

栄地域の久屋大通公園、オアシス21などではそれぞれステージが設けられ、地元のアイドルグループや全国からの武将隊らが歌や踊りを披露。「やっぱりこちらの方が魅力的」という若者たちの熱気に包まれ、それぞれの会場に並んだ「なごやめし」などの屋台や、全国各地の名産品店にも行列ができていました。

※小さい写真はクリックしてください。
 
                

              

           


楽描き水彩画・東山動物園の仲間たち「ドラム缶を持ち上げるホッキョクグマ」

2014-10-15 07:53:41 | アート・文化

             

動物の動きを時間的な余裕を持って見ていると、予想もしなかったパフォーマンスを見せてくれることがあります。ホッキョクグマのドラム缶遊びを目にしたのもそうです。
水彩画の仲間シリーズでは、すでにホッキョクグマを掲載しています。でも、ドラム缶遊びがなかなか面白かったので水彩画1枚と、遊びのシーンの写真を載せました。

先日のブログにも書きましたが、東山動植物園秋まつりの初日(10月4日)に、ホッキョクグマ舎に立ち寄った時のことです。
真夏に見た時はあまりの猛暑にぐったりしたのか、プールサイドに寄りかかったまま動きませんでした(その様子を描いた絵は9月3日更新のブログに掲載してあります)。

ところが、秋らしくなったこの日はドラム缶をあちこちへ転がしたり、岩の上に押し上げたりと、元気いっぱい。
そのうち、ドラム缶の端を口で押さえて両手で抱えると、さらに高く持ち上げました。描いた絵は高く持ち上げる直前の姿です。
「オー」「すごい!」。観客の歓声を浴びながら缶を掲げたままプールサイドに来ると、エイッと水面へ。
続いて自らもプールへ飛び込み、ぷかぷか浮かぶドラム缶と格闘。時の経つのを忘れたように遊んでいました。

サーカスのライオンの火の輪くぐりや、水族館のスナメリの大ジャンプなどは何度も見たことがあります。でも、ホッキョクグマのこんなパフォーマンスを目にしたのは初めてです。
このドラム缶はプラスチック製。一部の他の動物園でも格好の遊び道具に置いているようです。

動物園では、サーカスや水族館のような調教はしておらず、園舎に置かれたドラム缶や浮き球などでどう遊ぶかは、ホッキョクグマ自らが会得したのでしょう。

ただ、観客の拍手喝采に気をよくしているのはサーカスの猛獣たちと同じかもしれませんね。

※小さな写真はクリックで大きくなります。

           





楽書き雑記「蘇った青春の歌声時代=絵仲間の男声合唱を楽しんできました」

2014-10-12 19:45:31 | 日記・エッセイ・コラム

            

       

                      

絵仲間のひとり、塚原徹也さんが所属する合唱団「男声合唱を楽しむ会」のサロンコンサートが12日、名古屋の熱田文化小劇場であり、味わい豊かなハーモニーを楽しんできました。

この会は塚原さんら三菱重工OBが中心になって2003年に創立。やがて他社のOBらも加わって、現在の団員は40人ほど。月2回の練習と年2回の合宿で声を磨き、ことしで9回目のサロンコンサートは定員352人の会場は満席。ホールの外で約30人が映像で鑑賞するという、合唱団としても恐縮するほどの盛況でした。

4つのステージ、長短合わせて27曲からなるプログラムの中で、僕が最も魅せられたのは、第2ステージの「ロシア民謡メドレー・黒い瞳の君へ」でした。
歌われた「黒い瞳の」「山の娘ロザリア」「ともしび」「カチューシャ」など12曲全てが、僕の心に半世紀前の学生時代を蘇らせる歌なのです。

新宿に何軒もあった「歌声喫茶」。同世代の若い男女がアコーデオンの伴奏に合わせ、時間が経つのを忘れたかのように大合唱を繰り返し、連帯感を感じあい、青春を謳歌しました。
僕を含めて多くが田舎から上京した若者たちで、歌い合う中で都会暮らしに対する戸惑いなども吹き飛んでいったように思います。
今日も、聞きながら思わずハミングしそうになりました。

最後のステージ「ザッツ・ミュージカル!」も楽しめました。

ミュージカルといっても踊り抜きでしたが、「マイフェアレディ」「ウエストサイド物語」「キャッツ」などの8つの歌を、賛助出演の混声合唱団「レ・マーニ」とともに披露してくれました。

いつものことながら、合唱コンサートを聞いて思うのは「歌は聞くもいいが、歌う方がもっといい」。しばらくは風呂の湯船に浸かる時間が長くなりそうです。
♪黒い瞳の 若者が 
私の心を とりこにした♪


楽描き水彩画・教室のスケッチ会から「秀吉のひょうたん」

2014-10-09 07:41:49 | アート・文化

               

ひょうたん(瓢箪)。豊臣秀吉の馬印として有名ですね
織田信長の稲葉城(岐阜)攻めの際、藤吉郎時代の秀吉が腰に付けていたひょうたんを竹か槍の先端にくくりつけて掲げ、総攻撃を合図したのがきっかけに秀吉の馬印となったとか。

名古屋・中村公園にある秀吉を祀った豊国神社のそばにも、ひょうたんの棚があります。生育期をすぎて、あちこちから茶褐色の枯葉がぶら下がる棚のほぼ中央に残された、大小一つずつの瓢箪。秀吉の栄枯盛衰を物語る光景のように思え、描いてみました。

それはともかく、ひょうたん栽培は少年時代を過ごした田舎でよく見かけた風景です。食用には適さない植物ですが、さまざまな生活必需品に加工できるうえ、ユーモラスな姿かたちが親しまれ、とりわけ農村では昔から重宝されてきました。

縦に割って皿やひしゃくにしたり、横に切って大小の茶碗にしたり。薬入れや作物の種を保存する容器にも。近所のお年寄りたちが、置物や装飾品に加工して楽しんでいた記憶がよみがえります。
盛夏には風通りのいい日陰を作ってくれ、今もひょうたんの栽培や装飾品作りを楽しむ愛好家は多いようです。

ひょうたんの花は白くて地味な感じですが、花言葉もあると知りました。
「繁栄、利得、夢」。これも秀吉を思わせますね。




「日本水彩名古屋支部秋季展始まる」

2014-10-07 11:20:07 | アート・文化

        

日本水彩画会名古屋支部の秋季展が7日、名古屋市瑞穂区瑞穂通の市博物館3階ギャラリーで始まりました。会員・会友は全て20号、一般は50号以内の作品が並んでいます。
13日(月=体育の日)まで。無料。

名古屋市博物館へは、地下鉄桜通線「桜山」下車、4番出口から徒歩5分です。


楽書き雑記「コアラ来園30周年=東山動植物園の秋まつりが開幕

2014-10-04 20:02:49 | 日記・エッセイ・コラム

            
  
            
                 
名古屋市や朝日新聞社らで構成する実行委員会が主催する「第64回東山動植物園秋まつり」が4日開幕しました。
「東山動物園の仲間たち」と題して動物たちの水彩画を描き、ブログでの掲載も始めた僕も無関心ではおれません。名古屋市消防音楽隊のオープニングコンサートに迎えられ入場してきました。

今年は、東山動物園にコアラがやってきてちょうど30年。会期が11月16日までの秋まつりもコアラ来園30周年記念行事と重なり、さまざまなイベントが例年以上に盛り沢山。コアラのふるさと・オーストラリアに関係する催しや、大道芸、動植物のクイズ大会、ミニSLなど催しでいっぱいです。

正門に近い動物会館では、これまで東山動物園で飼育された50匹余の全コアラの写真を展示。1984年10月25日、オーストラリアからの動物大使として2匹のコアラがVIP並みの扱いで来園(公開は11月20日)、年間入場者も10年ぶりに300万人を超えた「コアラフィーバー」を報じる朝日新聞も展示されています。
                     
僕がすでに絵にした動物たちをご機嫌伺いすると、涼しくなったこともあってかみんな元気いっぱい。

ライオン一家のあるじ「サン」は、東山の森を震わせるような唸り声を何度か。驚く入場客に「あれは怒っている声ではありません。奥さんや子供たちに話しかけているのです」と飼育員。
描いた時は1歳半だったゾウのさくらちゃん。3ヶ月ほどの間にひと回り大きくなったようで、さかんに飼育員にじゃれていました。

驚いたのは、真夏にはあまりの猛暑にヘナヘナ、グッタリだったホッキョクグマの変貌ぶり。ドラム缶をころがして動き回り、あげくに両手で持ち上げるとプールへ投げ込んでみせ、親子連れらの拍手と喝采を浴びていました。
          







楽描き水彩画・東山動物園の仲間たち「東山のラスカル=アライグマ」

2014-10-03 07:01:39 | アート・文化

        

「可愛い。でも、すごくやんちゃなので困ってしまう動物」といえば、このアライグマでしょう。

絵にしたいと思いつつも、参考にするいい写真が撮れずに先送りしてきましたが、毎週水曜日に放送してきたNHKBSプレミアムのアニメ「あらいぐまラスカル」の最終回が10月8日と知り、急いで描きました。
使った写真は数年前に東山動物園に出かけた時のもので、現在の飼育舎とは多少違っているかもしれません。絵のサイズは10号です。

目の周りから頬にかけての黒い斑紋、尻尾の横縞模様、それに手(いや前肢というべきかな?)のスラっとした5本の指が特徴でしょうか。これを水中に突っ込んでザリガニなどの獲物を探っているような様子からアライグマの名称がついた、といわれています。

食べ物は何でも。昆虫、魚、穀物、果物・・・つまり雑食性です。繁殖力も旺盛です。
でも、それが人間社会にとって困った動物となるわけです。

原産国のアメリカでも森林にいるうちは良かったのですが、ペットで飼われていたアライグマが逃げ出すなどして、農業地帯や都市部に住みついてからは人間社会での被害が拡大しました。
「あらいぐまラスカル」の物語も、少年とアライグマの友情を描きつつ、人間と自然界の生き物との共存がいかに難しいかをテーマにしていますよね。

日本では2005年から、外来生物法で学術研究などの目的以外は輸入や飼育を禁止しています。しかし、それまでに繁殖していたアライグマはさらに増え続け、農作物を食い荒らされたとか住宅や文化財への被害が続出。環境省が防除政策を進めていることはご存知の通りです。