「絵手紙は女性の趣味、なんて思われていたのはもう昔話。『ヘタでいい、ヘタがいい』から、男の世界も絵手紙を楽しもう」。こんな男たちの絵手紙展が、名古屋市民ギャラリー栄で2つ開かれています。
1つは個展の「猪又三郎絵手紙展」。もう一つはタイトルもズバリ「男の絵手紙展」と題するグループ展。いずれも5月5日(日)までです。
個展を開いている猪又三郎さん(82歳・名古屋市港区在住)が絵手紙に興味を持ったのは、20年ほど前。名古屋市政会館で開かれている男性だけの絵手紙教室で学び、楽しくなりました。
「絵手紙を友人に出すと、絵手紙で返事が返ってくる。嬉しいですね。絵手紙の一番の魅力です」と猪又さん。
全国の同好の士と絵手紙をやり取りし、日本絵手紙協会の公認講師にもなりました。個展を2年ごとに開き、今回で6回目になりました。
展示されているのは、70㎝四方に切った画仙紙に最近夢中になっている墨で描いた絵に、考え抜いた言葉を入れた30余点。もう一つの趣味であるステンドグラスの作品を置いて会場を飾っています。
もう一つの趣味・ステンドグラスも
《グループ展・男の絵手紙展2019》
個展を開いている猪又さんとともに、名古屋市政会館の男の絵手紙教室で学ぶ皆さんの作品展です。
男だけの絵手紙教室は十数年前、絵手紙指導者の岡母都子(おか・もとこ)さんが、大勢の生徒の中で男性は1人だけだったことに「手紙は女性だけでなく男性も出す。絵手紙を男性にも広めよう」と開きました。
今回の展覧会のテーマは「思い出の昭和」。子ども時代のけん玉遊びや夢中になった紙芝居、家族みんなで囲んだ食卓、親戚や近所の人も加わった田植えなど、それぞれの記憶を絵手紙にしています。
全国の絵手紙仲間からの作品も展示されています。
ただ教室の悩みは高齢化に伴う生徒仲間の減少。「市政資料館で毎月2回(第1日曜日と第3土曜日の午後)。授業料13000円(6か月分)。季節の花や野菜などを感じたまま描きませんか」と呼び掛けています。