風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽書き雑記「セミ。大量発生の年?数多い抜け殻」

2014-07-29 07:30:08 | 日記・エッセイ・コラム


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地域的なことかもしれませんが、ことしはセミの鳴き声が例年に比べてたくさん聞こえる気がします。大量発生でしょうか。
わが家の狭い庭でも、孫たちが「こんなにあったよ」とアブラセミの抜け殻を15、6個も集めてはしゃいでいました。サツキなどの低木や草花の葉にも抜け殻がくっついています。このような様子を何年か前にも見た記憶がありますが、例年目にする抜け殻はせいぜい5、6個でした。

世界で2000種とも3000種ともいわれるセミ。その一生は、卵→幼虫→成虫へと変化することはよく知られていますが、土の中で過ごす幼虫期間は短いので3年、長いのだと17年。アブラゼミは6年だそうですから、記憶にある「何年か前」は、6年前ということになるのでしょうか。

ところで成虫の命は? 

「1週間ぐらいでしょ」。こう答える方が少なくないのでは――。僕も、そう思ってきました。

でも、このブログを書くため調べていて間違いだったと知りました。これはセミを捕まえても育てるのが難しいことや、幼虫期間に比べて成虫期間があまりにも短いためにできた俗説で、実際には野外だと1ヶ月ほど生きているそうですね。

子どものころ、幼虫が夜更けから明け方にかけて羽化する様子を観察した方も多いと思います。僕も再挑戦してみたいとは思いますが、徹夜する自信は・・・。


楽書き雑記「名古屋の中川運河沿いも変貌の時代?」

2014-07-26 08:28:37 | 日記・エッセイ・コラム

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絵になる風景を求めて、名古屋を流れる2本の運河のうち「中川運河」沿いを歩いてきました。都心を貫くもう1本の「堀川運河」に比べて懐かしい風景が残っているはず、と出向いたのですが・・・。名古屋駅周辺のビルラッシュなど都心で展開される再開発の余波や、変化する産業立地の影響が中川運河にも及んでいる、との印象でした。

両岸に並ぶ棟続きの古い倉庫、トタン屋根やスレート葺の部品工場や作業場、そこから聞こえてくる機械の運転音や金属音、両岸をつなぐために数百メートルおきに架けられた橋。これが、中川運河風景の変わらぬイメージでした。少なくとも数年前までは――。

ところが、倉庫や作業場のいくつかが歯の抜けたように消え、作業場の音もあまり聞こえなくなっていたのです。

跡地の多くは雑草に覆われ、駐車場や資材置き場になっていましたが、新しいビルができたところも。

名古屋駅のツインタワーを背景に、大型クレーンが立ち並び、ブルドーザーや土砂を積んだトラックが行き来するための仮設道路や仮橋がつくられた一帯もありました。
両岸を結ぶ橋の架け替えや改修も、何カ所かで進行。水際の用地を補強するために運河に杭を打ち込む作業も、アクアラングの作業員らによって行われています。

ツインタワーなど高層ビルの姿を写していた運河の起点の水面には、新しいビルの姿が写っていました。

名古屋駅周辺の超高層ビルラッシュに代表される名古屋経済を反映しているとしても、そればかりではなさそうです。

もう一本の堀川運河下流域でも、工場や作業場の閉鎖・移転が起きています。大手企業の海外移転だけでなく、「取引先が(名古屋西部の工場地帯)などへ移ってしまったので、こちらもたたんで移るしかない」と何代目かの工場主の説明でした。

古い建物に対する地震対策や、津波に備えた岸辺の強化策なども運河沿いの風景を変えていくことでしょう。

もちろん、「いつかは絵にしたい」と思っていた中川運河の風景も、いくつか残っています。

でも、「時や時代は待ってくれない」を、改めて知った思いでした。

蛇足かもしれませんが、この時期の運河沿い歩きについてひとこと――

僕が中川運河沿いを歩いた日も、かなりの猛暑。しかし、

そこは倉庫や工場はあっても、飲食店や木陰などの休憩場所は限られています。

ペットボトルを手に、わずかな緑や工場の建物の陰でひと息ついたり、ときおり川面を撫でる風にホッとするなど、覚悟していたとはいえ熱中症に気を配りながらの歩きになりました。ふだんは縁のない甘味喫茶の看板を発見した時は、躊躇せず飛び込んだものです。

お出かけになるなら、秋の声を聞いてからが賢明ですね。

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(楽描き水彩画「常滑やきもの散歩道スケッチ②焼き物のオブジェ」)

2014-07-23 18:42:52 | アート・文化

教室のスケッチ会で出かけた愛知県常滑市の「やきもの散歩道」の作品②は、焼き物を素材にした道路や展示物から絵にした3枚を掲載しました。

金属や石、木片などを本来の機能や目的外の使い方をして創作するのをオブジェといい、現代美術の用語だそうですが、焼き物でできた小路も立派なオブジェアートと言えますね。

今月11日に「やきもの散歩道スケッチ①」として掲載した3枚の絵の中にもありますが、写真撮影やスケッチの人気スポットになっている坂道の通りは、その代表でしょう。
土管や瓶(かめ)、壺、あるいはそれらの破片を組み合わせた壁面や路面。土管や瓶がそのために焼かれたものなのか、不良品だったのを利用したのかはわかりませんが、焼き物の里らしい装飾性だけでなく、雨の日も滑る不安の少ない通りに感心しました。

置物も、お馴染みの招き猫や狸だけでなく、女性像やロダンの「考える人」など、職人たちの遊び心も通りを飾っています。

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楽描き水彩画・東山動物園の仲間たち「ゾウのさくらちゃんとお母さん」

2014-07-18 09:50:04 | インポート

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いま、名古屋・東山動物園の一番人気は、アジア象のこども「さくらちゃん」でしょう。

昨年1月29日に東山動物園で生まれ、まもなく1歳半。やんちゃ盛りです。
さくらちゃんは、とにかくお庭に出るのが大好きです。
お母さんの「アヌラ」とお散歩したり、スキップするように走ったり、隣の部屋のお父さん「コサラ」と格子を挟んで鼻を絡ませてお話ししたり・・・。時にはでっかいウンチも。

とりわけ楽しみにしているのが、水浴びと砂かけ、そして泥んこ遊び。
ホースを持った飼育員の姿に気付くと、庭の片隅にある浅い窪みに小走りでやってきます。お母さんもさくらちゃんに目を離すことなく、そばにやってきます。

格子の間から飛んでくる放水をいっぱい浴びようと、踊るように体を揺らすさくらちゃん。窪みに水が溜まると、今度は寝転んだり、でんぐり返しのようにしながら体中を泥まみれにして大喜びです。
こんな様子を、ゾウ舎を囲んだ子どもたちの歓声が包みます。


楽描き水彩画「名古屋で第102回日本水彩展が開幕」

2014-07-15 17:17:43 | アート・文化

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名古屋・栄にある愛知県美術館ギャラリーで15日、日本水彩展が開幕しました。

会期は21日までです。

日本水彩展は、日本水彩画会が催すわが国で最も歴史のある水彩画の公募展。今回で第102回を迎えました。会場いっぱいに「ザ・水彩画」といえる力作を展示。同時に第58回日本水彩画会名古屋支部展も開催されています。

名古屋展のあと、広島展(8月7日~13日、福屋八丁堀本店)、京都展(9月2日~7日、京都市美術館本館)、松山展(9月24日~28日、愛媛県美術館)が予定されています。


楽描き水彩画「教室のスケッチ会・常滑のやきものの散歩道から①」

2014-07-11 09:54:17 | アート・文化


先日、水彩画教室のスケッチ会で出かけた愛知県常滑市の「やきもの散歩道」の成果を、まず3枚掲載します。いずれも10号サイズです。

狭くて、上り下りがあり、曲がりくねった散歩道。登り窯、煙突、作業場、陶器の店はもちろん、今は使われていない窯跡、野積された瓶(かめ)や土管、それらを敷き詰めたり壁面に重ねて造った小路・・・と、どこを切り取っても絵になるだけに、写真展や絵画展、絵葉書などでよく見かけます。

僕自身も初めての場所ではないので「何を描こうか」と迷い、探し求める取材でした。


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楽書き雑記「咲き誇るキキョウ、サルビア。カルドン、ヤマボウシも

2014-07-08 10:44:53 | 日記・エッセイ・コラム

久しぶりに、季節の花を見に名古屋市の農業センターへ。夏の盛りはこれからですが、どちらかといえば秋の花のイメージがあるキキョウや、晩秋まで楽しめるサルビア類も賑やかに咲いていました
 

昨年、絵に描いた花径が約20センチ、背丈は大人ほどもあるイエローカサブランカは、今年も沢山開き存在感十分。背丈ならもっと高く2メートルもあって、古代ローマ時代から食用にされてきたというカルドンの花も梅雨空に向かって咲いていました。
 

サルビアの仲間たちも何種類かが可憐さを競っていますが、とりわけサルビア・ファリナセア(ブルーサルビア)が印象的です。

大きな樹木の日陰の下で白い花を数多くつけた木を発見。名札にはヤマボウシとありました。

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 イエローカサブランカ  
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   ブルーサルビア

 

 

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キキョウ 

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    カルドン
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ヤマボウシ

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  ブッドレア

 

 

 

 


楽書き雑記「日本画に親しんできました」

2014-07-05 18:02:46 | アート・文化


「“にほんが”っていいね。」

昨年秋、院展の入選者数が東京芸大を上回ったことが話題になった愛知県立芸術大学(愛知県芸大)の日本画研究室によるこんなテーマの企画展が、名古屋市郊外の名都美術館(長久手市杁ヶ池)で開かれており、出かけてきました。

この大学では今年4月に文化財保存修復研究所を開設するなど、貴重な絵画などを後世に遺す模写・復元にも取り組んでいて、展示場にも模写作品や技術を紹介するコーナーがあります。会期は7月27日まで。

「伝統に縛られていそうだし、難しそうだし・・・」。日本画についてよく聞かれる言葉です。僕も鑑賞したいという興味は十分だけど、描いてみようと思ったことはありません。今回の展覧会は、そんな人が日本画への親しみを深め、絵筆を手にする動機づけになれば、と企画されたのでしょう。

展示場には、愛知県芸大の松村公嗣学長はじめ教員や卒業生で若手画家らの作品を、各自の創作動機や日本画の面白さなどのコメント付きで展示。

初代主任教授だった片岡球子(1905-2008)が、蔵王連峰をモチーフに「活火山のエネルギーを描いた」という「山頂」なども展示されています。

作品の多くが院展などで拝見したもので、改めて「さすが」と感じます。コメントに目を通すと――。

「筆や岩絵具、膠(にかわ)、水、紙などの画材のバランスを考えながら使うことの難しさを知るが、それが楽しくもある」「底がしれない魅力がある」「描くたびに発見がある」など。「大学に入るまで日本画なんて知らなかった」とか「油絵をやるつもりだった」との記述も。

片岡球子が重要性を説いて始まったという模写・復元。法隆寺金堂壁画や高松塚古墳壁画などを手掛け、現在は名古屋城本丸御殿の障壁画の模写・復元に取り組んでおり、文化財を守るための重要性は一層増すことでしょう。

展示コーナーをひとまわりして、日本画に対する興味と親しみは一層増しました。でも、真似事であっても
描くとなると・・・。
「もう少し若ければ」ですね。

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楽描き水彩画・東山動物園の仲間たち「ライオン一家のお父さん」

2014-07-01 07:31:08 | アート・文化

 
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僕は動物園や植物園に出かけるのが大好きです。見ていて飽きないし、やはり癒されるからですが、せっかくだから動物たちを絵にしてブログにも掲載していこうと考えました。


名古屋市千種区にある東山動物園。1937年に開園しました。東京・上野動物園に次ぐ入場者があり、大きなゾウから小さなメダカまで、約500種を展示する日本最大級の動物園です。約60ヘクタールの敷地には植物園も併設されています。

正式名称は「東山動植物園」ですが、ここでは便宜上「東山動物園」とします。

掲載は月に1~2度と考えています。

図鑑ではありませんので、絵にするのは出かけた時に出会い「描いてみたいな」と思った動物を取り上げます。オス、メスで姿や格好が大きく違うこともあるし、できるだけ動物たちの見せる仕草や表情を描きたいので、同じ種類の動物が複数回登場することがあるでしょう。
また、「動物園の住人たち」を描くのですから、動物の背景にある園舎、金網や柵、鉄格子、遊び道具、小さなプール、コンクリートづくりの樹木や岩肌、世話をする飼育員を描き入れることも多いと思います。

                  

第1回は「百獣の王」とされ、権力の象徴としても扱われてきたライオンです。

東山動物園が開園(1937年)した当時、日本の猛獣舎としては初めての無柵放養方式を取り入れたライオン舎には、お父さんの「サン」が率いる一家が暮らしています。
描いたのは「サン」。鬣(たてがみ)が見事です。


園舎に掲げられたプロフィールによると「サン」は2001年、北海道旭川市の旭山動物園で生まれました。誕生日の7月25日には13歳になります。東山動物園には2005年にやってきました。

毎朝、目覚めると庭を繰り返しパトロール。あとは7歳年下の奥さん「ルナ」や子どもらと戯れたり、横になって昼寝を楽しんだりしています。

この絵のポーズは、何かを見つめているのでしょうか。それとも何か考え事でも・・・。ときおり近くの獣舎から聞こえてくるトラなどの唸り声を、どう捉えているのでしょう。

それにしても風格がありますね。

毎日の食事は、夕方の4時に室内に入って食べます。

「サン」のメニューは馬肉4.5キロ、レバー0.5キロ、鶏頭15個だそうです。