風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽書き雑記「年末年始も無休の名古屋港・南極観測船『ふじ』などへ」

2019-12-30 06:30:00 | 日記・エッセイ・コラム

 



公共の観光施設のほとんどが年末年始の休暇に入った29日、名古屋港の施設だけは「年末年始も無休」ということで、小学生の孫たちと出かけてきました。
公共施設の年末年始休暇の休日・期間はまちまち。HPによると2日から営業するところもあります。

名古屋港の無休施設は水族館・ポートビル・海洋博物館・南極観測船「ふじ」の4施設。
家を出るのが遅かったこともあり、混雑していそうだった水族館は次回に残して他の3つを回ってきました。

僕は水族館も含めて何度も訪れたところ。なのに、かなり疲れました。なぜだろう?

思いあたったのは2つです。
1つは孫の学年が上がって理解力がつき、興味を持つ幅も大きくなったこと。展示コーナーを次々に回る足取りに、こちらは振り回されている感じです。

もう1つは僕の老化。古希になったころ、水彩画教室のスケッチ会で南極観測船を訪れた時は何でもなかったのに、今回は船内の階段を上り下りする時の手すりへの依存度が、明らかに大きくなっていました。


孫と自分の歳をとることの違いを痛感した1日でした。


※年末年始休暇に入ります。皆さん良いお年を。


以前描いた雪の日の南極観測船「ふじ」です

 

 


楽描き水彩画「木曽路の雨上がり」

2019-12-27 06:28:07 | アート・文化

 

「木曽路はすべて山の中である」。島崎藤村「夜明け前」の書き出しですが、「雨の中である」と言いたくなるほど、出かける度に降られている気がします。
もっとも気象データによると、この地方の年間降水量がとりたてて多いわけではありません。結局「雨男」ということですかね。

この日も朝から雨。「スケッチどころか、写真も撮れそうにないな」と車を足らせているうちに雨がやみ、雲間にぽっかりと青空がのぞきました。

山間に(もや)がかかり、渡ってきた赤い鉄橋がくっきり見えつつあります。
「この景色もいいね」と撮っていた写真を取り出して描きました。




(楽書き雑記「愛知県高校総合文化祭『アートフェスタ』展示部門を見てきました」)

2019-12-25 06:51:21 | アート・文化

 

愛知県高等学校文化連盟が主催する文化の祭典「アートフェスタ」展示部門の作品展が、愛知県美術館8階ギャラリーで開かれています。
年末年始の休館日(2813日)を挟み15日(日)までという変則的な日程ですが、若々しい力のある作品が展示されています。

出展されているのは絵画や彫刻、工芸、書・写真など。
作品の多くは、ジャンルごとに開かれた県大会や全国総文祭佐賀大会などに出展されており、僕も目にした作品がありますが、改めて高校生らしい豊かな表現力・創造力に驚きました。




楽書き雑記「暖冬のせい?落葉も遅れ気味=名古屋・鶴舞公園のプラタナスに見る」

2019-12-23 16:17:47 | 日記・エッセイ・コラム

 

「暖冬のせいか、鶴舞公園のプラタナスの葉が落ちずにかなり残っている」
こんな話を聞いて23日午後、名古屋の鶴舞公園へ見に行ってきました。

手元にある昨年1215日に撮った写真を見て出かけたのですが、まさにその通り。
昨年より1週間余り後なのに、公園の中央にある音楽堂を囲む25本のプラタナスには昨年の写真より多くの葉が残っています。

中にはまだ緑っぽい葉も見えます。別名スズカケノキと言われるように、鈴のようなピンポン玉大の実が生っているはずですが、葉に隠れてほとんど見えません。

「気温は全国的に平年並みか高い」という気象庁の長期予報、名古屋の23日の最高気温が15度などといったデータや「スキー場も積雪ゼロ」などのニュースを見ると落葉の遅れも頷けます。

しかし、長期予報などには「地球温暖化の影響」などの文字も。「プラタナスの落葉」もその現象のひとつ、と考えると恐ろしくなりますね。


この2枚は昨年12月15日撮影です




楽書き雑記「名古屋・名城公園の落ち葉の風景」

2019-12-21 06:55:36 | 日記・エッセイ・コラム

 

 

名古屋城に隣接する名城公園へ。
今回は花より落ち葉。さまざまな落葉樹が織りなすじゅうたんを踏みしめてきました。

ケヤキ、イチョウ、サクラ、ナンキンハゼ・・・。七重、八重に敷き詰められています。厚さ7~8㌢、いやそれ以上はありそうです。
寝転んだり、滑り込んだり、落とし穴を作ったり、は遠い思い出。裸足になって歩くことも、もはや人目が気になりとてもできません。

常緑樹の低木、囲いの生垣なども落ち葉をまとっています。でも、落ち葉が見当たらないところがあります。
散策道、ウオーキングコース、ランニングコース。「写真になりそうだな」と向かった階段やベンチもそうです。
走ったり、歩行中に落ち葉で滑ったりしないように、との配慮でしょう。ところどころに、かき集めた落ち葉の山があります。

落ち葉の話ではありませんが、もう一つ。
作業着姿の若い男女が、サクラに登って何やら切り落としています。サクラも樹形を整えるため剪定しますが、今回目にした作業は少し違いました。

サクラの根元の傍から伸びた蔓性植物が四方に広がり、サクラの枝を巻くように絡んでいる蔓を取り除いているのです。巻き付いた何本もの蔓をほぐして切り取っています。

――大変ですね。
「蔓が高い所にまで伸びていますからね」
花見を楽しむだけで思いもしなかった話。またひとつ勉強になりました。




 


楽書き雑記「愛知県瀬戸市の県立瀬戸窯業高校工芸デザイン科デザインコースの卒展へ」

2019-12-20 06:13:56 | 日記・エッセイ・コラム

 

 

全国で唯一「窯業」を校名にしている、愛知県瀬戸市の県立瀬戸窯業高校工芸デザイン科デザインコースの卒業制作展を、名古屋市民ギャラリー矢田(地下鉄ナゴヤドーム前矢田下車)で見てきました。22日(日)まで。

 瀬戸窯業高校は明治28年(1895年)に創立した歴史と伝統のある学校ですが、時代に即応した専門教育を進めるため、3年前から学科の再編と高校の3年間に続いて2年間の専攻科で学ぶ「5年一貫教育」を進めています。


再編で誕生した工芸デザイン科はデザインコースとセラミック陶芸コースからなり、今回は初の卒展というわけです。セラミック陶芸コースの卒展は124日から3日間、名鉄瀬戸線の尾張瀬戸駅近くにある「瀬戸蔵」で開かれるそうです。

デザインコースの卒展会場には絵画や彫刻、木工製品などが並びます。
禁煙を進める彫刻や衣装ケース、書棚、テーブル・・・。一見、陶芸とは関係なさそうに見えますが、幅広い感覚を養い、さまざまな表現力や創造力を身に付けて、製品企画や意匠を生み出せる陶工技能者が生まれるのでしょう。





楽書き雑記「今年も超ノッポのマリーゴールは健在です」

2019-12-18 06:39:22 | 日記・エッセイ・コラム

 

 

この時期、自宅庭の主役は超ノッポの黄色いマリーゴールド。
今年も巻き尺で草背丈を測ってみると、2mを上回る茎が何本かあります。実はマリーゴールドには多くの品種があるのに、ただマリーゴールドとだけにしているのには理由があります。

数年前から植えてあるのですが、花の名前を知らないまま苗をもらったので、ハーブ図鑑などで調べてみました。
そこで「レモンマリーゴールド」という品種の写真が花も葉も似ていることを知りました。レモンマリーゴールドは、マリーゴールドの原種のひとつだそうです。

しかし、レモンマリーゴールドの草丈は1mとあり、「2mを超える」といったような記述は見当りません。日当たりが特にいい場所とは言えず、肥料などもあまりやっていません。

なのに、庭のマリーゴールドの最高の草丈は1昨年2.6m、昨年2.2m、今年は2.15m。図鑑の表記の倍以上の草丈なのです。それに、葉の匂いを嗅ぐと、薬草の匂いがしますがレモンあさの感じではない気がします。

それはともかく鮮やかな花の色、勢いよく伸びた茎は今年も健在です。
この調子だと、例年通りクリスマスはおろか、強い寒波さえなければ正月飾りにも加わってくれそうです。


  

 

 


楽書き雑記「垂れる鮮紅色の実のかたまり・ヒマラヤトキワサンザシ=名古屋・鶴舞公園」

2019-12-17 06:51:27 | 日記・エッセイ・コラム

 

ナンテンよりひと回り大きな赤い実が、フットボール状のかたまりになって幾つも垂れる樹高4㍍ほどの一本の木。
年に何度が訪れている名古屋・鶴舞公園で初めて出会った植物です。

「ヒマラヤトキワサンザシ」。バラ科タチバナモドキ属。名前の通り原産地はヒマラヤです。
昭和初期に導入されたといい、ピラカンサスの名で親しまれているようです。

ひとつひとつの実は直径10mmほどで、やや扁平型。鮮やかな紅色の塊には迫力さえ感じます。


こちらは近くにあったナンテンです


 


楽書き雑記「名古屋・鶴舞公園のサザンカを見てきました」

2019-12-16 06:24:03 | 日記・エッセイ・コラム

 

 

名古屋の鶴舞公園で、咲き誇るサザンカ(山茶花)を見てきました。
正門から散策道を奥へと進み、大きく回って元に戻るまで次々に出会います。まさに園内各所と言っていいでしょう。

赤、白、ピンク。一重、八重。まだ蕾も結構残っており、しばらく楽しめそうです。

余談ですが数年前、「ポケモンGOの聖地」と言われた鶴舞公園。
このところ平日に出かけることが多いので気づかなかったのですが、ブームが復活したのでしょうか。日曜日のこの日は散策道のあちらこちらでスマホを手に歩く若者たちで賑わっていました。

 

 

 


楽描き水彩画「夕日にほんのり染まる冠雪の伊吹山=特急しらさぎの車窓から」

2019-12-14 06:55:11 | アート・文化

 

  

北陸本線の特急「しらさぎ」から見た冠雪した伊吹山です。
今週の月曜日(9日)、金沢から名古屋への帰り。現役時代は米原で乗り換えることが多かったのですが、今はゆっくり車窓からの眺めを楽しみます。

米原を出てまもなくお目当ての伊吹山。冠雪した雪を夕日がほんのり染めています。今年の初冠雪は11月20日。その後、本格的な降雪は無いようです。

新幹線ではないので何枚かカメラに収めることができ、その1枚を絵にしました。

百名山のひとつ伊吹山。標高1337mと、さほど高くはなく石灰石の採掘などで姿・形が少し変化したとは言え、周辺の人々にとっては「伊吹は伊吹」。僕の中にもいつも存在しています。絵は10号です。


 


楽書き雑記「アートに出会う『金津創作の森』を散策」

2019-12-12 06:24:30 | 催し

 

前回掲載した「FUKUIサムホール美術展」が催されている福井県あわら市の「金津創作の森」を訪れたのは、今回が初めて。展覧会を見た後、東京ドーム4個分という約20万㎡の森の中を散策してきました。

絵地図を手に森へ入ります。
高く伸びた起伏のある杉林の散策路を進むと、石を積み上げたピラミッド状の小山に出会いました。現代アートの作品です。

一部の杉の幹に掛けられた黄色い巣箱が見えます。これもアートです。
絵地図によると、こうした現代アート作品が大小16もあり、足を進める先々に点在しています。

一本の杉を囲むように上へ伸びる木組み、彩られた小屋、何本もの木で造られた小さな橋やスロープ、長く伸びる崩れた土塀・・・・。

アート作品の前には案内プレートがあるとはいえ、森に溶け込んでいるので作品なのかそうでないのか区別が付かない個所もありますが、それがワクワク感を誘います。

小さな建物も何軒か。陶芸、染め、竹工芸、ガラス工芸、作曲家らが住まいとアトリエを構えて創作活動をしているのだそうです。
やや大きめの建物はガラス工房や、さまざまな創作体験を楽しめる工房のようです。

リピートしてみたい森の中でした。できれば暖かい季節に。


 

 

 


楽書き雑記「作品のサイズと作品の良し悪しとは無関係=福井県あわら市の金津創作の森美術館で小さな絵画『サムホール美術展』を見てきました」

2019-12-11 06:34:25 | アート・文化

 

福井県あわら市の金津創作の森美術館で開催中の小さなサイズの絵画公募展「第36回FUKUIサムホール美術展」(12月22日まで)を見てきました。

サムホール画のサイズは22.7㎝×15.8㎝。通常のはがき(10.0㎝×14.8㎝)の2倍ほどの大きさですが、素晴らしい表現力と創造力が凝縮された作品群に見とれました。

僕はサムホールサイズの絵はメモ的スケッチとしては描いていますが、完成させたことはありません。
サムホールサイズの絵が、その何倍かの大きさである自分の絵などは比較にならない存在感があることを知り、挑んでみたものの途中で投げ出したことはあります。

公募展である今回のサムホール展には地元紙によると379点の応募があり、会場には入賞・入選作品200点が並んでいます。

素人目にも分かる作品の見事さ、全国にまたがる出品者の居住地欄を見てもこの展覧会のレベルの高さを感じます。

日本画、油彩画、水彩画、アクリル画、デザイン画・・・。ジャンルはさまざまですが、共通しているのは確かな構図と豊かな表現力、それに創作の狙いがしっかりしていることでしょう。

「どの絵もこの数十倍でも百倍以上の大きさにもできるだろう」「仮に百倍以上の絵でも駄作ならサムホールにしても駄作だろう」「絵の良し悪しはサイズとは関係ないな」と思ったものでした。

もう一つ。サイズは同じでもジャンルが多岐に渡る作品展なのに、全く違和感がなかったことです。
それぞれが素晴らしい作品だと、共演し調和がとれているからでしょう。


 

 


楽描き水彩画「メタセコイアを描きました」

2019-12-09 18:20:52 | アート・文化

  

名古屋市農業センターで一番大きな落葉樹のメタセコイアです。
ここには15本ほどあり、
落葉間近の様子は存在感十分です。

幹に取り付けたプレートなどによると、和名はアケボノスギ(曙杉)。
長い間、化石でしか見つかりませんでしたが、1945年に中国で現存しているのが分かり「生きた化石」として有名です。

生長すると幹の直径1.5㍍、高さ2530㍍になるそうで、農業センターのはまだ中年期の
ようです。




(楽描き水彩画「角の大きさは心の大きさ=名古屋・東山動物園のアクシスジカを描きました」)

2019-12-07 06:30:33 | アート・文化



名古屋・東山動物園のアクシスジカです。
インドやスリランカが生息地で、同園にいるのは10頭ほど。世界で一番美しいシカと言われるだけあって、白い斑点模様や角は見事です。

描いたオスが横になっているところは、園舎の広場の中央にある長方形に囲んだ餌場の中。そこには干し草がいっぱい。つまり餌場を占領している形ですが、しばらく前に出された生草を十分に食べたせいか休んでいるようにも見えます。

離れたところでメスや小柄なオスたちが群れをつくり遠巻きにしています。こちらも生草を食べたあとですが、そろそろ干し草を食べたくなったのか餌場が気になるようです。

そして、別のところに大きなオスが1頭。その大きなオスは餌場を占領しているオスより体も角も一回り大きく立派です。角の大きさや風格からも「リーダー」でしょう。
さて、これからどうなる?じっくり観察することにしました。

やがて、メスたちが意を決したのか1列になって餌場に近づきました。
まず先頭のメスがオスに挨拶を交わすように顔を寄せたあと、数本の干し草をくわえて離れました。後のオスやメスも1頭ずつ餌場のオスに顔を近づけたあと同じように干し草をくわえて離れます。

餌場のオスは動こうとしません。
リーダーは離れたところで餌場の動きを見て見ぬふりなのか、周りの枯れ木に角や体をこすり付けるなどして餌場には近づきません。

何分か経ってからでした。リーダーが餌場に向かって動きました。
一触即発!固唾をのんで見守ると、リーダーは餌場のオスを追い出そうとする素振りはなく、干し草を引っ張り出し黙々と口に入れています。

この間1分ほど。餌場のオスはゆっくり立ち上がると餌箱の外へ。遠巻きしていたメスや他のオスたちが安心したように餌場に近づき、リーダーと干し草を食べ始めました。
リーダーと次期リーダーの座を狙う2頭の雄鹿。理性ある行動で平和は保たれました。

園舎の柵に掲示されたプレートに「角の大きさは心の大きさ」とありました。



  


楽書き雑記「同居中のワタとバナナ=名古屋市農業センター」

2019-12-05 06:29:28 | 日記・エッセイ・コラム

白い花を咲かせたような植物と、寄り添うように立つ大きな葉の植物。名古屋市農業センターのハーブガーデンで見かけた風景です。
よく見ると、花に見えるのはワタ(綿、コットン)、大きな葉はバナナです。

 生っているワタを目にしたのは久しぶり。しかも、先の教室のスケッチ会でワタの糸で紡ぐ知多木綿の里(愛知県知多市岡田)へ出かけたばかりです。

ワタはアオイ科の多年草。淡い黄色がかったハイビスカスに似た花が咲き、実の中の種子を包むフワフワした白い毛がワタなのです。ピンポン玉大から大人の拳大ほどあります。

先の尖がった実の外見は渋い色ですが、皮がはじけると飛び出す真っ白いワタ。
園芸用の小柄の品種も開発され、綿花子(わたがし)とかコットンボールとか、可愛い呼び名もあって人気が出ているようです。

一方のバナナ。
「バナナは野外ではなく、すぐそばにある温室で育てるのでは」と思ったのですが、やはり農業センターは研究施設。
ワタのように野外で露地栽培できる耐寒性のバナナを、種から育てる研究をしているのです。

氷点下の冷え込みや積雪のある日本の冬を乗り越える耐寒性バナナ。研究開発はかなり進み、園芸用苗も市販されているようです。「国内産バナナ」を味わう日も遠くなさそうですね。