風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽書き雑記「戻ってきた春の足音=名古屋市農業センターの『しだれ梅まつり』も大幅に繰り上げ開幕へ」

2016-01-31 19:27:24 | 日記・エッセイ・コラム

                  
                 
               
               数本ですが今にも開きそうなしだれ梅の蕾


寒波が去り、ジグザグ気温も落ち着いて「暖冬と駆け足の春」が戻ってきたようです。

この速いテンポに名古屋市農業センター(天白区)では、最大のイベント「しだれ梅まつり」を、例年より2週間ほど早めることにし2月11日(木・祝日)に開幕します。

週末にセンターの花木園をのぞくと、約40本のロウバイはほぼ満開。ハクモクレンも長さ3~
センチの蕾の先端には白い花弁がのぞき、いまにもはじけそうです。

そして主役である12品種700本のしだれ梅も、品種による違いはあるものの、蕾の成長が例年の同時期に比べてかなり早めのよう。数本ですが、ほころび始めた枝もありました。

「しだれ梅まつり」は2月11日から3月6日(日)までの予定。青空市や盆栽展なども企画されています。入場無料。期間中は無休です。

            
         ロウバイはこの通りほぼ満開です    

                       
           ハクモクレンの蕾も大きくなりました















 


楽描き水彩画「東山動物園の仲間たち・2頭のダチョウ」

2016-01-29 16:41:05 | アート・文化

     


今年初めての「東山動物園の仲間たち」はダチョウです。

といっても、絵を学び始めて間もない8年ほど前に描いた作品ですが、その割には描けているのではないかと自画自賛して、パソコンのストックファイルから引っ張りだしました。

ダチョウは背丈が2メートル以上、体重も100キロ以上ある最大の鳥。ご存じの通り飛ぶことはできませんが、身体能力はかなり優れています。
時速60キロほどで走れ、目は5キロも先を見ることができるそうです。

草食性で、かつてはアフリカ全土のサバンナや砂漠などに生息していました。しかし、装飾用の羽や皮革製品、食用などとして乱獲が進み、現在はアフリカの中央部と南部に狭まっています。

ずっと後で知ったことですが、羽の色が黒色はオス、茶色っぽいのはメスとか。ということは、この絵では手前がオス、後ろがメスでしょうか。画題も「ダチョウ夫婦」とした方が良かったかもしれません。

気温など自然環境への適応能力にも優れているようです。
雪の日に東山動物園を訪れると、ほとんどの動物が園舎の中へ引っ込んでいる中で、ダチョウははしゃぎ回るシロクマやペンギンたちと同様に、とはいえないまでも雪が降りしきる中を歩き回っていました。

 


  
  雪が舞う中を歩くダチョウ

 

 

 

 


楽書き雑記「感動と尊敬と=児童・生徒が撮った大人たちの『はたらくすがた』展」

2016-01-26 18:14:45 | アート・文化

     
小学生の部グランプリ 「ママは消防士」


中学生の部グランプリ  「見守る視線」 


 高校生の部グランプリ  「せんべいおじさん」


小学生、中学生、高校生たちが働く大人たちの姿を、カメラで撮った第11回アイデム写真コンテスト「はたらくすがた」の入選作品展が名古屋・栄の名古屋市民ギャラリーで開かれています。31日(日)まで。
総合人材サービス事業を営む株式会社アイデムの主催、朝日小学生新聞などが後援。作品からは子どもたちの大人に対する感謝と敬い、大人たちの子どもたちに向ける温かな思いが伝わってきます。

コンテストには7533点の応募があったそうです。作品に添付された児童・生徒自身によるコメントに目を通しながら見て回りました。

自慢と尊敬できる消防士の母、サラリーマンを辞めてうなぎ屋で修行中の父、園児たちに絵本の読み聞かせをする保育士。

53年間も時計の修理をする祖父、1枚撮らせてとお願いしたら「モデル料は高いよ」と言いつつも焼きたてのせんべいを手に笑顔のせんべい屋さん、「仕事する時は真剣やねん」と目を光らせる町工場のおっちゃん。

汗だくで無農薬のカボチャを収穫するひと、納得できる製品ができるまでやり直すガラス職人の母、病のお客さんと優しく親切な散髪屋のおばちゃん。
他の作品も含めて、どれもこれも技術的にも素晴らしいですが、「はたらくすがた」に対する児童・生徒たちの感動と敬意がこもった作品に、こちらも感動しました。

    
    
小学生の部準グランプリ 「ただいま修行中」

    
    中学生の部準グランプリ  「昭和の時計職人」

          
              高校生の部準グランプリ   「ギラッ」

            
      富士フイルム特別賞  「畑ではたらく人」

            
       エプソン特別賞  「命を吹き込む」

          
     高等学校文化連盟全国写真専門部特別賞
                 「似た者同士」






楽描き水彩画「積雪の朝2枚=早朝健康ウオークの足跡と名古屋港の一隅」

2016-01-23 09:52:03 | アート・文化

      

寒波に覆われた列島。積雪の日が続きますが、今回は数少ない名古屋の積雪の風景を描いた2枚を掲載します。先日の雪の朝、名古屋市内の地域公園・細口池公園で見かけた「早朝健康ウオークの足跡」と、以前描き保管したままだった名古屋港での作品です。

細口池公園は池の周辺にウオーキングコースが設けられ、多くの地域住民が健康ウオークを楽しんでいます。

名古屋市内で未明からの積雪が9センチを記録した20日朝、雪が止み日が差し始めた公園をのぞくと、雪面に無数の窪みができていました。雪だからといって、歩くことはやめたくないウオーカーたちが降りやまぬうちから歩かれたのでしょう。

歩いた後に雪が降り積もった浅い窪みから、地面がのぞく新しい窪みまでさまざま。土手の日陰になったコースの足跡模様からは、ウオーカーたちの息づかいが伝わってくるようです。

もう1枚は、2012年2月2日の雪の朝、名古屋港へ出かけて描いたものです。

この日の名古屋港は、名古屋では珍しい吹雪。一時は岸壁に係留展示された南極観測船「ふじ」の姿がかすんでしまうぐらいでした。

描いたのは吹雪がやんで日が当たり始めた港の小さな桟橋の一隅です。
南極観測船「ふじ」が吹雪につつまれた様子の写真も掲載します。
         

      







楽書き雑記「斬新で躍動感ある作品に出会う=愛知県高文連美術・工芸専門部の名古屋支部展」

2016-01-21 07:48:57 | アート・文化

          

          

名古屋市博物館(瑞穂区瑞穂通・地下鉄桜山下車)
で開かれている愛知県高等学校文化連盟の美術・工芸専門部の第30回名古屋支部展を見てきました。47の高校から集まった絵画や立体作品を展示。高校生らしい斬新で創造性豊かな作品が並んでいます。

絵画は油彩、水彩、アクリル、ラッカー、墨彩、切り絵、プラモザイクなどさまざま。テーマも、風景や静物、動物、自画像などのほか、心情や異次元の世界を描いた作品など多彩です。

プラモザイクを使って故郷の祭りを約50号大のサイズで描いた作品や、若々しい躍動感があふれる絵など、高校生展ならではの作品に僕の足も止まりました。

立体作品もセラッミク、FRP、紙、木、セロハンなど、いろんな素材を使用。粗削りながらも豊かな発想で思い切り取り組んだことがうかがえる作品に出会えました。

 
  
 

 



楽書き雑記「地域の公園の雪化粧=名古屋の積雪は9センチ」

2016-01-20 14:04:16 | 日記・エッセイ・コラム

           
      
      早朝ウオーキングの足跡

    
  池なのに川のように見えますね

   
  これも「雪椿」と言いたいぐらいですね

列島が白い世界になった20日朝、名古屋でも9センチ
の積雪を記録しました。名古屋の積雪は年に1、2回。南国生まれの僕は、その度に港や動物園などの雪化粧ウオッチングに出かけますが、今回は市内各地にある地域公園のひとつをカメラに収めてきました。

天白区内の細口池公園。大雨の際は一時的に貯水する役割も持つ池を中心に約4ヘクタールと広く、サクラやスイセンが植栽され、ウオーキングやジョギングを楽しむ市民も多い公園です。

この日の名古屋は8時ごろになると青空がのぞき始め、朝日の温度も次第に温かくなって、覆っていた雪もどんどん溶けていました。

  
    サクラの枝の雪化粧


      
           雪もベンチでひと休み

               
          園児たちに人気のシーソーです                    














 


楽描き水彩画「名古屋駅周辺の『超高層ビル兄妹』を描く」

2016-01-18 07:28:22 | アート・文化

    

1月2日掲載の「変貌する街」で紹介したように、名古屋駅周辺では2027年のリニア新幹線東京―名古屋間の開業をにらみ、超高層ビルが相次いで誕生、風景は一変しています。
名古屋駅から800mほど南にある、第3セクター・あおなみ線の「ささしまライブ駅」から見た景色を絵にしました。

1999年生まれのJRセントラルタワーズ(高さ245m)を皮切りに、ミッドランドスクエア(2006年、247m)、名古屋ルーセントタワー(07年、180m)、モード学園スパイラルタワーズ(08年、170m)などが次々に誕生。
昨年は大名古屋ビルヂング(180m)とJPタワー名古屋(195m)が生まれ、今年はJRゲートタワー(220m)の誕生が迫り、てっぺんで赤いクレーンが忙しく動いています。

距離があるので、高層ビルの細かいところにはとらわれず、周辺の建物や色も大ざっぱに描きました。また、写真ではちょっとした角度の関係できちんと写っていないビルも、そこは絵画。動かしたり、顔を出してもらうなどしました。





楽描き水彩画「パリのレストランで出会った猫」

2016-01-15 08:52:49 | アート・文化

          

「パリは猫の街」と言ってもいいくらい、猫をみかけますね。街角で、雑貨ショップやカフェで・・・。近年は猫を連れてティータイムを楽しめる猫カフェも増えているとか。
今回描いたのは、2年前の冬に出かけたパリの街を散策中に入ったレストランで迎えてくれた猫です。

窓際で黒い籐椅子に、ゆったりと身を預けています。「看板娘」でしょう。いや、娘というより、まだ少女っぽい感じもしました。
青い目。先がポンポンのように丸いしっぽ。
目が合ったところをカメラに収め、横顔も欲しいなと思った時です。意図を察したように、このポーズをとってくれました。

しかし、なかなか描こうとはしませんでした。頭と背中、尻尾は黒いのですが、このポーズだと白い部分が大きいので描きにくいと思ったからです。

雪や白い花瓶を描く気持ちでとりかかりました。
白一色に見える毛も、差し込む日差しや店内の明かり、反射光、さらに影によって、さまざまな色に染まっています。少し汚れた感じになりましたが、それなりに描けたと思います。






楽書き雑記「古希の夫婦展と高校生の作品展を拝見」

2016-01-12 16:53:05 | アート・文化

週替わりのメニューで催される名古屋市民ギャラリーのさまざまな展覧会。12日から17日(日)まで開催のメニューの中から、古希夫婦の「陶&画」展と、高校生たちの写真展、それに高校生の美術作品などの展覧会を見てきました。

≪なかざきさんちの古希記念展≫
名古屋・守山区在住で、共に70歳を迎えた中崎諒さんと淳子さん夫妻。諒さんは陶芸、淳子さんは水彩画と絵手紙を趣味にして定年後を楽しんでおり、古希になった記念に夫婦展を企画したそうです。

諒さんは会社勤めを定年退職すると同時に、愛知県立瀬戸窯業高校の専攻科に入学。若い生徒に交じっての勉強でしたが、もともと陶芸に興味があり作陶の心得も多少あっただけに、メキメキと力をつけました。

2年後に卒業すると、全国公募展である第29回長三賞現代陶芸展で入選。翌年には国際アマチュア陶芸展伊万里2010で最優秀賞(鍋島大賞)に。
名古屋市の区民美術展や瀬戸市美術展などでも受賞を重ねています。

会場に展示されているのは電気窯で焼いた花瓶、酒器、皿、食器、ランプシェードなど約200点。陶芸は門外漢の僕ですが、出来栄えの見事さに驚くばかりです。

淳子さんはコミセンで水彩画を学び、海外旅行など思い出の風景を作品に。絵手紙の世界にも入って、花や果物などを心のままに描いているそうです。展覧会には合わせて70点ほど展示しています。

会場には、小学5年生のお孫さんの書と家族を描いた絵も並び、楽しく素敵に老後を送られている日々がうかがえます。
次は喜寿記念展、そして傘寿記念展ということでしょうね。

        

   

         

                    

≪第30回高校生の写真展≫
高校生の写真展は、愛知県高等学校文化連盟写真専門部の主催。60校から半切りから全紙まで258点が寄せられたそうで、その全作品が展示されています。また昨年秋に愛・地球博公園(モリコロパーク)で行われた生徒撮影研修会の作品も並んでいます。

部活動や体育大会のシーン、友人とのひととき、教室の風景、ペットなど動物の表情、街で拾ったひとコマなどさまざま。その発想の豊かさに驚きます。
カメラを手にした生徒たちが「何でも撮ってやろう」「この瞬間を逃がすまい」とシャッターを切った気持ちが伝わってきます。
技術よりも、この時代を、この瞬間を切り取ろうとしているだけに、若々しさと思い切りの良さも感じます。

     


           
≪第49回名古屋市立工業高校美術部&写真部&自動車科合同展≫
昨年秋に同じ名古屋市民ギャラリーであった名古屋市教育祭で拝見して、タテ1・8㍍、ヨコ4㍍という作品の大きさだけでなく、名古屋城やテレビ塔、ツインタワーなどをベニヤ板に彫り刻んだ意気込みに圧倒された作品にも出会うことができました。

僕の母校から届く後輩たちの活動ぶりを掲載した冊子を開いたときもそうですが、彫刻であれ、その発想と創作にかけたエネルギーは素晴らしいですね。

 

      

        













(楽書き雑記「暖冬にわが家のナスタチウム(キンレンカ)も開花」)

2016-01-11 13:30:01 | 催し

   




記録的な暖冬でウメやツバキなどが1カ月以上も早く咲いた、とのニュースを見聞きしますが、名古屋の我が家でも、屋外で鉢植えしてあった寒さに弱いナスタチウム(キンレンカ)が、写真のようにすっかり「春の装い」になりました。

このナスタチウムは、昨年夏の庭に咲いていた花のこぼれ種が育っていたのを、晩秋にプラスチック鉢へ移植してあったものです。

日当たりと温度が第一のナスタチウム。
我が家の庭は日当たりが良い方ではないので、例年は12月に入ると小型のガラス温室(暖房装置は無し)に移しています。でも、このところ最高気温、最低気温とも平年以上の日々が続いていたので、外へ出したままにしてきました。

早速、サラダの盛り付けに参加。天気予報によれば、少なくとも今週末ぐらいまでは温室への避難はしなくてよさそうです。

 

 


楽描き水彩画「漁港の岸壁に置かれた漁具やロープを描く」

2016-01-09 07:23:05 | アート・文化

漁港の岸壁には、実にさまざまな「絵になるもの」があふれています。愛知県の三河湾に浮かぶ篠島漁港でも、岸壁をひと歩きしただけで数多くの画材に出会いました。

漁船を係留する「係船柱」。この係船柱に漁船を繋ぐロープやチェーン。燃料や塗料が入っていた缶、丸太や竹の棒。いろんな形の赤茶けたイカリ。
接岸や船同士の接触で船体が傷つくのを防ぐ大小のタイヤも、あちこちに目につきます。

漁具の数々。漁網、そして漁網を引っ張るロープ。ガラスやプラスチックの浮き玉、ブイ、たこ壺も。漁についての知識が乏しいので、どのような漁で使われるのか見当がつかない漁具が少なくありませんが、形を見ているだけでも楽しいものです。

絵はいずれも10号です。

 

 



 

 


楽描き水彩画「日本水彩名古屋支部小品展や全日本児童美術展=名古屋市民ギャラリーの幕開け」

2016-01-06 15:31:44 | 催し

名古屋の市民アート発表の場である市民ギャラリーも、6日からスタート。日本水彩名古屋支部小品展など幕開けを飾る作品展が、10日(日)までの日程で催されています。

≪第58回日本水彩名古屋支部展≫
日本水彩画会の名古屋支部展に展示されているのは、8号以内の作品約100点。風景、静物などさまざまな作品が並んでいます。

小ぶりな作品ですが、作品からは新年の創作にかける意気込みが伝わってきます。

    

 
≪第47回全日本児童美術展≫
園児や小中学生らを対象にお絵かき塾などを開く先生たちの全日本児童画美術協会が、毎年開いている催し。ここには名古屋市を中心に愛知県内から、テーマ作品と名古屋・東山動物園での親子スケッチ会の作品などが展示されています。

今回のテーマは「○○と私」「私と○○」。
○○の中にはお父さんやお母さん、兄妹ら家族だけでなく、ペットや友だち、自分の部屋、さらには仮面ライダーなどといった漫画の主人公たちも。子どもらしく大らかで伸び伸びした作品を目にするのは、楽しいものです。

    
       


≪プロたちの作品展も≫
他にも素敵な展覧会が開かれていますが、中でも画塾を開いている作家らプロ級の水彩スケッチ「6人展」は見ものです。比較的小品ですが、デザイナーやイラストレーターなどの経験者や日本水彩画会のメンバーもいて、素晴らしい色使い、筆使いです。







楽書き雑記『小吉』と『たち吉』

2016-01-03 21:04:19 | 日記・エッセイ・コラム

    


「ヴェネツィア展」を開催中の名古屋ボストン美術館へ。
ヴェネツィアへは以前、海外ツアーで出かけたこともあって、絵画やガラス工芸品、写真などを懐かしく鑑賞したのですが、うれしいハプニングにも出会いました。


帰りに出口で行われていたお楽しみ抽選でのこと。回転式の抽選器から転がり出た玉を見た受付の女性から「おめでとうございます」と声を掛けられたのです。
手渡された袋から出てきたのは、一枚の小皿。箱には高級和食器の「たち吉」とありました。

美術館近くにある熱田神宮への初詣で引いたおみくじは「小吉」でした。そして抽選の一番の景品が「たち吉」。
ボストン美術館の粋な景品選び。嬉しさと楽しさ倍増です。


楽書き雑記「変貌する街=加速する名古屋駅周辺の超高層ビル建設。レストランも急増」

2016-01-02 07:43:55 | 日記・エッセイ・コラム


建ち並ぶ名古屋駅周辺の超高層ビル

「名古屋の街の様変わりが凄い!」。

名古屋への出張者だけでなく、名古屋っ子からも聞かれる言葉です。正月で帰省したみなさんも同じ思いでしょう。

リニア中央新幹線が2027年に予定される東京―名古屋間の開業をにらんで、都心のあちこちで進む新しい街づくり。「100年に1度」と言われる大改造の真っ只中にあるのです。

とりわけ激しいのは、玄関口の名古屋駅周辺。関係企業のホームページなどを参考に、超高層ビルラッシュを見てきました。

≪大名古屋ビルヂング≫

カタカナの使い方など、やや大時代的な印象もあった旧ビルの名称を継承しながら、3倍近い高さに生まれ変わった名古屋駅前の「大名古屋ビルヂング」(34階建て、180m)。昨年10月に完成、すでにオフィスの入居が始まっています。

3月には地下1階~地上2階の3層に、新しいコンセプトで話題を集めそうな三越伊勢丹の最先端ファッション店「イセタンハウス」1号店が店開き。飲食店など74店も同時に開業、オフィス・金融・商業ゾーンなど全館がグランドオープンします。

            
      完成した新しい大名古屋ビルヂング
  

            
             壁面に映るJRセントラルタワーズ

≪JPタワー名古屋≫
旧名古屋中央郵便局跡地での日本郵便の新ビル「JPタワー名古屋」(40階建て、195m)建設も、昨年11月に完成。すでにオフィスフロアの入居・営業が始まっており、17年4月には全面開業の予定です。
1~3階に設ける商業施設の総称は「KITTE名古屋」。もちろん「切手」から名付けたのですが、多くの人たちに訪れて欲しい「来て!」の気持ちも込められているとか。レストランを中心に40店舗が、今年6月にオープンの予定です。

             
            完成したJPタワー名古屋
                 
                

≪JRゲートタワー≫

JR名古屋駅や高島屋、ホテルのあるJRセントラルタワーズに隣接する複合ビル「JRゲートタワー」(46階建て、220m)。こちらも17年4月の開業を目指して、クレーンが忙しく動いています。

ホテルのほかに、ユニクロやジーユー、ビックカメラの大型店、フィットネスクラブ、保育施設などが入居。 12・13階には37店のレストラン街ができます。

もちろん、JRセントラルタワーズとも連絡通路で直結します。
 
            
            建設が進むJRゲートタワー

  
 

   
  JRタワーの3兄妹はこのように

≪急増するレストラン≫
これらの大型ビルの誕生は、買い物客や通勤客、旅行者ら人の流れを大きく変えるでしょう。

大名古屋ビルヂングとJPタワー、JRタワーを合わせると、新しい店が一気に約150店も増えるのです。

その大半を占めるレストラン。既存のJRセントラルタワーズの39店をはじめ、駅正面のミッドランドスクエアやホテルなど徒歩数分のビルにある店を合わせると、レストランの数はどのくらいになるのか・・・。見当もつきません

競うように出店を予定している老舗やグルメたちの人気店。「採算はとれるのだろうか」と心配になるほどです。
確かなのは「名古屋めし合戦」が激化するどころではない、ということでしょうね。

周辺では、さらに「シンフォニー豊田ビル(25階建て、115m)」が、今年6月の完成を目指しています。オフィスの他に、三井ガーデンホテル名古屋(仮称)や7つのスクリーンがあるシネコンなどができる予定です。
既成のビルでは増改築や化粧直しが見られ、物販・飲食店、コンビニなどの店開きも盛んです。
駅前広場の整備も、課題になるでしょう。河村たかし名古屋市長は昨年11月の市議会で、駅前ロータリーにあるステンレス製の円錐形モニュメント「飛翔」(高さ23m)の移転を口にしています。

               
               移転話が出てきた駅前のシンボル「飛翔」


≪続く巨大プロジェクト≫
駅周辺の今後の再開発事業で、最も大きいのは名古屋駅の南側につながる名鉄や近鉄の駅・デパートなどを対象にしたプロジェクトです。

一気に再開発して50~60階の高層ビルを3棟建てようとの構想・計画が進んでいます。実現すれば、60階建て300mという日本で一番背の高い大阪の「あべのハルカス」と肩を並べる巨大ビルが生まれることになるでしょう。

    
続く巨大プロジェクトの舞台になる名鉄デパートなど
  

リニア新幹線の建設は先月、工事の最大の難所である「南アルプストンネル」が本格着工しました。名古屋駅の地下30mに長さ1キロ、幅60mのリニア新駅を建設するための整備も進んでおり、本体着工も迫っています。