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建ち並ぶ名古屋駅周辺の超高層ビル
「名古屋の街の様変わりが凄い!」。
名古屋への出張者だけでなく、名古屋っ子からも聞かれる言葉です。正月で帰省したみなさんも同じ思いでしょう。
リニア中央新幹線が2027年に予定される東京―名古屋間の開業をにらんで、都心のあちこちで進む新しい街づくり。「100年に1度」と言われる大改造の真っ只中にあるのです。
とりわけ激しいのは、玄関口の名古屋駅周辺。関係企業のホームページなどを参考に、超高層ビルラッシュを見てきました。
≪大名古屋ビルヂング≫
カタカナの使い方など、やや大時代的な印象もあった旧ビルの名称を継承しながら、3倍近い高さに生まれ変わった名古屋駅前の「大名古屋ビルヂング」(34階建て、180m)。昨年10月に完成、すでにオフィスの入居が始まっています。
3月には地下1階~地上2階の3層に、新しいコンセプトで話題を集めそうな三越伊勢丹の最先端ファッション店「イセタンハウス」1号店が店開き。飲食店など74店も同時に開業、オフィス・金融・商業ゾーンなど全館がグランドオープンします。
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完成した新しい大名古屋ビルヂング
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壁面に映るJRセントラルタワーズ
≪JPタワー名古屋≫
旧名古屋中央郵便局跡地での日本郵便の新ビル「JPタワー名古屋」(40階建て、195m)建設も、昨年11月に完成。すでにオフィスフロアの入居・営業が始まっており、17年4月には全面開業の予定です。
1~3階に設ける商業施設の総称は「KITTE名古屋」。もちろん「切手」から名付けたのですが、多くの人たちに訪れて欲しい「来て!」の気持ちも込められているとか。レストランを中心に40店舗が、今年6月にオープンの予定です。
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完成したJPタワー名古屋
≪JRゲートタワー≫
JR名古屋駅や高島屋、ホテルのあるJRセントラルタワーズに隣接する複合ビル「JRゲートタワー」(46階建て、220m)。こちらも17年4月の開業を目指して、クレーンが忙しく動いています。
ホテルのほかに、ユニクロやジーユー、ビックカメラの大型店、フィットネスクラブ、保育施設などが入居。 12・13階には37店のレストラン街ができます。
もちろん、JRセントラルタワーズとも連絡通路で直結します。
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建設が進むJRゲートタワー
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JRタワーの3兄妹はこのように
≪急増するレストラン≫
これらの大型ビルの誕生は、買い物客や通勤客、旅行者ら人の流れを大きく変えるでしょう。
大名古屋ビルヂングとJPタワー、JRタワーを合わせると、新しい店が一気に約150店も増えるのです。
その大半を占めるレストラン。既存のJRセントラルタワーズの39店をはじめ、駅正面のミッドランドスクエアやホテルなど徒歩数分のビルにある店を合わせると、レストランの数はどのくらいになるのか・・・。見当もつきません
競うように出店を予定している老舗やグルメたちの人気店。「採算はとれるのだろうか」と心配になるほどです。
確かなのは「名古屋めし合戦」が激化するどころではない、ということでしょうね。
周辺では、さらに「シンフォニー豊田ビル(25階建て、115m)」が、今年6月の完成を目指しています。オフィスの他に、三井ガーデンホテル名古屋(仮称)や7つのスクリーンがあるシネコンなどができる予定です。
既成のビルでは増改築や化粧直しが見られ、物販・飲食店、コンビニなどの店開きも盛んです。
駅前広場の整備も、課題になるでしょう。河村たかし名古屋市長は昨年11月の市議会で、駅前ロータリーにあるステンレス製の円錐形モニュメント「飛翔」(高さ23m)の移転を口にしています。
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移転話が出てきた駅前のシンボル「飛翔」
≪続く巨大プロジェクト≫
駅周辺の今後の再開発事業で、最も大きいのは名古屋駅の南側につながる名鉄や近鉄の駅・デパートなどを対象にしたプロジェクトです。
一気に再開発して50~60階の高層ビルを3棟建てようとの構想・計画が進んでいます。実現すれば、60階建て300mという日本で一番背の高い大阪の「あべのハルカス」と肩を並べる巨大ビルが生まれることになるでしょう。
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続く巨大プロジェクトの舞台になる名鉄デパートなど
リニア新幹線の建設は先月、工事の最大の難所である「南アルプストンネル」が本格着工しました。名古屋駅の地下30mに長さ1キロ、幅60mのリニア新駅を建設するための整備も進んでおり、本体着工も迫っています。