風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽書き雑記「飛行機内で、宴席で・・・心強いお医者様」

2016-02-29 09:01:30 | 日記・エッセイ・コラム


ヨーロッパ便の機上から(本文と直接の関係はありません)

「お客様の中に、お医者様はいらっしゃいませんか」
こんな飛行機内のアナウンスで始まる2月28日付け日本経済新聞のコラム「春秋」を読んで、僕も数年前のヨーロッパツアー旅行でのひとコマが蘇りました。

帰国便の機内で、このアナウンスが流れたのです。客室にはちょっとした緊張が走りましたが、僕は「大丈夫。具合が悪くなった人はついているな」と思ったものです。
実はツアー仲間の中に、公立病院長を退職した記念旅行だという医師夫妻がいて、旅行中に何度か会話を交わしていたからです。

ご夫妻が客室乗務員に案内されて病人のいる席に向かいます。もう一人、別の通路から向かう姿も見えました。

「医者が3人もいる」。客室内は安堵感に包まれました。
コラムには日本航空の取り組みについても書かれていますが、後日このエピソードを日本航空の客室乗務員と話した機会に披露すると、彼女は言いました。
「搭乗前に、お客様の中にお医者様がいらっしゃることが分かると、私たちもホッとします」

飛行機の中ではありませんが、身内の結婚披露宴会場でのこと。幼児の1人が急に具合が悪くなりました。でも、参列者の中に超ベテランの小児科医がいたのです。
しばらくして小児科医と席に戻ってきた幼児は、何事もなかったかのように、はしゃぎ回っていました。






楽書き雑記「大地震と大津波の被災から5年。名古屋で『陸前高田のたからもの』展」

2016-02-28 07:30:52 | 催し

  

        
        津波にのまれた時刻で止まっています

      
      修復でよみがえったリードオルガン

         

         戦争と津波をのり越えた青い目の人形

あれから5年。2011年3月11日に発生した東日本大震災の被災地、岩手県陸前高田市の文化財などを展示した「陸前高田のたからもの展」が、3月27日(日)まで名古屋市博物館(地下鉄桜通線・桜山駅下車)で開かれており、出かけてきました。
津波に飲まれながらもようやく修復された「たからもの」の数々。一日も早い復興と、町の歴史や文化財を文化を未来につなぐ強い思いが伝わってきました。

名古屋市は震災直後から、全国の多くの自治体とともに職員らを派遣。町全体が津波に飲まれた陸前高田市で復興支援にあたる一方「絆協定」や「友好都市協定」を結んで文化交流も続けています。
今回の展覧会も、陸前高田市民の復興と再生の取り組みを支援していこうと企画されました。

陸前高田市では復興とともに、後世にこの記憶を伝えようと文化財の再生に取り組んでいます。水が引いた跡地から救出されたツチクジラの標本はじめ、被災現場で見つけたり、市民らから寄せられた資料は約46万点。市博物館などでこれまでに16万点が修復されたそうです

展示室に入ってまず目に入ったのは、地震が起きて強い揺れに見舞われた14時46分で止まった時計と、40分後に20mの波が陸前高田の市街地を襲い15時30分で止まった時計。広島原爆の投下時間8時15分で止まった時計のように「記憶遺産」と言えますね。

「潮が引けば津波だと思え」と、過去の津波の教訓を記した碑の拓本や、惨状を伝える絵や新聞も展示されています。石川啄木の歌碑の拓本もあります。でも、碑そのものは津波で流失したそうです。

「奇跡の一本松」だけが残った国指定の名勝地・高田松原、大庄屋、村の絵や写真、家文書、絵図なども並んでいます。

陸前高田で発掘された土偶や土器、釣針、鹿の角でできたモリ、手刀・・・。
市内に落下し、わが国で現存する石質隕石としては最大の「気仙隕石」の本体レプリカ(現物は国立科学博物館で展示)と実物破片も。これらは震災発生当時、茨城県自然博物館に貸し出されていて無事だったとか。

津波で破壊された大庄屋家の建材、養蚕道具、漁労具、カンナやカネジャク、絵馬や高田人形、高田歌舞伎の衣装なども並んでいます。漁港一帯は一瞬にして流されたものの、1922点の漁労具が回収されたそうです。

リードオルガン、青い目の人形・スマダニエル・ヘンドレンちゃん、市博物館で子どもたちの人気者だったアカショウビンのはく製・・・。海水をかぶるなどしていましたが、見事に修復されました。

東日本大震災で被災した文化財の修復は「文化財レスキュー」と名付けて各地で取り組まれていますが、汚れや塩分の取り除き、劣化を食い止める処理など、容易ではありません。

陸前高田市博物館も津波に飲まれましたが、幸い収蔵資料の大半は流失をまぬがれました。現在は山奥の閉校した小学校舎で「試行錯誤」の修復作業に取り組んでおり、展示コーナーではその様子も紹介されています。

※写真は展覧会ガイドから掲載しました。

      

               かつての高田松原。「奇跡の一本松」だけが残りました

          

        子どもたち人気のアカショウビンも修復

           

                           地震発生の時刻で止まっています

 

 修復作業が慎重に続けられています 

 

 

 


楽描き水彩画「しだれ梅を描く=名古屋市農業センターは『満開』宣言」

2016-02-26 12:24:03 | アート・文化
        

12品種700本のしだれ梅が競演する名古屋市農業センターのしだれ梅まつり。26日には開花情報が「満開」になりました。
暖冬の今年は、祭りを例年より2週間も繰り上げて2月11日に開幕。寒波に見舞われながらも、順調に花開き、早くも満開になったのです。

しだれ梅まつりは3月6日まで。でも大丈夫でしょう。26日は強い風に多少花びらを飛ばされていましたが、遅咲きの品種も多く、開花までしばらくかかりそうな蕾も数多くありましたから。

描いた絵はこれまでにも描いたことのある場所です。背後に梅林などがあるので描きやすいと思うからですが、そうでもなさそうですね。やはり花を描くのは苦手です。

満開の写真も添付します。梅の足元に咲いていたクロッカスにも顔を出してもらいました。

 

               

              

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 

楽書き雑記「多岐にわたる研究成果=名古屋市立大芸術工学部の卒業・修了展を拝見」

2016-02-25 08:20:09 | 催し




名古屋市立大学の芸術工学部と大学院芸術工学研究所の卒業・修了制作展が名古屋・栄の市民ギャラリーで開かれています。28日(日)まで。
私たちのより良い暮らしのために、環境、医療、交通、地域づくり、都市づくりなどを、人間工学や情報工学、建築工学、医療技術などの角度から練り上げ、実現化を目指そうというこの学部。そのユニークなアイデアやデザイン・提案を楽しんできました。

卒展のテーマは、身近な日常生活から医療現場まで多岐にわたります。

「住宅街に子どもからお年寄りまで幅広い世代が集える公園」
「名古屋駅周辺の大型ビルに角度が変わる超大型デイスプレーを設けて映像や情報を流すデジタルサイネージ計画」
「高速道路に直結した文化複合施設」「コンビニで購買意欲を高める店舗レイアウト」など。

高齢化と空き家が目立つと言われる名古屋近郊の団地「高蔵寺ニュータウンの再生」といったのもあります。

名古屋の都心を流れる堀川にいくつもの船着き場をつくり、船を往来させて市民や観光客らが川べりや周辺の城、文化遺産などを巡ることができるように、との構想にも目が止まりました。
こうした提案を実現するためにも、長年の懸案である堀川の浄化作戦に拍車がかかればいいのですが。

選挙権が18歳からになることで「高校生たちに投票行動を促すツール」が展示されていました。
「5→8→10% 増えた分だけ生活は豊かになるか」「高い学費 あたりまえ?」
「2015年に成立した法案78 知ってましたか?」「選挙費用1回分700億円 無駄じゃないか」
写真などをあしらった「ポスター」は、高校生だけでなく、有権者みんなに投げかけられた感じです。

中学生の肥満対策として日本型食生活を習慣づけようとの提案も。「一汁三菜」「だし」「発酵食品」。ランチルームにこんな垂れ幕を掲げてはどうか、というものです。

被災地へ支援物資を送る段ボール箱についてのアイデアも。物資を取り出した後は避難所の生活に必要なテーブルや衝立になる、という段ボール箱を組み立て写真と現物で発表しています。

下肢機能が不自由な人のテニス競技に特化した車いす、競技用自転車専用下肢義足、新型カテーテルの最適化のためのデザインモデル、手術や治療にあたる医師の手への負担を軽くする麻酔用注射器のデザインなど、医療関連も多岐にわたっています。

大学の付属病院や他校・企業などの専門家や技術者らのアドバイスも受けて取り組んだ提案の数々。来年は後輩たちがどんなアイデアを示してくれるか楽しみです。
豊かな感性や発想力、創造力を培った卒業生たち。居合わせた卒業生のひとりが話してくれました。
「大手の住宅系企業に入ります。建築を通して、ここで学んだ地域づくりなどに生かせればいいなと思っています」

     

 

 

 

 




楽書き雑記「豊かな発想と表現力=愛知県立芸術大学美術学部と美術研究科の卒業・修了制作展を鑑賞」)

2016-02-23 18:41:57 | アート・文化
  
 
 
 
 

名古屋・栄の愛知県美術館で開かれている、愛知県立芸術大学美術学部と美術研究科の卒業・修了制作展を拝見してきました。2月28日(日)まで。
アートの世界だけでなく、その感性と力を生かせる仕事や教育者などを目指して励んだ成果。若々しい発想と表現力、そして素晴らしい可能性への予感に僕のような素人鑑賞者も感激しました。

まず、日本画。学士10人、修士8人の力作が並んでいます。

院展の世界などで東京芸大と肩を並べる分野だけに、卒業生の多くが画業に飛び込んでいくことでしょう。その楽しさと厳しさ。そんなことを思いつつ作品に見入りました。

学士の油画、美術研究科の油画・版画コーナーに入ると、制作に使われたいろんな画材や素材、立体作品など、その多様さに素人鑑賞者の足は止まりました。

シリコンやLED電球を使ったらしい作品やテレビ画面に繰り返し流れる画像には「これも油画部門なの」と戸惑ったものです。
それにしても、こうしたさまざまな媒体や手段を使ったミクストメディアなど、存分に制作表現を追求できた学校生活って素晴らしかっただろうな。

彫刻やデザインのコーナーでも多様な作品に出会いました。「卒展らしく自分だけの作品を」の思いが伝わってきます。

興味深く拝見したひとつは、廃棄された野菜や果物を原料に紙を作り、紙と食のデザインを研究した作品です。
ブドウやモモ、ナス、オクラなどを原料に、和紙の原料であるコウゾを加えて紙や食器をつくるのです。いずれは、その紙を使った絵画や彫刻の作品が生まれるでしょうね。

  

   

 

 







楽描き水彩画「東山動物園の仲間たち・お行儀のいい『さくら』ちゃん」

2016-02-20 08:06:55 | アート・文化

 

東山動物園のアイドル・アジアゾウの「さくら」です。ことし1月29日で3歳になりました。
少し前まではママにべったりだったのに、園庭を1人で歩いたり、泥まみれになったり、飼育員のお尻を追っかけたりして、家族連れの目を独り占めしています。

飼育員が草の束を庭の隅に置きました。ところが、すぐに食べると思いきや、さくらは鼻を丸めてお座りしたのです。その様子がこの絵です。
でも、小さな眼は草の束から離しません。

飼育員の合図に、待ちかねていたように食べ始めました。「いただきます」のポーズをとっていたのですね。

「動物園ではサーカスのような調教はしないが、動物園の住人としてのマナーやルールは教える」と聞いたことがあります。安全や健康のためにも、ルールやマナーは大切ですものね。










楽書き雑記「名古屋市農業センターの『しだれ梅まつり』=開花は順調です」

2016-02-19 11:41:13 | 催し


 

                

                 

「しだれ梅まつり」が開かれている名古屋市農業センターを、19日朝のぞいてきました。
暖冬で開幕を例年より2週間も早めた枝垂れ梅まつり。ブログでも「大幅に繰り上げ11日に開幕」との予告記事を掲載していただけに、その後の気まぐれな天候に気をもんでいたのですが、順調に花開いているのを見てほっとしました。

12品種、700本。品種によって開花時期が違うので、全体では1~3分咲きといったところでしょうか。それでも例年ならこの時期はほとんどが蕾の状態ですから、今年は随分早く感じます。
来週末には、梅林全体が紅白に彩られ、芳香に包まれるでしょう。

しだれ梅まつりは3月6日(日)まで。期間中は無休です。





楽書き雑記「卒展真っ盛り=名古屋造形大学と愛知淑徳大都市環境デザインコースの卒展を鑑賞

2016-02-16 19:42:59 | アート・文化

美術系の大学や学部の生徒たちが、究生活の総仕上げを披露してくれる卒業展の季節。名古屋の愛知県美術館や市民ギャラリーでも次々に催されています。
県美術館開で開催中の名古屋造形大学の卒展と大学院修了展(21日まで)、それに市民ギャラリーで開かれている愛知淑徳大学都市環境デザインコースの卒展(20日まで)をのぞいてきました。


(第23回名古屋造形大学卒展と第12回大学院修了展)
造形学部だけの大学。といっても、コースは日本画、洋画、彫刻、陶芸、グラフィック、漫画、インテリアなど12コースあり、それぞれ展示コーナーができています。

展示会場に入り、まず目に飛び込んできたのはサイを描いた日本画。このブログの「東山動物園の仲間たち」シリーズでサイの顔にも挑戦したことがある僕は、絵の巨大なサイズだけでなく比べ物にならない時間と労力が注がれた迫力のある作品に脱帽しました。
サイのいかつい顔に、僕は描いているうちに親しみが湧いてきたものですが、きっとこの学生も同じ思いだったでしょう。

洋画部門にも、画面にたくさんの動物を描いた力作が2枚。ゾウのしわの描き方ひとつにしても愛情が感じられ、勉強になりました。

彫刻、陶芸、マンガ、建築デザイン、ジュエリーデザイン・・・・、どのコーナーでも、その自由で豊かな発想と制作のエネルギーに僕の足は止まりました。新聞紙でテレビやケータイをかたどったコンテンポラリーアート、電車の中の人間模様を風刺したイラストレーションデザイン。

それらの一部をカメラに収めましたが、共通して感じたのは「大変だっただろうけど、随分楽しんで創作したようだ」ということでした。
学生のひとりの言葉が印象に残りました。「学校を辞めたいなと思ったこともあったけど、卒展に思いのまま取り組め、こんな作品が出せて楽しかったです」。こちらも楽しくなりました。

        

  

        





               

         

  



(愛知淑徳大学都市環境デザイン2016卒業研究展)
新しい時代の都市環境を追求し、街づくりなどを提案する研究の成果が並んでいます。
研究の対象は町の一角や空間、建築物をより魅力的にできないか、地域住民の一体感をどう生み出すか、訪れる人と地元民との交流のカギは、などテーマは多岐にわたっています。

僕がときおり出かける名古屋の鶴舞公園と、そばを走るJR中央線の高架下の一体化についての共同研究に興味がわきました。
鶴舞公園は季節の花見やコンサートなどで多くの市民が訪れます。近くにはスポーツ施設などもあります。

そこで「スポーツから始まる可能性」を考え、高架下の活用を提案しているのです。
具体的にはテニス、バスケットボール、サイクリング、ランニングなどを楽しめる街にするため、スポーツウエアや器具などの店、スポーツバーやカフェ、更衣室、駐輪場を設けるなどをあげています。

かつては賑わうアーケード街だった名古屋・西区の円頓寺。最近、地元の努力でシャッター通りを再興する試みが進められていますが、ここに「円頓寺シネマ座をつくってはどうか」というのです。
「映画館のある商店街を目指す。「映画に訪れる人と商店街の人との交流でにぎわいを取り戻そう」というわけです。

名古屋名産「有松しぼり」でつくった「ランプシェード」も。和紙のランプシェードは見たことがありますが「有松しぼりランプ」の柔らかな灯りもなかなかいいな、と思いました。

    

       





 


楽描き水彩画「東山動物園の仲間たち・マレーバク」

2016-02-13 10:46:14 | アート・文化

 

ブタやクマのような体系、ゾウのような口吻。ひづめに目をやると前脚は4つ、後脚は3つ。奇蹄目の動物「マレーバク」です。
体長が2メートル前後、背丈は1メートル前後。マレーシアやミャンマー、インドネシアのスマトラ島などの多雨林の水際で、樹木の葉や果実、草を主食に生息しています。

東山動物園の正門から入ると、マレーバクは左側の最初に出てくる園舎の住人。でも、入園者の多くの足は正面にあるゾウ園や右側のサイ園に向かい、スルーされがちな存在です。

マレーバクはイノシシのように、生まれたときは黒地に何本かの白線が入った、いわゆる「うりぼう」ですが、6か月ほどで頭部と肩、四股が黒、胴体は白になります。

バクというと、中国から伝わり日本でも古くから伝説や、葛飾北斎の絵画などにも登場する架空の動物「獏」を連想しますね。

「獏は夢を食べる」という話は、僕も子どものころからよく耳にしていました。でも、実はそれを「獏は僕らのせっかくの夢を食べてしまう」と思い込んでいたのです。
本当は、獏は
悪い夢を食べてくれるので良い夢を見ることができるのだそうですね。
また、先日見たテレビでは、殿様の寝所の入口には邪気を払い、魔物を寄せ付けないために、獏の絵が掲げられていたとの話が紹介されていました。

絵にした園庭の木組みに目をやるマレーバク。匂いを嗅いでいるのでしょうか。それとも、この上に上ることを夢見ているのでしょうか。



 


楽描き水彩画「3月8日から『第17回KAZEの会水彩画展』を開催」

2016-02-12 17:10:11 | アート・文化

    
     

僕が通う水彩画教室の展覧会の案内はがきが出来上がりました。3月8(火)日から13日(日)まで、名古屋・栄の中区役所8階にある市民ギャラリー第9展示室で開催します。


教室は朝日カルチャー名古屋にあり、第2、第4水曜日の午前中に学び、3か月おきに東海3県内を原則としてスケッチに出かけています。
毎年この時期に「KAZEの会水彩画展」として教室展を開いており、今年17回目。この1年間に描いた作品から1人3点以内、合わせて30号以内の作品を展示します。

例年のように見てくださる方から「年々レベルが上がっている」との言葉も頂いており、生徒たちは最後の仕上げや手直しに励んでいます。ぜひ、ご高覧ください。







楽描き水彩画「名古屋駅周辺で教室のスケッチ会」

2016-02-10 18:04:14 | 日記・エッセイ・コラム

      
  

    

        

      


今年初めての水彩画教室のスケッチ会は、高層ビルの誕生が相次ぐ名古屋駅周辺。誰もがしばしば行き来している風景や建物の内部などを、絵にする目で捉えようとのテーマです。

といっても、僕は今年に入ってからも何回か訪れ、ブログにも掲載しています。それに人の往来が激しい場所だけに腰を下ろすどころか、立ち止まるのさえ難しいので、片端からカメラに収める結果になりました。それに、ブログにも掲載した超高層ビルそのものの姿はパスしました。

大がかりなビルラッシュの一方で、今なお健在の古い建物。近代的なビルのガラス面に鮮やかに写る超高層ビルの雄姿。
未明から大忙しだった商いを終えてトロ箱などの後片付けに忙しい生鮮食品市場。新幹線・東海道線・名鉄などの幹線の下をまとめて横切る通り・・・。


無機質な感じもする駅2階のフロアを癒す花の装飾。青、赤、緑の照明と壁面の絵でウオークを楽しませてくれるビルとビルをつなぐ地下道なども。
絵にできる、できないかはともかく、結構面白いものでした。

             

    

    

                 
     
  

 

 

 


 


楽書き雑記「名古屋市高年大学(鯱城学園)のクラブ活動作品展」

2016-02-09 14:14:29 | アート・文化

  

                         

名古屋市が設けている名古屋市高年大学(鯱城学園)で、専攻コースを学ぶかたわら、クラブ活動を楽しむ生徒たちの合同作品展が、栄の市民ギャラリーで開かれています。作品からは「還暦を過ぎての手習い」に励む様子がうかがえます。14日(日)まで。

開設から30年を経た鯱城学園は社会・生活・創造・地域の4コース・10学科からなり、60歳以上の生徒たちが2年間の「学園生活」を過ごしています。
生徒たちがコースでの勉学の一方で、もう一つの楽しみがクラブ活動。37ものクラブがあり、卒業生からは「学生時代と同様、部活がより楽しかった」との声が聞かれるくらいです。

今回の作品展に参加しているのは写真、陶芸、パソコン、水彩、水墨、短歌、書道、絵手紙、パソコンペイント、ペーパークラフトの計10クラブ。

腕に覚えがありそうな作品の一方で、僕自身が何年か前に味わった初チャレンジの作品も。共通しているのは描くこと、書くこと、つくることを心から楽しんでいる様子が伝わってくることです。

        
       
         

    







楽描き水彩画「命のビザ・杉原千畝の出身地にある『旧八百津発電所』を描く」

2016-02-08 07:44:27 | アート・文化

 

岐阜県加茂郡八百津(やおつ)町にある「旧八百津発電所」です。

何年か前に水彩画教室のスケッチ会で訪れ、建物の中にある発電装置などを絵にしましたが、今回は発電の源である木曽川を入れた遠景を描きました。

旧八百津発電所は1911年、現在の中部電力のルーツである名古屋電灯が建設した木曽川水系では最初の発電所です。
1974年に運転を休止。国の重要文化財に指定され、現在は資料館として一般公開されています。

建物にはアメリカのジェネラル エレクトリック社製の発電機3機が並ぶ発電装置や配電装置、送電装置、クレーンなどをそのまま展示。欧米に追い付こうと、明治期に経済立国への道を突っ走ったわが国の意気込みが伝わってきます。

黒ずんだ壁が歳月を物語る建物、それを包み込むような雑木の森、滔々と流れる木曽川。
木曽川の水面は、周りの山や水面まで垂れる樹木の枝、空、日差しで刻々と変化します。この絵ではそうした変化を表現するまでには至っていませんが、いつかは描いてみたいものです。

ところで、ここ八百津町は1940年にリトアニアの領事代理を務めていた時、ナチスドイツのポーランド侵攻で逃れてきたユダヤ人ら約6000人難民に、ビザを発給して救ったことで知られる杉原千畝の出身地。
町内には「命のビザ」などが展示された杉原千畝記念館があり、取材の際にも訪ねました。
現在、町では杉原の功績がユネスコ世界記憶遺産に登録されることを目指しています。






楽書き雑記「大学・テレビ局・ホテル・・・そして=名古屋の再開発事業『ささしまライブ24』着々と」

2016-02-05 16:49:39 | 日記・エッセイ・コラム


工事現場の向こうには名古屋駅周辺の超高層ビル群が

      
      愛知大学名古屋キャンパスの「キャンパスモール」

リニア新幹線の東京―名古屋間が、2027年に開業するのをにらんで名古屋市内各地で進む再開発事業。先に名古屋駅周辺の超高層ビルラッシュを紹介(1月2日掲載)しましたが、今回はJR名古屋駅から第3セクターの「あおなみ線」で、わずか一駅にある旧国鉄時代の貨物駅跡地で進む開発事業「ささしまライブ24」の現場を見てきました。


大学やテレビ局などに続いて、先月はホテルがオープン。さらにホテルなどが入る超高層ビル建設が来年春完成を目指して進み、クレーンや建設資材の運搬トラックが忙しく動いています。

この一帯は1886年(明治19年)に笹島停車場ができ、名古屋駅が現在地にできるまでは名古屋の玄関口でした。その後も、貨物駅として近くに船溜まりがあった中川運河とともに物流の一大拠点でしたが、トラック運送などによって1986年(昭和61年)廃止されました。

残された12・4㌶の敷地の活用については、何度も構想が浮上しながら経済の動向で立ち消えに。

近年になってようやく名古屋市が中心になり、民間活力による中川運河の船溜まり跡も含めた開発計画が着手されました。

シネコンなどの商業複合施設「マーケットスクエアささしま」や大型賃貸マンションなどが次々にオープン。2012年には愛知大学名古屋キャンパスが開校しました。昨年暮れには中京テレビ放送の新本社が完成。今年11月には名古屋市昭和区の現本社から引っ越しの予定です。
そして先月には「ストリングスホテル名古屋」がオープンしました。

現在工事が進むのは、豊田通商などが建設する超高層の複合ビル「グローバルゲート」。ウエスト棟(36階建て、170m)とイースト棟(17階建て、90m)からなり、来年3月の完成、10月開業を目指しています。
ウエスト棟には、名古屋初進出となるプリンスホテル(170室)ができる予定です。

愛知大学名古屋キャンパスの第2期工事も進行中です。高さ93mの研究棟と高さ14mのコンベンションホールからなり、来年春には完成。国際会議や公開講座ができる600人収容のホールが誕生します。


  

           

      
     玄関口の「ささしまライブ駅」 







楽書き雑記「妻なき人生の再スタートに=水彩画仲間が個展」

2016-02-03 18:47:57 | アート・文化

      
           
        
「絵を趣味に故郷の仲間たちと楽しく暮らす人生の再スタートにしたい。亡き妻も、そう望んでくれているはずだから」

愛妻を病で亡くした水彩画仲間のひとりが、こんな思いで開いている個展をのぞいてきました。

三重県桑名市の古川幾男さん(75)。古川さんは東京での勤めを定年退職後、故郷の桑名へ。水彩画や写真を趣味に、故郷を歩いて描き、カメラに収めてきました。

とりわけ水彩画は、巧みなデッサンと優しい色彩で、誰もが見ていて和やかになる絵に。いつの間にか、奥さまを含めて高校時代の仲間や近所の人たちの要望で教室を開く一方、数年おきに個展を開くなどしてきました。

レベルの高い広島県尾道市の「絵のまち尾道四季展」に、新婚旅行で尾道を訪ねた際の楽しそうな奥さまの姿を、思い出の写真をもとに描いて出品、見事に入選したこともあります。

ところが、数年前から奥さまが抱えていた病状が悪化。昨年春ごろから古川さんは絵を描く楽しさが薄れ、2007年から続けていたブログも更新を中止せざるを得なくなりました。
夏には奥さまが死去。「立ち直ろうと絵筆をとっても長続きせず、放り出していました」と古川さん。

しかし、多くの絵仲間や高校時代の親友たちの励ましに、ようやく回復。ブログも再開。「人生を再起動しよう」と今回の個展を開いたのです。

会場は、桑名市郊外の住宅団地「陽だまりの丘」にある「はあぶ工房  together」。
「多度街道」のテーマで展示された作品は、4号大などの小品24枚。
岐阜と三重の県境から養老鉄道に沿って桑名市内に伸びる多度街道は、歴史の流れの中で随分変化しています。

それでも古川さんは、今なお往時をしのばせる神社や料理屋、鳥居、上げ馬神事、さらにはマンション群、古いアパートなどを丁寧に取材。故郷に向ける優しいまなざしで描いています。
2月13日まで(7・8両日は休み)。