風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽書き雑記「似顔絵教室の作品展を見てきました」

2017-10-31 15:45:47 | アート・文化

「私って、こんな顔?」 描かれてちょっぴり不満そうな表情が、たちまち緩み「アッハッハ、この通りだよね」と大喜びされる似顔絵――。
名古屋市民ギャラリー栄で開催中の似顔絵教室の作品展「似ガオエライフ」を見てきました。11月5日(日)まで。

教室は、似顔絵世界大会で3位になったという山中裕貴也講師が、名古屋市内で開いているそうです。
ハガキ大からF40ほどのサイズまで、パステルや透明水彩、墨彩などで俳優や歌手、スポーツ選手らを描いた似顔絵が、山中講師の作品も含めて50点ほど並んでいます。

会場の当番をしていた教室に入ってまだ2年、という女性が話してくれました。
「それまでオフロードなど屋外スポーツが趣味で、最初は丸ひとつ描けなかったのですが、友だちに作品をあげて喜ばれ、奥も深いことを知って、ハマリました」
これから結婚式や同窓会など、活躍の場がいっぱいありそうですね。

 

 

 


楽書き雑記「名古屋城恒例の菊花大会へ」

2017-10-30 16:25:27 | 日記・エッセイ・コラム

名古屋城で開かれている秋恒例の菊花大会に出かけてきました。
菊作りの知識はさほどありません。自宅の庭にも、小菊の1種が咲いているだけです。でも、趣味とはいえ、この晴れ舞台に向けて出品者が重ねた労苦を思うと、成果を見るのは楽しいものです。

テントとヨシズ張りのブースに、大菊3種3本行灯作り、千本仕立て、盆養、盆景作り、福助などといった部門ごとに、名城菊の会のメンバーらが丹精込めて育てた「作品」が並びます。
開花が同じか、花の色はどうか、花の大きさに大小がないか、全体の調和はいいか・・・などを、素人なりに判断しながら鑑賞させてもらいました。

約1カ月間にわたるこの大会。関係者の花の管理は大変でしょう。
この日は、立っているのも辛いほどの強い風。花の様子が気がかりな出品者からの電話に応対する会場当番の声が聞こえました。


 

 


「楽描き水彩画「ブロ友の作品展『折々スケッチ 塚本紘枝 小品展』を見てきました」

2017-10-28 15:48:48 | アート・文化

 

 「折々スケッチ 塚本紘枝 小品展」
墨彩や淡く色づけされた透明水彩画が掲載されるブログ「折々スケッチ」を楽しまれている方は多いと思いますが、僕もそのひとり。小品展が開かれている名古屋・栄の「森の地下街」にあるギャラリーチカシンB室へ出向き、塚本さんと素敵な作品の数々に出会ってきました。展覧会は31日(火)までです。 

会場には、名古屋市内の公園をはじめ、大王崎、五箇山、余呉湖などの風景画、それに花などを含めて70点。ペンや鉛筆もありますが、ほとんどは割り箸でデッサンして彩色され、ブログで拝見する以上に、力強くも優しい表現が印象的です。 

「絵を描き始めたのは、かなり前から」と塚本さん。
子どものころから絵を描くのが大好き。絵描きになるのを夢見て、名古屋の名門で美術科のある愛知県立旭丘高校に進まれたそうです。

「それ以上の絵の世界へは進めませんでした」と話す塚本さんですが、どうしてどうして。絵筆を手放すことなく、素晴らしいスケッチ画を描き続け、教室を開いたり、仲間との作品展を企画されたりしています。

ブログにも書いておられますが、個展は2度目。ご主人を亡くされ、これからの目標を見つけるために開かれたそうです。

スケッチに出かけるのが大好き。
名古屋市内の城や公園には自転車で。他県へのスケッチには「青春18きっぷ」を使い、「ここ」と思ったところで降りると、自転車を借りて回ります。畑仕事をしている人を見つけると、声を掛けて話し込みます。 

「そこで暮らす方の話は、描くうえでも随分参考になります」
「絵に生活感が欲しい。民家を小さく入れるのもそのため。古い町並みを描く場合も、電柱がないと寂しいです」
「雪が大好き。降雪予報が出ると、前の晩から長靴などを用意して・・・。遠足気分です」 

ここまで書いてきて、忘れていたことに気づきました。
僕がちょっとだけ
先輩というお歳。書くのを忘れるほど、お元気で逞しく、スケッチに対する意気ごみもワイルドなのですね。塚本さんのブログが絵だけでなく、文章に人や物への優しさと思いやりを感じるのも、その辺にあると思いました。

 




楽書き雑記「意欲みなぎる『ノロ燐』ら3人の高齢画家に出会う=高山・古川スケッチの旅②」

2017-10-27 09:40:01 | 日記・エッセイ・コラム

水彩画教室の宿泊スケッチで出掛けた岐阜県高山市では、3人の高齢画家の創作活動や作品を拝見できました。
それぞれ「芸術にトシなんか関係ない。描き続けていることが、その証」と意欲みなぎる姿勢に、同じ高齢者群団の我々も圧倒されました。

まず「ノロ燐(のろりん)=纐纈倫子」さん。

教室の山田彊一講師に「東海地方一番の女性画家」と案内されて、高山市松之木町にあるノロ燐さんのギャラリー&アトリ絵・ガガを訪ねました。

ノロ燐さんは20代初めから現代美術画家として活躍、読売アンデパンダン展やシェル美術賞展、朝日美術展、エンバ美術展などで発表してきました。

ともに画家として「人間存在の深層や情念に迫り表現する」作品づくりをしてきた夫を16年前に亡くしたものの、75歳になった今も創作にかける意欲は増すばかりのようです。

夫婦の作品や画材が並ぶアトリエで、創作活動などについて話してくれたノロ燐さんは我々全員に「1つのお願い」を託しました。

ここに掲載した「鬼子母神像」という作品の消息についてです。
これは、かつて京都嵐山美術館・真乗庵に展示されていたこともあったそうですが、現在は消息不明。しかし、作品を知る各地の美術館から問い合わせもあり、もし何かの機会に目に触れることがあれば連絡(090-4182-9769)が欲しいとのことでした。ギャラリー&アトリ絵・ガガは☎0577-34-8390です。

 


    

 次いでノロ燐さんに道案内してもらって訪ねたのは、高山市漆垣内町の伊藤昌宏さん。79歳。アトリエに入ると、額に入った数枚の絵やその何百倍もの水彩画が机に積まれていました。

自宅の近景から飛騨の四季、日本各地の山、花、動物、鳥、こども、おとな・・・。何でもあり、何でも絵になる感じです。時おり個展で発表されているようです。

「年に何枚ぐらい描いているかって? 分かりませんよ。車で駆け回っています。このあいだも、何日間か東北を走ってきました」
写真を撮り、コピーを元に細かい岩肌まで描いているとか。「だから、この絵のサイズはB2。これはA3ですね」
とにかく描きまくっているのが楽しいそうです。

 

    

3人目は長畑稔さん。80歳。
高山市本町にあるギャラリー満喜田で26日から31日までの日程で、長畑さんの水彩画の個展が開かれており、教室のみんなで見せてもらいました。

定年後、水彩画教室で学習。メキメキ力をつけて高山市展、岐阜県展、上野の森美術展日本の自然を描く展、日本水彩展などでも発表してきたそうです。

会場には、山々を臨む田園風景や雪の日の町通りなど、飛騨を舞台にした38点の作品が並んでいます。

「今は楽しんで描いています。心がけているのは現場で描くことです」
それぞれ年季の入った作家の作品や言葉からは、見習わねばならないことが多いですね。

 

 

 


楽描き水彩画「岐阜県飛騨の高山と古川へ1泊スケッチ旅行=その①」

2017-10-26 17:57:56 | 旅行

水彩画教室の1泊スケッチ旅行で25・26両日、岐阜県飛騨の高山と古川を訪ねました。高山市の紅葉情報によれば、広大なうえ高低差のあるエリアだけに「青葉」から「色付き始め」「見ごろ」「まもなく落葉」などとまちまちで、全体的には「色付き始め」といったところ。
2日間の旅を2回に分けて掲載します。

名古屋駅を貸し切りバスで出発、まず飛騨市古川へ。
古川は国の重要無形民俗文化財である「古川祭の起こし太鼓と屋台行事」が昨年12月、ユネスコ無形文化遺産に登録されています。

町屋や造り酒屋、白壁土蔵が並ぶ街並み、屋台蔵、本光寺や円光寺の山門。次々目にする凝縮された「飛騨の匠」の遺産に足が止まりました。

もちろん鯉が泳ぐ瀬戸川沿いの通りも散策しましたが、あいにくの雨で水が濁りがっかり。でも、黒塀に立て掛けられた白い自転車などが雨の風情を高めてくれました。

昼食をはさんで、高山へ向かい町並み保存地区へ。翌日には名物の朝市にも出かけました。

高山へは仕事も含めて何度か訪れていますが、平日、しかも雨模様なのに、そぞろ歩く大勢の観光客にびっくり。
その多くは外国からの訪問客で「観光ニッポン」の勢いを改めて感じました。

宿泊先の老舗旅館では、いつもの通り「絵のことなんか、どうでもいいよ」の大宴会。自分たちが後期高齢者であることも忘れ、夜が更けるまで盃を交わしました。

 




楽描き水彩画「郡上市白鳥の『阿弥陀ヶ滝』です」

2017-10-24 06:51:57 | アート・文化

この夏、岐阜県郡上市白鳥の「白鳥おどり」に出かけた際に立ち寄った、阿弥陀ヶ滝(あみだがたき)の流れの一つを描きました。 

阿弥陀ヶ滝があるのは、長良川の源流の一つである前谷川の上流。白鳥信仰の修験者たちの修行の場とされ、「日本の滝100選」にもなっています。 

落差60㍍、幅7㍍の瀑布だけでなく、絵になりそうな巨岩を洗う流れがあちこちにあります。
ゴツゴツした岩ではなく、左右から丸みのある岩を滑るように下り、一緒になる流れを描きました。




楽描き水彩画「築300年超。名古屋・四間道の『伊藤家住宅』で、水彩画を1日だけ展示」

2017-10-22 17:12:33 | アート・文化

 

道路を挟んで建つ伊藤家住宅

 

名古屋城に近い名古屋市の四間道(しけみち)町並み保存地区にある旧商家「伊藤家住宅」で22日、水彩画教室の仲間6人の作品を展示させてもらいました。この日だけの展示でしたが、築300年超の家屋の中で、未熟な絵も心なしか格上げされたように見えました。

四間道は、名古屋城を徳川家康の命で今の清須市から名古屋の現在地へ移転(清州越=きよすごし)した際に、城下の商人や職人らが一緒に移住。これまた家康の命で造った堀川運河を活用して米穀や薪炭、呉服、材木、醸造、家具商などを営んでいました。

伊藤家は、尾張藩の御用商人として米穀問屋を経営。現在の松坂屋の前身である呉服商の伊藤家も近くにあったので、堀川の側にあることから「川伊藤」とも呼ばれていたそうです。

住宅は、1722年(享保7年)に伊藤家が手に入れたとされる本家や、1746年(延享3年)から入ったという新座敷などからなります。4棟の土蔵や飛び石が並ぶ見事な庭もあり、歴史的建造物として愛知県の指定文化財になっていますが、普段は内部の公開はしていません。

しかし近年、四間道一帯は、伊藤家住宅はじめ石蔵など江戸期の町並みが人気を呼び、観光スポットに。我々の水彩画教室でも、今年2月にスケッチに訪れました。

地元でも四間道 ・那古野界隈まちづくり協議会が、名古屋市観光文化交流局歴史まちづくり推進室と協力して、歴史と文化を生かした街づくりを進めています。
22日には、伊藤家住宅の新座敷などを一部の見学会が午前10時から午後3時まで催され、市民ギャラリー栄で毎年「風の游子水彩画展」を開いている我々が、会場での作品展示のお誘いを受けたのです。

かまどがある大きな吹き抜け土間にイーゼルを並べ、10号サイズの水彩画を1人1点ずつ展示。それぞれ2月のスケッチ会で描いた堀川の五条橋や石積み蔵などの作品です。

超大型の台風接近という悪天候。「時間も短いので、入場者が100人もあれば」と思っていたのですが、降りしきる雨の中を、何と250人も。若い人の姿も目立ち、歴史ブームの一端を見たようでした。

僕も、合間を縫って住家の中を見学。風格のある太い柱と梁の木組みに、豪商の力と職人たちの技を感じ、歴史の重みと豊かさを知ることができました。


超大型台風接近の中を多くの人たちが訪れました

 

  

 


楽描き水彩画「高知・牧野植物園で見かけた『板根』です」

2017-10-21 09:01:56 | アート・文化


大きな樹木の根元が、平らな板状になっている板根(ばんこん)。今回の絵は先日、水彩画を掲載した高知・牧野植物園の遍路道(へんろみち)で見かけた板根です。

形状が面白くて、以前にも愛知・岐阜両県境の旧中央線の廃線跡地で出会ったエノキの板根を描いたことがあり、今回は小粒の椎の実がなるツブラジイのものです。形はよく似ていますが、こちらの木肌には青い苔なども見られます。

巨体を支える一方で、通気性を良くするためのようです。でも、板状の下部はどうなっているのでしょう。
植物園らしく、遍路道の道端に写真のような説明板が掲げてありました。

 

 

 


楽書き雑記「全て現場で描いた個展『絵描きの旅、街歩き』絵画展を拝見」

2017-10-19 17:23:26 | アート・文化

「絵描きの旅、街歩き」
定年後、絵描きを趣味にした人なら、誰しも夢見るようなタイトルを付けた淡彩画の個展が、名古屋・栄の市民ギャラリー開かれているのを知り、出かけてきました。22日(日)まで。 

愛知県日進市在住の筒井敏彦さん(74)。
絵描きの世界に入ったのは「65歳の定年を過ぎてから。しばらくブラブラしていたけど『何もしないでいたら、足腰も弱ってしまう』と思ったから」だそうです。
それまで絵は初心者でしたが、教室に入るわけではなく、スケッチブックとサインペン、顔彩を手にすると、ひとりで街に飛び出しました。 

街なかや郊外へ出かけ描くものを選ぶと、じっくり構図を決めて、座ります。
ペンを走らせ、彩色が終わるまで動きません。完成しなければ、翌日来て、同じ場所に座り、続きを描きます。

「だから、天候を見て雨が降りそうだったら、最初から軒下とか山門の下に陣取るのです」
「写真は撮りません。写真に頼っては現場の雰囲気が伝わらない、と思うからです」

こうしたこだわりは、海外に出かけても同じだそうです。
「安いホテルに泊り、同じ町に1週間ぐらい滞在することも。だから一般的なツアーではなく、一人旅になります」

展示された作品は、この1年間に描いた絵から選んだハガキ大から6号サイズまで67点。淡く、爽やかな絵に引き込まれます。
全国各地の城や伝統的な建造物だけでなく、名古屋港や名古屋駅、栄や大須の街、海外ではイタリア、スイス、フランスなど。僕も出かけたところが結構ありますが、構図の取り方、余白の美など、いくつも学ばせてもらいました。

 

 

 


楽書き雑記「愛知産業大学造形学部の『教員と卒業生による研究・制作展』へ」

2017-10-17 15:13:52 | 日記・エッセイ・コラム

愛知産業大学造形学部の「教員と卒業生による研究・制作展」を見てきました。名古屋・栄の愛知県美術館(愛知芸術文化センター)12階のアートスペースで22日(日)まで開かれています。

愛知産業大学(愛知県岡崎市)は1992年に開校。造形学部と経営学部からなります。
開校から25年。デザイン学科と建築学科からなる造形学部の在校生たちの作品は卒展などで発表してきましたが、四半世紀を経た機会に、教員と卒業生の合同展を、と企画されたようです。

会場には、目を引くポスターや商品ラベル、木の温もりを追求した住まいなど、卒業後にさまざまな分野に進み、大学で学び磨いた感性と創造力を生かした作品が目を引きます。

学校のある岡崎の特産である御影石と赤土を生かした建築や、古い町屋の修繕記録なども。卒業生は第1期生でもまだ40代前半。ちょうど脂が乗り切ったところらしい作品です。

 

 

 


楽書き雑記「雨天にもめげず賑わいました=名古屋・大須の第40回大須大道町人芸祭」

2017-10-15 15:25:36 | 日記・エッセイ・コラム

 

おいらん道中、チンドン、フラメンコ、ガマの油売り、文楽・・・。全国各地からやってきた芸人たちが、何本ものアーケード街や小さな広場で繰り広げる演技を、笑いと拍手、そして投げ銭。

ことし40回目を迎えた名古屋・大須の大須大道町人芸祭。最終日の15日に出掛けると、あいにくの雨模様にも関わらず、大勢の市民で賑わっていました。

江戸期から名古屋一の歓楽街ながら、大空襲で壊滅的な被害を受け、復興事業や再開発事業からも外れ、廃れてかけていた大須の街。「かつての賑わいを町民の力で取り戻そう」と1978年に始めたのがこの祭りです。

ことしも、プログラムに目を通すと、パントマイム、ファイヤーダンス、ジャグリング、大須太鼓、辻狂言、筑前琵琶、ヨーヨー、津軽三味線、操り人形、けん玉・・・。さらに大道プロレス、金粉ショウなどと盛りだくさん。


演技場所や時間が細かく割り振られていますが、とても回りきれそうもありません。結局、アーケードを片っ端から歩き、いくつかの町人芸やパフォーマンスを囲む人垣の中に身を置いて楽しんできました。





楽書き雑記「秋のバラ見ごろに=名古屋・鶴舞公園」

2017-10-14 06:37:14 | 日記・エッセイ・コラム

 

秋のバラが見ごろになってきたということで、名古屋の鶴舞公園へ。なるほど、バラ園は赤、白、ピンク、オレンジ、黄、青などで彩られていました。

気温が下がる中で咲く秋のバラは、気温が上がる中で咲く春のバラに比べて色、香りとも濃いめとか。それに、華やかな春のバラと違って、こちらは落ち着きがあり、きりっとした印象を受けます。

見ごろは11月中旬まで続きそう。鶴舞公園内にある緑化センターでは、10月21日(土)と22日(日)に秋のバラ展、25日(水)と26日(木)には第8回中部切りばらコンテストが予定されているそうです。





楽描き水彩画「高知の牧野植物園内にある『遍路道』(へんろみち)です」

2017-10-12 06:43:41 | アート・文化

 

この夏、高知へ所用で出かけた際に立ち寄った、高知県立牧野植物園の散策路を描きました。

起伏のある雑木林の中にあり、石段というより岩段といった方がよさそうな坂道。苔で覆われ、ちょうど雨上がりで滑りやすく、慎重に慎重を重ねて上り下りしたものです。

立て札に「遍路道」(へんろみち)の文字。牧野植物園のある高知市五台山には、88カ所四国霊場31番札所の竹林寺があります。
「林の中に足場の良くない散策路を造って、この名前を付けたのかな」
「いや、実際にお遍路さんが歩いていたところに、植物園ができたのではないだろうか」

テレビドラマ「相棒」の特命係・杉下右京のセリフ「細かいところまで気になってしまうのが僕の悪い癖」とばかり、植物園に電話で尋ねました。

答えは明解でした。
「植物園の建設は、もともと竹林寺の敷地の一部も含めて、できるだけ自然を残しながら進められたと聞いています。新しく造ったのではなく、あった遍路道をそのまま残した、と言っていいと思います」




楽書き雑記「米寿の父・祖父を囲むファミリー展」

2017-10-10 17:29:45 | アート・文化

米寿(88歳)のボールペン画を囲むように、孫や息子・娘らの水彩画や木工などの作品が並びます。
名古屋市民ギャラリー栄で開かれている「飯田正廣 米寿記念ファミリー展」。
「素晴らしいアートファミリーだな」と心からそう思いました。展覧会は15日(日)まで。

名古屋市港区在住の飯田さんは、元国家公務員。定年後も民間企業や町内会の仕事などに追われていましたが、一段落した20年ほど前からアクエリル、ボタニカルアートなどの世界に入り、今はボールペン画を描いているそうです。

6号前後の色紙に、ボールペンで描かれた城や五重の塔、観音像、古い町並みなど。「昼間に2時間ほどずつ描いています。1カ月で1枚といったところですね」。
ペン画は憧れても描くのは無理、とあきらめている僕ですが、その繊細な描写には素人ながら目を見張ります。

「ボールペンは、いつごろからですか」と尋ねると「3年。まだそんなに経っていないかな」との返事。思わず「ご冗談でしょ」と言いかけたほどです。

そんな飯田さんの才能と姿勢をならってか、子どもや孫たちも美大や芸大に進み、その伴侶もアーティストというファミリー。
長女の薬師寺智子さんは水彩画とローズウィンドウ、ご主人は木工、長男の飯田賢治さんは写真、奥さまはデッサンと水彩画といった具合で、美術教諭や教室の先生などとして活躍しています。

ファミリー展は、喜寿や傘寿の時にも考えたそうですが、実現したのは初めて。
飯田さんの奥様は「マネジャー役」になって、家族みんなで作品を持ち寄ることになったそうで「やると決まってからは、お祭り騒ぎです」と智子さん。

それにしても飯田さんの顔色、声、立ち振る舞いは、とても米寿とは思えぬほど。
展示会場を訪れた1人が「みんな同じようなトシに見えて、どなたが飯田さんなのか分からなくて」と話していましたが、実は僕もしばらく同じ思いで作品を見回っていたものです。

「次は卒寿(90歳)展、それに白寿(99歳)展ということですね」との質問に「卒寿はすぐだけど・・・。白寿、うーん、そうですね。ワッハッハ」と飯田さん。頑張ってください。家族たちがついていますから。

 

 

 

 


楽書き雑記「我が家のキンモクセイも開花」

2017-10-09 07:51:53 | 日記・エッセイ・コラム

 我が家のキンモクセイも開花しました。各地の開花情報を目にし「ウチは今年も遅れるのかな」と気をもんでいたのですが、昨年より10日早い開花となりました。こんもりと刈り込んだ樹形を、小さな無数の花が覆っています。 

でも、なんだかいつもとちょっと違う感じです。例年だとある朝、窓を開けると強烈な香りが飛び込んできて開花に気づく感じですが、ことしはそれほどではありません。花数も心なしか少なめのようだし、蕾が膨らんでから開くまでの時間も長かった気がします。

サンマに続いてサケやマツタケの不漁、不作のニュースが届きます。キンモクセイの様子も無関係ではないのではと考えてしまいます。