風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽書き雑記「名古屋市民ギャラリー矢田でジャンルの違うプロ級画家らの個展やグループ展=①大橋忠幸絵画展」

2018-07-31 15:59:35 | アート・文化

 

名古屋市民ギャラリー矢田(地下鉄ナゴヤドーム前矢田駅下車)で31日、ジャンルが違うプロ級画家らの個展やグループ展が始まりました。

大橋忠幸絵画展、第5回尾田原茂稔水彩画展、それに院展作家の田中宏明・加藤洋一朗が加わった第24回K展。互いにジャンルの違う作家たちですが、創作にかける情熱に圧倒されました。いずれも8月5日(日)まで。

このブログでは、3つの展覧会を一度に掲載するのではなく、3回に分けて連載します。
第1回は女性の顔で作家自身の気持ちを表現する大橋忠幸絵画展です

大橋忠幸絵画展

女性の上半身、その多くは女性の顔だけを描いた8~20号サイズの油彩画25点が並びます。
「かつてあった名古屋造形芸術短大を出たあと、こうした絵を描き続けています」と話す、名古屋市中川区在住の大橋忠幸さん。62歳。

過去の作品のアルバムを拝見しても、女性を描いた作品ばかり。

しかし、失礼な表現を許していただけば、一般的に女性を描いた絵と言えば女性のふくよかさや美しさを追求した作品をイメージしますが、ここには存在しません。

「女性の顔に僕の内面にある感情を、どんどん追い込むように描いていく。だから、僕の自画像と言えるかもしれません」
「モデルはいません。イメージです。ピカソに憧れて描いてきましたが、線1本にしても、とても真似できないですね」

――アルバムのこれまでの絵と比べると、モノクロではなく色が入り、顔の周りにコップやスタンドなどが描かれています。これは創作の変化ですか。
「顔だけで勝負するのが難しく、周りから攻めていこうというわけです」

絵画団体に所属していたこともありましたが、もっぱら自分自身の創作に取り組む日々。養護学校や子どものための絵画教室で教えながら、年に2回、新作で個展を開いているそうです。




楽描き水彩画「養殖池で育つ鑑賞用の鯉たちです」

2018-07-29 06:35:47 | アート・文化

 

教室のスケッチ会で訪ねた半田市亀崎の住宅街で見かけた鑑賞用錦鯉の養殖池での1枚です。
コンクリートで囲った水槽はさほど大きくありませんが、赤、白、黄などの丸々太った錦鯉が泳いでいました。

鑑賞用の鯉は近年、海外で人気が上昇。輸出が年々伸びており、養殖業者も増えているそうです。

養殖池の鯉たちも、公園の池や町並み保存地区を流れる川の鯉と同様、人の気配を察知すると一斉に近寄ってきます。
エサを求めてわれ先にと競い合う様は、こちらがたじろぐほど。魚とは思えぬ目と大きく開いた口。水中に顔をあげようとしている鯉の目も見えます。
エサはもってないからごめんよ、と何枚かをカメラに収めました。

水槽のそばにあった網や給水ホースなどは省き、鯉の精悍な顔つきと荒々しい動きに絞って描きました。10号です。





楽書き雑記「あいちトリエンナーレ2019に向けた『新世代のアーティストたち』展へ」

2018-07-27 06:30:34 | アート・文化

 

「新世代のアーティストたち」と題する現代美術作家の作品展が、名古屋・栄の電気文化会館で開かれています。
「情の時代」をテーマに来年8月に開催する「あいちトリエンナーレ2019」に向けた、いわばプレイベント。ART NEXT実行委員会の主催。85日(日)まで。

愛知県内で活動する15の現代美術ギャラリーが参加。2040代の新進アーティスト約30人のさまざまな素材を生かした造形表現作品が展示されています。

これまでのあいちトリエンナーレや美術館巡りなどで培ったとはいえ、現代アートに対する知識も理解力も乏しい僕ですが、新進作家たちの豊かな表現力とエネルギーに、これからの活躍を期待しました。



 


楽書き雑記「名古屋・円頓寺(えんどうじ)七夕まつりが開幕」

2018-07-25 17:16:56 | 催し



「若い人たちが一所懸命に街おこしをしてくれています。そうそう、毎年7月の下旬には七夕まつりがあるので、見に来てくださいね」
以前、食堂の女将さんから聞いた言葉を思い出し、名古屋市西区那古野(なごの)にある円頓寺(えんどうんじ)商店街で、25日から始まった「円頓寺七夕まつり」に出かけてきました。まつりは29日(日)までです。

円頓寺商店街は古くから大須、大曽根と並ぶ名古屋の3大商店街のひとつでしたが、走っていた路面電車が廃止されるなどで客足が激減。大須が積極的な街おこしで「全国区」になったのに対し、円頓寺は数年前までは「シャッター街」になっていました。

立ち上がったのが若い商店主たち。アーケードを改修して歩行者天国にしたり、パリの老舗アーケード街と姉妹提携して「パリ祭「」を実施。60年の歴史があった七夕祭りも新感覚を取り入れ、お得意のSNSも駆使して盛り上げを図っています。

今回が63回目の七夕まつりも、色とりどりの七夕飾りや子どもたち人気のはりぼてが飾られ、若者たちや家族連れが一緒にパチリ。
屋台や、各商店の店先では協賛セールの品が並び、阿波踊りやフラダンスなど、趣向を凝らしたプログラムも企画されています。




楽書き雑記「美術の先生たちが自分自身の作品を持ち寄り『それぞれの現在2018夏展』=名古屋市民ギャラリー栄」

2018-07-24 15:28:06 | アート・文化

愛知県内の高校などで美術教師をしているアーティストらの「それぞれの現在2018夏展」が、名古屋市民ギャラリー栄で開かれています。29日(日)まで。

油彩画、石膏、木工、彫刻などさまざま。
授業での指導とは直接関係なくても、休日などに自分自身の表現と創造を楽しんだ作品を毎年、夏と冬に持ち寄って開いているそうです。




楽書き雑記「ムクゲの花と申し訳ない思い出」

2018-07-23 06:30:00 | 日記・エッセイ・コラム


名古屋の庄内緑地公園(西区)に出かけ、カメラに収めたムクゲの花です。

この公園はバラなどの花々と共に、古木・巨木が多いことで知られています。だから、猛暑の日でもひと息つける木陰がふんだんにありますが、花々は端境期。覚悟していたとはいえ、ウロウロと歩いていたところ、公園の奥の一角でこのムクゲに出会いました。

ムクゲはアオイ科フヨウ属。当然ながらスイフヨウと似ていますが、妖艶な感じのスイフヨウに対して、ムクゲにはキリっとした美しさを感じる好きな花のひとつです。

ただ、僕はムクゲを見るたびに「申し訳ないことをした」との思いが蘇ります。
それは40年ほど前のこと。転勤先で親しくなった少し年上の友人から鉢植えのムクゲをもらったのです。

彼は書画や草花の栽培など30代後半とは思えぬ多彩な趣味を持ち、鉢植えのムクゲも丹精込めた「作品」でした。
これに対して、彼の大人らしさとはかけ離れていた当時の(今もですが)僕。手入れなどできるはずもなく、転勤も重なっていつのまにか枯らしてしまったのです。




楽描き水彩画「簾(すだれ)と、つる性植物で暑さをしのぐ古民家」

2018-07-21 06:32:31 | アート・文化


先に教室のスケッチ会で出掛けた半田市亀崎の街。狭い「セコ道」を抜けると、あちこちで歴史を感じる商店や古民家に出会いました。

描いたのは古民家の1軒。
暑い夏を過ごす日本古来の知恵である簾(すだれ)が2枚。屋根にはもうひとつの知恵であるつる性植物が這い、軒下まで垂れています。

すだれで日差しを遮り、うちわや時おり吹き込む風に身をゆだねた時代の方が、エアコン任せの今よりも快適だった、と思うのは錯覚でしょうか。




楽書き雑記「猛暑の街のオアシス。色とりどりスイレンと真っ白な胡蝶蘭=名古屋・久屋大通庭園の『フラリエ』へ」

2018-07-19 06:54:29 | 日記・エッセイ・コラム


 

名古屋・久屋大通庭園「フラリエ」へ。
多彩なスイレンと、真っ白な胡蝶蘭が迎えてくれました。

屋外の睡蓮の池では、熱帯スイレンフェスタ(8月16日まで)が開催中。
白、赤、ピンク、紫など色とりどりのスイレンが浮かび、時おり湖面を撫でる風に揺れ動く姿に見とれました。

エアコンの効いた屋内のクリスタルガーデンでは、1本の花が数千円はする豪華な胡蝶蘭がずらり。
生産者から寄せられたといい、約200株が壁面を覆い、ウエディングドレスのように仕立てた胡蝶蘭が目を引きます。

ちなみに、フラリエの入場料は無料。
花々を見た後は館内のカフェで休憩。まさに、猛暑の街のオアシスでした。

スイレンに2匹のイトトンボが

フラリエのチラシから

 

 


楽書き雑記「名古屋市民ギャラリー栄で、写真の『第18回デジタルアート展』を見てきました」

2018-07-17 18:23:26 | 日記・エッセイ・コラム


「デジタルアート展」という写真展を、名古屋市民ギャラリー栄で見てきました。
昨年も拝見しましたが、デジタルアートときいて思い浮かべるデザインアート的な作品だけではなく、思い切った切り口でとらえた写真が多く、絵を描くことを趣味にしている自分も大いに参考になりました。展覧会は22日(日)まで。

主催側の説明によると、初めて展覧会を開いた18年前は、インクジェットプリントが珍しかった時代。しかしパソコンの急速な普及で色やトリミングなど補正や加工が進み、カメラ本体もデジタル化して機能が大きく変化しました。そこで、「デジタルアート」の名を残しながらも、写真本来の撮ることの楽しさを一層追求していこうということのようです。

A1サイズを中心に並ぶ80点余の作品からは、その狙いが伝わってきます。
例えば、道路のゼブラ模様と背後のミラーに映るゼブラを捉えた作品。ミラーのゼブラはデジタル加工したのだろうかと思い近づいて見ましたが、そうではないようです。

仁王像の手だけを捉えた2枚組写真や、寺社の木組みの一端だけを収めた作品も興味深く見ました。デジタル写真その物である湖面に垂れる木の枝と泳ぐ鯉の合成写真も印象的でした。

ところで、これからの写真の世界はどうなっていくのでしょう。主宰者の古井圭介さん(55)に訊ねると、こんな答えが返ってきました。

「ここ2~3年の変化を見ると、どうなっていくのか想像もできません。とにかく『こうあるべき』といった枠はつくらず、自由に写真の魅力を一層追求し、表現していく。ただ発表形式としては立体などではなく、あくまで平面でと考えています」

 



楽書き雑記「ヒマラヤスギに実る大きな松ぼっくり=名古屋・鶴舞公園」

2018-07-16 06:32:35 | 日記・エッセイ・コラム

このモンブランケーキのようなのは、名古屋・鶴舞公園のヒマラヤスギの実です。
スギの名が付いていますが、ヒマラヤスギはスギ科ではなく葉が針のようなマツ科。実の名前もマツボックリです。

鶴舞公園の正門から奥に向かって、背丈が15㍍ほどある大きなヒマラヤスギの並木。円錐形の実は大きく長さ10㌢、太さ5㌢前後もあります。
しかし、実がなっていることに気づかない入園者が少なくないようです。僕も長い間、そうでした。

でも、それは無理もないことです。
ヒマラヤスギが実をつけるのは樹齢が30年を超えてからとされ、この並木でも数本に1本の割合で実がなっているだけ。それに、実は垂れ下がるのではなく、枝葉の上に立っている状態なので、下から見上げても葉の中に隠れているからです。

雌雄同株、雌雄異花といわれ、毎年秋に受粉して結実したのが、今の実です。

実は晩秋になると、割れて種を飛ばします。
殻は八重咲のバラのような形になることから「シダーローズ」と呼ばれ、リース作りやクリスマスの飾りとして人気があるようです。昨年、強い風が吹いた日に出かけてみましたが、遅かったせいか一個しか拾えませんでした。




楽書き雑記「復活した名古屋・鶴舞公園のハスが見ごろに」

2018-07-14 11:52:56 | 日記・エッセイ・コラム

 

14日朝、名古屋・鶴舞公園の胡蝶ヶ池のハスを見てきました。
予想最高気温が38度という猛暑日。でも朝のうちならいいだろうと出掛けると、期待通り数多くの花と大きく膨らんだ蕾が迎えてくれました。

この池のハスも、やっと昔の姿に戻ってきましたね」とカメラマン。「そうすね。回復しましたね」と僕。
確かに一昨年よりも去年、去年よりも今年といった具合に花数だけでなく勢いのあるハスが胡蝶ヶ池を覆っています。

胡蝶ヶ池のハスは、10年余前に株が極端に激減、ハスファンをがっかりさせたものです。

原因ははっきりしませんでしたが、公園近くの鶴舞小学校の児童たちが種子から育てた苗を移植。公園も池の中にいるカメがハスの新芽を食べてしまっているのではないかとみて、池の一部に金網を張ってカメが出入りできないようにするなどした結果、回復軌道に乗ってきました。

 



(楽描き水彩画「名古屋城内の樹木の1本を描きました」

2018-07-12 06:39:18 | アート・文化


名古屋城内の樹木の1本を描きました。

城内には約1000本のサクラをはじめ、クスノキやケヤキ、マツ、それにエノキ、アニキレ、樹齢650年とされるカヤの木などの古木・巨木が林立。あふれる緑と四季の花、夏の木陰をつくっています。

描いたケヤキとみられる木は巨木といえるほどではありませんが、ところどころに苔の姿もみられます。




楽書き雑記「温室で出会った長くて大きく、色鮮やかな花序が垂れる3種類の花=名古屋・東山動植物園」

2018-07-11 07:50:56 | 日記・エッセイ・コラム

 

梅雨明けと共に暑さも本番。だからといって、南国育ちとしてはエアコン部屋に閉じこもってばかりではおられない、と名古屋の東山動植物園へ。
熱中症対策を呼びかける園内アナウンスに応えて、ペットボトルを手に植物園内の温室を訪ねると、長くて大きく、鮮やかな色の花序を垂らす花たちに出会いました。写真上から「ヘリコニア・ラストラータ」「ベニヒモノキ」「ツンベルギア・マイソレンシス」の3種類。いずれも存在感のある容姿で迎えてくれました。

 

ヘリコニア・ラストラータは、アマゾンの熱帯林原産の常緑大型多年草。バショウのような大きな葉の茎から赤や黄、緑に彩られた花序が垂れ下がっています。

ベニヒモノキは、インドやマレー半島の原産。小さな花が集まって、名前の通り長い紐のように形成された紅色の花序が、枝の上部の葉の付け根から垂れています。花弁は退化してないそうです。
開花期間が長く、20~50㌢もある長い花序が何本垂れる様子が家庭園芸でも好まれているようです。

ツンベルギア・マイソレンシスの原産地は、インド南部の蔓性植物。枝から内部が黄色で苞は赤褐色からなる花序が垂れ下がります。花序の長さは80㌢から1㍍に達します。

 

 

 

 

 


楽書き雑記「東海地方も梅雨明け。庭のオニユリたちが花数を増やしています」

2018-07-09 06:28:08 | 日記・エッセイ・コラム

 

 

水彩画仲間とのグループ展、連日の大雨、W杯サッカーのテレビ観戦と、目まぐるしい日々にやっとひと息。東海地方も梅雨が明けて青空が広がった9日朝、庭に出るとオニユリ(鬼百合)が花数を増やしていました。

背丈が1㍍以上あり、黒紫の斑点が目を引くオレンジ色の花弁、毛が生えた茎に並んだ小豆大のムカゴ。
食用の球根(ユリネ)を取るために栽培され、子どものころの田舎ではよく見かけたものです。

名前だけでなく、毒々しささえ感じる容姿。しかし、その個性と降りしきる雨にも負けずに咲く力強さが魅力なのか、庭の季節花として人気を保っているようです。

我が家の庭にも数年前に球根を植えました。垣根のそば、しかも正午近くになるまで日の当たらない場所なのに、毎年、花を咲かせくれます。






楽描き水彩画「廃線から14年。名鉄三河線猿投―西中金間の終着駅だった西中金(にしなかがね)駅です」

2018-07-07 06:34:14 | 催し

先日、現役最古と言われる半田市亀崎のJR武豊線「亀崎駅舎」の絵を掲載しましたが、今回は廃線になった名鉄三河線猿投―西中金間の終着駅だった愛知県豊田市中金町の旧西中金駅を描きました。

廃線から14年。駅舎とプラットホームは国の登録有形文化財に指定され、豊田市郊外の山里で静かな余生を送っています。

駅舎の説明板などによると、1914年(大正3年)、当時の三河鉄道が刈谷―大浜間で開業、猿投まで伸びたあと、1928年(昭和3年)に猿投―西中金間が開通。合併で三河鉄道から事業を引き継いだ名古屋鉄道(名鉄)は、西中金からさらに紅葉で知られる香嵐渓のある足助町まで伸ばす予定でした。

しかし、自動車時代の到来。トヨタ自動車やその関連企業などへの通勤も車へと様変わりします。

名鉄は足助への延伸を断念。猿投―西中金間も、1985年(昭和60年)に電気運転(電車)を停止、線路を利用して走る気動車「レールバス」を走らせていましたが、2004年(平成16年)にはレールバスも取りやめて廃線になりました。 

1930年(昭和5年)に建設した駅舎は、木造平屋建て54平方㍍。全長36㍍、幅36㍍のプラットホームは、花崗岩の切り石積みでできています。