風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽描き水彩画「名古屋・中川運河沿いの倉庫」

2017-06-29 06:35:38 | アート・文化

 

名古屋の都心から名古屋港に向かって流れる中川運河。
物流の変化によって、かつてのような行き交う運搬船を見かけることはほとんどありませんが、川沿いには自動車による運送会社の駐車場や機械部品製作所、大小の倉庫群などが並んでいます。

名古屋では、2027年のリニア中央新幹線開通をにらんだ再開発がいたるところで進んでおり、この運河も例外ではありません。都心に近い運河の起点、笹島地区では超高層ビルを含めた建設ラッシュが続いています。

描いたのは、起点から少し歩いたところの1棟の倉庫です。中がどうなっているのか、何が収納されているのかなどは分かりません。
言えることは、倉庫群はこれまでもこれからも、流通の変化や名古屋経済の動向を敏感に感じ取っていくということでしょう。20号です。




楽書き雑記「少し遅れてモジズリソウが咲き始めました」

2017-06-27 08:12:02 | 日記・エッセイ・コラム

 

 

こちらはまだ蕾です

自宅の庭のモジズリソウも咲き始めました。

昨年よりちょっと遅め。しかも例年なら一斉に咲くのに、いま花が開いているのは2本だけ。特徴である螺旋状のひねりもやや緩めですが、細かなピンクの花の可憐な表情はいつもの通りです。

ラン科の多年草。姿や形からネジリソウなどとも呼ばれますが、他の植物が生えた環境を好むらしく、僕にとっては雑草の中から突然、顔を出す印象がありました。
そこで、昨年は春先にそれらしい草の苗を3種類に絞って観察。その結果、雑草の中で育つ若い苗の状態のモジズリソウを見分けることができるようになったのです。

今年は、早くから雑草の多い庭の8カ所で確認。見やすいように周りの草を少し取り除いて見守ってきました。

余談ですが、その間にこんな疑問を持ちました。
「小さな花とはいえ、雑草の中で育つのならもっと見かけてもいいのではないか」ということです。

散歩する道端や池の堤防などで目を凝らして探しても、見つけたことはありません。そこで、自宅の庭と似たところだったらと思いついたのが、時おり訪ねる市農業センターの芝生広場でした。
そこは、自宅の庭の何十倍もの広さですが、広場は開放されて芝生とオオバコなど何種類もの草が同居しており、その点では同じだからです。

センターに出かけると、ネジリソウが見つかりました。しだれ梅林のそばにあるイエローカサブランカが咲いている広場。所どころで雑草の間からニョキッ、ニョキッと顔を出しています。

モジズリソウの発芽には、ランの根などについている菌の助けが必要だそうで、我が家の庭には風蘭などがあるので納得できるけど、ここにもあるのかな」。そんなことを考えながら、たちまち20本ほど見つけました。
花が咲いたら見つけやすいので、他の場所でも結構あるのかもしれません。 

「あんたも、ヒマだねえ」と笑わないで下さい。郷里の生んだ植物学者・牧野富太郎博士を気取ってみただけですから。

農業センターの広場のひとつ 

広場の雑草の中に咲いているモジズリソウ




楽描き水彩画「老舗の看板『軒行灯』(のきあんどん)を描く」 

2017-06-26 06:54:16 | アート・文化

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水彩画教室の屋外スケッチで出掛けた旧東海道の宿場町・有松宿(名古屋市緑区)で見かけた軒行灯(のきあんどん)です。
街道筋に並ぶ旧旅籠や、伝統を守る一方で新感覚の製品開発に取り組む絞商らの建物。それらの1軒、老舗の玄関の屋根を見上げて目に止まったのが、この行灯でした。

京都の街歩きでも見かける風景。軒灯(けんとう)とも呼ばれるそうです。
銅製で照明には電気やガスが使われていました。

行灯には一般的に、屋号や家紋、宿や小料理,蕎麦などといった文字や紋様が書かれていますが、絵にした軒行灯は剥がれてしまったのか見当たりません。
行灯の酸化した銅の緑青、設置台の朽ちた板、風格のある壁や格子戸・・・。長い歳月の経過が生んだ風情を深めます。作品は10号です。


 


楽描き水彩画「富士山麓の『白糸の滝』を描きました」)

2017-06-24 06:59:28 | 催し

 

先日、息子家族の誘いで出掛けた伊豆-富士旅行で立ち寄った富士山麓の富士宮市にある「白糸の滝」を描きました。

白糸の滝は高さ約20㍍、長さ約150㍍の馬蹄状に広がる壁面のあちこちから、全国でも珍しく湧水が流れ落ちています。

まさに、白い糸を垂らしたような景観。昭和11年(1936年)国の名勝・天然記念物に指定され、観光100選滝の部で1位になったことも。古くから信仰の対象とされ、世界遺産としての富士山の構成資産にもなっています。 

パノラマ写真でなければとても全体は収まらないので、向かって左側に位置する太い流れを描きました。この日は梅雨らしい曇り時々雨。木々や岩々も粉ぬか雨と水煙が包んでいました。

収まらない部分の様子も数日中に描くつもりです。

白糸の滝はさらに幅広いです

 


楽描き水彩画「花の描き方の教科書を手に、庭のアジサイを描きました」

2017-06-22 06:30:48 | アート・文化

花の絵を描くのは苦手なので、せいぜい年に数枚です。でも、逃げてばかりいてはと久々に挑戦、アジサイを2枚描きました。
モデルは自宅の庭に咲いているアジサイ。1枚目は咲いて間もない小ぶりのアジサイで、これから咲く黄緑の蕾がめだちます。2枚目は八重咲。複雑な咲き方ではなく、花の中に同じ形の小さな花があるといった具合です。

「全体の形の中で、大きめの花を描いてつなげていく」。買ってきた花の描き方の教科書を読んでスタート。
花弁を1つひとつ描いていきます。これが辛気臭いですね。目も疲れるし・・・。絵を趣味にするとき候補に選んだボタニカルアートをあきらめた理由です。

「細密画ではないのだから、大まかでいいや」と自分に言い訳しながらも、花全体の膨らみを出すために花弁の重なった部分に注意、重ね塗りや滲みの出し方を読みながら、花全体の明暗をつけるなどしていきました。
出来はともかく、これからも苦手の克服に努めたいと思っています。




楽書き雑記「名古屋で重要文化財・伊勢型紙の伝統技術を学ぶ『六工房伊勢型紙教室』の作品展」)

2017-06-20 16:58:23 | 催し

 和服の柄や文様の染色型紙として生まれ、現代では工芸品やインテリア、家具などの装飾にも生かされている伊勢型紙。
重要文化財であるこの伝統技術の保存・伝承者、六谷春樹さんが開く「六工房伊勢型紙教室」の第14回作品展が、名古屋市民ギャラリーで開かれています。25日(日)まで。

伊勢型紙の生産は、室町時代に始まったとされています。
江戸期には徳川御三家のひとつ、紀州藩が飛び地領とした現在の三重県鈴鹿市白子地区の主産業として奨励。現在ではここが全国生産の大半を占めています。

六谷さんは、鈴鹿市寺家の自宅はじめ、名古屋の朝日カルチャーセンターや中日文化センターなど8カ所で「六工房伊勢型紙教室」を開いており、展覧会はこれらの教室の合同展。
市民ギャラリーの3つの展示室に、灯り用に彫られた市松模様のデザインや創作彫刻型紙の絵、切り絵など、彫刻刀を手に創作した約60人の作品200点余が並んでいます。

「最近は比較的若い方も教室に入られます。初めての方には絵の模写のように、作品を見ながら彫ることから始めてもらいますから、どなたでもできます」と六谷さん。
そして、続けました。「大切なのは意欲と根気と集中力です」。そりゃ、そうですよね。

 



楽書き雑記「シオカラトンボと出会いました」

2017-06-19 16:52:12 | 催し

 

もう飛んでいるかな?
19
日午後、名古屋南東部の天白区にある小さなトンボ沼を訪ねるとーー 。
いました。
シオカラトンボです。止まったところをカメラに収めましたが、ピンボケで、ごめんなさい。

トンボ沼があるのは、市内で3番目の大きなため池の荒池を中心とした荒池緑地内の多目的広場の一角。多目的といっても整備は特にされておらず、周りの雑木林とともに身近な自然をゆっくり楽しむ広場です。

トンボ沼は、歩いて130歩ほどの細長く小さな沼地。環境保護市民グループ・荒池ふるさとクラブが、雑草の下刈りなどをして守っているようです。
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楽描き水彩画「雨水を流す街中の排水路」

2017-06-18 06:33:07 | アート・文化

 

街中の住宅街を流れる小川です。といっても、コンクリートで固められ、魚釣りや水遊びはできず、大雨の時の排水路と言った方がいいでしょう。
先日、教室のスケッチ会で訪れた旧東海道の「有松宿」でも、商店や民家が密集した中を
縫うように流れていました。 

好天が続くと、流れは浅く細くなり、水面に青空や木々が映り込みます。
「梅雨明け宣言」が出ながら雨らしい雨がない日々が続いていますが、そろそろ排水路の水かさが増える日が近いようです。




楽書き雑記「自宅の庭のユリが咲きました」

2017-06-17 14:31:51 | 日記・エッセイ・コラム

 

自宅の庭のユリが咲き始めました。
昨年、10本ほどが開花した後、掘りあげて球根を分球することもせず、そのまま残してあったものです。

春先に20個ほど芽が出ているのを見て、ただでさえ密植状態だったので芽を少し取り除こうかと思いましたが、やはりそのままに。結局、12本が成長、それぞれ5~7個の蕾を付け、17日にうち4個が開花しました。

開いた花弁には虫にやられた跡があり、残る蕾のいくつかにも黒い穴がみえます。1度も薬剤を使っていないから当然でしょう。
花の大きさも昨年に比べてやや小ぶりのようですが、しばらく部屋の中はユリの香りに包まれます。

  

 


楽書き雑記「野鳥のお土産?庭に咲いた白いクチナシの花1輪」

2017-06-16 06:42:07 | 日記・エッセイ・コラム

庭の片隅に、1輪の真っ白なクチナシの花が咲きました。でも、この木を植えた記憶はありません。

何の木だろう?1年ほど前、花壇の密植状態になっている小菊の間から伸びている1本の木に気づいて見守っていたところ、樹高60センチほどに成長。
白い花弁6枚からなる直径6センチほどの花が咲いたのです。調べると、一重咲きのクチナシと分かりました。

実は一昨年まで、数メートル離れたところにクチナシを植えてあったのですが、枯れてしまいました。でも、このクチナシの種子が芽生えた、とは考えられません。
なぜなら、今回咲いたクチナシの花は一重咲きですが、枯れたクチナシはバラのような八重咲きだったからです。

考えられるのは、野鳥の「お土産」です。
都心から離れた自宅周辺には、雑木林もあって野鳥が生息、民家の庭にも飛んできます。僕も庭木の枝にミカンやリンゴを刺して歓迎、鳥たちは食べ終わるとフンを落としていきます。

春になるとフンの中にあった種子が、次々に発芽。見たこともない苗もありますが、放っておけば雑木林になるので形端から取り除いています。
今回残していたのは、小菊の陰にあって発見が遅れたのと、正体を確かめてから切り取ればいいと思ったからです。数年前にはサクラの苗と分かり、しばらくそのままにしていたものの、狭い庭にサクラは無理、と引き抜きました。

新しいクチナシには、まだ6個の蕾が残っています。芳香を放っていた前のクチナシが枯れて寂しい思いをしていましたが、これで初夏の楽しみのひとつが戻ってきました。

 

 


楽書き雑記「富士山の写真コンテスト『第12回富士山百景写真in名古屋』を拝見」

2017-06-14 06:50:54 | アート・文化


 グランプリ  宮崎泰一さんの「共生の川辺」

世界文化遺産の富士山をテーマにした写真コンテスト「富士山百景写真in名古屋」が、名古屋市民ギャラリー7階と隣の中日ビル2階コンコースで開かれています。
富士市と富士山観光交流ビューローの企画で12回目。名古屋展は18日(日)までです。

「絵でも写真でも、富士山ほど難しいものはない」とよく言われますが、1800点の応募作から選ばれただけに、力作がそろっています。
花や木、雲といった自然物だけでなく、電車や新しい建造物、工場街や港といった町の風景などを入れて、富士山をより身近なものにしています。

先週のブログに書きましたが、僕は曇天続きの中を富士山麓の朝霧高原に向かけて走っていた車窓から一瞬、雲間にのぞく富士山の肌のごく一部を見ることができました。
車を止めカメラを出す前に再び雲の中に消えたのですが、もし撮ることができていたら、富士山の「全身」が入らない「自分の富士山」だったのでは、と思っています。

なにせ世界文化遺産。暮らしや生活の中での富士山、1人ひとりの心の富士山、富士山みやげの製造現場、さらに極端に言えば石ころ1個で表現した富士山、といった具合に、作品の多様性は一層広がるだろうなと思いつつ、ギャラリーを出ました。



 


楽書き雑記「町工場通りで出会った白いキョウチクトウ」

2017-06-13 06:30:16 | 催し

 

こんなところに白い花。いいね!工場街を歩いていて花咲く風景に出会い、ほっとしました。

名古屋の都心・笹島から名古屋港に続く中川運河沿い。両岸には中小の部品工場や運送会社、倉庫が並び、民家は見当たりません。道路もトラックがひっきりなしに走り、歩行者はほとんどありません。
色も灰色やベージュ色、老朽建物の赤錆、黒錆色が中心。緑や花の色は、あまり縁が無さそうです。

日差しを一層強く感じながら歩いていた時でした。空き地に緑と白い花の固まりが目に留まり、思わずカメラを向けました。3~6センチの幹が竹のように何本も伸び、花弁が風に揺れています。

葉の格好からキョウチクトウだな(帰宅して調べた結果、間違いなさそうです)と思いましたが、赤やピンクではなく、白いキョウチクトウを見た記憶はありませんでした。

それまで絵になりそうな工場や倉庫の風景を探していた目が、緑や花も求めるモードに。事業主らが無機質で殺風景なところに少しでも彩りを、と植えた花木が次々目に留まりました。

 

事務所の前のひまわり

夏みかんです

ビワの実がたわわに


 


楽書き雑記「見ごろになったラベンダー=名古屋の荒子川公園を訪ねてきました」

2017-06-12 06:34:18 | 催し

ラベンダー公園として知られる、名古屋の荒子川公園へ行ってきました。
ラベンダーフェア(618日まで)が開催され、梅雨期らしくない天候とあって、週末の園内は多くのラベンダーファンで賑わっていました。

最寄り駅である、あおなみ線荒子川公園駅から公園に向かう道の両脇にはラベンダーが植えられ、園内のラベンダー園までの散策道にも、さまざまな草花とともにラベンダーが一緒に。どれほどの数が植えられているのか、見当もつきません。

ラベンダーの開花状況はご覧の通り。見ごろ期になったと言えそうです。

コスモスも咲いていました

緑色から真っ白になっていくアジサイも


 


楽書き雑記「名古屋・鶴舞公園の『アジサイの散歩道』を歩いてきました」

2017-06-10 06:38:54 | 日記・エッセイ・コラム

名古屋の鶴舞公園にある[アジサインの散歩道]を梅雨の晴れ間の9日午後、歩いてきました。
開花状況は、見ごろ?ウーン、少し早かったかもしれないかな、といったところです。

鶴舞公園のアジサイは約2300株とか。さまざまな種類のアジサイが散歩道をつくり、周りの高い木々に包まれています。
木々の間からこぼれる光を浴びる青やピンクの花弁。強い日差しをもろに受けてげんなりした様子も。

「梅雨の晴れ間で足元を気にしなくていいが、やっぱりアジサイは雨上がりの朝が一番だな」。そんなことを思いながら、シャッターを切ってきました。

 

 


楽書き雑記「温泉と滝、日本画の逸品も=静岡県の伊豆長岡や焼津への旅」

2017-06-08 17:21:55 | 日記・エッセイ・コラム

海も霞む曇天続きでしたが

白糸ノ滝


三嶋大社

静岡県の三島から伊豆長岡→富士宮→焼津→静岡といったやや変則的なコースを旅してきました。東京に住む息子夫婦が「休暇がとれたので」と誘ってくれた23日の車での旅。当然ながら、園児である孫を中心にしたプログラムなので「絵の題材になる風景を探そう」なんて気持ちは捨てて楽しみました。

気遣った天候は、まさに梅雨入り模様。雲間から一瞬、雪渓の残る山肌を覗かせた富士山も、カメラを向けるスキを与えてくれませんでした。しかし3日間、傘を1度も開かずに済んだのは幸運だったといえるでしょう。

三嶋大社やベリー狩り、白糸ノ滝、観光牧場、朝霧高原、焼津おさかなセンターなどといったコースになりましたが、僕はベリー狩りなんて初めての体験です。
このところ目に自信がなくなったこともあって、ブルーベリー、ブラックベリーなど計33種ものベリーを貪欲にほおばってきました。

貪欲と言えば、宿泊した2つのホテルにも満たされました。どちらの露天風呂やいくつもの浴槽がある温泉風呂に、朝夕どっぷり。「カラスの行水」だった現役時代の出張はもちろん、これまでにない体験でした。 

もうひとつ、満たされたのは伊豆長岡のホテルに飾られていた数多くの日本画でした。
伊東深水、上村松園、奥村土牛、片岡球子、鏑木清方、平山郁夫ら院展作家、日展作家の40点もの日本画がロビーや通路のいたるところに飾られ、ちょっとした美術館と言えるほど。ナマでは見られなかった富士山の作品も目にできました。

食事や入浴の度に何度も往復して鑑賞。「息子夫婦がちょっと無理をしてくれたな」と思ったものでした。

白糸ノ滝

こちらは白糸ノ滝のすぐ近くにある音止(おとどめ)の滝

焼津さかなセンター

気温が下がり、朝霧高原の土産物店ではストーブが