風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽描き水彩画「雨模様の滋賀県近江八幡市で水彩画教室のスケッチ旅行①=八幡堀周辺」

2016-09-30 06:55:00 | 日記・エッセイ・コラム

 







水彩画教室の年に1度の宿泊スケッチ旅行のため28・29両日、琵琶湖湖畔の滋賀県近江八幡市にある八幡堀周辺と安土城跡へ出かけてきました。
あいにく2日間とも雨模様。「雨に煙る歴史の舞台も魅力がある」と、うそぶいてはみたものの、晴天を想定していた取材は大幅変更を余儀なくされました。

かといって、そのまま退却しないのが、我が「後期高齢者集団」。
思い思いにスケジュールをたて、雨の中へ散らばりました。

八幡堀周辺で僕が選んだのは、定番中の定番である舟による八幡堀の水郷巡り。近江八幡市にはこれまで所用で2、3度訪れていますが、舟に乗ったことはなく、どこかで雨宿りするよりも、と乗り込んだのです。

これは正解でした。目線が違う角度からの景色は、水面の揺らぎだけでなく石垣や白壁、板壁、桜や柳の樹木などを新鮮にとらえることができました。どこかの絵画グループの生徒たちでしょう。橋の下など雨の当たらない所を見つけて熱心にスケッチしています。
それに、全長4・5㌔、平均幅15㍍のこの水郷が、木曽川や四万十川と同様に「1級河川」とされているといった話のネタの収穫もありました。

舟を降りると歴史を感じる街路を散策。
白壁の蔵や板塀などが並びます。扉も絵になりそうです。雨が強くなったので駆け込んだカフェも、素敵な庭が迎えてくれました。

休暇村近江八幡での夜の宴会も、これまた定番の酒とカラオケのオンパレード。絵についての話題は一切なかったのもこれまで通りでした。

写真は八幡堀とその周辺。明日は安土城跡篇を掲載します。
 

 
 




雨を避けてスケッチするグループ も
        
       
琵琶湖産のヨシでつくられたモニュメント




楽書き雑記「野生化したシュロ=名古屋市南東部で見つけたもう一つの発見」

2016-09-28 06:55:00 | 日記・エッセイ・コラム



       

名古屋市南東部の街で見つけたヤマユリやアケビといった里山の名残を紹介する記事を先日(9月17日)掲載しましたが、実はもう一つ、正体が分からずに記述しなかった植物がありました。
ここに掲載した写真の植物についてです。

細い道端の雑木の間から顔を覗かせる大きな熊手状の葉。枝はなく茶色のボロ布みたいな網で覆われた幹が真っすぐ伸びています。樹高6~7㍍、中には10㍍もあろうかと思われるのも。ツタが幾重にも絡みついて野生化しているようです。
歩きながら柵で囲まれた竹林や雑木の奥を覗くと、10本や20本ではありません。種子から生えたのか2~3㍍の若木もあります。

「ヤシ?まさか・・・」。こんなところに熱帯のヤシが自然にあったとは思えません。過去にヤシの庭樹で屋敷を囲むような庄屋でも住んでいたのだろうか。結局、分からないまま宿題にしておいたのです。

その謎が、1週間後の9月24日朝、NHKテレビBSⅢの「ニッポンの里山」を見ていて解けました。正体はヤシ科の「シュロ」のようです。熱帯のヤシのような大きな実は付けまませんが、外見は当然ながら似ています。
テレビでは和歌山県有田川町の山村の暮らしを紹介。ここでは古くからシュロを家の周りに植え、シュロの葉柄の下部を包んでいるような網状の繊維質の樹皮をはぎ取り、生活用品を作ってきました。

たわし、ほうき、敷物、シュロ縄・・・。今では輸入に押されているようですが、有田川町では現在も受け継がれているようです。
シュロは有田川町だけでなく国内のあちこちで植えられ、今も人気の「亀の子たわし」も作られていたのでしょう。

改めて現地に行ってみると、回りには養蚕用の桑の古木や、かつては嫁ぐ娘に持たせるタンスやゲタの素材として家ごとに1本はあった桐らしい古木も見えます。
雑木林の多くが消え、マンションが建ち並ぶ名古屋市南東部ですが、蚕を育て、シュロを植える農家の暮らしがたくさんあったのですね。

そうそう、先日は1個しか見つけられなかったアケビを、今回の再探検でも1本の蔓を発見、3個の実を確認できました。でも、1本の蔓にいくつもの実をつけた風景は昔話になってしまったようです。



         





楽書き雑記「300万本のヒガンバナと田んぼアート=童話『ごんぎつね』のふるさとへ」

2016-09-26 06:55:00 | 日記・エッセイ・コラム



久々に広がった青空と日差しを受けて

ヒガンバナと田んぼアート

たわわに実った稲穂と

「ごんぎつね」で知られる童話作家・新美南吉の故郷で、300万本のヒガンバナが彩る愛知県半田市岩滑(やなべ)高山町の矢勝川堤防へ。
昨年も訪ねましたが、ヒガンバナの散歩道に「田んぼアート」が描かれていると新聞で知り、久々に戻ってきた青空に誘われて出かけました。

ヒガンバナは約25年前、新美南吉顕彰会の広報部長だった小栗大造が「南吉が散策を楽しんだ堤防に『ごんぎつね』にも出てくる真っ赤なヒガンバナの絵を描こう」と発案したのが始まりとか。
堤防の雑草を刈り取り、ヒガンバナの球根を植え続ける小栗の姿に、地域住民がひとり、ふたりと加わり、矢勝川の環境を守る会をはじめいくつものボランティア団体が誕生。南吉の功績を称えるとともに、ヒガンバナによる環境保護や町おこしを進めています。

田んぼアートもそのひとつ。堤防下の広さ10㌃の田んぼに、黒米や赤米、緑米、もち米などを使ってキャラクターの「ごん吉」と、振り仮名を付けないと容易に読んでもらえない町名の読み方「やなべ」を描いています。
地元の農業生産法人「おいしい村」が中心になって、5月に住民や高校生らが田植えをしたそうです。

ところで、ヒガンバナの堤防をひと回りして、少し気になったことがありました。はげたようなところや、ヒガンバナの花が小さかったり、まだ開花まで時間がかかりそうな小さなツボミが目立つことです。
散歩中の人からも「ヒガンバナの花数が減ったみたい」というつぶやきが聞こます。そこで、守る会の方に尋ねると、次のような丁寧な説明を受けて納得しました。

「ヒガンバナの球根の分球が進んだ結果、密植状態になり、土の中でいくつもの小さな球根が団子のようになったところがいっぱいあります。そうしたところは何本もの花茎が伸びていますが、栄養も奪い合いになるので花茎も蕾も小さく、開花も遅れます」

「勢い良く咲きそろっているところは、植え替えたところです。これからも植え替えや手入れを進めていきます。幸い、矢勝川を挟んだ隣の町でもヒガンバナを育てようという活動が始まりました。みんなで力を合わせて守りますので、これからも見に来てください」

放っておけば球根がイモ洗い状態にり、雑草の根も絡み合ってヒガンバナもいずれ消えてしまうでしょう。自然まかせでは、この景観は守れないのです。
ヒガンバナを通してふるさとづくりに取り組む住民の熱意にうたれました。

 




密植状態なって弱々しく何本も伸びた花茎

コスモスと




楽書き雑記「あいちトリエンナーレも閉幕まで1カ月=作品の再発掘やリピート鑑賞に愛知県美術館へ」

2016-09-24 17:16:31 | 日記・エッセイ・コラム




窓ガラスにセロファンが貼られ、眼下の「オアシス21」もこのように




8月に始まったあいちトリエンナーレも、10月23日の閉幕まで1カ月を切りました。猛暑やオリンピックのために立ち上がりは低調に思われた客足も、秋口に入って伸びているようです。
愛知県内9会場をひと通り回った僕も週末の24日、決して落穂ひろいではなく時間が足りずに十分に見ていなかった作品の再発掘やリピート鑑賞のために、メーン会場の愛知県美術館へ出かけてきました。

例えば中村裕太の「民俗と建築にまつわる工芸」という視点から陶磁器にスポットを当てた作品。
米国人動物学者の日本滞在記にある訪問地の空き地や道端などで採取した陶片を、その地の絵ハガキなどとともに展示して明治から現代にいたる社会や文化の変遷をたどっています。

モロッコやエジプトの盲学生らと交流しながら、陶磁器やブロンズの制作に当たっている松原慈の作品もなかなかの力作と思いました。

美術館11階の展望回廊も、タイルの絵柄研究をもとに制作している田島秀彦の作品と、緑やピンクのセロファンで色付けされた美術館の窓ガラスからの光がマッチして魅力的です。

海外の映像作品や、東北地方山村や漁村で取材を重ねた田附勝の写真集も、生活感のある見ごたえある作品。

放射能除染のために伐採された巨木の年輪を鉛筆で擦って写し取った岡部昌生の作品からは、原発事故の教訓を忘れまいというメッセージが改めて伝わってきました。

美術館前の「オアシス21」広場では、一般参加型企画の「虹のカーニバル」(24・25日)も開催。みんなで日本舞踊やフラメンコ、サンバなどを楽しむプログラムも、初日は時おり降りしきる雨に盛り上がりはいまひとつでした。25日は秋雨前線が弱まりそうとか。とにかく天候が回復しますように。

    


     


               

 

 


楽書き雑記「趣味で学ぶ成果発表の秋・名古屋市内の区民美術展も始まりました」

2016-09-23 14:19:15 | アート・文化

 勤めを終えて増えた自由時間や家事の合間に、絵画や写真などの趣味を楽しんでいる人たちが成果を発表する季節になりました。完成度はさほど高くなくても、精一杯取り組んだ作品を拝見するのは楽しいものです。
名古屋市各区の区民美術展(区民展)もスタートしました。晩秋までの週末、区役所講堂などで相次いで開かれます。

23日には、瑞穂区の65回目となる区民展(25日まで)が開幕。
瑞穂区役所の講堂に出向くと、日本画、書、写真、洋画、彫刻・工芸の各部門にカルチャーセンターや生涯学習センター、高年者大学などで学んだり、独自で腕を磨いているみなさんらの傑作がずらり。
訪れた出展者のご近所さんや友人、教室仲間らが作品の前で作者から制作の苦労話を聴いたり、カメラに収めるなどしていました。





 



 


楽書き雑記「名古屋の合唱団『男声合唱を楽しむ会』 まだまだ枯れない高齢男子の声を聴かせてくれました」

2016-09-22 19:32:41 | 日記・エッセイ・コラム


トシを感じさせない歌声で

賛助主演と合唱

客席からもステージに上がって大合唱
名古屋の「男声合唱を楽しむ会」によるサロンコンサート(指揮・向川原愼一、ピアノ・はやせ ようこ)が22日午後、名古屋市芸術創造センターでありました。何年も前に勤めをリタイアした高齢男子を中心に構成されたこの合唱団。今年で11回目になったコンサートも、合宿などで鍛えたトシを感じさせない声を聴かせてくれました。

プログラムはシューベルト作曲のドイツミサ曲からスタート。
コンサートでのドイツミサ曲の合唱は初めてだそうですが、月2回の練習と合宿もしたという成果を見事に披露してくれました。

次いで名古屋出身の作曲家・新実徳英の作品集。
賛助出演の混声合唱団レ・マーニ有志、金城学院OGらの「ゆりの会」、JMCサポーターズも加わって「火の粉」「やさしい魚」「ジョギングの唄」「火の山の子守歌」「聞こえる」を男声合唱、女声合唱、混声合唱の美しいハーモニーを響かせました。
大勢の客がステージに上がり「365日の紙飛行機」を一緒に大合唱するひとときも。

締めくくりは、団員と客層の年齢を考えた結果のテーマだという「American Pops in 1954」
「ミスティ」「フライ・ミー・トウ・ザ・ムーン」「想い出のサンフランシスコ」・・・。そして最後はアンコール曲に用意したプレスリーの「ラブ・ミー・テンダー」といった具合に、それぞれが遠い青春時代を追憶するように、いまだ枯れない声で歌い上げました。

 

 


楽書き雑記「素直で伸びやかな表現力=第69回名古屋市教育祭 高等学校展覧会」

2016-09-20 17:01:31 | アート・文化



              





名古屋の市立高校14校の作品展が20日、栄の市民ギャラリー
で始まりました。25日(日)まで。全室を展示場にして書道・美術・家庭・写真の4部門に、部活や授業で励み、制作した作品が並んでいます。

例年のことですが作品は素直で伸びやか、思い切った表現が目立ちます。
美術部門の「黒」と題する絵画に、目をひかれました。
添え書きには「私にとって黒色はとても安心する色。『何かを伝えたい』というより『安心してほしい』と描きました。居心地がいいと思ってもらえれば、うれしいです」と。

写真部門でも姉が恋人と歩く姿、運動会を見つめる祖父の表情、高校野球愛知大会のひとコマなど、高校生ならでは目で撮った傑作を目にして、しばしば足が止まりました。
段ボールで組み立てたアナログテレビと名古屋テレビ塔、お母さんがつくってくれたという海鮮丼を描いた絵、麻で造った小間物など楽しい作品でいっぱいです。

作品の一部に添付された生徒自身のコメントを拝見するのも楽しみです。
「今回は行書でしたが次は草書に挑戦します」「折り目を無視して書き迫力を出しました」「百戦錬磨と書くのは大変だったけど、書いてみて意味がよく分かりました」。これらは書道の添え書きです。

書道といえば、例年楽しみにしているのが、大きな展示版いっぱいのサイズで書く山田高校書道部の共同作品です。1昨年の「夢」、昨年の「舞」に続く、今年の文字は「飛」。力強く飛び立とうとの思いが伝わってきます。
ただ、残念だったのは会場の都合で展示スペースが狭く、鑑賞しにくかったこと。書道部のみなさんも人生の行く手にはこんなこともあるでしょう。がんばって飛翔してください。

      









 

  


楽書き雑記「名古屋・庄内緑地公園でヒガンバナを見てきました」

2016-09-18 17:00:00 | 日記・エッセイ・コラム





「名古屋の庄内緑地公園でもヒガンバナが咲いている」との情報に、さっそく出かけてきました。
南北に伸びる楕円形の公園を縦断した先で迎えてくれたヒガンバナは、写真の通り。規模的には期待したほどではありませんでしたが、大木の日陰に咲く赤と白の容姿が汗ばんだ体を癒してくれました。

庄内川の河川敷に設けたこの公園には、バラ園鑑賞や水彩画教室のスケッチ会
などで何度か訪れています。でも、縦断したことで改めて公園の広大さを知りました。
ヒガンバナの前にあるボート池はじめ陸上競技場、テニスコート、ゲートボール場、デイキャンプ場などがあり、この日は休日とあって、球技やバーベキューを楽しむ若者や親子連れの姿があちこちに。

「せっかくだから、運動不足を取り戻そう」と、帰り
は園内を少し回り道をして入ってきた公園正門へ。万歩計を見ると園内分だけで5000歩強。「歩く秋」のまずまずのスタートでした。

    

    







楽書き雑記「ヤマユリ2本、アケビ1個=開発が進む名古屋南東部の街で自然林の名残を発見」

2016-09-17 07:00:00 | 日記・エッセイ・コラム



造成宅地の草むらに1本だけ咲くヤマユリ

さらに1本が

1個だけ見つけることができたアケビ

宅地開発用地にあるのり面の草むらに咲く1本のヤマユリ。名古屋市天白区の市農業センター近くを散歩中に見つけました。

農業センターのほか比較的大きな公営住宅団地、愛知県運転免許試験場などが半世紀ほど前からある地域ですが、名古屋でも数少ない自然が残る街とされてきました。しかし、近年は新たな宅地開発やマンション建設、道路の新設などが進み、残っていた自然もどんどん減っているのが実状です。

ヤマユリはこの地の歴史の証明だと思っています。
20
年ほど前までは空き地などで何本もの白いヤマユリが開花。ここが起伏のある雑木林を開発した土地であることを物語っていました、でも宅地造成が進み、空き地が埋まるとともにヤマユリも姿を消し、民家の庭などでは見かけても自然の姿で見かけることはめっきり減っています。
開花期最盛期の夏季にはもっと咲いていたのかもしれませんが、久しぶりに目にしてうれしくなりました。

200㍍ほど離れたところでもう1本発見。「よし、今度はアケビを探してやろう」と目標を絞って歩きました。
アケビ取りは、里山を背に少年時代を過ごした僕にとって山遊びの一番の思い出です。
だから、成人になっても雑木林に足を踏み入れると、目はアケビの有無をさがしているほどです。

農業センターの周辺も雑木林が広がっていたころは、アケビの蔓があちこちにあり、木の枝に絡みついた弦を手繰り寄せると熟したアケビを口にできました。
しかし、今はそんな雑木林はとうに消え、ドングリや野生化した桑は見かけてもアケビの蔓がからんでいそうな木々はなかなか見つかりません。

大きな用水池の回りの林など、1時間近く歩き諦めかけていた時でした。
竹と入り混じった数えるほどの雑木の中に、アケビを見つけたのです。まだ成熟していないので熟れた赤紫ではなく薄緑色ですが、立派なアケビです。
でも、蔓が伸びた先を探しても確認できたのはこの1個だけ。ホッとしたような寂しいような、複雑な思いでした。




 


楽描き水彩画「食品工場の壁に掛けられた作業用手袋」

2016-09-16 06:50:00 | アート・文化



先日、食品製造の現場見学で見かけた配管を描きましたが、今回も現場で目にした風景です。
食品工場に限らず製造現場では、棚や衣文かけに棚に置かれた作業衣や手ぬぐい、手袋、大きな前掛け、体がすっぽり入るつなぎ、作業用靴、帽子、ヘルメットなどを目にします。
持ち場や役職などによって色や形に違いがあるのも。棚や壁には「安全第一」「衛生」「注意」「厳禁」などの文字が掲げられています。

張り巡らした配管などとは違って、手袋に対しては「こんなの絵にできるだろうか」と迷いましたが「これぞ、食品工場ならでは風景だ」と思い直しました。
赤、青、黄色、白。腕まで覆う大きさ。原材料をかき回したり、混ぜたりする作業の様子を想像しつつ描きました。指が5本より多く見えるのがあるのは、両手を重ねて掛けられているからです。


楽描き水彩画「民家の扉に日差しが描いた1枚の絵」

2016-09-14 06:50:00 | アート・文化

        

以前、初秋のハンガリーへ出かけた観光旅行で、ブダペスト郊外の閑静な村を歩いていて見つけた風景です。
手入れの行き届いた民家の背後に広がる雑木林。ところどころに葉が少し色づいた木々が見えます。「今でも十分に美しいけど、秋が深まればすごい風景になるだろうな」と想像を巡らせていた時でした。

民家の扉に目が止まりました。
赤褐色の扉をカンバスにして黄、赤、緑、赤紫の色模様。まさに日差しが描いた1枚の絵です。

思わずカメラを向けました。ひと足先に錦秋に出会ったようです。
扉に近づく人影。訪ねてきたお隣さんでしょうか。それとも、僕のような無粋な観光客でしょうか。

写真を手に描きましたが容易ではないですね。しかも日差しの演出を描こうなんて・・・僕にはこれも難しい課題です。





楽描き水彩画「醸造工場の配管を描く」

2016-09-12 06:16:27 | アート・文化



水彩画教室の外に出かけるスケッチ会では、自然いっぱいの風景や名所旧跡、神社仏閣だけでなく、大小の駅や操車場、貯木場、醸造場、造船工場などの現場にも出かけます。飲兵衛が多いせいもあって酒蔵は人気のスポットです。


醸造工場には大きな木桶や色とりどりの金属製貯蔵タンク、山と積まれた酒ビン、縦横に走る配管、壁や柱に取り付けた配電盤・・・。新旧さまざまで、もう使われていない道具や装置は、魅力的な絵の素材です。
絵にしたのは配管です。醸造工程のどの部分なのかは分かりませんが、創業からの長い歴史を感じます。

 



 


楽書き雑記「名古屋で『ふるさと全国県人会まつり2016』=約40道県が参加」

2016-09-10 17:14:46 | 催し



全国各地から東海地方に移り住んだ人たちで構成する各県人会が、名古屋・栄の久屋大通公園に集い、それぞれ特産品の販売や、観光をPRする「ふるさと全国県人会まつり」(10、11日)をのぞいてきました。

約40道県が参加。県人会ごとに設けられたテント張りブースには、自慢の酒やジュース、果物、野菜、せんべい、団子、串焼きなどがならび、ゆるキャラたちも懸命にPR。あちらこちらでお国訛りが飛び交い、転勤などで第1、第2、第3・・・といくつもの「ふるさと」を持つ僕も、懐かしさに包まれました。

ステージでは、これまた自慢の民謡やフラダンスなどのプログラムを次々に披露。観光とともに求人や企業誘致を呼びかけるブースもあって、秋の日差しの中で大勢の市民が楽しんいました。

      

              











楽書き雑記「名古屋で有力ギャラリーが選んだ気鋭の現代アート作家10人の『THE NEXT』展」

2016-09-08 06:50:00 | アート・文化









名古屋市中区栄の電気文化会館5階ギャラリーで、今月11日(日)まで開催している「THE NEXT~次代を創る10人の表現者たち」と題する現代アートの作品展を鑑賞してきました。
電気文化会館が開館30周年の記念事業として企画。地元の有力ギャラリーから1人ずつ推奨された計10人の作品を展示しています。

広いフロアに作家ごとにブースを設け、日動画廊名古屋や名古屋画廊などが選んだ絵画・写真・造形などの現代アート作品が並びます。

犬飼真弓、植田努、遠藤俊治、尾野訓大、迫鉄平、酒井陽一、佐藤貢、田中里奈、新美泰史、藤永覚耶。年齢は20代から40代まで。愛知県立芸大、名古屋芸大や関西の芸大などを出て、精力的な創作活動を展開しています。

それぞれ何点かの作品を展示。自身のプロフィールや創作への考え方なども紹介されています。

作品からは、表現者としての追求を続ける姿勢や意気込みが伝わってきます。
開催中のあいちトリエンナーレ会場を巡って膨らんだ現代アート鑑賞の楽しみがさらにふくらみ、10人の作家たちのこれからに期待しながら会場を後にしました。

※会場風景のほかに掲載した各作家の作品は、会場で配布されている画集とパンフレットの中から1点ずつ選びました。作家名と作品名のみとさせていただきました。


 犬飼真弓  想像力による死   
        
   
  植田 努  ケサリアの牛飼いⅡ
   
   
 遠藤俊治  星のサドルカバー 


 尾野訓大  岩

 迫 鉄平  昼顔
       
    酒井陽ー  AM448
        
   佐藤 貢  untitled

  田中里奈  獅子吼の庭Ⅱ


  新美泰史  AC-6゛ダンス “


 
 藤永覚耶  Stain#1509



  




楽書き雑記「ちょっぴり頬を染めたスイフヨウ(酔芙蓉)」

2016-09-06 16:31:50 | 日記・エッセイ・コラム

  



朝早く開いた柔らかな花弁が、酒を飲んだようにピンク、そして赤へと染まり、夕方にはしぼんでしまう――。
名古屋の鶴舞公園にある「スイフヨウ(酔芙蓉)園」を訪ねてきました。
若木から成木まで約60株。「繊細な美」「しとやかな恋人」の花言葉がぴったりの花が次々に開いています。

訪ねたのは6日午後1時ごろ。写真の通りちょっぴりピンク色になり、酒が少し回った感じです。台風などの影響が気になりますが、広がった枝には大小の蕾がたくさん並んでおり、来月上旬ごろまでは楽しませてくれるでしょう。

スイフヨウの足元に、写真のような花も咲いているのに気づきました。ネムノキの花でしょうか。酔えば眠くなりますから。



       
       ネムノキの花でしょうか。スイフヨウの根元で咲いていました。