風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽書き雑記「巡回型給餌のネコおじさん」

2013-06-30 20:11:51 | 日記・エッセイ・コラム

 NHKのBSプレミアム「岩合光昭の世界ネコ歩き」は、人気番組のひとつですね。動物写真家・岩合さんがネコ目線でレンズを向けるネコたちを見ていると、楽しくなります。それに、どの街でも毎日ネコたちにエサを与えたり、話しかけている「ネコおばさん」「ネコおじさん」の存在が番組を盛り上げているようです。
先日散策していた名古屋市内の比較的広い公園でも、そんな「ネコおじさん」のひとりに出会いました。

自転車でやってきた男性が茂みに呼び声をかけると、1匹のネコが飛び出してきて男性の前に座りました。男性は荷台からプラスチックの皿とキャットフーズを取り出し「さあ、食べな」。

食べる間、金ブラシで毛をブラッシング。ネコが食べ終え、ゴロンと横になると腹や胸の触診でもするようになでたり、何やら話しかけています。
近くに住家はあまりなく、ネコは漁港やネコの街で知られる尾道などのような「ネコの集会所」は見当たりません。園内の散策路で見かけても、人間が近づくと茂みに消えます。だから、男性もこうした「巡回型給餌」をしているようです。

「この公園にネコがどのくらい棲んでいるのかって?わからないなあ。私がエサをやっているのは7・8匹だけど、他の人もやっているようだから」
「ネコの名前?シロとかクロとかミケとかチビとか、適当に付けている。そう呼べば近寄ってくるから」
こう話す間も、ネコをなでる手はとまりません。
僕は「なぜ、こうしたことを続けているのですか」と質問しかけてやめました。
男性の優しく楽しげな表情に、理由や理屈など必要ない、と思ったからです。
「シロ、またな」。男性はネコに声をかけると、別のネコが待つ方へと自転車を走らせて行きました。

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楽描き風景水彩画「アジサイ・紫陽花・七変化」

2013-06-28 09:25:31 | アート・文化

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梅雨期の花は、やっぱりアジサイが主役。カラ梅雨でシュンとなっていたのに、ひと雨でシャンとなりました。「水を得た魚」と同様に「水を得た紫陽花」のことわざがあってもいいくらいですね。

我が家でも、以前鉢植えで頂き移植したのも含めて3株が何年目かの梅雨を楽しんでいます。挿し木が比較的簡単なので試みたことがありますが、狭い庭を「アジサイ庭園」にしても・・・、とやめました。

日本国内でも10数種あるうえ、一般的に土壌がアルカリ性だと花の色が赤、酸性だと青になる性質や、開花から日がたつにつれて色変わりすることもあって、まさに色とりどり。アジサイの別名「七変化」とはよくいったものです。
日本原産の品種もある古来の花木ですが、ウメやサクラと違って万葉集には2首しか詠まれていないそうです。

掲載したのは名古屋・名城公園のアジサイです。


楽書き雑記「82歳のハーモニカ奏者」

2013-06-23 20:23:11 | 日記・エッセイ・コラム

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愛知県刈谷市の市総合文化センター「アイリス」で23日催された三河地区ハーモニカ発表会に出かけ、リズミカルな調べと音色に耳を傾けてきました。仕事で知り合い、親しくさせていただいている大先輩が所属するサークルも出演するとあって、毎年楽しみにしています。

岡崎市の早川伸さん。82歳。かつて、NHKの報道記者として豊田、岡崎、豊橋など三河地区を中心に活躍。どこまでも車を走らせ、地元目線で根掘り葉掘り取材したレポートを伝えました。僕よりひと回りも年長で、職場も違いますが、その真摯な姿勢を学ばせてもらったものです。

現役時代に奥さまを亡くされましたが、前向きで「とことんやる」生き方は変わらないまま。
退職後はカルチャーセンターや自宅の庭で園芸の腕を磨いたり、子どものころからファンだった大相撲に入れ込んでいます。テレビだけでなく、本場所の溜席でも観戦。「相撲道」を熱っぽく語る口調に、大相撲に対する愛情を感じます。

ピー缶(ピース50本が入った缶)を背広のポケットに突っ込んで持ち歩くほどだった愛煙家は卒業しましたが、酒量に変化はないそうです。

ハーモニカを手にしたのは7年前。街歩きの途中、看板に誘われて入った日本を代表するハーモニカ奏者・柳川優子の演奏会で、調べと音色の美しさに感動し、すぐカルチャーセンターへ。75歳の新たな挑戦でした。

「楽器なんて何ひとつ手にしたことがなかったけど、あんな音を出せればと思った。でも生易しいものじゃないことを思い知らされました」と早川さん。

この日の発表会の出演サークルは、特別出演の幼稚園児以外は中高齢者が主力のサークル。その中でも最年長者だろう早川さんは独奏と合奏に出演。

「82歳です。先日『頑張る』の意味を辞書で調べたら『一生懸命やること』と書いてありました。きょうは、頑張ります」と、司会者が早川さんの言葉を紹介したあと、「おお牧場はみどり」を独奏しました。独奏が終わると、会場には「おおー」のどよめきと大きな拍手、「すごい」「やるなあ」の声が飛び交いました。
もちろん、僕も同感です。

「いま、薬は何ものんでいない。それだけでも自分は幸せだ。ハーモニカも吹けるし・・・」。そういえば、ことし頂いた年賀状の結びがすごいものでした。


「時々、120歳ぐらいまで生きてみたいと思うことがある。そして、100歳になった時、ハーモニカで『チゴイネルワイゼン』を吹いてみることも」


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「名古屋・興正寺の縁結びの樹」

2013-06-20 07:20:00 | アート・文化

 

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樹木、石、井戸、お地蔵さん・・・。神社やお寺の境内や参道を散策すると、恋愛、安産、受験、仕事、金儲けなどといった、ご利益やパワーを授かることができるというスポットに出会いますね。
 名古屋・八事の興正寺にあるのは、良縁成就を授かる「縁結びの樹」です。
五重塔をスケッチしている時、この樹の前で若い人、年配の人たちがたたずんでいるのに気付き、絵にしました。

この樹は、樹齢200年を越えるクロガネモチ。左右の枝が、何故か手を取り合うように繋がっているのです。
 

樹の下にある「なで石」を願かけしながら3度なでると、相手の心に通じて縁が成就するそうです。そばには札を吊るすところも用意され、「良縁成就」の願いでいっぱいでした。

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楽描き風景水彩画「興正寺の五重塔」

2013-06-16 08:43:33 | アート・文化

 

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 先日、名古屋市民ギャラリーで開催したグループ展を横浜から観に来てくれた勤め人時代の同僚の誘いで、一緒に名古屋・八事の興正寺でスケッチのひと時を過ごしました。参拝者や社会見学の小学生らに囲まれ、恥ずかしさいっぱいの1時間余。五重塔を見上げ筆を走らせました。
 

それにしても、五重塔とか、寺、神社などを描くのは難しいですね。
屋根、軒下、さまざまな彫刻物。どれをとっても世界に誇る古来からの日本建築・伝統工芸の粋ばかり。絵画だからと言って、これらをいいかげんに描くのは罰が当たるというより、造り上げた職人さんたちに申し訳ない思いにかられるのです。

だから僕はやや苦手にしているモチーフの一つですが、教室のスケッチ会でもこれらが対象になることが多く、逃げてはおられません。そこで、ノミ一本手にしたことがないまでも、敬意を込めて描こうと対象に向かっています。

僕と同様に定年後の趣味に水彩画を選んだという同僚も、興正寺名物の紫陽花を入れて五重塔を描き上げていました。彼は全国の五重塔を描くのが目標とか。すでに10カ所ほど描いたというだけあってなかなかの出来でした。


 次に掲載した一枚は、ときおり出かける奈良で猿沢池から見て描いた興福寺の五重塔。「これでは、観光ガイドブックの絵だ」と言われそうですね。

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楽描き風景水彩画「廃品オブジェ」

2013-06-12 17:43:40 | アート・文化

 グループ展が閉幕、ひと休みしていた水彩画の創作活動を再開しました。
ご覧いただくのは、5月3日更新の楽書き雑記「三重県桑名・多度地区での驚き」で紹介した廃品を使ったオブジェ作品を描いたものです。
                         
    
                       
              
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この「廃品オブジェ」は地域の人から「農業を腰痛のためにやめ、こんなものを創って楽しんでいる」と見せてくださった作品。長年使った農機具や台所用品、近所の子供らが届けてくれる廃品で「思いのままに」仕上げているそうです。

僕がこうしたものを絵にするのは初めて。
「描けるだろうか」と迷いましたが「気ままに創ったオブジェだそうだから、僕も気楽に描こう」と取り組みました。

「作品にコメントや題名を付けない。見る人が感じたままでどうぞ」ということでしたので、2体を並べて描き考えました。

思いついたのは、果樹栽培農家のちょっとおしゃれな若夫婦。朝早く「きょうは天気もよさそうだ。夕方までに作業が済みそうだ」と農薬散布に出かける場面、ということにしました。

迷ったのは背景をどうするかです。
実際には2体とも納屋の中にあって、周りには板ギレなどオブジェ制作に使われそうな廃品がころがっていましたが、それらを描くと絵が散漫になりそうです。
そこでストーリー性を出す色づけをするか、オブジェをクローズアップするため黒や濃紺で塗りつぶすかを検討した結果、まず左側のように早朝を思わす色づけをしました。
しかし、教室に持参すると「背景の色がオブジェをダメにしている」と先生。結局、黒と濃紺で塗ったのが右側の作品です。
「私は最初の方がいいと思います」「絵としては後の方だね」「どちらも・・・」。教室の仲間の感想は分かれました。

ところで、オブジェ作品に使われた廃品は何でしょう。みなさん、いくつ分かりますか。といっても、僕の下手な絵では分かりませんよね。
撮っておいた写真を詳しく見ると、例えばやかん頭の人形の胸の中には金網状のものが入っていますが、描けていません。

形を描けて、僕がこれじゃないかなと思ったのは次のようなものですが、もっとありそうですね。

  ①やかん②農業用噴霧器③ビニールホース④金属パイプ⑤バケツ
  ⑥金属製の蓋⑦ロープ⑧木製樽⑨空き缶⑩竹製ざる⑪おわん⑫金属棒
  ⑬金属板⑭金属しゃもじ⑮木製しゃもじ<o:p></o:p>

 

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楽書き雑記「次回への意欲新たに第6回風の游子展終わる」

2013-06-09 20:59:10 | アート・文化

名古屋・栄の名古屋市民ギャラリーで開いていた僕たち風景水彩画グループの「第6回の游子展」9日、閉幕しました。会期6日間にご高覧くださったお客さまは1,236人。温かなご批評、ご助言、ご指導の数々に、描くことへの意欲を一層高めました。

最も多いご批評は 「全メンバーが年ごとに上達している」でした。僕たちも「単に回を重ねるだけでなく、レベルアップしていく」をモットーにしていて、ことしも成果を感じていただけるはず、と自負していただけにうれしい反応でした。と、同時にそれは「来年はもっと高いレベルを、ということ」と、気を引き締めた次第です。
「6人それぞれの個性がすごく出ている」
「作品を見ていると同じ所へスケッチに出かけていることがうかがえるが、それぞれが違ったテーマを選んでいるのがいい」
「スケッチ旅行を楽しんでいるのを絵からも感じる」
などのご批評もいただきました。


僕個人に対しては「質感がよく出ている」「迫力を感じる」とのおほめの言葉。一方で「この調子で、さまざまな風景をじっくり描いてほしい」「身近で生活感のあるモチーフを期待する」という、うれしくも荷の重い励ましと注文をいただきました。
ありがとうございました。

さっそく、来年の「第7回風の游子展」の会場申し込みも済ませました。
がんばります。

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楽書き雑記「グループ展に先生から応援ブログ」

2013-06-05 23:07:15 | 日記・エッセイ・コラム

名古屋・栄の名古屋市民ギャラリーで開催中の風景水彩画グループ展「第6回風の游子展」に対して、メンバーが所属する朝日カルチャーセンター(名古屋)風景水彩画教室の講師・山田彊一先生が、ご自身のブログで過分なメッセージを寄せてくれています。

「定年後の人生を有意義に過ごす」というメンバー共通の思いを取り上げるとともに、作品へのコメントも掲載されており、僕たちも描くことへの意欲を一層かきたてているところです。

山田先生のブログ(http://artistyamakyo.blog75.fc2.com/)を開いていただければ幸いです。


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楽書き雑記「風の游子展開幕」

2013-06-04 20:44:20 | 日記・エッセイ・コラム

僕たち水彩画グループの「第6回風の游子展」が、6月4日(火)から名古屋・栄の名古屋市民ギャラリーで始まりました。初日から大勢の皆さんがご覧下さり、いただいた過大な評価や貴重なご指導に感激しています。6月9日(日)まで。

6人がこの1年間に描いた作品の中から、各自選んだ絵を合わせて54点展示。6人が所属する朝日カルチャーセンター(名古屋)水彩画教室の講師、山田彊一先生からは「定年後の生活に目標を持ち、着々と成果を出して第2の青春を謳歌している。その元気さを作品から感じ取っていただければ幸いである」とのメッセージももらいました。

気にかけていたお天気も、期間中は梅雨の晴れ間に恵まれそうです。ぜひ、ご高覧ください。お待ちしています。

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楽描き風景水彩画「絵仲間3人組、日本水彩展にそろって入選」

2013-06-02 17:32:21 | アート・文化

 


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このブログ「風の遊子の楽がきノート」の「絵仲間の快挙」(
2013326日更新)で紹介した3人組?が、第101回日本水彩展にそろって入選しました。3人はこの6月4日から名古屋市民ギャラリーで開催する第6回風の游子展のメンバーでもあり、描くことが一層楽しくなると喜んでいます。

3人は草野二郎さん、塚原徹也さん、そして僕(藤墳富弥)。
いずれも絵は中学時代で終わっていた元企業戦士。朝日カルチャーセンター(名古屋)の風景水彩画教室で出会い、スケッチ取材、美術館めぐりなどを楽しみつつ意欲的に描いています。

目標だった日本水彩展への挑戦は一昨年から。そして今回、初めて3人同時入選の喜びにひたることがきたのです。

草野さんは都合がつきませんでしたが、第101回日本水彩展が東京・上野の東京都美術館で始まった6月1日(会期は6月9日まで)、塚原さんと僕が出かけ、会場いっぱいの「ザ・水彩画」に、感動と意欲を新たにしてきました。

日本水彩展は東京のあと仙台、名古屋、広島、京都で開催。名古屋展は7月23日(火)から28日(日)まで、愛知県美術館で開催されます。

3人の作品を各自のコメント付きでご覧下さい。
 


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草野二郎さん?
 

画題【モノづくり】
       
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作者のコメント<o:p></o:p>

「グローバル化の進展で製造業の海外移転が盛んです。しかし、中小企業では、海外に負けまいと奮闘している企業もあります。ことに『汚い、きつい、危険』といわれる3K職場の鋳造業では、厳しい環境で企業運営をしています。また、製造を「カン、コツ」に頼ることが多く、その様子を絵にしようと取り組みました。様子が少しでも伝わればいいかな、と思っています」

 

?塚原徹也さん?
 

画題【門出の朝】


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作者のコメント
 

「朝一番の光は七色の虹を放ちながら、寝静まったしじまに一瞬のドラマを演じています。名古屋・堀川河口の小さな造船工房でのひとこまです」


?藤墳(ふじつか)富弥?
 

画題【歩道のレンガ敷き】

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作者のコメント
 

名古屋の通りでも、よく見かける道路工事現場の風景。車や行き交う人々の雑踏、騒音、排ガス、暑い日は地表の温度が40度を超える中で、黙々と作業する人たち。街歩き人からの感謝を込めて・・・」<o:p></o:p>