らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

「山形民謡によるバラード」から幻想曲

2009年05月11日 23時45分08秒 | 山形弦楽四重奏団
 山形弦楽四重奏団第28回定期演奏会で、幸松肇(こうまつ・はじめ)氏の「弦楽四重奏のための4つの日本民謡第2番」を取り上げました。その演奏会に幸松氏がわざわざ足を東京から運んでいただき私達の交流が始まりました。昨年度の山形Qは依頼演奏会があるたびに彼の曲を取り上げて、お客様に喜んでもらいました。その作曲者との交流の結果、第30回定期演奏会で「弦楽四重奏のための最上川舟唄」を委嘱・初演をしたのは昨日のように思い出します。

 私達のために曲を作曲していただいて、なおかつ演奏会に足を運んでいただき、初演に際し指導もしていただきました。

 その幸松肇氏より昨日新しい譜面が届きました。「~最上川舟唄」でも改訂したのだろうか?約束していた「改訂版~讃歌」の譜面を送って下さったのか?はたまた・・・??

 封筒の中身は

 高田三郎(1913~ 2000年)の「山形民謡によるバラード」から幻想曲 

 の譜面でした。

 高田三郎氏と言えば、私の母が最後に関わった合唱団でも彼を指揮者として呼んだり、作品を演奏したりして交流があった作曲家でしたので、私も親近感がある作曲家です。彼は合唱作品が多いのですが、弦楽四重奏曲を何曲か書いています。

 弦楽四重奏のための組曲「マリオネット」と
 この「山形民謡によるバラード」から幻想曲です。

 山形民謡による~は、もともとは管弦楽曲「山形民謡によるファンタジーと二重フーゲ」で、この曲は山形響でも演奏した事がありました。のちに山形民謡によるバラードと改題されたものです。

 弦楽四重奏版の山形民謡によるバラード」から幻想曲は、巌本真理Qがレパートリーに入れていたらしく、LP・CD等でも録音が残っています。現在は廃盤。

 曲の存在は知っていたので、山形Qと名乗っている以上いつかは演奏したいと思っていたのです。しかし、どうすれば譜面が手に入るべぇ~?と母親に遺族へお願いできないか?と実は依頼していました。70歳を過ぎた親がそんなに機動力があるわけでもなく・・・・・・。

 幸松氏が、巌本真理Qの友田啓明氏に譜面が無いか?訪ねてくれたのでした。その譜面は、チェロの黒沼俊夫氏の写譜で実際に巌本真理Qがその譜面で演奏していた恐れ多いものでした。

 うわぁ~良いのかこんな譜面を送っていただいてぇ~というのが正直な感想です。私達のような田舎のクァルテット馬鹿のためにたくさんの方が良くしてくれます。またまた人との繋がりを感謝せずにはいられません。

 この曲もレパートリーに入れないと・・。罰があたる・・・。

 巌本真理氏の没後30年を記念して3枚のライヴCDが発売になっています。日本の弦楽四重奏界唯一のスーパースター軍団を聴く良い機会です。是非とも手に入れて聴いてもらいたいです。ライナーノートは幸松肇氏が執筆しているそうです。

 この団体の黒沼俊夫氏(チェロ)は、日本のオケ・室内楽界のドン(言い方が正しいかはわかりません)までなった方です。実はご両親は山形市香住町と江俣の出身です。山形市に彼の記念館が出来ても良いくらいの存在です。山形大学でも教えていたので、山形響にも彼らに師事した団員さんが多いのです。山形大学の地域教育学科が特音と言われていた時代で、たくさんのプロの演奏家を全国に輩出しました。感謝を込めていつまでも、山形の音楽ファンは彼らの存在を忘れてはいけないと思っています。私達も含めて。
コメント
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