らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

Philip Glass(1937~)

2009年05月14日 23時35分33秒 | お気に入りのCD
 弦楽四重奏団は世界中に数多く存在していますが、全ての団体が古今の名曲だけを演奏しているわけではありません。ハイドンやモーツァルト、ベートーヴェン、そしてロマン派などの名曲には目もくれず、現代に作曲された曲だけに興味や団体としての使命を感じて活動する団体です。

 アルディッティQやクロノスQなどが、代表的な存在です。

 現代に作曲された(20世紀以降と今日は想定しましょう)所謂「現代曲」を聴かず嫌いの人は多くいます。現代曲というと無調で、何をやっているか理解出来ないという事を言う人もいるでしょう。しかし、現代に作られたというだけで毛嫌いしていてはもったいない気もします。

 現代に作られた作品というのは実に多様で、調性を持ったものもあるし、映画音楽のようなメロディを持った曲、民謡や民族の踊りのリズムなどからヒントを得た曲、全くただの音の固まりだけを曲の最初から最後まで演奏している曲など、あげたらきりがございません。自分の生きている同時代に作曲されたということで、古い曲よりも親近感が持てる曲も在るはずです。

 今の作曲家は一人一人の個性が大事ですから一人一人が違う発想で作曲するようになりました。古典派の作曲家などはモチーフさえ共有してそこに自分なりの個性を入れていく作曲法をとったとも言えます。

 現代作曲家の中には、ミニマル・ミュージックという音楽を作曲するカテゴリーの人達がいます。ミニマル・ミュージックを簡単に説明すると1960年代から盛んになった作曲方法で、音の動きを最小限に抑え、パターン化された音型を反復させる音楽です。

 山形響でも以前定期演奏会で、キラールの「オラヴァ」という曲を演奏しましたっけ・・・・。

 Philip Glassは、アメリカの作曲家で、本人はこのミニマル・ミュージックと言われることを嫌っているらしいですが、このカテゴリーに入るでしょう??

 今日あげたCDは、彼の第2番~第5番の弦楽四重奏曲が入っています。スミス四重奏団の全曲盤もありますが、私はこのクロノスQの盤の方が好きです。第2番~第4番は題名もそれぞれ付いていて『カンパニー』『ミシマ』『バクザック』となっています。特に第3番『ミシマ』はもちろん三島由紀夫の事で、楽章ごとの題名を分かって曲を聴くと、なかなか単純なことをやっている曲が深い意味を持ってくるように感じてくるのが不思議です。

 ミニマル・ミュージックについて知らない人に対してもう少し説明すると、例えばJ.S.Bachのチェロ無伴奏組曲第1番のプレリュードなども広い意味でのミニマル・ミュージックかもしれません。

 調性もあるし、意外と聴きやすい。珈琲などを片手にイージーリスニングして、癒される音楽と思いますよ。目をつぶって聴けば不思議な世界に行くことも出来ます。笑。
HMVジャパン
コメント
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